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Joost、「海賊行為への耐性の高いプラットフォームを提供する」

やはり、コンテンツ配信の話を進めるとなると、海賊行為対策は避けては通れないトピックの1つであるようだ。Joostは、その提供されるコンテンツに対して、より海賊行為への高いプラットフォームを提供することを、コンテンツプロバイダに約束しているよ、というお話。もちろん、Joostは広告モデルによる配信を考えているのだから、より多くの人に見てもらうことが利益に繋がるのだけれども、それは広告が付随してこそだったりもする。テレビコンテンツの違法共有においては、広告を余分なものとしてカットしているものが流通しているという現状もあり、Joostのコンテンツがローカルに保存され、広告がカットされ、それがBitTorrentなどを介して流通することを防ぎたいのかもしれない。とはいえ、Joostのようなタイムフリーな非常にコストの少ない配信形態があるのに、そのような海賊的な手法を用いてコンテンツを得る人達がどれくらいいるか、という問題でもある。少なくとも、選択肢がないから海賊行為に走る人達にとっては、正規に利用でき、需要を満たしてくれるプラットフォームが存在するのに、わざわざ手間をかけて他の手段を用いるというのも考えにくいのだけれどもね。もちろん、そこにはどれくらい広告が含まれるのか、という程度問題でもあるのだろうが。

原典:WebTVWire
原題:Joost thinks its piracy proof
著者:Chris Tew
日付:April 16, 2007
URL:http://www.webtvwire.com/joost-thinks-its-piracy-proof/

Joostは、インディペンデントフィルムのチャンネルをそのラインナップに加えることを発表した。しかし、そのプレスリリースをより細かく見てみると、このような声明がなされていることに気づいた。

Joostは、全ての規模のコンテンツクリエーターとオーナーに、高品質で、海賊行為への耐性の高いインターネットプラットフォームを提供します。

これは非常に挑戦的な主張である。Joostが、Joostによって放送されるビデオを録画し、広告をカットして、それらをインターネットを介して違法に配信することが不可能だと思うならば、それはまったくもって見当違いであろう。

反海賊行為技術を用いて耐性をもたせることがどれほど馬鹿げたことであっても、 常に誰かがそれを回避する方法を見つけ出す。

Joostから、そのような挑戦的な主張がなされるという状況は奇妙なものだ。かつては主に音楽、ビデオの海賊行為に利用されたファイル共有アプリケーションKazaaの開発者であることを考えると。

もちろん、Joostがこれからも最低限の広告(現在のところは、そのとおりになっているが)を保つならば、海賊行為に対する欲求を少しは抑えられるかもしれない。しかし、それでもまだ、それらの人々はコピーをDVDに書き込むのを止めないだろう。

1つ考えたいこととしては、もちろん海賊行為対策は必要だということは理解できるにしても、それが一般ユーザにどれくらい影響を及ぼすのか、ということである。一般のユーザに影響しない限りにおいては、ある程度の対策を講じたとしても、それほどユーザの利用を抑制するものにはならないだろう。逆に、一般のユーザにまで不快なエクスペリエンスをさせるのであれば、せっかくのチャンスを不意にしてしまうかもしれない。

しかし、その対策がどれほど有効であるかというと、私自身はその必要性をそんなには感じていない。というのも、これまでの海賊行為問題と異なる部分があり、タイムシフトというユーザの需要は満たしているのである。これまでテレビ番組をBitTorrentを含め、違法な手段で入手している理由としては、タイムシフトと海外番組放送までの遅延があげられてきた。後者に関しては、Joostとはそれほど直結するものではないが、前者に関してはある程度需要を満たしている。

つまり、容易に利用可能な選択肢を提供することが、これまでの海賊行為からの脅威と同列には見れないのではないかと。これまでは、代価選択肢が少ないことが問題を大きくしていたと思う。例として映画を考えてみよう。人々が映画コンテンツを楽しむ流れとしては、複数存在する。映画館に映画を見に行く、DVDを購入して視聴する、DVDをレンタルして視聴する、テレビで放送されたときに視聴する。この中で金銭的なコストをかけずに視聴できる選択肢は、テレビで放送されたときだけである。つまり、無料の選択肢は1つだけということになる。しかし、タイムシフトが進み、タイムフリーが望まれている昨今、テレビで放送されるのを待つよりは、ダウンロードして視聴するという選択肢の方が、違法ではあっても非常に魅力的なものである。

ただ逆を言えば、選択肢が限られていたからこそ、無料で利用したいというユーザの一部は海賊行為を選択してきたのかもしれない。そのような人達に、無料という最も重要な要素が新たな選択肢として提示されるのである。しかも、合法的に。全ての海賊ユーザに有効だとは言わないけれど、少なくとも、無料かつタイムフリーを求めるユーザの需要は満たしている。とすれば、わざわざ海賊行為を選択する必要はあるだろうか。

Joostに限らず、IPTVやNews CorpとNBCの提供しようとしているサービス(後者は有料コンテンツも含むが)は、そのような無料なら利用したいユーザから利益を上げることをもくろんでいる。新たな選択肢を示し、それによって利益を上げんとするのであれば、適切なバランス感覚が必要とされるだろう。つまり、ユーザの満足度は、Joostが正式サービスの開始において、どの程度の広告を挿入するかに依存するだろう。多くの人にとって、広告は有益なことはそれほどない。もちろん、それが役立つときもあるのだけれど、ほとんどの場合は、コンテンツに含まれる余計なもの、という認識だろう。そうした認識の上で考えると、広告の量とユーザの満足度はトレードオフの関係にある。私自身は、この海賊行為対策についてはそれほど必要性を感じないけれど、広告が多すぎる場合には記事にあるような問題が起こりうることも予想される。

無料であれば利用したい、という人達を海賊行為に走らせるのではなく、利益を上げられるモデルに組み込もうという考えは非常にいいと思う。しかし、それにも問題はないわけではなくて、無料で利用可能な選択肢を提供することが、有料の選択肢が選ばれる可能性を減じさせることにもなりかねない。もちろん、旧来のモデルでも同様のことがあったのだけれども、それもバランスを取ることである程度解決することが出来ている。たとえば、映画公開と同時にDVD販売、レンタルが開始されることはないし、DVDのレンタルが始まったときにテレビ放送されることもない。ただ、こと配信ビジネスでは、どのようにバランスを取るかについては確立してはない。

余談ではあるが、Joostに限った話ではないが、これらIPTVのコンテンツをロケーションフリーで楽しみたい、という需要には応えきれてはいない。上述したように、テレビ番組の海賊行為を行う最も大きな理由としては、タイムシフトと放送までの遅延があるが、それ以外にもロケーションフリーを求める声もある。もちろん、何から何までユーザの望む形にする義務はないのだが、それを可能にするモデルを作り出せれば、より多くのユーザから支持を得ることは間違いないだろう。まぁ、そうなると期限を設定するためにDRMを施す必要が出てきたり、権利関係で揉めたりするのだろうけれど。

関連エントリ
CBS、フリーなオンラインビデオ共有ネットワークを構築:より効果的な広告モデルか
Babelgum、IPTVサービスへの参入:Joostのライバルとなるか
BitTorrent Inc、広告モデルのTVネットワーク構築の計画:Joostを意識か

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