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P2Pから利益を上げる:どのモデルが成功するかわからないなら、全てのモデルを試してみる

P2Pファイル共有に限らず、最近の新たなコンテンツ配信サービスの展開を追っていると、必ずNettwerk Music Groupという文字を目にする。新たなモデルでの成功の例としてしばしば紹介されるBare Naked LadiesやAvril Lavigneを擁するレーベルである。そのNettwerk Music Groupが、Intent MediaWorksの開始しようとしているP2Pを利用した、多様なオプションの含まれるコンテンツ配信サービスとのパートナーシップを結んでいるよというお話。もちろん、これが成功するというわけではないが、彼らの言い分としては、どの配信も出るが成功するかはわからないのだから、その可能性を模索するためにより多くのプラットフォームにコンテンツを提供するべきだ、という考えは間違ってはいないだろう。これはCBSの打ち出した戦略とも類似する。

原典:Red Herring
原題:Cashing in on P2P
著者:Ken Schachter
日付:April 16, 2007
URL:http://www.redherring.com/Article.aspx?a=22015&hed=Cashing%26nbsp%3Bin+on+P2P

創業3年目を迎えるIntent MediaWorksは、ユーザがビデオや音楽を無料で交換可能なKazaaのようなP2Pネットワークへの転換の道を模索している。そしてそれは、音楽制作者とその音楽の配信企業が成長可能な市場としてである。

「歴史的に、P2Pは非常に悪い評価を受けてきました。」とGreycroftのパートナーであるDrew Lipsherは語る。「そのコアにおいて、P2Pは流通システムとなります。CDをパレット(訳注:フォークリフトの荷運び台)にのせ、レコードストアに出荷することと、なんら異なるところはありません。私の展望としては、P2Pとソーシャルネットワークを、デジタルメディア配信の次のステップとしてみています。」

Intentの経営役員であるGreg Freishtatは、Intentが音楽製作者や配信者に提供するものは、 違法ダウンロードが盛んなグレーゾーンとして機能する人気のP2Pチャンネルを利用する方法であると語る。

曖昧な境界

違法と合法の境界は、P2Pネットワークがより広範な利用をされるようになって、曖昧になってきた。今月、iPodメーカーのAppleと音楽パブリッシャーのEMIは、デジタル著作権保護技術を取り払った、高価格、高品質なバージョンの楽曲を販売するという合意に至った。

Intentは、配信者が望む形で、マーケティングパッケージを仕立てることができる。たとえば、楽曲の合間に広告や、コンサート情報、アーティストのプロフィールなどを挿入することができる。同様に、Intentの価格設定モデルは、ターゲットとする消費者によってフレキシブルに変更することもできる。あるサイトではPay-per-Playモデルで、別のサイトでは広告モデルで、ということも可能である。

Intentは、収益をパートナー配信者と分配する。そのようなパートナーの1つには、Avril LavigneやBare Naked Ladiesを擁するNettwerk Music Groupがある。

Freishtat氏は、彼の会社が、webでの音楽/ビデオ販売における競争にどの配信モデルを採用することで勝利するかを、わかったふりはしない、という。

「私たちは、BitTorrent、99セントトラック、広告、サブスクリプションのどれが良いとは決め付けてはいません。私たちはどのようにデジタル配信がうまくいくかの答えを持っているなどとはいえないのです。」と彼は語る。

しかし、Freishtat氏は、Intentは、AppleのiTunesの音楽・ビデオ市場の外にいる広範囲のオーディエンスに対するアドバンテージがあるという。そして、いかにAppleといえども、音楽全体の市場からすれば(訳注:デジタル以外の領域も含めて)、5%未満に過ぎない。


Appleによって死守されるone-price-fits-allモデルやその他は、ペプシがホテル、スーパーマーケット、自動販売機、それぞれどこから購入するかで価格が異なるような世界では、「愚かです」とFreishtat氏は言う。

「それは破綻しつつあるでしょう。」と彼は予測している。

もちろん、広告ベースの配信モデルが成功するとも限らないし、価格設定をより低く見直しをしたところで売上は伸びないかもしれない。しかし、失敗する可能性を論じることは出来ても、誰一人として確実に成功するモデルを知っているものはいない。ある意味では、全てのモデルを選択するというアルゴリズムを取るNettwerk Music Groupが最も成功に近いのかもしれないが。

確かにどのモデルが成功するかなんて誰にもわかりっこない。音楽に限って言えば、99セントトラックのモデルが一般的だと思われているが、それは本当だろうか。それが好調だと思えるのは、単にAppleがiPod-iTunes戦略に成功したためである。要は99セントトラックモデルが優勢なのではなく、みんながiPodを持っているだけの話だとも言える。

オンライン音楽配信事業の第2位にはeMusicである。eMusicはサブスクリプション型の低価格でのコンテンツを提供している。確かに規模は違うが、1位と2位とで異なるモデルなのである。つまり、ユーザは選択肢を望んでいるともいえないだろうか。確かに、今後しばらくはオンライン配信への移行が進み、売上は増大するだろう。しかし、多くのサービスプロバイダが99セントトラックモデルを推し進めれば、そのモデルを受け入れられるユーザの取り合いに終わるかもしれない。オンライン配信事業全体を見たとき、それが全体の利益を増進するものとなりうるのだろうか。

上記の記事に1つ付け加えるとすれば、成功するモデルは1つに限られているわけではない、ということだ。BitTorrent、99セントトラック、広告、サブスクリプションの中から、取捨選択するユーザもいれば、それぞれのサービスの中で利用できるコンテンツを探すという人もいる。重複して利用している人もいれば、1つだけを利用する人もいるだろう。そうしたユーザをより多く捉え、ペイを得るためには、より多くのプラットフォーム、モデルの選択が必然的に必要になる。

そう考えると、成功するモデルというは、よりメタ的なものなのかもしれない。どのモデルが成功するか、ではなく、「より多くのモデルを採用する」というモデルが成功するのではないか、という考え方である。もちろん、多くのコンテンツをさまざまなプラットフォーム、サービスに提供することが、あるプラットフォーム、サービスにおいてはメリットを持つが、それが他のものにネガティブな影響をもたらす、ということも否定はできない。しかし、現在でも映画DVDのレンタルが販売にもたらす影響、映画のテレビ放送がレンタル、販売にもたらす影響などを考えると、現在でも抱えている問題である。それでも現在多様な媒体での提供が行われているのは、それぞれのメリットを最大限に生かし、デメリットを最小限にすることがそれなりに可能になっているからだともいえる。

であれば、それをオンライン配信に適応して、さまざまなモデルを構築し、それぞれに提供するというのも間違った発想ではないだろう。もちろん、現段階では、メリットとデメリットのトレードオフをどう調整するか、という部分で五里霧中な部分もあるが、それだって試してみなければわからない。少なくとも、製造業や物質を扱う産業と違い、失敗が致命的なダメージを生む業界ではないのだ。コンテンツの複製を提供することに、どれほどのコストがかかるというのだろう?

関連エントリ
CBS、フリーなオンラインビデオ共有ネットワークを構築:より効果的な広告モデルか
P2Pは本当に合法化へ向かうのか?

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