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DRMの目的は海賊行為対策ではなく、ユーザから搾り取ること

DRMの唯一の目的は、あなたの権利を最小にすることで、業界団体の利益を最大にすること。それによって彼らはより多くのものをあなたに売りつけることができるよ、というお話。DRMによって利用可能なデバイスや再生の制限を加えることで、その制限を越える利用をしたいときには、例えそれがフェアユースであっても、改めて購入せざるを得なくなる。といっても、そこまでして購入したいと思う人などいないだろうけど、それでも、業界団体の「もしかしたら」という可能性のために、制限されているという側面もあったりする。

原典:arsTechnica
原題:Privately, Hollywood admits DRM isn't about piracy
著者:Ken Fisher
日付:January 15, 2007
URL:http://arstechnica.com/news.ars/post/20070115-8616.html

私はここ10年の間、デジタル著作権管理が海賊行為とはほぼ無関係であると主張してきた。それは、その(表向きの海賊行為対策の)代わりに、フェアユースを妨げ、それによって以前にはなかった新しい収益の流れを作るために、狡猾に仕組まれた計略である。その典型的な事例を紹介する前に、ここで私の議論を短く紹介する。

The Theory

DRMのようなアクセスコントロール技術は、計り知れないほど多量の「欠乏」、つまりデジタル世界の再生産における「欠乏」を引き起こす。その初期のころ、CSSのような技術がDVDのコピーを防ぐとして多少の非難があった。しかしDRMはそれどころではない問題を引き起こしている。現在それは、行動制限スキームとなっている。つまり、これを許可する、あれを禁止する、あなたをモニターする、自動で期限を設定する、といったことである。そうそう、あなたはビデオを見るとか、音楽を聴くこともできるんだった。

基本的な点としてアクセスコントロール技術はますます洗練されている。新規に望まれた製品市場(例えばポータブルデジタルデバイス向けの映画)を作り出す場合、スタジオは(顧客の)製品への欲求を生み出し、それを持続させることが必要とされるため、欠乏(DVDリップの違法化)を作り出すことを可能にするDRM(と法律)に、その努力を向ける。しかし、彼らはこのことを認めず、それどころかこれが海賊行為に起因するものだと主張する 偽の調査結果を持ち出してくる。それは古典的なベーシッタースキームである:「あなたたちの中に信用できない子がいるから、みんなをそう扱わなければならないの。」しかし、このベビーシッターが自分の利益のためにそうしていることをみんな知っている。

すべてが嘘であるように、その芝居が終わりを告げたとき、計画が破綻する瞬間がやってくる。映画スタジオにとってそれは、彼らを悩ます海賊への対策ではなく、顧客から最後の1セントまで搾り取ろうとするビジネスモデルであることを認めざるを得ない瞬間である。

要約すると:DRMの唯一の目的は、あなたの権利を最小にすることで、彼らの利益を最大にすること。それによって彼らはより多くのものをあなたに売りつけることができる。

The History

歴史は、(特に悪い部分は)繰り返す。しかし、私が最も理解に苦しむのは、映画産業が歴史から何も学んでいないということである。1982年、当時のMPAA会長Jack Valentiは、VCR(ビデオデッキ)の所有という新たに出現した現象に関して下院議会で証言した。そこで彼は「私があなた方に言いたいのは、アメリカ映画製作者とアメリカ市民にとってのVCRは、1人で家にいる女性にとっての*1Boston Stranglerなのだということです。」という有名な発言を残している。

Valentiは、VCRがアメリカ映画製作者にとって、これまでで最良の友人であるという主張に対して彼はこう言い放ったのだ。彼や多くの産業の人たちは、市民がVCRをどのように使うかついての決定を彼ら自身に許すのは基本的に間違いであると考えていた。業界団体は、VCRを利用することで全員が支払うことなく、複数の人たちが同じ映画をみることができるではないかという懸念を表明しさえした。固定価格で映画を購入し、友人を招いてそれを見るという考えは、産業にとって憎悪の対象であった。

それでも1990年代後半まで、VHS映画の売上高は、映画チケット販売額より多くの収益を生み出していた。DVD(VHSとBeta maxに代わるもの)は、その突出した利ざやのおかげでチケット収入との差を更に広げた。"Boston Strangler"はどこにもいなかった。もちろん、ハリウッドはVCRとの戦いに敗れたが、その敵はこれまでで最良の親友となった。・・・つまり、行動を制限するDRMが誕生するまでに、ハリウッドは打ち出の小槌を試す機会があったのである。

The Practice

とりあえず、海賊行為への弁解をいったん脇に置こう。あなたはオンラインで、ほとんどすべてのDVDを無料で見つけることができる。DVDのCSSは既にクラックされ、アップロードされているためだ。これらの新しいDRMスキームのすべてが、その1つのシンプルな事実を変えられるわけではない:少なくともDVD市場にとって、海賊のライフスタイルは、ダウンロードするためのソフトウェアが容易に入手可能であるという問題である*2。DRMによって海賊行為が抑えられるという証拠は全くないのだ。実際、すべての証拠がそれとは正反対のことを示しており、DRMは「正直な人たちを正直なままにしておく」という発言は、侮辱的ですらある*3。もし彼らが既に正直ならば、彼らはDRMを必要としないだろう。

では、VCRのときに思いがけない利益を与えられた(その後のDVDでは更なる爆発的な利益を上げ続けた)にもかかわらず、なぜそれをiTunes Storeのような人気サービスは受け入れられないのだろうか?TVネットワークがダウンロード可能なビデオのおかげで利益を上げ、視聴率を跳ね上げているときに、どうしてiTunesで新作を販売する唯一の映画スタジオがディズニーだけなのだろうか?

先週のBusinessWeekのRonald Groverの記事が本当なら、問題はリベラルなDRMであり、それは海賊行為ではないということになる。そしてこのことは驚くべきことでもある。記事によると、匿名のスタジオ役員は、映画スタジオがiTunesや他の類似サービスに参加しない主な理由として、彼らのDRMがあまりにいい加減である、と語っている。「(Appleの)ユーザ規約は、我々を脅かすものだ」と。その懸念は海賊行為に対してではなく、あなたの購入したコンテンツをあなたが使う方法を制限する手段に対してである。

結局、5つのデバイスでの再生を許可する(Appleの規約)というのは業界団体からすれば多すぎるのである。それは海賊行為同様に明らかに"悪"であると、彼らの目にはうつる。ハリウッドは、iTunes Storeの顧客が彼らの友達のデバイスを許可リストに加えると思い込んでおり、購入したものを共有する凶悪な共産主義者のように見ている。これはほとんど無意味なことである。iTunes上で、一度にそれだけのデバイスに認証できるというだけなのだから。あなたは友人とファイルをシェア(コピー)することができる。しかし友人はあなたが購入したコンテンツのすべてを再生するために認証されなければならない。そして、認証する。なんて不便な・・ん?しかし、これがそこまで大きな問題だろうか?

私はBest Buyに行き、そこでDVDを買い、それを私の知っている人みんなに貸す。友達や同僚にDVDを貸さない人なんているのだろうか?これは全くもって合法的な行いである。しかし、ハリウッドはこれすらもDRMを利用して封じ込めようとしているのである。DMCAのおかげで、いったん著作権で保護されたコンテンツが暗号化されれば、あなたの権利は窓から外へ飛んでいってしまう。

それはまるで、悪いハリウッドの寓話のようだ:「世界のどこかに...DRMはリベラルで...1羽だけ...汚れていない鳥...チキンリトル。そして、とてつもない、ことが、起こっていた。」<映画のナレーション風に>

*1ボストン絞殺魔という1960年代にボストンを恐怖に陥れた連続殺人犯(参考:Boston Strangler*2コピーのされやすさ、されにくさの問題ではないということ。 *3DRMがあるおかげで、人々が海賊行為に走らない、逆を言えば、善良なユーザでもDRMなければ、海賊行為に走るのだというMPAAの主張に対して。

結局はユーザのフェアユースを制限して、それによって利益を上げようとするために、DRMを利用したいという意向があったということ。まぁ、少なくともAppleはそれを逆手にとって囲い込みを成功させたのだけれど。今になってようやく、その脅威に気づいたものの後の祭り。最初からOpen DRMの使用を求めるとか、そういう努力をしておけばこういうことにならなかったのだろうけれど、デバイス間での隔離が、複数デバイスごとのコンテンツ購入を促すとでも思ったのだろうか?

ここでも、違法ファイル共有とDRMは全くの別物であると議論されている。確かにローカルなカジュアルコピーの問題はあるにせよ、それは以前から行われてきたことであり、それによって新たな損害が生じる、とは言い切れない。もちろん、そのコピーが容易になったことで、その問題は深刻化しただろうけれど、かといってそれがユーザの自由を大幅に制限してまで保護されるべきか、という問題の答えにはなりえない。

購入した個人をアイデンティファイし、それ以外の利用を回避することができたとしても、彼らはフェアユースにかける制限を解除することはないだろう。このままだとね。

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