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CES DRMディスカッション:Ashwin Navin、「人々を違法ファイル共有に駆り立てているのはDRM」

CESで行われたDRMに関するパネルディスカッションのお話。DRMに関わるそれぞれの分野の人がパネルディスカッションを行ったらしいのだけれど、見た限りでは自分とのメリットのみを考えた発言が目立つなぁというのが正直な感想。それゆえ、ディスカッションの目的が産業としてのコンセンサスが必要だと言うところから始まっているらしいのだけれど、結局は縄張り争いの様相を呈してしまったといったところだろうか。

原典:InfoWorld
原題:Experts: Vendors need to reach DRM consensus
著者:Elizabeth Montalbano, IDG News Service
日付:January 09, 2007
URL:http://www.infoworld.com/article/07/01/09/HNdrmconsensus_1.html

専門家や産業の経営陣によると、DRMは最終局面を迎えているようだ。現在、DRMの議論は、5年前と同じくらいに高まっている。しかし、CES(International Consumer Electronics Show)のパネルディスカッションでそれら産業専門家は、デジタルマルチメディアファイルの購入が、平均的な消費者の間でもより普及してきたことから、デジタルコンテンツ保護についての産業のコンセンスサスが必要となるということに同意している。

DRMの将来が直面している事に関して、さまざまな分野の専門家が議論を行った。そこでは、音楽ダウンロードを苦しませた問題は、デジタルダウンロードが音楽だけではなく、それぞれにまた複雑さを持つテレビや映画にも波及していることから、問題がより難しくなっているということに同意した。

この場で、DRMについて口調を合わせた2つ企業は、マルチメディアデジタルコンテンツの販売やマーケティングに最も成功したMicrosoftとAppleであった。後者のiPodは最も人気のあるデジタル音楽プレーヤとして市場を支配しており、批評家はAppleがDRMを利用してiPodの人気を高めていると批判している。iTMSから購入できるいかなるファイルもiPod以外では再生できないためだ。

もしAppleが、Microsoft互換の製品(たとえばXbox360やIPTVサービス、WindowsMediaCenterPC)とのインタラクトが必要になるデジタルホームでも成功したいのであれば、同社はその方針を修正しなければならないだろう、と映画ダウンロードサービスMovielinkの最高責任者Jim Ramoは語る。

さらに「DRMの鍵となるテストは、じきにテレビにもたらされるであろうインターオペラビリティ(相互運用性)です。Appleがマルチベンダーによるリビングルーム戦略に、どう対応するのかが楽しみです。」と彼はいう。

しかし、Microsoftは、最近市場に投入された音楽プレーヤーZuneとZuneMarkplaceオンラインサービスで同様の手法を用いている。MicrosoftのWindows Media DRMフォーマットであるPlayForSureは、サードパーティのデバイスにもライセンスされているが、Zune Marketplaceで購入される全てのファイルはZuneでしか再生できない。

BitTorrentの共同創設者であり社長のAshwin Navinは、iTunesのDRMポリシーを、「爆発を待つ時限爆弾」といい、もしZuneも人気を獲得するようになれば、Microsoftのポリシーも同様のことが言えるとした。

「あなたがiPodやZuneのデバイスをたいそう気に入っているのであれば、iTunesやZuneの行っているユーザの監禁は非常に深刻な問題となります。しかし、あなたががそうでないならば、そのデバイスは(メディアを購入することに関しては)価値のないものでしょう。」と彼はいう。

このことが、合法的な購入よりも、違法なファイル共有によるダウンロードに人々を駆り立てる原因となっているのだとNavinは語る。

テレビ・ビデオ産業は、顧客を不快にすることなく彼らのコンテンツの再配信(違法アップロード)から守る方法を取りえたため、テレビ・ビデオコンテンツはDRM保護されたデジタルファイルへのスムーズな移行が行えるだろう、CH PotomacのマネジメントパートナーDavid Leibowitzは語る。同社は、映画、エンターテインメント、メディア、テクノロジーの戦略・コンサルティング企業である。

しかし、音楽ファイルにとってのDRMは悩みの種であることは続く、これは長年にわたって音楽フォーマットがオープンであり、たとえばCDなどは容易にコピーできたということに由来するだろう、とLeibowitzは言う。彼はRIAAの顧問弁護士を務めたこともある。

そのようなわけで、音楽ファンは音楽ファイルに施されるDRMを受けれがたいのだ、とIntelのテクノロジーグループの副社長であり、テクニカルポリシー/スタンダードディレクターのDon Whitesideは言う。

「音楽業界は、世界のどこにおいても保護のないメディアフォーマットが当たり前の環境にあったという、ユニークな環境にあったのです。複製や共有がる非保護のメディアフォーマット可能によって自由になっている20年後には、権利管理技術を市場に持ち込むことは非常に難しくなっているでしょう。」と彼は語る。

パネリストたちは、複数の点で、AppleとMicrosoftがDRMに関して手を結び、彼らのデバイスを相互運用させなければならないと提案した。しかし、両社だけではなく、採取的なDRMの方向性を決めるコンテンツプロバイダーの協力なくしては実現できることではない、とSling Media Incの最高責任者Blake Krikorianは言う。彼は「Appleといった企業をよりオープンにするよう仕向けるための交渉においては、コンテンツホルダーもその責任の一端を担うべきだろう。」とも語った。

前日のIDG News ServiceによるCESインタビューの中で、Microsoft's EntertainmentおよびDevices Divisionの社長Robbie Bachは、MicrosoftはDRMへのアプローチのより良い方法について「誰とでも(Appleも含めて)対話しています」と述べている。しかし、彼は翌日月曜には、最終的にギャップを埋める必要があるのは、コンテンツプロバイダーであると語っている。

「今ある本当の問題はを解決するのは我々ではありません。」とBachは言う。「我々は参加者です。しかし、最終的には、実行されるアプローチとそのポリシーを決めるのはコンテンツ側のなすことです。しかし、我々は彼らと共に働き続けます。あなたはそこでより良いDRMへの前進を目にすることになるでしょう。」と語った。
Ashwin Navinは比較的ユーザの側に立った発言をしているみたいだけれど、その彼のBitTorrent Inc.は今春、Windows DRMを用いたビデオ配信サービスを行う予定です。人のこといえるのかと・・・。ただ、言わんとしていることは非常に理解できる部分もある。お金を払ってまで窮屈な思いをするのであれば、お金を払わずに自由に使えるものを手に入れたいという願望が人々の中に起こったとしても、なんら不思議はない。ただ、それが海賊行為全般に当てはまる話でもないだろうけれどね。だって、現状ではCDは比較的コピーフリーなので、DRMによる拘束が嫌ならCDを買って自由に使うという選択肢があるのだ。もちろん、CCCDなどもあるが、全てにそれが施されているわけではない。

で、結局この議論、完全にDRMの行き詰まりをあらわしているだけだと思う。根本的な問題は、業界団体側がDRMというよくわからないものを未だに手放したくないけれども、AppleやMicrosoftの独占だけは許したくない、という非常に矛盾した欲求を持っていることにある。

シンプルに考えよう。現時点では、DRMとP2Pファイル共有の問題を同次元に語ることはナンセンスである。なぜなら、全てのオンライン配信サービスに著作権保護技術を施したところで、P2Pファイル共有に流れるのはクラックされてコピーフリーになったものか、CDやDVDからリッピングされたものである。そうなってしまえばDRMで保護すればよいとかそういう次元の問題ではなくなる。

では、どの次元の問題かと言えば、ユーザ同士のローカルな音楽共有や交換の問題になる。しかし、それがこれほどまでに問題になるくらいのものだろうか。これまでのユーザ間でのローカルなCDなどの貸し借りによって、ある意味では同じようなことが行われてきた。CD・レコードを貸し借りし、カセットテープやMDに録音する、それは比較的当たり前の行為だったはず。でもそれが音楽文化を下支えしていたものだったのではないだろうか。なぜならそれでも音楽文化は醸成されたのである。

結局、ことの本質がローカルなユーザ間の音楽共有であるにもかかわらず、オンラインファイル共有に目が向いてしまい、どうやってもDRMをご破算にすることができない音楽業界。もちろん、ユーザのフェアユースやプライバシーの侵害の問題を解決するような形で、著作権保護を実現できるというのであれば、そのDRMへの固執も理解はできるのだけれど、現状では効果も期待できなければ、ユーザに不快な思いをさえ、更には自らに不利益まで及ぼしていると。

機を逸すれば、いずれDRMを捨てざるを得ないときに、その代わりに私的複製補償金を要求したところで、タイムオーバーになっていることだろう。今ならまだ間に合う。今すぐDRMを捨て、私的複製補償金をiPodに要求する、それならまだ間に合うかもしれない。まぁ、反発はすごいだろうけど。

もしかしたら、音楽業界自体がこのDRMによる囲い込みを狙っていたのではないかとすら思えてしまう。自社の楽曲群のライセンスをより高く売りつけるためにDRMによるDevice/Store一体の戦略を利用しようとしていたのかもしれない。しかし、iPhoneよろしくAppleは、同業者が逆立ちしても適わないくらいにユーザを酔わせる天才だったのだ。それによって彼らのもくろみは脆くも崩れ去ったと。残るのは、Appleの商才を読みきれなかった自らの甘さへの後悔か。でも、その戦略も捨てきれないのかもしれない。

DRMの問題が、ユーザ囲い込み問題がメインになっている音楽業界は、いつになったらユーザの方向を向くのだろうか。泥棒扱いされ、不自由な思いをしてまで、音楽を聴き続けようなどと思う人がどれだけ残るのだろうか。それでなくても、短期的な収益のみを求め、消費財としての音楽を大量生産することを第一の目標としている音楽業界である。もしかしたら、十数年後には、4大メジャーが全て合併して、今時流に乗った新しいレーベルがそれと匹敵するメジャーカンパニーになってたりしてね。

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[memo]CES DRMディスカッション:Ashwin Navin、「人々を違法ファイル共有に駆り立てているのはDRM」
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-196.html タイトルは少々扇動的だが、音楽配信ビジネスの DRM という手段のアンビヴァレンスについて整理されている。
2007.01.18 07:26 | [ ゜皿゜] cymelique online (・∀・ )
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