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映画盗撮問題を考える:海賊盤業者、ファイル共有は分けて考えるべき

映画の盗撮問題は非常に深刻な問題だと思うのだけれど、依然として問題の焦点が不明確なところが多い。被害額の算出方法が一般的な考えと剥離しているとか、海賊行為の扱いにしても、海賊盤の業者とファイル共有をと一緒にして問題を考えていることが、複雑にしている原因でもある。もちろん、その対策の難しさも複雑にしている要因ではある。私自身もこの問題についてはなかなか整理しきれてない部分もあり、今回はこの問題に関する記事をベースにして考えて見るよというお話。ある程度は思うところがあるのだけれど、固まっていないということもあり、今回はいつも以上にカオスなエントリとなっております。書き上げるのに1週間くらいかけてしまった・・。

原典:ITMedia News
原題:知はうごく 第1部 著作権攻防:映画が盗まれている
著者:産経新聞
日付:2007年1月29日
URL:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/29/
news047.html

映画館でスクリーンを撮影して制作した海賊版DVDが、電気街の露店で堂々と販売されている。映画館での盗撮が業界に与えるダメージは甚大だが、“抜け穴”が多く、取り締まりは難しい。

映画産業が訴える映画盗撮の問題は、非常複雑である。というもの、その背景や、国際性、関わる人たちの範囲の広さが通常のものとは異なるためである。

その理由の1つとしては、映画自体の国際性がある。特にハリウッドの映画などは世界中で公開されており、そのすべての国が盗撮のターゲットとなりうるためである。その中でも、盗撮に対して緩い国、厳しい国があり、この種の犯罪に関わる人たちは、その中でも規制の緩い国で盗撮を行い、それをもとにして、最終的には世界的に広まっていくことになる。

以前のエントリでも、カナダが映画の盗撮のメッカであり、世界的に流出している盗撮映画の50%がカナダからのものである、という記事を紹介した。ここでも問題はその取締りの限界であり、いかに取り締まる法があったとしても、映画の盗撮によって利益を上げていることが証明されなければその責任を問えないため、現場を確認しても私的な利用だと言い逃れされてしまえば、拘束することができないのである。

 映画の盗撮は昔からあった。だが、10年ほど前までは、ビデオカメラの性能が低かったため画像は粗かった。アナログ方式で記録されたことから、ダビングに時間がかかり、複製を重ねると画質が劣化した。当時はデータを高速伝送する手段もなかったため、違法コピーの流通も極めて限定的だった。

  ところが、デジタル化でそれらの問題は一気に解決してしまった。さらに、インターネットの大容量高速化で、盗撮映像はネット上のファイル共有ソフト「ウィニー」「シェア」などを通じて、世界中へ瞬時に広まっていく。
録画するためのビデオの品質向上によって画質が向上し、かつそれを伝達する手段が多様化、その利用が容易になってもいる。また、また媒体がVHSからDVDへシフトしたことで、海賊版の生産も容易に、かつ高速になったということもあるだろう。以前は等倍で、かなりの場所を必要としていたのに比べると、DVDはそれらの問題の多くを解決する。また、媒体が薄く小さいことも、運搬の便がよく、海賊版業者にとってもそれを買う人にとっても便利なのだろう。

一応突っ込んでおくけれども、日本は比較的映画の盗撮には緩い国ではあるが、世界的に見れば盗撮映画の流出元となることはそれほどない。この記事だけ見ればWinnyやShareを通じて世界に発信されているように思えるけれども、基本的にはBitTorrentサイトなどを通じて海外から盗撮映画を入手し、それに有志が字幕をつけ、それがWinny、Shareネットワーク上で広まる、といった方が一般的だろう。日本で盗撮されたものが世界的に出回るということもあるけれども、それも一部である。ちょっと誇張してるなぁという感じを受ける。
  昨年の大阪府警の一斉摘発では、暴力団関係者が多数を占めていた。米国や香港、イタリアでも盗撮映像の流通に、マフィアの関与が指摘されている。

  アンダーグラウンドのグループもいるという。過去に日本で流通した違法DVDの中には、海外の盗撮映像に国内映画館の日本語音声を重ねたものもあった。字幕版は多数の言語で出回っている。業界関係者が明かす。「米国には闇サークルがあり、翻訳のボランティアをすると、違法新作ソフトが入手できる仕組みもある」。
この辺は、海賊盤業者とファイル共有ネットワークがごっちゃになっているのかな?それとも海賊盤業者と闇サークルが結託しているということだろうか?私が知る限りでは、盗撮映画のP2Pファイル共有ネットワークへのリリースは維持と維持の張り合いのようなもので、チーム同士が競い合って行っているという印象がある。チームはそれぞれ入手してきたり、エンコードしたり、字幕をつけたり、配布したりと分担して作業を行っている。おそらく彼らは違法新作ソフトが手に入るからという目的よりも、それによって得られる名誉の方が重要なのではないかと思う。日本でも同様の字幕を作成する人がいたけれども(たとえばアナル男爵とか)、彼らに何か経済的な見返りや新作の入手に都合をつけてもらうという利益があったのかといえば、まったくないだろう。それでも彼らは字幕を作成する。英語の映画であれば、(盗撮された映画にあわせた)タイムラインつきのスクリプトを公開しているサイトがあり、それらを元に翻訳していると思われる。それに関しても、業者によるものであれば、そのようなサイトにスクリプトを公開するなどということはしないだろう。

そう考えると、これは海賊盤業者の話ではなく、ファイル共有ユーザ(P2Pに限らず)の中の複数のチームが、地位と名声を得るために行っているとも考えられる。まぁ、それらのチームの中には金儲けのために頑張ってるのもあるのだろうけれどもね。ただ、少なくとも新作ソフトを手に入れるため、というのは動機づけが低い気もする。少なくとも、時間がたてばいくらでも手に入るものなのだから。
 盗撮の舞台となる映画館の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は、1月1日付で、映画館での盗撮防止や青少年の深夜徘徊防止などを目的に、全国で150人に指導員を委嘱。高所から館内を見渡すなどして盗撮防止に目を光らせている。

  最初の盗撮のチャンスとなる試写会での盗撮防止にも力が入る。米国で「宇宙戦争」の試写会に参加した産経新聞記者は、入場に際して金属探知器をくぐらされ、身体検査を受けた。携帯電話は預かられ、隠し撮りに使うビデオカメラを見つけるため、暗視ゴーグルを付けた警備員が配備されていた。

  米国では盗撮がみつかると、家庭娯楽著作権法に基づき25万ドル以下の罰金または3年以下の懲役に処される可能性がある。しかし、日本の著作権法は盗撮に対し無力だ。映画館で三脚を立ててビデオ撮影していれば罰せられて当然と思えるだろうが、現行の著作権法は、家庭や限られた範囲で個人的に楽しむ「私的使用」なら、承諾を得なくても複製が認められる。つまり、商用目的でなければ映画館で盗撮しても法によって罰せられないわけだ。

  映連は、これまでに大都市圏などの複数の映画館で、ビデオカメラによる盗撮を制止したことがあるという。だが、その都度、「家で待つ両親に見せたい」、「子供に見せるため」などと言い訳され、営利目的であることを認めたケースはなかった。

  「盗撮者には間違いなく悪意があるはずだが、こうした法律の盲点をついた理論武装によって、処罰から逃れようとしている」と萩野室長はあきれ顔だ。
これはカナダでも問題になっていたことで、いかに盗撮の現場を押さえたとしても、利益目当ての録画でなければ罰することができないため、その場で取り締まることができない。少なくとも、利益を上げていることを証明する必要があり、その場でそれを判断するのは無理な話。相手もそれを知っているので、「私的利用」のためだと言い張ることで取締りを逃れることができる。
ほとんどの人は、周りに私的利用のための映画を録画したという人を見たり、聞いたりしたことはないと思う。一般的に考えて、明らかにありえないことではあるけれども、その言い逃れが通用してしまう問題もある。その辺は現状ではなかなか打開できない問題である。
 そんな映画業界が、盗撮阻止の決定打として期待するのが、自民党議員らが立法作業を進める「映画盗撮防止法」(仮称)だ。映画館での無許可録画・録音を法律で明確に禁止して盗撮の摘発を容易にするととともに、懲役刑も設けて抑止力を強める。法案は3月ごろに通常国会に提出し、会期中の成立を目指している。

  全興連の真保徳義専務理事は、「これまで映画館は客とのトラブルを恐れ、盗撮を確かめないこともあった。だが、盗撮防止法ができれば、強力に取り締まることができる」と盗撮撲滅への意気込みを語る。
個人的には、これに抑止力があるのかどうかは疑問だ。私的利用のために映画を録画するという人がいるのであれば(聞いたこともないが)、その人に対しては抑止力を持つだろうけれど、営利目的の海賊盤業者がこれでひるむかといえばそうではないと思う。単に巧妙化するだけだと思う。この問題の非常に難しいところは、世界中全ての映画館がターゲットになるため、一部監視を強めても、どうしても緩いところが出てくるわけだ。海賊盤業者にしてみれば、そこを狙えばよいということになる。そして、1本の映画につき、それを1回成功させればあとはコピーするだけなのである。その緩いところを見つけるために、映画業界は電子透かしを導入している。

しかし、その電子透かしにも問題はある。電子透かしを用いることによって、映画が盗撮された映画館を特定することができるわけだけれども、ではその映画館を特定してどうしようというのだろうか?もちろん、業界団体は盗撮防止のための何からの手段を講じるよう求めるだろう。もし、その求めに応じないならば配給を止めるともいいかねない。映画館は何とかして盗撮を予防しなければならないのだけれど、そのためには入場前の手荷物チェック、上映中の観客の監視などが必要になり、それを行うためには警備員・監視員を雇う必要がある。

では、その費用を誰が捻出してくれるのか?おそらくそれは映画館の責任として映画館に求められるだろう。全国には3000以上の映画館(スクリーン数)がある。その全てに人員を配置するのはあまりに不経済ではないだろうか。業界団体は気楽なものである。やれ!やらなきゃ映画は上映させないぞ!と脅しを掛ければいいだけなのだから。

しかも問題はそれだけではない。費用対効果の問題もある。少なくとも、業界団体はどれだけの映画が日本国内で盗撮され、それによって海賊盤が販売されたり、 ファイル共有ネットワークに流れているか、を明らかにすべきではないだろうか。少なくとも現行の調査は、日本、海外からの盗撮映画を問わない調査結果であり、実際に日本でそのような法的施策が必要であるかは疑問だ。もちろん、あればあったで有用なのだろうけれど、それによるデメリットとの兼ね合いもある。たいした効果もないのに、映画館は監視のために人を雇い、観客は荷物をチェックされ監視されるというのでは、あまりに馬鹿げた話だ。

調査するための手段はある。彼らが映画館を特定するのに有効だという電子透かし技術である。まずはその技術を導入し、その後に実態調査を行い、それをもって規制する法律を求めるというのであれば、異論はないのだけれど(もちろん、その結果が信頼に足り、深刻なものであれば)、とりあえず深刻だということで導入しましょうかというのでは、納得できない。
> 米国では盗撮映画のDVDを購入しても、ダウンロードしても、処罰される法律がある。一方、日本には利用者処罰の規定はない。著作権法の在り方を検討している文化審議会では、ファイル共有ソフトなどで違法コピーが際限なく“増殖”する事態に歯止めをかけようと、違法コピーからのコピーを「私的使用」と認めず、明確に禁止する必要があると指摘された。なのに、今のところ違法コピーを購入してもおとがめなし。

  映画はエンディング字幕に登場する監督や俳優、スタッフが心血を注ぎ、巨額の資金を使って作り上げた著作権物、一種の「文化」である。その財産価値を無にする盗撮行為との攻防は決着点が見えない。
ん?アメリカではダウンロードも違法だったの?ちょっと調べてみたのだけれど、どうもそのような記述は見当たらない。一番そのようなことを声高に叫んでいそうなMPAAのポリシーにもそのようなことは書かれていない。少なくとも、著作権法によって海賊行為が取り締まられるということはあるけれども。で、その米国著作権法なのだけれども、著作権侵害の章を読んでも、どうもその辺のことは書かれていない。それとも複製の禁止が広義の違反に当たるのかな?といってもそれを私的複製の対象外であるという文言もないし、どうなんだろう。

それ以外の可能性としては、州法によって禁止しているということだろうか。確かにNYでは盗撮映画の複製を違法とする州法を成立させたようだけれども、それが個人の複製にまでその範囲を広げているかも良くわからない。もしも、その辺のところを詳しく知っている人がいれば、教えてくださいな。少なくとも、ダウンロードで逮捕されたって記事を読んだことがないので・・・。RIAAの方針としてもヘビーユーザを対象としており、ダウンロードだけ(BitTorrentはアップロードも兼ねるので別)で逮捕されたという事例が本当にあるのか疑問だなぁ。本当にそうであればMPAAあたりは見せしめにダウンロードだけで訴訟を起こしてそうな気もするけれども・・・。それと海賊盤の購入、所持によっても逮捕されるってのも聞いたことがない。ただ、この辺は州法で対応しているところも有りそうだし、実際にそういうこともあったかもしれないけどね。

もうちょっと調べてみたら、日本国際映画著作権協会のサイトにMPAAの反海賊行為活動に関する和訳が掲載されており、そこにダウンロードも違法であることをにおわせる文言があった。。太字は私によるものです。

不法に複製されたコピーの提供、レンタルあるいは売買は連邦法(アメリカ合衆国著作権法 106(1))の侵害に当たりますが、他の人がそのコピーを作成した場合でも同様です。1984年に制定された通信法とその改定版および関連する規則もサテライトTVあるいはケーブルTVによる無許諾の放映を禁止しています。通信法の著作権侵害および違反は連邦法では重罪で、最高5年の懲役刑および(あるいは)25万ドルの罰金刑が課せられます。著作権法も通信法も著作権所有者が民事の損害賠償を請求することができます。

うーん、ただ現状ではこれだけで適応させるのは難しいという感じもするけれどもね。法律は自分に都合のいいように解釈されてナンボですから。
  映画館での盗撮映像が業界に与えるダメージは甚大だ。

  映画制作には多額の資金が必要だが、劇場公開後のビデオ・DVD販売といった2次利用、テレビ放映などの3次利用を含めて、息長く投資を回収する仕組みで支えられている。

  しかし、公開直後に盗撮映像が出回ると、その後の興業収入やテレビ視聴率、DVD売上げなどすべてに悪影響が及びかねない。日本での違法コピー被害額は年間800億円にのぼるとの試算もある。事実であれば、昨年の国内映画興行収入の40%に当たり、JIMCAは「ビジネスモデルが根本から崩壊する」(萩野室長)と危機感を募らせる。

毎回思うのだけれども、深刻だとか甚大だとか言う割には、どのくらい深刻なのかが伝わってこない。被害の試算も本当に受けている損害であるのか、それとも可能性としての被害であるのかが不明である。一般的に被害を受けたと言われれば、「本来であれば得られていたはずの利益が、侵害によって失われた」という方がしっくりくる。それが明確に示されるならば、観客の1人として多少の不快感は我慢しようと思うのだけれども、彼らの言い分は「全ての視聴に対して対価が支払われるのであり、それが得られなかったもの全てが被害ある」というものであり、なかなか理解しがたい。問題の焦点は、本当に盗撮映画を見た人たちが、映画館に行ったり、DVDを購入したり、レンタルしたり、テレビ放送を見なくなるのか、という点である。

映画団体は盛んに前者2つを問題に挙げているが、個人的には盗撮された映画を見て満足できるような人は映画館にも行かなければDVDを購入することもないと思う。なぜなら、海賊盤をな戸を見た程度で満足できるくらいの思い入れしかないのである。日本の場合を考えると、そのような人が映画に1800円、DVDに2000-4000円もお金を支払うかといえば、そうは思えない。むしろ、後者2つについての影響が大きいと思う。もちろん、レンタルやテレビでの視聴をする人に思いいれがないというつもりはないが、少なくとも盗撮映画程度で満足できる人が支払うコストに見合うのは、後者の2つだけだと思う。その点を明確にして、その被害に見合った対策がとられるなら納得もいく。


この問題をまどろっこしいものにしているのは、海賊盤業者とファイル共有を一緒にして考えていることである。もちろん、互いに映画産業に影響を与える可能性のあるものであり、同列に考えたいのもわかるけれども、両者の違いを考えることも必要である。

海賊盤業者は、主に暴力団やマフィアを背景にして、組織的に営利目的で活動を行っている。主に露店(もしかしたらオークションサイトなどでの販売も)を行っている。彼らには大規模な海賊盤のプレス工場を持ってすらいる。一般的にはマフィアや暴力団が中心となって取り仕切り、販売は社会的に虐げられている層を利用して行われる。海賊盤を購入する人は、対価を支払って手に入れる。価格はマチマチであるが、少なくとも映画よりは多少安いようだ。範囲としては物理的限界があるので、それほど広範囲に影響をおよぼさないが、基本的には人の多いところを狙う。

一方の違法ファイル共有は、主に普通のインターネットユーザによって、個々に行われている。それほど統一した意思を持つわけでもない。主な入手先は海賊盤業者からであり、一部チームが組織的に行っていることもあるが、海賊盤業者のように大規模なものではない。また、その入手はほとんどの場合無料でなされるものであり、配布に関しても対価を求めるものではない。範囲は広大であり、インターネットに接続できる環境があれば、世界のどこでも利用可能である。

対価を支払う意思があるにもかかわらず、映画館やDVD、レンタルという手段を利用しない海賊盤業者からの購入者がいるとすると、確かにその点では損害が発生しているというのはわかる。もちろん、彼らなりに支払うコストと得られるモノとの釣り合いを取っているのだろうけれど、海外の場合、映画館への入場料は比較的安く、その差はそれほど大きくはない。となると、露店での販売は潜在的な観客を失っているというのは理解できる。

対価を支払わずに盗撮映画を入手するという点では、ファイル共有は異なる背景を持つといえる。その中には、お金を払ってまで見たいわけではないけれど、ちょっと見てみたい程度でダウンロードする人も多いだろう。というか、ほとんどがそうではないだろうか。個人的にはその程度の動機づけの人が映画館に足を運ぶとも思えないし、DVDを購入するとも思えない。そのようなユーザと本来であればお金を映画産業に落としていたユーザとの区別を、映画産業につけられるわけもないが、かといって全てを一緒くたにして考えるのも、なんとも納得のいかないものである。

ただし、私が考えるように、お金を払ってまで見たくないけどタダだから見る、というユーザが大多数を占めていたとしても、ファイル共有で見れたから映画館に行く必要はないや、という人がいるのも確かであろう。いかにその割合が少数であったとしても、そのユーザ数は膨大なものである。割合は少数であっても実数は非常に多いということもいえる。それを考えると、対策を講じるという意図そのものに異論を唱えようとは思わない。ただ、そのやり方があまりにも不味いと思えるのである。自分たちが大変なのだから、お前らが我慢するのは当然だ、という姿勢が透けて見えるのだ。

そんな彼らに1つ提案がある。この問題を解決するための提案だ。彼らに推奨したいのは逆転の発想をしてみようということだ。両方を同時に押さえようとするから無理が生じる。海賊盤によって利益を上げている人たちと、ファイル共有で無料で配布している人たちを同列に扱うことが問題をややっこしくしている。この問題を考える上では、両者は切り離して考えるべきであり、切り離した上で接点を考えることが有用である。

極論を言えば、P2Pファイル共有ネットワークでもっと盗撮映画の共有をさせればいい。なぜなら、海賊版の販売がマフィアや暴力団の資金源となっており、そのために映画の盗撮が組織的かつ高度な機器を用いて行われているという現実もある。であれば、それに対してお金を渡さなければいいのである。P2Pファイル共有ネットワークから無料で盗撮映画を手に入れることができるとわかれば、わざわざ露店販売で買う必要もない。需要がなければ供給は減る。

P2Pファイル共有ネットワークに流出している盗撮映画の出所の多くは、露店で販売されている海賊盤である。一部にはチーム自ら盗撮を行うこともあるらしいけれど、ほとんどは海賊盤からのものである。海賊盤の供給が減れば必然的にP2Pファイル共有ネットワークに流れる盗撮映画も減る。

さらに、P2Pファイル共有ネットワークからの共有が減れば、海賊盤業者も困るのである。海賊盤業者は世界的なネットワークを持っているわけではなく(一部にはあるけれどもね)、多くはそれそれに入手している。そのような海賊盤業者はP2Pファイル共有ネットワーク上から入手した盗撮映画を複製し販売している。また、日本の場合は、字幕などが必要になるために、有志がつけた字幕つきの映画が流出するのを心待ちにしている業者も多いだろう。そうした業者たちへの供給も止まるわけだ。

あくまでもシンプルに考えればこうなるよ、というだけで、その他さまざまな要因が複雑に絡み合っている状況を単純化するのは問題だけれども、業界団体のやり方自体がそのような単純化されたものであることを考えると、別にそれでもいいじゃん?と思うわけです。

にしても、ここでも正規にお金を払っている人が馬鹿を見る羽目になる。以前から「映画が盗まれている」という映画の冒頭に流れる広告に嫌気が指していたのだけれども、それに加えて今後は、入場前の荷物検査、暗視ゴーグルの監視が行われるとなると、ますますもって嫌になる。もちろん、映画の盗撮を防止するための方策は必要であろう。しかし、それによって不快な思いをするのは正規にお金を払って楽しんでいる人たちである。この記事で発言している関係者から、そのような人たちへの配慮がまったく感じられなかったのが、至極残念である。

と、ここまで述べてこういうのはアレだけれど、やはり映画の盗撮は問題だ。個人的に一番の問題だと考えるのは、それが続く限り対策が採られ、それによって一般の観客が迷惑をこうむるということ。とはいえ、多少といえども損害は出ているわけで、映画産業としても対策を採らざるを得ないわけで、その加減をうまくとってもらうしかない。理想をいえば、全ての人が盗撮映画を見ない、買わないことが最良なのだろうけれど、現実的にはそれも不可能なことを考えると・・・。

確かに映画産業のやり方は批判的に見ているけれども、かといって、その方針自体が間違っているとまでは言い切れない。少なくとも、不利益は出ているのだから。それがどの程度のものであれ、侵害に対して権利を行使するのは当然のこと。なんとも問題は深刻です。

参考エントリ
MPAA/NYC、路線変更か
「M:I 3」カム撮り女、司法取引で罪を認める
米国:映画館でのカム撮り男、著作権侵害で懲役7年の実刑判決
ダウンロードも著作権侵害に:知的財産戦略本部

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