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米国議会:フェアユースの権利を守るFAIR USE法案提出・・・しかし実効性には疑問の声も

DMCAが著作権の利用者の権利を大幅に損ねており、コンテンツ産業側の利益へ過度に傾斜していることを改善すべく、2002年、2003年と2度にわたって提出されたDMCRA法案は、RIAAなど著作権団体の強固な反対をロビー活動によって、日の目を見ることはなかった。しかし、最近になってDMCRA法案を修正したFAIR USE法案が提出されたよというお話。しかし、その内容は前回のものと異なり、例えこれが成立したとしても、現在DMCAによって事実上制限されている利用者の私的複製といった行為が許されるようになるわけではなく、それに対して批判的な意見もある。

原典:ArsTechnica
原題:Digital Fair Use bill introduced to US House (sans teeth)
著者:Ken Fisher
日付:February 27, 2007
URL:http://arstechnica.com/news.ars/post/20070227-8934.html

アメリカ下院議員のRick Boucher(Virginia Democrat)とJohn Doolittle(California Republican)は今日、Freedom And Innovation Revitalizing U.S. Enterprenueship Act of 2007(FAIR USE法案)を発表した。法案の目的は、近年著作権にかかわって起こった全体的なアンバランスを取り囲んでいる狂気に終止符を打つのを助けるというものである。

「歴史的に見て、米国の著作権法は、著作権所有者の権利と著作物利用者の権利との慎重に調整されたバランスを反映するものであった。Digital Milennium Copyright Act(DMCA)は、Fair Useという市民の権利を犠牲にして、完全に著作権保護に向けて劇的に著作権バランスを傾斜させた。FAIR USE法は、デジタルメディアを購入した消費者が、作品の著作権を侵害しない方法で、自らの利便性の高い媒体を用いて幅広く楽しむことができることを保証するものである。」とBoucher下院議員は声明において述べている。

しかし、FAIR USE法がその目的を達成することができるだろうか?取り急ぎ調査したところ、どうやらこの法案はDMCAに対して大きく影響を与えるものではなさそうである。その現在のかたちでは、FAIR USE法は、事実上Boucherが以前に提出したDMCRAの薄められたバージョンだといえる。それはコンテンツ産業によって強く反対され、第108、第109期連邦議会で支持を得ることのできなかったものである。DMCRAは、回避禁止法(DMCA)にかかわらず、デジタル商品のいかなる「Fair Use」をも合法的なものであるとした。しかし、それはコンテンツ産業にとって重大な障害であったため、FAIR USE法ではこれが盛り込まれてはいない。

この法案が通過したとして、FAIR USE法は、近年著作権局(the Register of Copyrights)によって認められている回避禁止規定の例外を成文化するためにDCMAを修正することになる。それは時代遅れのテクノロジーやアンロックされた携帯電話への許可を含む。現在の例外項目は、コピー防止技術の回避を許可する。
1)大学のメディア学科の教育目的のライブラリ
2) 起動するためにオリジナルディスク、またはオリジナルハードウェアを必要とするコンピュータソフトウェアの使用
3)ドングル-プロテクトされたコンピュータプログラム(ドングルの機能や代価がもはや存在しない場合。)
4)保護されたe-book(スクリーンリーダーソフトウェアを利用するため)
5)携帯電話を特定のワイヤレスネットワークに接続するための携帯電話のファームウェア
6)オーディオCDを含むDRMソフトウェア(ただし、ソフトウェアがPC上でセキュリティの脆弱さを作るときのみ)

改めて言おう、この法案は、「暗号化された著作物の私的利用のためのコピーに対する保護を取り払う」という多くの人達が望んでいることを実現してくれるとは思えない。消費者がDVDをバックアップすることも、オンラインで購入した音楽を好きなデバイスで再生できるように暗号化を解除することも、DMCAによってある日突然違法にされたほとんどのことも、この法案によって許されるわけではない。

法案は、幇助侵害や侵害の助長、代位責任、その他間接的な侵害を含む侵害によって生じる法定損害賠償に制限をおくことを強く求めている。それによって法案は、MGM vs Grokster裁判の影響を恐れるテクノロジー企業の恐怖をやわらげるため、助長や幇助侵害に関する法律を成文化することを求めている。

Boucherのオフィスによると、この法案の支援者たちは、Consumer Electronics Association, the American Library Association, the American Association of Law Libraries, the Association of Research Libraries, the Special Libraries Association, the Home Recording Rights Coalition, the Computer & Communications Industry Association, その他であるという。

以前に提出されたDMCRAについては、妖精現実フェアリアルで詳しく、そしてわかりやすく述べられているので、そちらも参考にして欲しい。フェアリアルの記事内にある「誘発法」についてはこちらを参考にして欲しい。

この法案については、反DMCAの立場をとる人の間でも、賛否が分かれているようだ。この記事を読んでもらえばわかっただろうけれども、ArsTechnicaとしては非常に否定的に見ている。一方で、Slyck.comはあくまでも限定的なもので、この法案が成立してもユーザの私的複製の制限は残ったままであることを認めつつも、少なくとも前進であるとやや肯定的にとらえてもいる。

やはり、こういうとらえ方の違いは、現状のあまりにひどい制限がなされているということと、それを改善してくれることをぶち上げたDMCRAへの期待が強かったことが、原因じゃないかなと思う。私自身も半々といったところかな。

ArsTechnicaの言っていることももっともな部分もある。DMCRAのもともとの理念は、「著作権でお金儲けをしている企業に過度に都合のいい状況になっており、それを利用する人達の利益を考えるとバランスがあまりに崩れている」という状況を改善しなければならない、というものだった。しかし、今回の法案は名前こそFAIR USE法となっているものの、消費者のフェアユースを求めたものというよりは、いかにしてソフトウェア/ハードウェア企業や図書館をDMCAの例外に含ませるか、といったものでしかなかったようだ。もちろん、これが間接的には消費者の利益になるのだろうが、もともとが直接の利益を約束していたものであっただけに、落胆は大きかったのかもしれない。

一方で、Slyck.comの言っていることももっともである。以前の法案が通ることができなかったのも、RIAAをはじめとする著作権を利用して中間搾取する方々によって押しつぶされてしまったという経緯がある以上、これまでと同じやり方では通じないというのも明らかだろう。そう考えると、可能性の高いところから、成果を挙げていく、という戦略をとることもそれほど間違ったことではない。

ただ、ArsTechnicaの批判に戻ると、たとえ一部で成果が上がったとしても、本来目指していた目的が達成できなくなるという可能性も否定できない。少なくとも、今回のFAIR USE法が成立すれば、ハードウェア/ソフトウェアメーカにとっては大きな成果になる。しかし、本当にフェアユースを求めている人達の成果はそれほど大きくはない。もちろん、その後にさらにユーザのフェアユースにまで踏み込んた法案が提出されるのだろうけれども、一定の成果を挙げたハードウェア/ソフトウェアメーカが今回のFAIR USE法案ほど支援してくれるかどうかは疑問が残る。そうなれば、結局のところはユーザのフェアユースは制限され続ける可能性は高いだろう。

かといって、いかにハードウェア/ソフトウェアメーカの後押しがあったところで、DMCRAの成立はできなかったわけで、そういう事情を考えるとやはりできることから、という部分にも賛同できる・・・しかし、それはユーザのフェアユースには(・・・以下スパイラル)

さて、ユーザ側からの反発や疑問の声も大きいこのFAIR USE法案だけれども、その当事者であるコンテンツ産業はどのような反応をしているだろうか?という疑問もあるだろう。その辺は次のエントリで。

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