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音楽団体、ISPに対してファイル共有webサイトへのアクセスをブロックするよう求める方針

IFPI(世界規模の音楽団体)の2007年版Digital Music Reportの中に、P2Pファイル共有における著作権侵害に対する今後の対策についての非常に面白い記述があり、その中でIFPIは、ファイル共有に関するwebサイトへのアクセスをブロックするようISPに求めているよというお話。しかも、それを正当化するために中国政府が要求した検閲をGoogleが行っているではないかと主張している。これって自ら検閲を強制しようとしているって宣言しているようなものだと思うのだけれど・・・。

原典:Zeropaid.com
原題:Record companies want ISPs to block access to file-sharing websites
著者:soulxtc
日付:January 19, 2007
URL:http://www.zeropaid.com/news/8258/

レポートはまず、CDセールスの減少が、オンライン・モバイルセールスの好調を含めても、説明がつかない、ということから始まる。たとえ2006年の(オンラインミュージックの)売上が(前年の)2倍、およそ20億ドルに達していても、彼らは未だに、総売り上げのたかだか10%ほどでしかないと説明する。彼らは2010年までに少なくとも(その比率を)25%にまで伸ばしたいと望んでいる。

続いて、オンライン海賊に対する「大勝」を宣言し、彼らは「我々の権利を徹底的に強制する、そしてそれを今後も続ける」としている。

面白いことに、KaZaA(malwareの化け物の屍*1)との和解によって1億1500万ドルを得たことを、名誉であるかのように考えていることだ。

大半の人が(KaZaAから)他のより安全で適切に設計されたP2Pプラットホームに移行してから5年も経った後のKaZaAを引き摺り下ろすことが、彼らにとって、どれほど大きな功績であったかと思うと、このような話を見るにつけ、おかしくてしょうがない。更に言えば、この前チェックしたのだけれど、今でも2001年のころのようにKaZaA Liteを利用していた・・・彼らの主張する勝利はどこに存在する?

IFPI会長兼CEOのJohn Kennedyはこう語る。「我々は以前、インターネット上でそのような犯罪者を探し出すことなど、決してできないと言われた。我々は、我々の見つけることのできない場所に彼らが隠れていると言われた!」

あぁ、そうだそうだ。彼らは確かに犯罪者を見つけだした。障害を持った老婦人から、亡くなっている父親、罪の意識すらない子供まで*2

レポートの中にキャンペーンの成功事例として、アルゼンチンのある母親が、肩代わりした息子の和解金を取り戻すために、息子に車を売却させた、という話があげられている。失業率13.6%、1人あたりの国民所得が13.2987ドルの国でよくやったと感心する。

それから、「我々は世界規模で違法ファイル共有者に対する約30,000の法的措置を行った。そしてこのリサーチが示すとおり、これらの措置は非常に有効であった。」という。欧州での違法ファイル共有は、ブロードバンド世帯が30%も増加しているにもかかわらず、抑制されている。」しかし、そこでは、欧州のインターネットトラフィックの70-80%がファイル共有によるものであるということが語られていない。再び・・・彼らの戦略上の勝利ってどこにある?

さて、次が一番このレポートで面白いところで、IFPIが新たな戦略についてどのようなことを将来予定しているのかのヒントを与えてくれる。
IFPIの2007 Digital Music Reportに会長John Kennedyの発言として以下のような文章が掲載されている。3ページ目の左側のところ。
個々のアップローダに対する訴訟を行うことは非常に面倒で不経済である。更に我々がアップローダを取り締まらなければならないわけでもない。その仕事は我々のものではなく、webのゲートキーパーであるISPによってなされるべき仕事である。彼らはそのような責任を負うのであれば、彼らには確実に著作権侵害に対処する技術的な手段を持つ。

あなたがインターネットを制御しようとすれば、あなたはニューメディアの敵とされるだろう。しかし、Googleは中国政府に検閲が可能であると約束をした。さらにGoogleはBMWを、その反社会的行動によってインターネットの世界でブラックリストに入れた。そのような警備は、知的所有権以外には、いろいろと許容されているようだ!  
 
ISPの協力によって、我々は世界規模でのコンテンツ海賊行為と対峙する際に、大きな前進を遂げることができた。深刻な著作権侵害ユーザに対するサービスの切断は、ISPネットワークにおけるスピード違反の罰金や駐車違反切符のように扱われるべきである。我々は政府に働きかけて、ISPが自らの責任を直視しなければならないことを明確に規定し、著作権侵害ユーザの(ネットワークからの)切断を要求する。とはいえ、2006年の末、英政府はこの件について促進する意向を示しており、その具体的な進展について2007年12月を最終期限とすることを示した。
と、John KennedyはGoogleが中国政府の意向を受け、中国国内での検索を検閲していることを引用して、ISPによるファイル共有関連のwebページへのアクセスをブロック、つまり検閲するよう求めている。まぁ、なんというか身勝手すぎやしないか!?会長の発言以外にも、これを支持するような記述が散見された。
レコード産業は、アップローダへの大規模な法的措置が、インターネット上の海賊行為のセカンドベストであることを認めている。ベストの答えはそのソースにより近い者が問題に取り組むということである。つまりISPは、著作権を侵害するモノへのアクセスを制限し、それによって大多数のオンライン海賊行為を減少させることへの鍵を握る。そして彼らはその力の及ぶ範囲でそうすることができる。
児童ポルノへのアクセスをブロックするのに用いるのと類似した技術を、ファイル共有によって音楽の著作権侵害を助長するwebサイトへのアクセスをブロックするのにも用いることができる。
確かに、児童ポルノに対するアクセスへのブロックは妥当だと考える。それを助長することは新たな被害者を生むことになり、 子供を守るという点ではそうであるべきなのだろう。しかし、そのような背景を排除して、合理的に考える。なぜ、児童ポルノへのアクセスを制限できるのか、それは1982年の下されたFeber判決に基づいているからである。これは米国最高裁が、児童ポルノは米国憲法第1条に保障されている表現の自由の対象外であるとした判決であり、児童ポルノに関する検閲はこれに由来する。 以下に児童ポルノといえども、このような背景によってその制限が可能となっている。

しかし、ファイル共有関連webサイトについてはどうだろうか。 決して表現の自由の保障の外に置かれているわけではない。 業界団体はかつて、DCMAによって言論の自由、表現の自由を統制しようとした過去を持つ。そして、それは成功した。少なくとも、米国においては、DVDのプロテクトを解除する技術を提供することは許されていない。もちろん、その目的がフェアユースの範囲に収まるものであってもだ。彼らは再びそれを繰り返そうとしている。確かに違法ファイル共有は問題である。しかし、だからといって何をしても許されるわけではない。音楽業界がすべきことは、正規の手段、つまり裁判によってファイル共有webサイトの違法性を明らかにし、さらにそれが言論の自由、表現の自由の範囲外であることを示し、それから政府、ISPに働きかけるという手順をとるべきだろう。中国と同じことをしたいなら、シーランドでも買収して、そこで好きに検閲でも何でもすればいい。

*1KaZaAはmalware(Spaywareが含まれていた)であったことが発覚し、ユーザから袋叩きにあっている。そのため、多くのユーザが スパイウェアの除去されたKazaa Liteへ移行した。

*22003年の一連のKaZaA訴訟では、間違って老婦人を訴えてしまったり、罪の意識すら芽生えていないであろう12歳の女の子を訴えたりと、あまりに傍若無人すぎないかという批判を受けた。

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