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ネット上での著作権保護技術のこれからを考える:電子透かし技術の利用

といっても、個人的にこうなるんじゃないかな、というちょっとした想像だけど。前のエントリでGoogleとMySpaceの著作権保護技術の導入についてのトピックを扱ったのだけれども、P2Pファイル共有やビデオ投稿サイトで、今後どのような形で著作権保護技術の導入が進められていくかについて推測してみたい。

このエントリのタイトルにもあるように、今後、許諾のない著作物のアップロードを未然に防ぐための手段として、電子透かし(Digital Watermark)が利用されるのではないかなと思う。もちろん、このような利用に関しては検討が進んでいるのだろうけれども、あまり話題に上がらないので・・・(私が単に知らないだけかもしれないけど・・・)。

当ブログでも、この電子透かしについてエントリ内で扱うことも多いけれども、その多くは著作権侵害をトレースするために利用されるという文脈でのお話であった。たとえば、個別の電子透かしが施された映像によって、その映像をインターネット上に流出させた本人を割り出したり、その流出元となった映画館を特定しようとしたり、といった事後的な対策としての文脈での利用であった。もちろん、そのような事後的な対策が予防に繋がるという部分もあるが、それでも実際の侵害に対しては事後的な対処とならざるを得ない。

しかし、何らかの改変(圧縮やファイルフォーマットの変換など)が行われたとしても検出可能な強い電子透かしが可能となっている現在、それをフィルタリングのためのデータベースの作成に利用できるだろう。そして、それを利用してアップロードをフィルタリングすれば、これまでのような曖昧な方法(たとえばMySpaceが採用したAudible Magicのフィルタリング技術は、音声部分を柔軟に登録し、そのデータベースを作成することで、投稿されたコンテンツとの照合を行う)よりは確実性の高いフィルタリングが可能になるだろう。

ただ、問題点として2つほど挙げておく。1つ目には、現状ではほとんどのコンテンツにこの電子透かしが施されていないこと。いかに電子透かしによるフィルタリングが技術的にも、コスト的にも可能になったとしても、コンテンツ自身に電子透かしが施されていなければ、それを侵害された著作物だと特定することができない。現状のほとんどを占める電子透かしの施されていない従来のコンテンツに対しては、それほど効果をあげることはできない。もちろん、今後電子透かしが一般的になれば、それを利用したフィルタリングは有効になる。ビデオ投稿サイトであれば、自らのサイトが保持している違法なコンテンツの除去やそのアップロードの予防、P2Pファイル共有ソフトであれば、自らのネットワーク内に流通する著作権侵害コンテンツのアップロード、ダウンロードを防ぐことができる。

2つ目の問題点としては、その技術の利用範囲には限界があるということ。ビデオ投稿サイトやP2Pファイル共有ソフトなどは、そのネットワーク上の著作権侵害に対して責任を持つため、ファイルの中身を見て、フィルタリングすることができる。しかし、このような技術をユーザとインターネットをつなぐISPが利用できるかといえば、おそらく無理だろう。そこにはプライバシーの問題があり、プロトコルから判断して制御することはできても、パケットそのものの中身を見て、許可or遮断を判断するわけには行かない。もし、そんなことをすれば「通信の秘密」の侵害になる。負荷軽減のためのWinnyの帯域制御にからんで、PlalaがWinnyトラフィックを完全に遮断しようとしたときですら、その手法が「通信の秘密」を侵害するとして、総務省から待ったがかかっている。それを考えれば、いかに著作権侵害を防ぐためとはいえ、通信内容を傍受することを目的とした電子透かしの読み取りは確実にNGだろう。

確かにISPにとっては、この技術は大幅な法改正がなされない限りは利用できるものではない。少なくとも、第三者であるISPが通信の内容を傍受して、それによって許可or遮断という検閲行為を行うことはできない。しかし、ことユーザとサービスプロバイダ(たとえばP2Pファイ共有ネットワークの提供者やビデオ投稿サイト)との二者関係で見ると、後者が通信の内容からフィルタリングすることは、「通信の秘密」の侵害とはならない。

MySpaceに著作権保護技術を提供しているAudible Magicも、おそらくは電子透かしを利用したフィルタリング技術の開発を進めていると思われる。現在ではコンテンツの特徴を元に、柔軟な認識技術を利用したフィルタリングを行っているが、この4年前の記事にもあるように、おそらくは電子透かしを導入し、効果的であれば既存の技術との併用も考えているだろう。

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