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映画盗撮問題:カナダ、ハリウッドからの要求には応じない構え

ハリウッドから、映画盗撮問題に関してよりより厳しい対策の導入を求められているカナダですが、どうやらその要求をはねつけそうだよ、というお話。そもそも、一般の人に多大な負担をかけるであろう要求であるにもかかわらず、どれほどの効果があるのか、どれだけ損失を回復してくれるのかが不明にもかかわらず、自らの当然の権利だといわんばかりに要求してくるのはどうも納得いかない。そして、映画盗撮の罰則強化をしなければ映画の配給を遅らせるぞ、という自らのお客さんである一般の観客を人質にとって脅迫するようなやり方にもね。

原典:Canada.com
原題:Ottawa in no hurry to act on movie piracy
著者:Janice Tibbetts, CanWest News Service
日付:February 13, 2007
URL:http://www.canada.com/topics/news/national/story.html?
id=529fd28d-0c63-4c21-8d3f-499df31f2b3e&k=76635

カナダ法務相Rob Nicholsonはインタビューの中で、商業配布のための撮影を目的として映画館内でひそかにビデオ録画をしている人を逮捕するための厳しい著作権法が、カナダには既に存在している、と答えた。

「この点について、カナダは著作権法(訳注:の実行力)を失ってはいないことをはっきりさせておきます。」と彼は言う。

連邦著作権法において、商業配布のための映画のカム撮りに対しては最大100万ドル罰金、5年の懲役刑である。

Hollywoodは著作権法をより拡張するよう圧力をかけており、20th FOXはカナダでの映画配給を差し控えると脅している。

映画産業は、カナダが映画著作権侵害の世界的な源となり、3年連続して中国、ロシアと並んで米国の監視対象国となっていると非難している。

カナダ国内の映画館を統括する組織、Canadian Motion Picture Theatre Associationsは、Nicholsonが新法のための活動を行っていると記している。

Nicholsonは、彼は「申し出のあったいかなる提案であっても、それを考慮する」つもりであると発言している。

しかし新任の法務大臣は、彼が既にこの先数ヶ月間多くのなすべきことを抱えており、保守系政府の積極的な治安維持課題に専念するということも付け加えている。

「特定の大臣または特定の政府が、1日1日異なるプライオリティーをもち、新たな問題が生じるたびに新たなプライオリティーができる、そして結局は何もなされない、そのような状況になることを私は望みません。」とNicholsonは言う。

Canadian Motion Picture Distributors Associationは、カナダで侵害された映画は、2005年には世界のDVDのカム撮りされたDVDの20%を占め、産業として1億1800万ドルの損失であったという。

「我々がここで扱っているのは、組織的犯罪です。」と同協会会長のDoug Frithは言う。同協会はカナダにおいて米国映画産業の利益を代表する。

Frithによって説明された、もっとも洗練した海賊行為の手法は、違法に得られた映画を映画館を去った数分後にはハードディスクドライブにうつし、それを映画公開後数時間のうちにインターネットで入手可能にするというものである。

Frithによると、連邦著作権法は、カム撮りが営利目的でなされていることを証明するという義務を課しているため、現状では不十分なのだという。

オタワ大学法学教授のMichael Geistは、カナダが映画著作権侵害の主張な源であるというハリウッドの主張には納得がいかないという。

Geistは「問題があるということを示す、より正当な証拠を私たちは必要とする、と私は思う。」と述べている。そして、この問題に対する産業側の調査データについては、「(訳注:カム撮りは)いたるところで行われている」と付け加えている。

より大きな問題としては、産業内部の者が映画のリリース前ですら、DVDを横流ししていることだと彼は言う。

「この問題は『カナダは海賊の避難所となっており、我々はこの問題に対処するためのより厳しい法律を必要とする』などというよりも遥かに複雑な問題でしょう」と彼は言う。

オタワの著作権を専門とする弁護士Howard Knopfは、新たな著作権法が、映画を録画することの可能な携帯電話やその他の製品を持ち歩いている映画ファンにとって問題を引き起こすなら、映画館内でのビデオカメラの使用を違法とすることは、潜在的な問題を抱えるという。

「ビデオカメラを使用することを違法とする法律には問題はないと思います。しかし、私は製品を違法としなければならないとは思いません。多くの企業が、多くのよりよい機能を持った製品を生み出しています。それを持ち歩くことが犯罪となってはなりません。」

カナダがハリウッド側からの著作権法改正要求をはねつけたといった格好の模様。

気になるのは、これによって20th FOXがカナダでの映画の公開を遅らせるか、ということ。ただ、いかにハリウッドがカナダが映画盗撮の温床となっていると主張して配給を遅らせたところで、別の国から盗撮された映画が流出するだけだと思うけどね。

もし、彼らの主張するように盗撮映画がインターネット上に流れることで損失を被るなら、盗撮映画がインターネット上に流れたあとにカナダで公開をすることで更なる損失がでるんじゃないのかしらね。盗撮映画が出回ることで損失がでるっていうんだもの。

もちろん、映画盗撮が問題なのはわかるし、それが抑制されるべきことなのもわかるのだけれども、かといってハリウッドやその他の団体がいうような損失というものが見えてこない。対価が支払われることなく利用されたことを持って、損失が出たという主張は、正直ついていけない。もちろん、それが誰にも迷惑をかけないやり方で改善しようとするなら応援もするけれど、結局このような要求が通れば、ほとんど全てといっていいほどの、問題とは無関係な人たちを制限することになる。問題を起こしているごくごくひと握りの人たちのために。

あまりに費用対効果のバランスが悪い。もちろん、要求している側はそのコストを支払う必要がない。コストを支払うのは映画を観る観客なのだから。個人的な意見ではあるが、そんなのは違法ファイル共有ユーザのやっていることと変わらない。両者共に、タダだからやっているのだ。といえば、ロビー活動や広報活動、裁判などに費用がかかると反論されるかもしれないが、違法ファイル共有ユーザだってそれを利用するために、電気代や回線費用、PC代を払っていますよと。

また、このような対策が行われたところで、本当にハリウッドの主張しているような金額をハリウッドが得るか、という疑問もある。その問題が損失を引き起こしているのだから、その問題が解決されれば損失はなくなるだろう。しかし、本当にそれでハリウッドは利益をあげるのだろうか?答えはNOである。もちろん、微増はするかもしれない。でも、ほとんどのユーザはタダだからやっていると考えると、実際に違法ファイル共有ネットワークに出回らなくなったとしても、彼らが映画館に足を運ぶとは思えない。結局は損失はなくなったけれども、利益はあがってはいないという不思議な状況になるのではないかなと思う。一体何のために彼らは頑張っているのだろう?自己満足?その自己満足に、全く関係のない人たちが巻き込まれるのだからたまったものではない。

私がここまで批判するのは、業界団体特有の誇張された損失によって問題が見えないからだ。もちろん、映画産業をはじめ音楽産業、ソフトウェア産業は海賊行為による被害を実際に受けているわけで、その点では問題を改善すべく活動したり主張するのは至極当然のことと思っている。しかし、彼らの主張や要求は利用者の不利益に繋がることも少なくない。彼らの権利を守ることが、我々の権利を奪うという状況になりつつある。両者はトレードオフの関係にあるといえる。

CCCDのときも問題は全く改善することなく、ユーザが迷惑を被るだけだった。DRMも問題を解決することなく、新たな問題を生み出し、そしてユーザが迷惑を被っている。彼らのやり方はいつもそうだ。大して効果の出ないものに対して、我々にコストを支払わせる。改善すべきなのはもっともだけれども、それで得られるメリットと負担しなければならなくなるコスト、そのバランスが取れた改善でなければならない。現状ではコストが過剰だ。

映画産業が改善を求めるのは当然のことと思うけれど、罪のない映画ファンを人質にとっているかのようなハリウッドのやり方は気に食わない。尊い犠牲とでも思ってるんだろうか。映画ファンがハリウッドを支えているというのに。

ただ、Michael Geistがいう、インサイダーによる未公開映画の横流しってのは、論点をずらしているような気もするけど。それも問題だけれども、それは別に考えるべきことだし、ハリウッド自体も問題視してるんじゃないのかしら?と思う。

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