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著作権団体、今年のP2Pファイル共有対策はISP周りから攻める?

EEFの中の人が、RIAAによるISPへの過度な要求に対して批判しているよというお話。発端となっているのが、RIAAがISP各社に送付した書簡で、その内容はユーザのIPログを180日間保持すること、とか、訴訟を考えているユーザにISPから入れ知恵(法律顧問を紹介するとか)するな、和解がしにくくなるだろうが、とかいうもののようです。RIAAは、このログ保持の要求をユーザの無実を証明するために必要だ、などといっている模様。さすがにその嘘には無理がある。

原典:EEF - DeepLinks
原題:RIAA to ISPs: Help Us Sue Your Customers Better
著者:Cindy Cohn
日付:February 13, 2007
URL:http://www.eff.org/deeplinks/archives/
2007_02.php#005124

まるで数千人の音楽ファンを告訴することがそれほど悪いことではないかのように、現在RIAAは、彼らび徹底的捜索を合理化する助けるためにISPを徴用しようとしている。大手レコードレーベルは国内のISPに書簡を送り、ユーザの権利を売り渡すよう要求し、過剰に熱心なファイル共有への訴訟をより実りのあるものにしようとしている-そして、RIAAはこれがすべてあなた自身の利益となると主張するほどのずうずうしさまで持ち合わせている。

現在、IPはIPログファイルを保持する義務はない。そのことはプライバシー保護の観点からはよいことである。それらのログファイルはインターネットのブレッドクラムとして用いられる-つまりISPとそこにアクセス可能なサードパーティはユーザのオンライン活動をリトレースすることができる。

しかし、RIAAはISPに対して、ユーザが著作権侵害を行ったであろうとRIAAが主張するときにはいつでも、その顧客のIPログを6ヶ月間保持する(そして提供する)よう求めている。それと引き換えに、レコード会社は、最初に行われる訴訟の和解要求額を減らすという。もちろん、当の顧客は発言権を持たない。RIAA書簡は、顧客の「無実を証明する」ために、情報を保持し続けることを望んでいると主張している。しかし、もちろんそれら同じ記録は、ユーザの関与を明らかにするものでもある。おかしいことに、レーベルはそれについては言及していない。

EEFやその他団体は、著作権の主張が個人のプライバシーを犠牲にする祭壇となる可能性があることを長く警告していた。現在、RIAAはISPに対して、自発的にナイフを振りかざす(訳注:顧客を差し出す)よう求めており、いったんそれがなされれば、RIAAはなし崩し的に要求を強めていく可能性もある。

またRIAAは、顧客に法的オプションについての知識を与えないようISPに求めている。ユーザが正確に特定されることをRIAAが確認する前に、ユーザが訴えられる可能性があること、ユーザはその潜在的な主張を和解することができることを記した文書を、ISPに送付するよう求めている。同時にRIAAは、顧客が妥当な法律顧問を雇うのを助けるために、情報を提供しているとISPを非難している。その代わり、RIAAがISPに対して、その加入者1人だけを差し出すよう求めている。

言い換えると、RIAAは、顧客が早期の和解が間違った考えであるかもしれないということを気づかせるのを困難にして欲しいということである。RIAAはこれまで、両親は子供によって引き起こされた著作権侵害に対しての責任がないこと、または破産が一部の人たちにとっての最終的なオプションとなる可能性があること、またはレーベルが時折誤って人々を訴えたことを顧客に伝えてきただろうか?疑わしい。RIAAの書簡は、一部(訳注:ISP)の人々が「RIAAはあなたのIPアドレスを特定する際に間違いを犯している可能性がある」と伝えるのだという-もちろんそのことは真実である-、そして「加入者にRIAAに連絡させる代わりに、彼らに特定のwebサイトを示した」のだとも主張する。おそらく、それらのwebサイトには、Subpoena Defenceに並んで私たちのリソースも含まれるのだろう。

その後、当該ユーザは早期の和解を望んだかもしれない、しかしISPもファンも、RIAAの「申し出」にあるような著しく邪な選択をする必要などない。私たちが繰り返し指摘してきたように、レコードレーベルはファンを訴えるとか彼らのプライバシーを危険に晒すことなく、アーティストがペイを得るためのより良い方法を作り出すのを支援するべきである。

前回私たちが確認したところ、ISPはRIAAのために働くということはなさそうだ。そして、レコードレーベルが一般的な感覚を取り戻すまで、ISPはミスガイドされた訴訟キャンペーンための召使となってはならない。

何がすごいって、これらの主張の多くが、RIAA自身のためではなくて、訴えられる人たちのため、ISPのために提案していることなんだよ、というスタンスでRIAAが主張していること。何様のつもりだ。

ここで批判されているように、IFPIやRIAAの今年の活動は「いかにISPを追い詰めるか」なのかも知れない。というのも、IFPIの年次レポートに、

レコード産業は、アップローダへの大規模な法的措置が、インターネット上の海賊行為のセカンドベストであることを認めている。ベストの答えはそのソースにより近い者が問題に取り組むということである。つまりISPは、 著作権 を侵害するモノへのアクセスを制限し、それによって大多数のオンライン海賊行為を減少させることへの鍵を握る。そして彼らはその力の及ぶ範囲でそうすることができる。

IFPI会長の発言として記載されている。ここでの文脈はISPに帯域制御ではなく、当該webサイトへのブロックを要求しているのだけれども、この辺からもISPを槍玉に挙げようとする試みが感じられる。というのも、現状では音楽団体は手詰まり状態にある。

まずはじめに、RIAAはP2Pファイル共有ソフトを配布している企業を訴えた。その苦労はGrokster判決において結実したのだけれども、それまでにかかった時間や労力に見合った結果は得られてはいない。確かに複数のP2Pファイル共有企業が店じまいし、和解交渉によってそれなりの金銭も得た(Kazaaに至っては120億円の和解金)。しかし、それでも違法ファイル共有はなくなるどころか、増加する一方だった。さらに、このような配布企業を追い落とすことでその活動を止められるのは、第一世代のP2Pファイル共有(Hybrid P2P)のみであり、 「核戦争でも生き残れるように設計された(Gnutella is designed to survive nuclear war )」 といわれるような第二世代(Pure P2P)以降のP2Pファイル共有ソフトにはなんら効果を持たなかったのである。いかに企業として配布を止めたとしても、そのネットワーク自体はユーザがいる限り生き続ける。Gnutellaなどは最初に与えられた命はたったの1日だったのである。しかも、第一世代のP2Pファイル共有であっても、WinMXのように閉鎖後に有志がサーバを立ち上げて存続を続けているものもある。

Grokster判決と前後するけれども、その判決を勝ち取るまでの道のりは、RIAAやIFPIにとってはつらく険しい道のりだった。Grokster判決を勝ちとるまでは、業界団体側にとって有利に働く判決はほとんど下されてこなかったのである。そこでRIAAらはP2Pファイル共有ユーザをターゲットにした。その顕著なものが2003年のKazaaユーザ一斉訴訟だろう(大半は争うことなく和解)。それによって、違法ファイル共有を撲滅しようとした。しかし、それによってダメージを受けたのは当のKazaaと裁判に引っ張り出されたユーザだけで、他のユーザは新天地でのファイル共有を始めることになる(もともとそのころはKazaaが進んでいたけど・・・)。結局は、ユーザを減らすことはできず、依然としてP2Pファイル共有ユーザが増加を続けた。

次に目をつけたのはHubである。BitTorrentのトラッカーといえばわかりやすいだろうか。BitTorrentやDirectConnect、eDonkeyといったファイル共有ソフトは、ファイルの場所を示すデータをインデックスするサーバが存在する。簡単に言えばそれがhub。これらの多くは、そのプロトコルを開発した企業や開発者によって立てられているわけではなく、ほとんどが有志でサーバを提供している(中には営利目的で立ててるのもある)。RIAAやIFPIではないが、MPAAが2004年から断続的にこれらHubに対しての訴訟を行ってきている。多くはBitTorrentだけれども、2005年のEliteTorrent、2006年のTorrentSpy、Isohuntへの訴訟などは覚えている人も多いだろう。また最近ではIFPIがDC Hubを告発しているしかし、それでもユーザは減らない。増え続ける。しかも、その訴訟も遅々として進まない。

このような現状を打破するために、業界団体が考え出したのがこのようなISPを追い詰めて、P2Pファイル共有ユーザを脅迫するという構図なのだろう。もちろん、脅迫ではないのだけれども、やり方を考えるとそういわれても仕方のない感じではある。上述したようなwebサイトへのブロックを求めるもの以外にも、フェイクTorrent作戦で得られたIPアドレスを利用して、ISP経由でユーザに警告状を送付するという手法も用いている。この辺は完全に密着しているわけではないのだろうが、それでもISPを利用することが、今年の戦略を語る上で1つの柱になっていることをうかがわせる。日本でも同様に著作権団体とISPとタッグを組んで行われているP2Pファイル共有対策があったりする。

ただ、このような戦略が今後どう展開していくかはなかなか不透明である。ISPとしてもP2Pトラフィックには頭を悩ませているだろうし、このような対策にのることが、自社顧客のP2P利用を抑制するかもしれない、と打算的に考えるかもしれない。しかし一方でこのような戦略への協力は、利用者にとってはそれほど気持ちの良いものではない。また、いったん協力することが次にどのような要求を呑まなければならなくなるか、と考えるとおいそれと協力できない部分もあるのかもしれない。今後も考えてみたいお話です。

ちなみに、ここで言われている内容は本当にRIAAからISPに宛てて送られているもの。現物の写しはこちら。その書簡をp2pnet.netが書き落としているなので、興味がある人はそちらを参照するといいかもね。著作権の侵害の主張はすごいが、他人のプライバシー侵害はどうでもいい。それってどうなんでしょうね。

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