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イタリア:「営利目的でなければダウンロードは合法」

イタリアでのP2P訴訟において、P2Pネットワークを構築していた元大学生2人が、そこでの複製行為(ダウンロード)を著作権侵害であると訴えられていた件で、最高裁は ダウンロード自体は違法ではないという判決を下したよというお話。ただ、この事件は1994年のことを問題にしており、現在のようなインターネット上の犯罪に少しずつ対応している著作権法の元で争われたものではないこと、ダウンロード自体は比較的合法的であるということから、この判決が業界団体に与える影響は非常に小さいものであると見られているようだ。

原典: ITMedia News
原題:「営利目的でなければダウンロードは合法」、イタリア最高裁判決
著者:Associated Press
日付:2007年01月23日
URL:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/23/news053.html

イタリアの最高刑事裁判所は先日、映画や音楽、ソフトウェアなどを含むコンピュータファイルをダウンロードしても営利目的でなければ犯罪にはあたらない、とする判決を下した。ただしアナリストは1月22日、この判決の影響はさほど大きくないだろうと指摘している。

 最高刑事裁判所が判決を下したのは今月のことだが、その内容については、先週末に初めて同国メディアで報じられた。この最高裁判決は、1994年にP2Pネットワークを構築したトリノ工科大学の元学生2人(ネットワークはその後、数カ月で閉鎖された)に対して言い渡されていた有罪判決を覆すものとなっている。被告側弁護士のカルロ・ブレンジーノ氏によると、2人は違法な複製行為を行ったとして有罪判決を受け、1年の刑期を言い渡されたが、その後、控訴審で刑期は3カ月に軽減されていた。

 最高刑事裁判所はこの有罪判決を棄却し、何ら金銭的な利益を得ていないのであれば、いわゆるP2Pネットワークからコンピュータファイルをダウンロードする行為は犯罪にあたらない、との判決を下した。P2Pネットワークは、高速ブロードバンド接続を介して、コンピュータユーザー同士がデジタルファイルを共有するためのものだ。

  アナリストによると、たとえデータのダウンロードが有罪にならないとしても、例えば、コピープロテクトを解除するなど、著作権を侵害する行為は依然として違法と見なされる。
ということで、判決はこのP2Pネットワークを構築した2人の大学生が、違法に複製行為(つまりダウンロード)をしていたことについて、争われたものである模様。この2人が問われていることは、アップロードによる著作権侵害でもなければ、P2Pネットワークを構築による著作権侵害の助長でもない点に注意が必要かもしれない。それと、問題にされているのが1994年の著作権法自体がインターネットに対応していなかった時代のものであるということも理解しておく必要がある。
デジタル技術関連のシンクタンクであるAssodigitaleの社長でアナリストのカルロ・アルベルト・カルネバーレ・マッフェ氏は、次のように語っている。「この判決は、合法な行為と違法な行為の境目を明確にするための非常に中間的なステップと言える。P2Pそれ自体は違法ではない、ということを示す重要なステップでもある。著作権で保護されたファイルのコピープロテクトを解除し、それを営利目的で配布するといった著作権侵害行為は、依然として違法と見なされる」
RIAAによって、この手の訴訟がさかんにおこなわれている米国に比べて、イタリアでのこの手の訴訟は件数が少ないってことなのかな。ただ、米国でこの裁判を行ったとしても、非常に厳しい戦いになるだろうから、RIAAのようにアップローダを狙い撃ちにする方が効率的だともいえるかもしれない。まぁ、そのやり方はひどいものだけれど。RIAA的には、ダウンロードだろうとアップロードだろうと、強烈に脅して和解に持ち込めばいいんだよ、どうせ訴訟しても金も力もろくな弁護士もつかないから、こっちのやり方でいくらでも追い詰められる、ってとこだろうけど。
さらにマッフェ氏によると、交換されるデータ(それが音楽であれ、映画であれ、ソフトウェアであれ)を作成している人たちよりも、インターネットサービスを提供している人たちを大切に扱っているという意味で、この最高裁判決は基本的にはサービス提供者に味方しているが、イタリアではブロードバンドの普及が遅れているため、この判決の影響力は限られるという。

 Forrester Researchの技術アナリスト、ヤップ・ファビエ氏も、頭が痛いのは、ダウンロードではなく、配布用にデータをアップロードする行為をどう判断するかだ、と指摘している。「問題は、第三者が使用できるようデータを提供するという行為だ」と同氏。

 著作権問題を監督しているイタリア著作者出版社協会(SIAE)は声明を発表し、この訴訟は、著作権で保護されたデータをインターネットで金銭的な利益なしで共有している人に罰金を科すという現行の法律に先立って起こされたものであるため、今回の判決は作者の権利という点では何ら変革をもたらすものではない、と述べている。

少なくともイタリアでも、送信可能化権のようなものも存在し(日本のような細分化されたスタイルではないかもしれないけれど)、それを侵害することにはなるだろうから、ダウンロードは違法ではなくても、アップロードは違法ってのは万国共通なのかも(ただしスウェーデンではダウンロードも違法になりうる)。とはいえ、このようなダウンロードは合法だってのは、今後も通用するかといえば、必ずしもそうではない。この判決を下したイタリアでさえそう。というのも、EU議会でVivendi元CEOの嫁が、都合のいいように著作権規定を改正しようとしている、という動きがあるため。

その辺について、Zeropaidは、この裁判に関するエントリ中でこのように記している。
判決では、営利目的でない限り、P2Pやファイル共有ネットワークからコンテンツをダウンロードしたり、共有したりすることは違法ではない、ということが示された。

これが意味するものは、ユーザがダウンロードを可能にするために、暗号化されたDRMを解除するときにだけ、ユーザは著作権保護法違反で有罪となるということである。

コンテンツを共有し、ダウンロードすることは「合法」なのである。

しかし、この勝利は短期的なものかもしれない。なぜなら欧州議会には未だ先行きの見えない法案がある。それによると、著作権保護された作品やモノを共有したりダウンロードすることを「重罪」とみなす。

現在の法案は以下のものを含む;

1. 加盟国は、商業的なスケールでの意図的な知的所有権の侵害が、犯罪とみなされることを確認する。

1a. 以下の要素が累積的になされるならば、加盟国は意図的な知的所有権の侵害が、犯罪とみなされることを確認する。
(a)営利目的での商業活動
(b)権利保有者に重大かつ直接的な金銭的存在を与える目的
(c)著作権に関わるものの計画的かつ意図的な侵害

1b. 以下の要素が累積的になされるならば、加盟国は商標権侵害が、犯罪とみなされることを確認する。
(a)商品に関して商標と同一の標示、または登録された商標のつけられたサービスと同一のサービスの使用
(b)営利目的での商業活動
(c)権利保有者に重大かつ直接的な金銭的存在を与える目的
(d)商標に関わるものの計画的かつ意図的な侵害

また、著作権問題を監視するイタリアの機関SIAEは、この判決が短命である可能性について同意している。その声明の中で、この裁判は、現行の営利目的でなくても、インターネット上で著作権で保護されたモノを共有することに対する罰金を求めた法律に先行する事件を扱っているため、この判決が著作者の権利に関して、いかなる「革命」をももたらすものではないと発言している。
とまぁ、EU議会における著作権保護規定を挙げているわけです。これが成立すれば、違法ファイル共有ネットワークへの参加自体が商業的な著作権侵害活動(たとえば工場で海賊盤を作成して輸出、もしくはそれらを営利目的で輸入する)と同罪となり、罰金の上限もそれにあわせたものになるとか。また、ダウンロードのみであってもこの条項を累積的に満たすものであれば、営利目的でなくともこの規定が当てはまる可能性は非常に高い。というのも、この法案が音楽業界団体のロビイストから提出されているわけですから。最低でも罰金の上限は1億円程度にすべきと、Vivendiの元会長の嫁は主張している模様。

日本でもダウンロード行為自体を違法化する動きもあるようだし、今後はどうなるか注目していく必要がありそうです。

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