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音楽をダメにするは、ダウンローダーではなくRIAA

現在、RIAAの前和解戦略によっていいカモにされつつある米国大学生。そのターゲットとされている大学生の1人が、RIAAの戦略に対して、批判しているよ、というお話。これは大学の学生誌の意見欄なのだけれども、私は非常に魅力を感じた。もちろん、言いすぎな部分もあるのだけれど、かといって彼の主張全ては否定されうるものではない。「法律を変えるという試みの大部分は、市民ではなくレコード産業によって行われてきた。」「RIAAの利益は、長らく国会で扱われてきた。そろそろ我々が声を上げるときが来たのではないだろうか。」という主張には、非常に同意したい。

原典:Sidelines Online(中部テネシー州立大学の学生誌)
原題:RIAA, not downloads, spoils music
著者:Matthew Adair
日付: March 26, 2007
URL:http://media.www.mtsusidelines.com/media/storage/paper202/
news/2007/03/26/Opinions/Riaa-Not.Downloads.Spoils.Music-
2790485.shtml

ブッシュ政権と米国レコード産業に共通することはなんだろうか?両者共に、負けゆく戦略を持って戦うことを決意している、ということだろうか。

もちろん、RIAAの負けゆく戦いは、現在進行中のGnutellaやLimeWireといったファイル共有からの音楽ダウンロードの問題である。この戦いに関連した最近の話題は、非常に痛いところをついている。20名のヴァンダービルト大学の学生やテネシー大学の学生らが、違法に著作物をダウンロードしたと訴えられ、数千ドルの重い罰金を請求されている。そして、その罰金はさらに高くなることもありうるという。テネシー大学2年生のChelsea Connは、もし彼女がRIAAとの和解に応じなければ、100万ドルの罰金を科せられる可能性があるという。

RIAAの要求している罰金は、違法ダウンロードによって受けた経済的な損失を補償するための方法としては、合法的なものとみなすことは出来ない。特に、RIAAが主張する『損失』がないに等しいという調査が発表されているのだから。2004年3月に発表された分析では、ハーバードビジネススクールとノースキャロライナチャペルヒル校の2つの研究者は、何億もの音楽ダウンロードが毎週のように行われたとしても、これがレコード産業に与える影響は、音楽業界の損失のごく一部しか説明することができない、と結論付けている。

本当のところ、これら全ての真犯人はビジネスそのものなのである。ビジネスは基本的に、契約を利用してアーティスト-特に新しいアーティスト-からの重窃盗罪を犯している。レーベルは契約条項によってより多くの利益の割合を得るために熱心になるだろう。ミュージシャンは諦めるか、そうでもなければレーベルからほんの数パーセントを引き出すために、満月の下で裸でストーンヘンジの周りを踊るか、凄腕の弁護士を雇うより他はない。その結果、レコードセールスからアーティストが受け取る収入は、どれだけ多くとも、10分の1程度になってしまう。

ここでは、誰が誰から盗みを働いているんだろう?

私はインターネットでの音楽ダウンロードが違法だとかいう議論をしようとは思わない。現状では、それはそうなのである。著作権法はテクノロジーと歩調を合わせてこなかった。そして法律を変えるという試みの大部分は、市民ではなくレコード産業によって行われてきた。このように、消費者の権利を尊重しつつ、アーティストを保護するための合理的な法律を得る代わりに、我々はDMCAや著作権保護期間延長法のような茶番を押し付けられることになった。それは、パブリックドメインの基盤、著作権の概念やオープンな情報・アイディア、イノベーションの共有を妨げるものであった。

本当に必要なのは、クリアチャネル(訳注:米国の巨大メディア企業。詳しくはこちら。) やメジャーレーベルのためではなく、アーティストとリスナーの真の保護ではないか。我々はパーソナルユースのために音楽をダウンロードする。iPodの入れるためだとか、PCに保存するとかいうために。我々は、ダウンロードした音楽を売ることで利益を得るわけではない。たとえそれを誰かに配布するとしても、自分の友人だけに、無料で、対価を求めずに、だ。LimeWireやGnutellaといったサービスは、我々が楽しんでいるアーティストの作品を容易に共有する方法を提供するために人気がある。これらのファイル共有ネットワークは、しばしば人々がどんな音楽を聞いているのかの指標となるだろう。つまり、音楽業界はそれに注意を払うことが賢明だということ。

RIAAの利益は、長らく国会で扱われてきた。そろそろ我々が声を上げるときが来たのではないだろうか。パーソナルユースのための音楽ダウンロードは犯罪ではないし、テレビ番組をビデオテープやDVDにコピーするのとなんら違いはない。別の例を挙げると、カーステレオで聴くための音楽をテープ録音するようなものだ。それを明確にした著作権法のために、我々は国会議員に対して働きかけなければならないだろう。

さらに言えば、もし法律で守られていないのであれば、アーティストの全ての作品をレーベルから引き抜いて、損害も罰金も受けることなく、それをどこかほかで(メジャーレーベル以外でも)出版するための権利を確かなものにするべきだろう。クリエーターが彼ら自身の作品に対するわずかな権利しか保持していないことや、音楽史に残るもっとも優れた音楽(最悪のゴミも同様にだが)の所有権が、卵や鉄、油のように売り買いされていることが、音楽やエンターテインメントの芸術性にとって、非常に嘆かわしいことである。

音楽業界を支配してきた大企業は、長らく問題もなく利益をかき集めてきた。この国とここに住む人々が、最良の作品を育てる自由市場の力を強く信じているなら、今こそ、超リッチで強力な奴ら以上に、その市場をコントロールする力を得るときなのだ。著作権をあるべき姿に変えよう。なぜなら、すばらしい音楽には、腕も、足も、訴訟も必要としないのだから。

前半のくだりは非常に興味深い主張である。比較的私に近い論調であるのだけれども、私のようにグダグダ言わずにうまくまとまっている。

多くの部分が彼と同意見なのだけれども、それでも彼の意見に対しては、批判的に思う部分もある。同意見部分についてここで述べるのも、これまで述べてきたことと重複するし、彼の主張の言い換えになってしまうので、この際割愛して、彼に対する批判的な意見だけ二点ほど述べることにする。

まず第一に、違法ファイル共有を是とすることはやはり難しいということ。確かに彼の言うように、ローカルの知り合いに対して、自らのお気に入りを詰め込んだ編集盤をあげるとか、そういうことを私的複製ではないにしても、許容すべきだ、という意見なら同意しうる部分もある。ただ、例え利益を求めないにしても、P2Pネットワークというグローバルなネットワークとなると、その論理はいささか拡大解釈であると思う。少なくとも、それが是とされるのであれば、オンライン音楽配信サービス自体が成り立たなくなる。

第二に、アーティストの権利を主張するのであれば、それをリスナーの権利のために利用すべきではないということ。もちろん、リスナーの権利と、アーティストの権利が絡み合っている部分もあるが、それぞれはお互いに不干渉な部分だってある。もちろん、アーティストの権利が守られることで、よりアーティストが表現したいものを創作することができ、それがリスナーの利益になることもある。しかし、それはアーティスト自身が主張すべきことであるし、リスナーが主張するにしても、自らの権利と絡めて主張すべきことではない。私個人の感覚になってしまうが、「文化のためだ」といって利権を拡大しようとする著作権団体と一緒のことをしているような感すらある。著作権団体を批判するなら、リスナーの側も彼らと同じ行為をすべきではない。つまり、アーティストをダシに使うなということである。

ただ、彼のいうアーティストの権利を守ることも非常に重要なことではあるし、彼の主張自体も非常に的を得たものであると思う。ただ、それは別の文脈で語るべきことだと思う。また、それ以外の点に関しては、ほとんど同意したい。

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