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FreeCulture.org:アンチDRMビデオコンテンスト

さて、前回のエントリでは、SIFEとMPAAによる反海賊行為プロパガンダコンテストとその作品を紹介したけれども、今回はFreeCulture.orgが開催したアンチDRMコンテストとその作品を紹介しようと思う。反海賊行為プロパガンダコンテストのほうは、なんともクリエイティビティのない作品が多かったけれど、こちらのほうは参加した人達が一部の学生だけに限られるというわけでもないので、非常におもしろい、すばらしい作品が公開されている。

昨年のことになってしまうが、FreeCulture.orgは10月3日のDay Against DRM(アゲインストDRMの日)にあわせてアンチDRM公共広告のコンテストを行った。告知が9月15日、締め切りが10月1日であることを考えると、製作者に許された日程は非常にタイトなものであったことは想像に難くないが、それでも非常に優れた、面白い、そしてクールな作品が数多く寄せられたようだ。現在、FreeCulture.orgではそのとき受賞した5人の作品を公開している。以下にこれら5人の作品を紹介しよう。前回のエントリの作品は、自主制作風な冗長でウンザリするものだったかもしれないが、今回の作品は非常にすばらしいものぞろいなので、是非見て欲しい。

それでは、最初の作品をご覧頂こう。

Interchangeability(互換性) by R. Clayton Miller
CC License: BY-SA


この作品はDRMが制限している相互交換性の問題をわかりやすく示している。過去にレコード、カセットテープ、CDという媒体が存在した。そのデバイスが変化使用とも、それらの媒体は長きに渡って利用することができた。しかし、現在はDRMによって同じ媒体(データ)であっても、それを扱う別のデバイスとの相互交換性がない、という問題を非常にシンプルに描いている。


Trusted Computing by Benjamn Stephan and Lutz Vogel (Lafkon)
CC License: Sampling Plus


このビデオは、Trusted ComputingTrustという言葉に焦点を当てて、Trust(信頼)とは何かというところから、問題を考えている。Trusted Computing(信頼されたコンピューティング)とは、ハードウェア/ソフトウェアの両面からセキュリティを確立しようとするコンセプトである。これによって、ユーザのセキュリティの向上やコンテンツ保護などが可能になるが、一方でそのような「信頼」がユーザとそれを提供する企業間で担保されてはいない、という批判もある。このビデオはナレーションがメインになっているので、以下に要約しよう。

「信頼」とは強制されるものではなく、相互関係に依存するものである、と意味的には定義されている。Trusted Computingのオリジナルのコンセプトは、「To Let You Decide(あなたに決定させる)」ものであり、ユーザは「信頼できるもの」と「脅威」を自ら判断することができる。その上で脅威から保護してくれる。

しかし、産業側の考えるTrusted Computingはそれとは異なり、「You can not Decide..., because They already Decided for you, and They already decided NOT to trust You.(あなた決定することはできない...なぜならば産業側が既に決定しており、そして彼らはあなたを信頼しないということを決定しているからだ。)」である。彼らが私たちを信頼していないのに、どうすれば私たちは彼らを信頼することができるのだろうか?という疑問を投げかけている。そう、Trustとは相互関係に依存するものである。

続いて紹介する2本のビデオは非常にシンプルなものだ。

Anti-DRM Animations by Daniel Oeffinger  CC License: BY-SA


家の中にいる女性が電話をかけ、「ゴキブリが嫌いなの、どうにかしてくれない?」と業者に依頼する。業者は女性にこういった。「ゴキブリが嫌いなものをご存知ですか?ゴキブリはが嫌いなのです」。そしてスタッフを派遣して、女性の家に火を放ち、無事ゴキブリは家から逃げ出していったとさ、というお話。何がいいたいかというと、

Sometime The Solution is Worse than the Problem.
(時として、ソリューションは問題よりたちが悪い。)

極端な話だけど、わかりやすい。というか、おもしろい。同じ製作者がもう1本出展しているようで、そちらもご紹介。



少年が自転車に乗っている。それを見た別の少年が「かっこいいね!ボクにも乗せてくれない?」とお願いする。自転車の少年はそれを快諾するが・・・。というお話。まぁ、DRMがデバイスを破壊するわけじゃないけれどもね。

Sharing shouldn't Hurt. (共有は必ずしも害を与えるものじゃない)

続いての作品も、メッセージとしてはシンプルなものだ。

Legally Bound by Ami Goff
CC License: BY-SA


DRMを鎖のメタファーを用いて表現している。もちろん、CD自体にはDRMが施されることはないのだけれども、1つの表現としてCDラック(つまりコンテンツ)に、そして映像に鎖がかけられる、そして私たち自身にも鎖がかけられる。映像自体もかっこいいね。

そして最後の作品。これはリアルな世界にDRMがあったら、という作品。

Real World DRM by adcBicycle and team
CC License: BY-SA


登場人物は女性と男性の2人。おそらく二人で暮らしているのだろう。男性には黄色いタグが、女性には青いタグがつけられている。それぞれの所有物には、それぞれの色の目印がつけられている。そして互いに互いのタグのついたものを使うことはできない。最後は非常に意味深なオチがついている。

さて、これらの作品は全てCCライセンス下にあり、全てが再配布可能なものだ。その上で、彼らはDRMに反対している。この作品を見る限りでは、彼らのクリエイティビティは決して損なわれてはいないように思われる。前のエントリでも書いたけれど、海賊行為や保護されないことがアーティストのクリエイティビティを奪うとか、価値を損なうだとかいう主張は何なんだろうと思う。

もちろん、潤沢な資金があることが、アーティストのクリエイティビティを実現することもあるけれど、かといってお金がクリエイティビティの源泉かといえば、なんか腑に落ちない。否定するわけじゃないし、My Blooby ValentineのLovelessのように、クリエイションを倒産の危機に追い込むほどの金をつぎ込んだ結果、世界的、歴史的な名盤が生まれたこともある。しかし、大して金のかかっていないMy Bloody Valentineの過去の作品がそれに劣るかといわれれば、全くそうではない。私がMy Bloody Valentineの楽曲の中で一番好きな曲は、Lovelessに含まれる曲ではなく、それ以前のYou Made Me Realiseという曲である。おそらく大した金はかかってはいないが、そこには彼らの溢れんばかりのクリエイティビティが詰まっている。

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