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映画配信サービスがクソな10の理由

なんともものすごくアグレッシブなタイトルですが、P2Pを利用したビデオ配信サービスに限らず、iTSなどが行っている映画配信サービスが現状では、その普及が10の理由から非常に困難なものだと考えられるよというお話。個人的には将来有望なサービスだと考えているけれども、かといって現状のやり方がマッチしているとも思ってはいない。こ の記事の内容には賛同できる部分が非常に多い。

原典:GIZMODE
原題:Top 10 Reasons Why Movie Downloads Suck
著者:Charlie White
日付:February 8. 2007
URL:http://gizmodo.com/gadgets/home-entertainment/top-10-reasons-why-movie
-downloads-suck-234981.php

映画のダウンロードはクソだ。それには多くの理由があるのだが、一向に理解できない奴も多い。ここに、そのトップ10を列挙しよう。確かに、みんなが映画のダウンロードについて話している。でも、実際に彼らはそれらについて何をしているわけでもないのだ。

これまでに公開されている全ての映画の無制限のセレクションを持つというアイディア自体は魅力的だろう。しかし、大多数の映画ファンが群れをなして離れていっているということも事実だろう。大局的に見て、VarietyのBen Fritezは、興味深い統計を示している。これまでになされた合法的な映画のダウンロードは、Pirtates of the Caribbean:Dead Man's ChestのDVDの初日の売上にも敵わないのである。

映画のデジタルダウンロードについてのアイディアが、未だ魅力的ではないという理由のトップ10をここに記す。

1.価格設定  AppleのiTunes Storeは新作で14.99ドル、旧作で9.99ドルである。Wal-Martは新作が19.88ドルになることを除いては、だいたい同じような感じだろう。それはDVDの価格に相当する。しかし、DVDであればディスクやカバーアートといった実際に手にすることができるものを得る。さらに、その価格は、Blockbuster*1から映画をレンタルするのに支払う額や、Netflix*2の宅配レンタルサービスなどに支払う額よりも非常に高いものである。

2.映画のセレクションの乏しさ Wal-Martが「ビッグ6( Walt Disney, Warner Brothers, Paramount, Sony, 20th Century Fox and Universal)」からの映画のダウンロードを約束しているけれども、それでも一般的なビデオストアの豊富な品揃えというところまでには行かないだろう、少なくともしばらくの間は。そして、iTunes Storeの映画のセレクションは非常に貧弱である。それは見ていて痛々しくもある。

3.リビングルームにコンピュータはない 多くの人は、テレビの近くにPCを置いてはない。そして、ダウンロードされた映画をPC-TV間でやり取りするのは非常に厄介だ。

4.クオリティ HDTVがようやく認知され始めてきたように、一般の視聴者でさえも超高画質の映画視聴に慣れている。しかし、ダウンロードは、標準画質の世界から抜け出せずにいる。もちろん、これは時間と共に変化するだろうが、それが今すぐにでも起こるというほど近い将来にあるというわけでもない。

5.惰性 一般大衆の習慣を変えることは非常に難しい。特にテレビの視聴といった快適なルーチンに関しては。HDTVが関心を引くのにどれくらいの時間が必要だったかを考えてみて欲しい。我々が知っているような技術オタクたちですら、標準画質のテレビにどういうわけかしがみついている。

6.何が違うの? もし、HBOを通じてSeries 3 TiVoにフル画質でHDTVのMission Impossibe 3を録画できるとすれば、それとiTunes Storeから同じ映画をダウンロードするのとは何が異なるのだろうか。そう、スタジオはダウンロード(DVD購入/レンタル)のリリースをずらすことで、より魅力的にしようとする。しかし多くの人は高画質での視聴のためであれば、半新作映画を1、2ヶ月待つのは大して苦にならないだろう。

7.ダウンロード速度 多くのブロードバンド接続は、妥当な時間内に映画をダウンロード完了するのには未だ不十分な速度である。それがHDTV映画のダウンロードとなれば、もう考えるまでもないだろう。ダウンロードにはさらに4倍の時間がかかるのだ。

8.ブロードバンド  ブロードバンド接続に関するもう1つの問題は、多くの消費者がしばしば抑制されているということである。彼らがダウンロードを許されるデータの量は、ある一定のマジカルナンバーに制限される。ブロードバンドプロバイダーはできる限り帯域幅を抑制しようとする、それが彼らのサービスに利益をもたらすものと信じて。確かにあなたは「無制限の」インターネットサービスを契約していると考えるかもしれない。しかし、それはあなたがあまり使わない限りにおいて、無制限であるだけなのである。

9.DRMのでたらめ たとえ映画をダウンロードすることの問題を解決したとしても、、そこにはデータの上に厚く塗り固められ、再生の時と方法を制限するDRMがある。誰しもがこれを好かないが、ハリウッドスタジオの強欲なマイスターたちはこれを好む。

10.難しすぎる 映画のダウンロードに必要とされるPCのノウハウや知識の全ては、平均的な映画の視聴者のスキルセットには存在しない。彼らは何の努力もしないでDVDを見ることができるというのに、PCからTVにデジタルデータを出力するためにわざわざそれを学習しようとは思わないだろう。

これらの10の問題が少なくとも半分は解決されなければ、大多数の観衆に受け入れられるまでには時間がかかりそうだ。新しい装置に心躍らされている我々でも、少なくとも現在の標準である720p画質の映画がダウンロードできるまでは、それほど興味を持てはしない。我々の予測はどうかって?デジタルダウンロードは少なくとも2010年まではDVDセールスとレンタルに追いつくことはないだろう。

*1米国レンタルビデオ/CDチェーン最大手の企業。
*2宅配レンタルビデオサービス。webなどでレンタルの申し込みをすれば、数日後にはそのDVDが自宅に宅配され、返却もポストから可能である。日本でもTSUTAYAなどで同様のサービスを開始している。

非常に興味深い提言だなぁと思う。もちろん、私自身はiTSやBitTorrent Video Store、Azureus映画配信サービスは非常に魅力的だと思うし、確実に今後も伸びてくる分野だと期待している。しかしその反面、ここにも書かれているように、時期尚早であるという部分や、ユーザをひきつけるインセンティブがあまりにも足りないという不満もある。

今後伸びてくるというのは間違いないにしても、今舵取りを誤れば、その時期は確実に遠ざかるだろう。少なくとも、現行のユーザにとっては未知の存在過ぎるのだ。音楽配信サービスが多少時間がかかったにせよ、ここまで認知され、その利用の伸びが急傾斜なのもサービスの展開と同時に、そのスタイルの提供を行ってきたからだとも思われる。たとえば、音楽配信がPCだけでの利用を主に狙っただけのものであれば、おそらくここまでの存在にはならなかっただろう。そこには配信サービスと対応する携帯音楽デバイスの存在があり、その存在が配信サービスに相乗的な効果をもたらしてきた。しかし、現在のところビデオ配信サービスにはそれに当たるものはない。もちろん、iTSはiPodでの利用も含めてのサービスとして配信しているようだけれども、ここにもあるようにそれはユーザの習慣ではない。多くのユーザは自宅のリビングでゆっくりと映画を見ることを望むだろう。

さてさて、それぞれの理由について、1つ1つ考えてみたい。

1.価格設定  これについては非常に同意できる。少なくとも現状では映画を見に行く、DVDを買う以上のメリットが見出せないにもかかわらず、価格的にも魅力を感じられないのは致命的ですらある。まずは選択肢となりうるためにも、価格設定は低めにすべきだろうと思うのだけれどもね。確かに手間はかかるが現状ではレンタルサービスを利用した方が遥かにマシかもしれない。そう思われれば、サービスとしてはあまりに不味すぎる。もちろん、この価格設定自体は映画産業側が譲らなかったというところが大きいのだろうけれども、であれば最初から参入などしなければいいのにとすら思える。おそらくこれが最大の理由でビデオ配信サービスは躓くと考えられる。そうしたときに、どれだけ早くその事態に対処できるかによって、このサービスの未来は変わるとおもわれる。対処が遅ければ遅いだけ、収穫も遅くなるだろう。DVDとは異なり、主体の存在しないデータには財産的な価値などない。しかも、その利用は(ユーザにとって)ほとんどが期間が限定されたものである。たとえDRMで期限が限られていなかったとしても、HDD容量の上限があるユーザにとっては一時的な所有に過ぎない。

2.映画セレクションの乏しさ
  これに関して指摘するのは時期尚早かもしれない。確かに最初のうちはカタログの乏しさになんだこりゃ、と思う部分もあるかもしれないけれども、それは新規参入ということを考えれば致し方ない部分もあるかと思う。少なくとも、短期的に解決可能な問題ではあると思う。

3.リビングルームにコンピュータはない 確かにそうだと思う。この問題は5.惰性10.難しすぎるとも関わってくる問題で、家庭ではテレビで映画を楽しむという習慣がある以上、それが困難であるという事態は足かせとなる。iPodのようにスタイルを提案する形での改善もあるかもしれないけれど、音楽配信における携帯デバイスはSonyのWalkmanの延長線上にあるものであり、それゆえ比較的容易に受容されてきたと思う。しかし、家庭ではテレビでの視聴というスタイルが確立されている映画に関しては、そのハードルは更に高まると考えられる。携帯デバイスでの解決方法は、短期的な解決策とはなりえないだろう、もちろん、将来的にその市場を広げるという意味ではアリなのかもしれないけれど、それは長期的視点で考えるべきだろう。

少なくとも、テレビでの利用を視野に入れる必要があり、そうなれば家庭用のHDレコーダとの連携や、NetgearApple TVといったセットトップボックスの早期の普及が必要となる。しかし、これらのデバイスは多くのユーザにとっては非常に新しく、これまでの概念では捉えられないものである。その点では、音楽配信/携帯音楽デバイスという対応関係を作り出すことで成功した先例を、簡単に踏襲するだけで済む、というわけではない。

また。DRMの問題同様に、規格争いや保護技術の悪用によってユーザの囲い込みを図ろうとすれば、市場全体が認知されにくいものとなるかもしれない。まぁ、この辺のテレビとの連携はAppleのみならずBitTorrentなども考慮に入れており(μTorrentの買収の目的の1つでもある)、当たり前のことなのかもしれないけれどもね。ただ、それが成功しなければビデオ配信サービスの成功は遠くなるともいえる。

4.クオリティ 果たしてユーザがどの程度コンテンツの解像度や品質を考慮しているだろうか。個人的にはそこまで重視していないと思うのだけれどもね。もちろん、HDTVや5.1ch環境を整えている人だけを相手にするのであれば、そのような考慮は必要になるのかもしれないけれど、現状を考えると大多数は普通のテレビであり、普通の2chステレオなのだ。個人的にはこの発想はMark Cubanじゃないんだから・・・、と思ってしまうのだけれども・・・。おくれてるのかしら?

5.惰性 これに関しては、2.でも触れたけれどもやはりテレビでの視聴をメインとする層にもアピールできなければ、そのビデオ配信サービスは難しいと考えられる。もちろん、その層へのアピールが成功すれば、音楽配信サービスどころの騒ぎではないほどに、恩恵をもたらすと思われる。ただし、1.7.ダウンロード速度とも関連してビデオ配信はオンデマンドサービスであり、それがどの程度ユーザライクなエクスペリエンスを提供するか、が鍵となる。ストレスフルなサービスなど誰も必要としないのだ。

6.何が違うの?  これも4.に関連したことだけれどもHDコンテンツの魅力をそこまで理解していないせいか、正直わかりかねる部分もある。それ以外の点では理解できるのだけれどもね。ただ、これがDVDの発売やレンタルと比べて、どれが先にリリースされるかが難しい。DVDの発売と同時期になるのだろうけれども、ならAMAZONでDVDを買った方がいいし、もしくはちょっと待ってレンタルした方がいいと考えるんじゃないかな。やはりここは価格で差をつけるべきかと。そうなればレンタルと同時期になるだろうけれどもね。価格の違いがあれば、それを待って利用してくれるとも思うし。

7.ダウンロード速度、8.ブロードバンド 価格と同様にこれらも大きな問題になるだろう。全ての家庭で快適なFTTHを引いているわけでもないし、ISPによっては帯域制御の対象にするかもしれない。そうなれば、このサービス自体が不快感の塊となりうる。一度利用して、ストレスを感じればまた利用しようとは思わないだろう。DVDを購入するとかレンタルする、映画館に行くというこれまでの手段は、少なくとも習慣として組み込まれている。それに勝つためには、それ以上のメリットを示さなければならない。しっかし、ISPは盛んにFTTHを広めようとするけれど、実際にFTTHを最大限活用しようとするサービスが出てくると、それを制御しようとする。でも結局それって、自社サービスがオーバースペックのサービスだって自分から言ってるような気もするけれどもねぇ・・・。ツンデレ?

9.DRM これもやはり問題の1つだろう。先述したけれども、セットトップボックスごとに利用可能なDRMが異なれば、市場自体が各DRMごとにクラスタを形成して、市場全体が閉塞する可能性もある。現在は市場を最大限広げなければならないわけで、やはりDRMの問題はここでも大きいと考えられる。iTSを利用したAppleの独占状態を考えると、映画スタジオは最初からこの問題を解決するべく取り組んでいかなければならないだろう。それに失敗すれば、Appleの独占どころか市場が非常に小さなものとなり、Appleからも利益を上げられなくなるかもしれない。

10.難しすぎる これもいかにサービスをユーザライクなものとし、直感的なものとするか、に関わる問題である。音楽に関しては若者層がその大半を占める顧客であることを考えると、比較的ハードルは低かっただろう。年配の人に比べると、ユーザはPCになれている。しかし、映画は多様な層を相手にする必要がある。少なくとも、直感的にわかりやすいものでなければ、利用してみようとも思わないかもしれない。これに関しては、PCだけではなく、セットトップボックスをも駆使してより、直感的、ユーザライクなサービス展開の必要がある。

と、いろいろ考えてみたが、この記事の最後にあるように、やはりビデオ配信サービスの普及にはかなりの時間がかかると考えられる。この記事では2010年とあるけれども、それすら楽観的なのかもしれない。セットトップボックスの普及が鍵となると思うけれども、一般の人にもそれを利用してもらうためには、HDDレコーダなどに組み込むといったことが必要になるだろう。そうなれば、大手家電メーカが参加してくれることが必須になるだろう。日本の場合を考えると、NetGearやAppleTVなどといわれても、多くの人はその信頼性に疑問を抱くだろう。やはりこれまで利用してきた信頼の置ける大手家電メーカが生産しているものでなければ、購入されないと思う。ただ逆に、大手家電メーカが参入してくれれば、非常にこのサービスの普及に貢献すると思うけれどもね。

現状ではやはり、ビデオ配信サービスは厳しいなぁと思う。早く普及して欲しいけれどもね。とりあえず、価格を何とかして欲しいよ・・・。

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