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違法ファイル共有ユーザは金のなる木:RIAAの新たな和解プログラムは、新たなビジネスか(2)

前のエントリでは、RIAAの打ち出してきた新たな著作権違反対策の概略を紹介し、その対策でなぜ大学生がターゲットされたのかの問題提起を行った。このエントリでは、なぜ一般のユーザではなく、大学生をターゲットにするのかを考えてみるよ、というお話をしてみたい。

原典:Slyck.com
原題:RIAA Announces New Campus Lawsuit Strategy
著者:Thomas Mennecke
日付:February 28, 2007
URL:http://www.slyck.com/story1422.html

最初にNapsterがあった。RIAAは、この栄華を極めたP2Pネットワークを訴訟によって、うまく忘却の彼方に追いやった。この完全なるMP3コミュニティは解体されたものの、ファイル共有コミュニティはGnutella、FastTrack、AudioGalaxy、eDonkeyに移行していった。P2Pネットワークが分散したことで、これらのネットワークを解体することは、もはや現実的な選択肢とはなりえなくなった。RIAAにしてみれば、個人に対する訴訟が、唯一の解決策であった。

それは2003年に遡る。それからほぼ4年の歳月が流れたが、CDセールスが減少を続ける中、ファイル共有人口は増大を続けている。デジタルミュージックのセールスは、その導入以来増大を続けているが、セールスの損失を補うには至っていない。Napster全盛のころから、大学のキャンパスは、フリーなファイル共有の拠点としての側面を持ち続けている。学生たちは音楽産業の提供するDRMという選択肢にウンザリし始めているようだ。

本日行われた記者会見では、RIAA会長兼CEOのMicth Bainwol、Cary Sherman代表、相談役兼副代表のSteven Marksは、主として学生のダウンローダを標的にした新たな反海賊戦略を発表した。しかし、それは学生に限定されず、全ての人たちをも対象にすることができる。

この新しい戦略とはなんだろうか?多くの人達に、RIAAの訴訟に持ち込むまでのやり方が知れ渡っている。Media SentyといったRIAAのエージェントが、無用心なファイル共有ユーザから、ファイルをダウンロードする。個人の共有ディレクトリのスクリーンショットがとられ、訴訟の勝利を確実なものにするために、複数のファイルがダウンロードされる。そうして、個人のIPアドレスを得る。著作権の侵害とみられるアップロードを確認した後、RIAAは該当するIPアドレスに関連する個人情報を求めて、ファイル共有ユーザのISPに召喚状を送りつける。そうして、RIAAは無用心なファイル共有ユーザに、訴訟が間近に迫っていることを通告するのだが、同時に和解のための選択肢も提示する。典型的な和解では、3,000ドルから5,000ドルの費用がかかる。

本日の記者会見は、Mitch BainwolとCary Shermanによるイントロダクションからはじめられた。彼らは、いかに海賊行為が彼らに莫大な経済的損失を与えているか、どれほどキャンパス内の海賊行為が(彼らのビジネスにかかわる人々の)仕事のレイオフ(一時解雇)を引き起こしているかを詳細に説明し、大学生が利用すべき(しかし複数の理由でそうではない)、これら全ての選択肢を挙げていった。それからSteven Marksは、記者会見の本題に話を進めた。それは非常に刺激的なものであった。

RIAAの新たな計画は「前訴訟警告状(pre-lawsuit letter)」と呼ばれる方法を採用する。RIAAは複数の大学キャンパスに対して、既にこれらの警告状を400通送付しており、この計画は現在進行中のようである。基本的には、警告状は大学に送付され、その後学生に転送される。学生は訴訟の恐怖を回避するために、20日以内に、「割引された」和解の選択肢を提示される。RIAAは、この割引がいくらであるかについては詳しくは述べてはいない。少なくとも、それが3,000ドルという、現在の訴訟においてはじめに要求される額よりは少ないだろう、と推測することができるだけである。

この新たな戦略が大学生を主なターゲットとしている一方、このやり方は全てのISPとその消費者に向けても、全国的に実行される。RIAAはこれを「win, win, win, situation(三者全てが勝利する状況)」として新たな戦略を打ち出している。これが意味するところは、ターゲットにされた人にとっての勝利、「私たち(RIAA)」にとっての勝利、そして大学にとっての勝利である。この新たな前訴訟警告状の内容は明らかにはされなかったが、この警告状を手にした学生が、自らを勝者であると感じるとは到底思いがたい。

さらに、RIAAはLimeWireとAres Galaxyユーザに対する法的措置を進めると述べた。RIAAの最初のイントロダクションのあと、リポーターからの質問を受け入れた。Slyckもその列に加わっていたのだが、我々が質問をする前に、その時間は終了してしまった。
相変わらず、誇大な被害を訴えているようだけれども、この記事の中にあるように、RIAAは「win, win, win situation」という言葉を用いている。これはRIAAにとって、学生にとって、大学にとっての勝利だという。私はここに、RIAAの表には明かしていない理由が存在すると考えている。おそらく、これをさらに一般化すれば、RIAA、ISP、その利用者という三者になる。しかし、それはRIAAにとってはいささか都合が悪い。というのも、RIAAが望むほどISPは従順ではないのだ。それはRIAAやその他の著作権団体が現在、ISPに対して要求を強めていることからも、よくわかるだろう。

しかし、一方で大学側はというと、常にRIAAやMPAAからの要請に頭を悩ませている。キャンパス内のネットワークに対する責任は、大学側にも課される。もちろん、ISPも自社ネットワークに対する責任は負わされるのだけれども、やはり大学側に課される責任(というよりプレシャー)の方が大きい。そして、そのような責任をこれまで強く求められてきたということもある。そのため、多くの大学でRIAAのいうがままの対策をとられているところも多い。

そのような大学当局に対して、RIAAから警告状が送付される。多くの大学はRIAAの主張が正しいかどうかにかかわらず、その主張を鵜呑みにして学生に警告状を転送する。おそらく大学が警告状を転送してそれで終わり、ということはないだろう。学生の選択に干渉してくることは想像に難くない。少なくとも、自らの大学の学生が提訴されるという状況は望ましくないだろうから、RIAAの支払いを済ませ、違法にダウンロードしないということを宣誓するよう求めるだろう。深刻なケースでは、このRIAAとの前訴訟的な和解を受け入れない学生に対して、なんらかのペナルティを課すところもでてくるかもしれない。RIAAがそういっている、というだけで。ともすれば、RIAAが学生に処分を課すよう大学当局に求めるかもしれない。少なくとも、「win, win, win situation」の1つに大学を持ち出してきたことからも、RIAAが大学にプレッシャーを与えていることは感じ取れるだろう。

また、大学生のほとんどは、両親の被保護下にある。少なくとも、被保護下にある自分の子供がRIAAに提訴されそうになっているのであれば、なんとしてでもそれを防ごうとするだろう。いかに自分の子供がRIAAと戦うと言っても(そんなガッツのある学生がいるかどうかは別として)お金を払って解決できるなら、そちらを選ぶだろう。また、子供のためとなれば親は出せるだけの金額はかき集めてでも捻出するだろう。

少なくとも、RIAAが大学生をターゲットにしたのは、このような2つの理由が考えられる。1つは、大学を通じて送付することによる脅迫効果の増大を利用して、もう1つは、親の子供を思う気持ちを利用して、である。それによって、より前訴訟的な和解を引き出すことが容易になるのだ。

さて、このようなRIAAの戦略は具体的にはどのような方法を用いるのであろうか。それについて、TorrentFreakに面白い記事が載せられている。次のエントリでは、RIAAによる具体的なやり口と、そのやり方がRIAAにとっていかに都合の良いものであるのか、いかにぼろ儲けなビジネスであるかについて考えてみたい。

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