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BitTorrent対Vista:海賊行為に挑むMicrosoft

Vistaの一般発売が始まり、それなりに盛り上がっていることになっているらしいので、それっぽい記事を紹介します。VistaやOffice 2007への海賊行為による影響を抑制しようとするMicrosoftの試みと、ソフトウェア業界の抱える海賊行為と深刻さはどれくらいなの?というお話。この記事の論調としては、それほど効果は上がっていないし、しかもソフトウェア業界が抱えている海賊行為による被害って映画産業や音楽産業に比べたら、屁でもないよねといった感じ。そこまで言ってやるのも酷な気もするけど・・・。

原典:PC ADVISOR
原題:BitTorrent pirates threaten Vista launch
著者:Eric Lai
日付:January 27, 2007
URL:http://www.pcadvisor.co.uk/news/index.cfm?newsid=8217

Microsoftが消費者に向けてVistaとOffice 2007の発売開始を目前にして、彼らは5年前に登場した以前の主要コンシュマーソフトウェア(訳注:Windows XP)の時には存在しなかった新たな敵に立ち向かう。その敵とは、BitTorrentとして知られている人気のファイル共有ネットワークである。

この第三世代P2Pサービスは、既に数千万人ものインターネットユーザに利用され、海賊版ソフトを手に入れたい人々にとって人気のメカニズムとなっている。

カリフォルニアを拠点とするアンチ海賊行為コンサルティング企業であるBay TSPの最高責任者、Mark Ishikawaによると、「市販されているいかなるソフトウェアでっても、BitTorrentで入手可能です。」という。

むしろ、VistaとOffice 2007の場合は市販すらされていなかった。両製品は、11月末にビジネス向けにリリースされた。しかし、更にその前に、両製品の『クラック』されたコピーがBitTorrent上で入手可能であった。

1月中旬現在、100以上のOffice 2007、350以上のVistaが個々にP2Pサービスで入手できる状態であった。Vistaの初期のコピーをクラックした海賊たちは、Microsoftの最新のアンチコピー技術、Software Protection Platform(SPP)を回避した。SPPが、インストール後30日以内に、合法的な、有料のライセンスキーを使ってインターネット上でMicrosoftにレジスト(登録)しなければシャットダウンするというものである。

Microsoftは、SPPを回避する3つの異なる方法が既に見つかっていることを控えめに認めている。彼らは、そのうちの1つFrankenbuildを克服することができたと発表している。それはベータバージョンとファイナルバージョンのコードを組み合わせているために、そう呼ばれている。しかし、今だそれ以外の複数のクラックを克服したというアナウンスはされていない。それらの中には、Y2Kからアイディアを得たようなものもあり、それは(訳注:レジストの期日を)30日間ではなく2099年までアンアクティベーション化させるという方法である。

「海賊たちには無限の時間と資源があります。解読できない暗号は誰にも作ることはできません。」とBay TSPのIshikawaは語る。2005年から続けているBay TSPの最新の調査によると、BitTorrentやeDonkey、その他のP2Pネットワークで広く流布しているソフトウェアパッケージ25個のうち6つがMicrosoftのものであった。Office2003は、AdobeのAcrobat7に続いて、二番目にコピーされたソフトウェアであった。他にも、InfoPath 2003、FrontPage 2003、Visio 2003、Office XP、Windows XPが広くコピーされていたMicrosoft製品である。

MicrosoftのGenuine Software Initiative責任者であるCori Hartjeは、SPPが、それ以外のコーポレートボリュームキーの悪用を取り締まるMicrosoftによる努力と共に、前のもの(Windows XPなど)と比較してMicrosoftの最新製品のコピー率を減らすことができると確信し続けている。

しかし、同社の努力はそれだけにとどまらず、複数の正面で反撃する。新しいソフトウェアをちょっと試してみたいだけかもしれないダウンローダのために、同社はVistaの無料のオンラインテストドライブと、Office 2007の60日間のトライアルを提供している。

P2Pに最も熱心なユーザ層である若者たちに向けて、ほとんどの言語においてMicrosoftはWeb上でコミックを公開し、ソフトウェアに対する海賊行為を非難している。

そして、1月の終わりには、同社はP2Pネットワークから海賊版ソフトウェアをダウンロードしているユーザが、ウィルスやスパイウェアの感染への危険に自らを晒しているということを示す統計を発表した。

Microsoftに委任されたIDCが昨年10月に公表した調査結果によると、P2Pネットワークからダウンロードされるキージェネレータやクラックツールの60%が、悪意のある、もしくは不必要なソフトウェアを含んでいるという。同様に、キージェネレータ-ユーザがコピーされたMicrosoftソフトウェアをアクチベーションするために入力を必要とする英数字文字列を生成するソフトウェア-を提供しているwebサイトの4分の1に、そのようなソフトウェアが隠されているという。

Hartjeは、多くの海賊たちがBitTorrent上に、彼らがクラックした製品に加えて、malwareを無責任にアップロードしていると主張する。「彼らはクリーンではないかもしれないにもかかわらず、ウィルスがソフトウェアに含まれえているかどうかを気にしないのです。」と彼女は言う。

IDCの調査者は、malwareを検出するために、人気のあるMcAfeeやSymantecのアンチウィルスパッケージを使用した。しかし、調査者は、非常に深刻なウィルスやスパイウェア、有害ではないにしても不必要なアドウェアのようなコードを検出することができなかった。IDCも、複数のP2Pネットワークが、ユーザが接続を行う前に、「大部分の悪意あるソフトウェアを排除する」ビルトインウィルススキャンを使用していることを認めている。

一部の懐疑論者は、Micrsoftの『教育』キャンペーンが主にFUD-Fear(恐れ)、Uncertainty(不確実性)、Doubt(疑い)-を消費者の心に植えつけるための試みであると主張する。それは同社が過去にそう呼ばれ、そして逆効果になった戦略である。

「偽造ソフトウェアにウィルスやスパイウェアが含まれていることを消費者に警告することは、Microsoftにとってはすばらしいことかもしれませんが、ほとんどの場合、私はそれが効果的であるとは思えません。」とインディペンデントなコンサルティング企業Directions on MicrosoftのアナリストPaul DeGootは言う。彼はMicrosoftによって行われているそれ以外のアンチ海賊行為への努力に関しては賞賛している。

Microsoftは、消費者を怖がらせることを望んでいると彼は言う。なぜならば、これまでに同社が行ってきた、罪や恥の意識によってダウンロードを抑制するという努力が、ほとんど成功しなかったためだという。更に、同社は消費者が離れていくことを恐れて、偽造ソフトのエンドユーザを訴訟のターゲットとすることはめったにない。

「我々の主な懸念は、海賊が無防備な消費者にニセモノを手に入れさせることを防ぐことです。」とMicrosoftの上級弁護士Matt Lundyは言う。

一方、MicrosoftがWindows XPをリリースした2001年後半、P2P技術は大きく進展した。そのころは、NapsterとGnutellaのようなP2Pネットワークは、単に音楽ファイルを交換するのに用いられているだけであった。それ以降は、Napsterは閉鎖され、AppleのiTunesのような合法的な有料音楽サービスとして再開することとなった。第二世代のGunutellaは、その古くなった技術と、レコード産業による部分的な無力化、Gnutellaネットワーク内に音楽ファイルに偽装したおとりファイルで溢れさせることによって、その人気は弱まっていったとIshikawaは言う。

それに続いて、他のP2Pネットワークよりも速いファイル転送とダウンロードの信頼性を誇るBitTorrentが主流となった。BitTorrentはDVDやソフトウェアをコピーするための最初のP2Pネットワークというわけではなかったが、それは大きなサイズのファイルの交換を現実的なものにした最初のネットワークであった。さらにBitTorrentは、自動的におとりファイルやウィルスの両方からネットワークをクリーンにすると主張している。

後者は、音楽業界によってなされていたアンチ海賊行為への努力を克服するものであった。他にもBitTorrentの利点として、IRCチャンネル、プライベートFTPサイト、Usenet(ニューズグループ)といったハイレベルな海賊たちによって利用されている『ダークネット』サービスに比べて、その使いやすさがある。多くのインターネットユーザにとって、ダークネットは見つけるのが難しいし-Googleで簡単に検索することはできない-、それを使うのは非常に怖い。

P2Pのソフトウェアに対する海賊行為が映画や音楽への海賊行為と同様に普及すれば、Microsoftの最悪の悪夢が起こるだろう。既に、違法にオンラインで交換される楽曲の数は、実際の店舗や、iTunesのようなオンライサイトで販売される数を上回る、とBigChampagneのEric Garlandはいう。

この状況に直面して、音楽業界と映画業界は、P2Pを取り込み始めている。レコード産業は、音楽のトレンドを調査し、伸びているバンドを契約するためにBigChanpagneのようなサービスを利用するし、ParamountやFoxは映画のダウンロード販売を行うためにBitTorrentと手を結んだ。

しかし、ソフトウェア産業は、比較的その対応が遅い。Microsoftは、今回初めてVistaを同社のwebサイトからのダウンロード購入を許した。さもなければ、Microsoftは「新たな流通チャネルに関連する新たな発表を全く行うことができない」とHartjeは言う。

MicrosoftにとってBitTorrentと契約を結んで、ソフトウェアを販売したり、フリートライヤル版を配信することは、ミックスされたメッセージを送ることなのだとIshikawaはいう。

「もし訴訟を起こしたいのであれば、フリーウェアを出すなんてことはしないでしょう。」と彼は言う。

しかし、BigChampagneのGarlandらは、P2Pのソフトウェアに対する海賊行為は、今日のビデオへの海賊行為に比べるとすずめの涙程度のものでしかないと指摘する。ダウンロードされた映画は単に娯楽でしかないが、ビジネスソフトは会社を運営し、人々の労働やその他の重要なことをするのに用いられる。それによって、大部分のユーザは依然としてテクニカルサポートのお守りや、ソフトウェアの修正やアップデートのためのアクセス-さらにはマニュアルといったものまでも-を必要とする。それらはそのソフトウェアを買うことによってのみ、提供される。それが、ソフトウェアと映画の海賊行為の深刻さの違いを生むとGarlandは言う。

「バックドアウィルスやトロイの木馬を忘れてください。代金を支払う価値のあるいくかのものが、(訳注:ソフトウェアには)あるのです。」と彼はいう。
P2Pに限らず、Windowsは世界で最もコピーされているパッケージだとは思う。何がすごいって、それでも巨万の富を得ているところだよね。本当に海賊版対策がなされたとして、みんなが買うようになったら、その分還元するのかな?とも思ったりする。まぁ、価格の見直しはほとんどされないんだろうけどね。なんつーか、頑張れLinux。

それはともかくとして、ソフトウェアとクラックの関係は、どうしたって切れることはない。記事でも言われているけれど、解読できない暗号はない。どうしたって利用するためには復号するわけなので、常に大きな弱点を抱えることになる。それ以外の部分にもね。

そう考えると、全ての対策は一時的なものだ。毎度毎度のことだけれどいたちごっこが続く。ただ何もしないよりは幾分マシ程度ではあるのだろうから、やらないわけにはいかないんだろう。その辺はAshwin NavinがDRMについて語ったときに言っているけれど、たとえ1割の人が違法コピーを利用しても、9割の人が正規に購入すればそれは成功だ、というのが非常に的を得ている気もする。

どうしたって費用対効果を考えると、100%の防止策というのは不経済な話だなと思う。もちろん、効果を最大にするための努力は必要であるとは思うのだけれど、それによってかかる経済的なコストやユーザへの負担などとのバランスを考える必要がある。100%にするための努力したいのであれば勝手にすればと思うのだけれど、それによってユーザへの負担が増えるのであれば、それって何のためにやってるの?という疑問も生じてしまう。少なくとも正規のユーザを敵に回して得られるものは何もない。

で、なぜソフトウェアに対する違法コピーが多いのかについて考えてみる。

消費者の気持ち的な部分について。まず1つ目には、以前のエントリの記事でも言われていたロビンフット効果というものがあるのだと思う。あんまりいい言葉じゃないなぁとは思うけれど、少なくともMicrosoftやAdobeといった主にコピーされている製品に関して言えば、非常に高額であるということがあるだろう。でもって、それらの企業は非常に潤っていると。そんなに儲かっているのに、まだそんなにボったくる気か?という気持ちと、儲かってるんだからかまわないだろという気持ちがあるのだろう。そういう人たちはおそらく、安くなれば買う、というだろう。個人的には代価品となりうる優れたフリーウェアがあるのだから、そっちでもいいとは思うんだけれどもね。2つ目としては、買うほどでもない、という気持ちもあるのだろう。ほとんどの人がそうだと思うけれど、ヘビーユースするソフトウェアってのは限られているわけで、たまに使う程度のソフトウェアにお金をかけるのはもったいないという部分も少なからずある。これもフリーウェアで補えるとは思うのだけれど、それよりも違法コピーに走る人もいるんじゃないかと思う。というのも、購入したソフトウェアが頻繁にメジャーアップデートされ、なんだか損した気分になるというジレンマがあるのではないかとも考えられる。確かに、購入してすぐにメジャーアップデートの告知をされたら、がっかりするのはわかるけどね。iPodとかでもそうだろうけど。

このようなことが、Microsoftがいくら消費者の羞恥心や罪悪感に訴えかけても、効果が上がらなかった原因ではないかなと思う。これらの考え自体が羞恥心や罪悪感を打ち消す効果を持っているのだと考えると、Microsoftが最終的に恫喝、という手段に出ざるをなかったのもわからんでもない気がする。といっても、そのような恫喝が実際にユーザの心に響くのか、と考えると効果は期待以上には出ないんだろうなぁと思う。日本ではWinny上に情報を流出させた事件が多発し、それに対する恐怖を持っていることになっているけれど、それでも依然としてライトユーザが良くわからないままに利用し、情報を流出させているところを見ると、依然として多数の人が利用しているのではないかと考えられる。日本でもこれほどまでに社会問題化され、その被害が深刻であったにもかかわらず、そのような人たちが依然として多いことを考えると、実際の被害をそれほど耳にすることなく、その被害の深刻さもそれほど伝わらない状況では、あまり効果が上がるとも思えない。もちろん、Winnyの使用をやめた人たちの多くが、セキュリティの問題を挙げていることから、全くないわけではないけれど、それも社会問題化してようやく、といったところもあるかと思う。もちろん、誇大な調査結果ではあるけれど、Microsoftの調査にあったような脅威というのは実際に存在しているわけだけれど。

つづいて、消費者のカテゴリに入るのだろうけれど、一応別に考えられるものとして、企業によるコピーもあるだろう。最近では改善しつつあるようだけれど、依然として業務用に違法コピーを使用しているところも少なくないだろう。記事内では、このような利用に関しては、サポート等の面から比較的緩いものだと主張されているけれど、まぁ1つの問題ではあると思う。この辺に関しては、実体験であるのだけれど、ちょっと年季の入った人たちにとってライセンスという概念が到底理解し得ないものである、ということが1つの原因としてあるだろう。「買ったんだから、好きに使っていいだろう」確かにそういう考え方をしてしまうのも、致し方ない部分がある。この辺は現在のアクチベーションによる認証が普及し始めてきていることで、その被害を抑えつつある部分もあるだろうけどね。

で最後に、コピープロテクトを回避できる環境も問題を深刻なものにしているだろう。記事内にもあったけれど、クラッカーには時間も資源も無限にある。そして、プロテクトを回避するための動機づけも十二分にある。もちろん、直接的に自分の利益になる、というわけでもないのに、それでも躍起になってプロテクト回避を試み、成功すればそれを公表する。彼らにしてみれば、仲間内からの賞賛やチーム同士の対抗意識、自らの能力の誇示などによって駆り立てられているのだろう。企業が一生懸命プロテクトを頑丈にすればするほど、彼らの闘争心に火をつけることにもなる。もちろん、そこに金が絡むこともあるのだろうけれど、多くの人が自らの満足のために回避を試みている。そして、彼らの功績によって違法コピーが可能となっている現状もある。

にしても、BitTorrentに限らずP2Pファイル共有ネットワークによって、一般人がダークネットに入り込むことなく、違法コピーを容易に手に入れることを可能にしている点で、今後も問題は続くと思う。1つにはライトなコピーが進むこと、もう1つにはダークネットを知らないユーザのセキュリティの脅威。

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