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CBS、フリーなオンラインビデオ共有ネットワークを構築:より効果的な広告モデルか

CBS米国放送局のCBSが、同社のコンテンツの無料での配信に乗り出したというお話。これ、何がすごいかっていうと、非排他的、非独占的な提携によって、さまざまなプラットフォームにコンテンツを提供し、巨大なネットワークを構築しようとしているところ。これまでのコンテンツ産業のやり方は、排他的に一部のサービスにのみコンテンツを提供してきた。CBSの戦略はそれとは正反対のものであり、より多くのプラットフォームに提供することで、視聴の機会を増やすことによって利益を上げる、という広告モデルの価値を最大限活かす努力をしている。あまりに単純化しすぎるのも問題だが、世の中には「無料なら利用する人」と、「有料でも利用する人」がいるとする。割合としては圧倒的に前者が勝っており、後者は前者に含まれている。誰を相手にビジネスをするのが最も利益を高めるのだろうね。

原典:CNET News.com
原題:CBS forms online video-sharing network
著者:Staff Writer, CNET News.com
日付:April 12, 2007
URL: http://news.com.com/CBS+forms+online+video-sharing+network/
2100-1026_3-6175626.html

今週木曜、CBSは、無料でクリップやフルレングスのコンテンツの共有が可能なビデオ配信ネットワークを公開した。

同局は、Brightcove、Joost、Veoh Networks、Sling Media、AOL、Microsoft、CNET Networkといった、さまざまなオンラインコンテンツやビデオの共有サイトとのパートナーシップを発表した。

CBSのCSI、Late Show with David Letterman、Survivor、CBS Evening News with Katie Courictや、複数のスポーツ番組といったCBSの番組が共有、視聴可能となる。

すべてのコンテンツの視聴は無料であり、広告収入によって支えられる。

CBSはいかなる提携も独占的ではないとしている。「伝統的なメディア企業の展望から、可能な限り多くのコンテンツを次世代のプラットフォームに提供することが目標となります。私は、すべてのメディア企業がこのように取り組むことを望みます。」とCBS Interactiveの社長Quincy Smithは語った。

ちょうど先月、News Corp.とNBCは、クリップ、フルレングスのテレビ番組、映画をオンラインで配信するため、AOL、MSN、Yahooとの合意を発表した。この新たなネットワークは、web上で最も人気のあるビデオ共有サイト、YouTUbeに対抗するための試みであると見られている。

CBSは、YouTubeもパートナーとしているが、新たなビデオポータルサイトには興味はない、とSmithは語っている。

「我々は、(NBCとNews Corp.の)合弁事業を非常に評価しています。(しかし)『実際に独立していられるにもかかわらず、なぜ他のメディア仲間と排他的に結びつこうをするのか?』ということを我々はは常々言ってきました。」とSmithはいう。

複数のパートナービデオサイトは、CBS専門のコンテンツポートフォリオを作成している。Smithによると、JoostやSlingといった、未だ正式なサービスが開始されていない、どうなるかわからないプラットフォームに関する選択は、独立した決定によってなされる「柔軟な」パートナーシップであり、(訳注:それによって、提携企業といった)それぞれのメンバーの合意を待つことなく可能となるという。

Joostは、SkypeやKazaaの開発者によるオンラインビデオベンチャーである。今年2月、彼らはViacomとのコンテンツ-ライセンス提携に署名した。CBSとの合意は、Joostユーザが同サイトのインスタントメッセージ機能やその他のプラグインアプリケーションと統合したCBSの番組を視聴することを促す。CBSは、JoostがSkypeやKazaaとのつながりから、世界規模でオーディエンスを引き付けるのではないか、ということも期待してもいる。

webからPCやスマートフォンにテレビ番組を転送するデバイスであるSlig Boxで知られているSling Mediaは、1月のCESで初めてCBSとのパートナーシップを明らかにした。もうすぐ開始されるSlingのClip + Slingビデオサイトは、CBSの番組クリップをSlingboxのユーザであろうとなかろうと、共有することを可能にし、両者ともに提供されたビデオの全プログラムを利用可能である。

Brightcoveは、ユーザにCBSコンテンツを共有させ、それにコメントさせ、サイト上でクリップを編集可能にする。CBSの番組は、AOLやMSNといったメジャーなビデオポータルでも利用可能である。

AOLユーザは、CBSの番組ついての記事を読んだ後、そのサイト内で直接エピソードを視聴できるようになっている。

この記事内には書かれてはいないけれど、P2Pファイル共有でも利用可能なのかなぁ。ある意味では、逆転の発想だと思う。

かつて、ジョージ・ジョースターはこういった。「なにジョジョ?ダニーがおもちゃの鉄砲をくわえてはなさない? ジョジョ、それは無理矢理引き離そうとするからだよ。 逆に考えるんだ、『あげちゃってもいいさ』と考えるんだ」。まぁ、ジョジョの奇妙な冒険(4巻21ページ)だけれども。いくら海賊たちに海賊行為をさせないようにするための努力をしても、それはいたちごっこにしかならないし、その手間、時間、お金、悪評など失うものの方が多いかもしれない。であれば、彼らにそれを与えるという選択肢で、いかに利益を得ることが出来るのかを考える方が、建設的なのではないかと。

もちろん、このやり方が確実に成功する保証はどこにもないし、これによって海賊たちが著作権侵害をやめるということもないかもしれない。しかし、広告が付いているけれど無料の自由なコンテンツと、広告はないけれど有料の制限されたコンテンツでは、どちらの方がユーザに支持されるだろうか。そして、両者が同時に存在するのであれば、どちらを選択するだろうか。もちろん、それぞれに扱うコンテンツは別のものになるだろうけれども、それでも前者の方が支持され、選択されるだろう。

より多くのプラットフォームにフリーなコンテンツを提供することは、単純に広告提示の機会を増やし、配信の価値を高めるという効果だけではなく、そのようなユーザのスタイルを確立させることによって更なるアドバンテージを得ることになるかもしれない。両者は互いを促進する関係だとも言える。そうしたときに、これまでのペイモデルがどれだけのアドバンテージを保てるかは微妙かもしれない。

このようなサービス展開はどのコンテンツプロバイダも取りえる選択肢である。そして、今だからこそ注目を集め、それによって利益を上げるチャンスでもある。

さて、最後にちょっとこのサービスの展開を考えてみる。広告を提示するにしても、より効果的な提示をするに越したことはない。もちろん、これまでのテレビと同様に、その番組を見ている層にあわせた広告の提示なども考えられるが、ことwebを最大限活用しようとすれば、ユーザの選好、嗜好をモニタリングし、それにあわせた提示も可能なのである。もちろん、それを完全に実現させるにはクリアしなければならないハードルが多数ある(ストリーミングでは上記の方法は容易だが、ダウンロードされたコンテンツに関しては難しい、とか、情報収集を嫌うユーザもいる、とか)けれども、これが実現できれば、このモデルの価値をさらに高めることになる。

私自身は、こういう挑戦的なことに対して、非常に楽観的にみてしまうので、もしかしたらいけるんじゃないの?と思ってしまうけれど、どうなんだろうね。CBSの勇み足か、それとも一人勝ちか、少なくともここ2,3年で答えはでるだろう。

関連エントリ
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関連リンク
CBS - Wikipedia

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米CBSのコンテンツ・オープン化戦略について
従来型メディア企業とネット系企業との提携のニュースは最近では珍しくもなくなってし
2007.04.16 19:39 | 栗原潔のテクノロジー時評Ver2
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