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オランダ:ファイル共有をフリーにしてトラフィック税を導入?

オランダにて、インターネットトラフィックを課税し、それをもって著作権侵害によってセールスが減少している音楽業界への補償金というなんとも安易な法案が提出されそうだよというお話。おそらくは音楽業界からおいしいおやつを貰っている政治家たちなんだろうけど、あまりに短絡的というか、他の問題について考えていないというか。音楽業界にしてみれば、他がどうなろうと、自分たちの食い扶持さえ確保拡張されればそれでいいのだろうけどね。

原典:TorrentFreak
原題:Holland Considers Banning DRM, Legalizing Filesharing
著者:Ernesto
日付:January 30, 2007
URL:http://torrentfreak.com/holland-considers-banning-drm-legalizing-filesharing/

昨年、オランダで全てのMP3プレーヤーに課税しようとしたけれども、その法案は成立することはなかった。しかし、心配はむようだ、彼らには他にもすばらしいアイディアがある。今週はじめ、オランダの政治家たちは、インターネットトラフィックに課税し、それを音楽業界への補償金とするすばらしいアイディアを提案している。これによって、DRMを破棄するという条件下で、人々はダウンロードによって起訴されることはないということを意味している。何を言っているんだ?

費用対効果が得られなかったことで、最近オランダのレコード企業は、今後CDにコピープロテクトを施さないことを決定した。そこで現在、政治家たちは、音楽産業に補償する代価の方法を模索している。

オランダの大手政党の一員であるMartijn van Damは「インターネットトラフィックへの課税は、違法なファイル共有によってセールスが落ち込んでいる音楽産業の損失を補償する優れた方法である」という。彼は、DRMとコピープロテクトの破棄がその必要条件であると付け加えている。彼によると、音楽産業は海賊行為との戦いには敗北しており、音楽産業は自らの製品がインターネット上で交換されることを認めなければならないという。

驚くべきことに、このような意見はVan Dam1人だけの意見ではない。オランダ与党の政治家Nicolien van Vroonhovenは、この海賊税が優れたアイディアであると考えている。彼女は、もう音楽をダウンロードすることで人々を起訴することができないのであれば、これ(海賊税)を導入するよりない、と付け加えた。

これら有力な政治家の声明(オランダ語ソース)は基本的には、インターネットトラフィックへの課税がなされるのであれば、海賊行為は許されるべきだということを述べている。この(仮定的な)モデルは、多少魅力的に聞こえるかもしれないけれど、それほど現実的ではない。まず第一に、違法に交換される全てのファイルの中で、音楽ファイルはそれほど多くはないということである。映画とソフトウェアについてはどうなる?それらの企業も補償されるのか?そして更に大きな問題として、彼ら政治家は、全てのインターネットトラフィックが違法なダウンロードによって発生すると仮定しているようだ。YouTubeのようなサイトや、無料でリリースされるソフトウェア、音楽、ビデオなどはどうだろうか?これらの全ては大きなトラフィックを生むが、海賊行為とは無関係である。

私に言わせれば、馬鹿げたアイディアだと言わざるを得ない。政治家が、海賊行為を解決するために代価方法を調査しているということは良いことだろう。しかし、これは全くもっておかしい。これは明らかに、政治家たちがどれほど現実(もしくは仮想の)世界から剥離しているかを示しているだろう。
海賊行為を克服したところで、その分のセールスが増加するなどということは、いかに音楽産業側といえども思ってはないだろう。であれば、海賊行為を克服するよりも、それをネタに利益を上げることを考えたほうがよい、ということだろうか。本当に存在しているのかどうかすら疑わしい「海賊行為による甚大な損害」を補償する、というのも馬鹿らしいという気がするけどね。本当に存在する損害っていうならまだしも、あるのかないのか定かではない、曖昧な可能性としての損害に対して、それを補償しうる金額を提供しようってハラなんだろうなぁ。損害なんて業界団体のさじ加減1つでいくらでも高くできるわけで。RIAAは、Allofmp3のせいで200兆円の損害が出たらしいしね。

で、問題点を考えてみる。Ernestoも言っているけれど、これが音楽に限定されている時点で現実的ではないし、音楽業界以外にも適応するのであれば、その額は数倍に跳ね上がることになる。そうなっても、この思いつきモデルは成り立つのだろうか?

また、インターネットトラフィックが増大するにつれて徴収される金額は上がるし、オンライン音楽配信が普及して音楽業界に占める配信サービスの比率が高くなれば、それに応じて更にレートをあげるよう求めていくことになるだろう。少なくとも、自由に好きなだけダウンロードさせるという裏には、その分徴収する仕組みが存在することになる。まぁ、「その分徴収する」っていっても、実際の要求は現実を反映したものではないのだろうけど。

更に問題として、インターネットトラフィックに課税することは、最終的には海賊行為を行っていない人たちにまで、その負担を強いることになる。それはおかしい。なぜ健全に利用している人たちまで、音楽業界だけのために負担しなければいけないのだろうか。それとも、その人たちまでもが海賊行為を行えばいいとでも言うのだろうか。少なくとも無差別に課税すべきではない。

最後に、もしオランダでこの法案が成立した場合を考える。おそらく、The Pirate Bayのサーバファームはオランダに置かれることだろう。わざわざシーランドを買収する必要もない。陸の上で合法的に運営ができる。

何だかんだいって、こういう法案が成立するとしたら、業界団体側にものすごく有利な条件で成立することになるんだろうね。なんだかなー。といっても、この目論見のほうが、以前のMP3プレイヤーのときよりも実現可能性は低いだろうね。あまりにも無計画すぎる・・・。

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それにつけても面白いニコニコ動画についてなんですが少し古い記事「面白くないものが面白くなる」 ひろゆき氏が語る「ニコニコ動画」の価値 (1/2)「面白くないものが面白くなる」 ひろゆき氏が語る「ニコニコ動画
2007.02.04 14:50 | 誠犬楼
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Comment

誠犬 | URL | 2007.02.04 15:07 | Edit
はじめまして。
グーグルで本件について検索して辿り着きました。
ネットと著作権について多少の興味を持っている身としては、大変勉強になるブログだと感じました。

これから他の記事も読ませていただきますね。
(他の問題で手一杯なもので、著作権関係の記事は中々書けないかもしれませんが。)
heatwave | URL | 2007.02.10 20:39
誠犬さま、はじめましてこんばんは。

お褒めの言葉有難うございます。
当初はここまで著作権の話題ばかりになるとは思いもしなかったのですが、
P2Pをはじめとする諸問題の多くが、ネット上での著作権の問題に関わっており、
それを避けて通れないという部分があるんです。

で、実際に調べてみると、各業界団体の胡散臭い思惑が見えてきて
それはそれで面白い、となったわけです。

DRMなども最初は違法コピーを防ぐためだけのものだと思っていたのですが、
実際にはデバイス市場のコントロールが主な狙いだったなど、掘れば掘るほど
いろいろなことが見えてきます。

これからも是非、このブログをよろしくお願いします。
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