スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ネットワーク中立性は、BitTorrentの抑制の終焉を意味するのか?

BitTorrentプロトコルの規制などが、BitTorrentユーザの批判の的となっている米国ISPは多数あるけれども、それをネットワーク中立性という観点から概観して、ISPは帯域制御とネットワーク中立性をどう考えるべきかを考えているよというお話。

原典:art technica
原題:Does network neutrality mean an end to BitTorrent throttling?
著者:Nate Anderson
日付:February 1, 2007
URL:http://arstechnica.com/news.ars/post/20070201-8750.html

BitTorrentが成長を続け、両親の車の鍵を与えられた今、ISPはいかにプロトコルを扱うかについての困難な決断を迫られている。世界中で、ISPはBitTorrentのサービスを抑制している。なぜなら、それらは時としてISPの総帯域幅の4分の3を占めることもあるからである。もしすべてのBitTorrentコンテンツが違法ならば、この抑制は帯域の(占有の)危機に対する合法的な反応とみることもできるだろうが、実際にはそうではない。ISPが中立なネットワークを運用することに同意するならば、彼らは何をすべきなのだろうか。

BitTorrentの用途には、常に合法的なものが含まれる-ポピュラーな活用としては、LinuxのISOイメージを配布している-。しかしソフトウェアの違法な利用は、昨年を通じて増加しつつある。BitTorrent社は、メジャースタジオの映画をDRM保護された形で合法的に提供するというプランを発表した。同社は、ベンチャー投資会社から約900万ドルの資金を調達しており、複数のメジャースタジオと提携した。そのサービスは2月中には開始される予定である。

また、AzureusによるBitTorrentベースのサービス、Zudeoを考えると、それはまさに同様の事を試みているといえる。しかし、それはより高解像度のものであるという点で異なるが。そのことはまた、ネットワークを通じて膨大な量のトラフィックを送信する準備ができているということでもある。しかし、ISPはそれが合法的であるかどうかをそのパケットによって単純に知ることはできない。

OperaにBitTorrentでのダウンロードが搭載され、Blizzardの所有するWorld of WarcraftのアップデートプログラムがBitTorrentテクノロジーの上に設計されたものであることからも、(訳注:BitTorrent)プロトコルは十分にポピュラーなものとなったといえる。

合法的なサービスの嘆願が、BitTorrnetトラフィックの制御をやめるようISPに強く要請することに繋がっている一方、このトラフィックのかなりの割合が、違法なファイル交換によるものであるという現実は依然として残っている。そして、それが合法的であるかどうかに関わらず、自社ネットワークのキャパシティの80%にあたるBitTorrentトラフィックをやすやすと許すようなISPはない。

ISPは何をすべきだろうか。この問題は、ネットワーク中立協定を遵守することに同意した企業にとって、更に難しいものとなる。これまで、そのような協定に拘束された唯一の企業はAT&Tであった。同社はBellSouthとの合併契約の一部として、中立なネットワークの提供に合意した。

このような協定によって、企業は自らのネットワーク上でのBitTorrentトラフィックの制御できずにいる。それは、World of Warcraftプレーヤーや、Linuxユーザ、Lostのファンにとって非常に有益なものであったが、一方でビジネスや娯楽としてwebサーフィンする際の回線速度に負の影響も及ぼしている。

そのような協定を持たないISPにとっては、彼らのネットワークを圧迫するBitTorrentについて心配する必要はないかもしれない。しかし、非常に多様な(訳注:BitTorrenrt)プロトコルの合法的な利用がなされている今、ISPがこれをどう扱うかについての問題に取り組む必要はある。ISPはBitTorrentを利用する顧客たちをいらいらさせることを望むのだろうか?それとも、torrentをダウンロードする人たちのエクスペリエンスを低下させるリスクを省みず、BitTorrentを自由に使わせるのだろうか?
ネットワーク中立性の問題は非常に難しいものがある。以前からこのブログでもこれら帯域制御に関する話題を取り上げてきた。

参考リンク
Nokia、P2Pトラフィック制御システムを導入、2007年には市販も
ISPのP2Pトラフィック規制を暗号化で回避することの是非
都合の悪いトラフィックを塞ぐだけの対策は通用しない時代が来る?

上記リンクのエントリでは、主に現状の帯域制御には否定的な意見を述べた。しかし、この記事の後半にもあったとおり、BitTorrentなどのP2Pファイル共有プロトコルのトラフィックによって、HTTPベースの所謂通常の利用に対して負の影響を及ぼすということも否定はできない。そこで、今回はできるだけ帯域制御に肯定的な見方でこの問題を考えてみる。といっても、以前のエントリで私が批判していたのは、帯域制御に対してではなく、利用に支障をきたすほどの制限を課していることに対してであったのだけれどもね。もちろん、誇張された表現でユーザを集めたISPが自社のバックボーンを増強し、インフラの整備を進めることが、もっとも優先順位が高いということは大前提として考えている。

ISP各社がいうように、P2Pファイル共有プロトコルが全帯域の大部分を占めていることは否定できない。その帯域占有によって、P2Pファイル共有以外のwebの利用に対して負の影響を与えていることも否定はできない。これに対しては、ISP各社や通信事業者のインフラ整備によって解決されるべき問題と考えるけれども、かといってそれまでにはかなりの時間がかかることも容易に推測されるし、その間、他のユーザは我慢しろなどということもあまりに利己的過ぎる話である。最終的には、全てのプロトコルの利用を支えられるくらいのバックボーンを備える必要があるけれども、その間も別の手段でその負の影響を緩和させる必要がある。

となれば、帯域制御しかないのである。簡単に言えば、コンテンツやトラフィック、プロトコルに対して適切な基準によって適宜帯域を振り分ける、それによって全体としてトラフィックの負荷を支えるということ。少なくとも、現状では全ての通信を受け入れることが過負荷状態を生み出すというのであれば、それを是正しなければならない。もちろん、それには適切な基準によってなされる必要があるわけだが、現在のところはそれが適切であるかどうか議論の分かれるところであり、個人的にはそれが不適切だと考えるために、帯域規制を批判的に見ている。

記事にあるように、今後BitTorrentプロトコルの合法的かつ利便性の高い利用が進むにつれて、そのプロトコルを一様に制限することが、本当の意味での制御となりえない状況になりつつある。BitTorrent Video Storeなどのサービスが展開されるこの1年は、本当の意味での制御についてISP各社の再考が必要になる。 もちろん、これは緊急避難的になされるものであり、その間に改善に向けた努力が絶対条件ではあるが。理想としてはネットワーク中立性というものを理解できるけれど、それを現実にあてはめることにも限界があるのは否定できない。しかし、現実には適わない理想であるとしても、制御を行うにあたっては、その理念を重視しつつ行われる必要があることも否定されるべきではないだろう。

と、ここでネットワーク中立性についての議論をコンパクトに纏めているブログをご紹介。自分の中でもすっきりしない部分があったのだけれど、非常にわかりやすく、自分の考えも整理できた。

「ネットワーク中立性」(Network Neutrality)について - TAI's Web Business Blog

あとこれに関連して、日本ではインフラただ乗り問題に絡めた、通信事業者に都合のいい解釈がなされ手いるという問題もあるようだ。それに関しては、

日本とアメリカで「ネットワークの中立性」って違う? - 無印吉澤 0.2

を読んでみてくださいな。なかなかコスイことするわね。

そのあとで、これ(PDF)を読むと、なんだか気分が悪くなると思います。まぁ、問題についての全体像を見る分には、非常に有益な資料なんだけどね、これ。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/238-c1938b8d

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。