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著作権侵害が懲役10年以下になれば何が変わるの?

みんな大好きなACCSの久保田氏(髭の人)がブログを立ち上げたよ、というお話。個人的に嫌いではないので、好意的に読んでいるのだけれども、それでも違和感を覚えるところがあるので、1つ考えを書いてみようかなと思うわけです。とりあえず、罰則が強化されることで何か変わるのかなぁということも含めて。

原典:愚直なまでも著作権
原題:著作権侵害が懲役10年以下になる意味
著者:久保田 裕
日付:2007年03月19日
URL:http://blogs.itmedia.co.jp/kubota/2007/03/10_6942.html

著作権法違反の罰則は、今年の7月から一部が「10年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはこれらの併科」に引き上げられます。この「重み」の想像がつくでしょうか。ちなみに、窃盗罪が「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、背任罪は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、住居侵入罪は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」。殺人罪の場合は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」です。

通常、刑罰の重さは、法益(法によって守られる社会的な利益)に見合ったものになっています。他人のものを盗む「窃盗罪」は、もちろん何をどのくらい、どのような方法で盗んだかによりますが、最高では10年の懲役が相当であると考えられているわけです。そして、誤解を恐れずに言うとすれば、著作権侵害罪についても、窃盗罪の場合と同等の法益への侵害があるのだと、日本では決められたということになります。

さて余談だけれども、法益、という言葉が出てくるけれども、法益を考えるのは誰か、ということ。それは究極的には国民一人ひとりの総意によって決められるべきことである。しかし、日本では間接民主制が採用されており、国民の代表たる国会議員がそれを決めることになる。しかし、実状を考えれば、著作権が争点となって有権者が国会議員を選出するなどと言うことはまずありえない。多くの国会議員は著作権に関しては、国民の声を反映していないと考えることも出来る。(もちろん、これは間接民主制の穴の1つなわけで、これを回避するために直接民主制にしましょう、というのも解決のために問題を作り出すことにもなりうるけどね)

そんなフリーなスペースになっている著作権に誰が走りこんでいるか、と言えば著作権ロビー団体、つまり著作権で経済的な利益が上がる人達だ。彼らは国会議員に対して直接、間接的に働きかけを行うことが出来る。色んな方法があるだろう。しかし、著作権保護を肥大化させることが消費者に対しての負担やコストを高めるという側面もある。コピープロテクトやDRM、私的複製補償金などの問題を見れば明らかだろう。では、消費者の側がそのスペースに走りこめるか、と言えば現実的には難しいだろう。

たとえ消費者の権利として業界団体と拮抗しようと考えたとしても、向こうはそれによって経済的な利益を得る人達である。可能な限りの資源を投入して、それに打ち勝とうとするだろう。一方で消費者の側は勝ち得たとしても経済的な利益を得るわけではない。したがって業界団体のようなロビー活動などは現実的には不可能なのである。

で、唯一消費者を守ってくれそうなのが、行政になるわけだけれども、それもまた万能ではない。ことビジネスの話になると、それが法益であると考えてしまう節もある。また、国会議員からの意向も受けやすかったりする。話を進めるに当たって、推進派と否定派を織り交ぜて議論はしてくれるのだけれども、あくまでも議論でしかないうえに、否定派となる識者(推進派は基本的には業界団体)の選出もまたバイアスがかかる場合がある。かくして、議論は国民の目に触れることもなく話は進んでいき、法律として成立する。そうなればしめたもので、そのよい面だけを殊更に強調すればよい。かくして輸入権のような無茶苦茶な話が現実になるわけだ。

さて話を記事に戻すと(ここまで余談)、なぜ懲役10年以下になるのか、については書かれているけれども、懲役10年以下になることでどうなるのか、については書かれていない。果たして久保田氏は厳罰化によって著作権侵害が抑制されると考えているのだろうか。

個人的には、厳罰化は抑制効果を持ち得ないと考えている。今年の7月から上限が懲役10年以下になるそうだが、2年前にも罰則の強化が行われているおり、それまでの「3年以下の懲役、300万以下の罰金」というものを、「5年以下の懲役、500万以下の罰金」に引き上げている。

では、罰則が強化されたことで、この2年間にどのような変化があっただろうか。その答えは私が言うまでもないだろう。

ただ、最後に付け加えたいのだけれども、個人的にはACCSをはじめとする著作権団体の、対P2Pファイル共有ユーザへの法的な側面(訴訟絡み)での戦略に対しては、それほど否定的に見ているわけではない。確かに、ACCSが中心となって世界初となるP2Pファイル共有ネットワーク上での著作権侵害に対して逮捕者を出しているものの、それは権利者として当然の権利の行使であり、保護のための方策の1つとして理解できる。さらに、米国などにおける法的な脅迫行為などもあるわけではない。確かに金子氏の逮捕などは疑問が残るけれど、それ以外については個人的には行き過ぎているなぁという感じはしない。むしろ、妥当な程度かなとうくらい。ただ、それでも考え方に対しては同意できない点も多々あるというだけでね。

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