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YouTube不当削除問題:Viacom、非を認め改善策を提出

ViacomViacomによるYouTube動画の大量削除要請に関連して、不当に作品を削除されたとして、EFFなどがViacomを訴えていた件で、Viacomが削除要請が不当であったことを認めたよというお話。また、Viacomは、「クリエイティブでニュースバリューのある、あるいは変革的な」利用、「限定的な抜粋の非商業利用」といったフェアユースを認め、さらに今後も起こる可能性のある不当削除要請に対しては、ホットラインを設け、早期の権利回復を行える体制を整えるとしている。それを受けてEFFは申し立てを取り下げた。個人的には、このような権利のぶつかり合いが、その利害関係者双方によるコンセンサスを得るためには必要なプロセスであると考えている。技術の進化や普及は急速に行われるが、それに関わる制度の確立には時間がかかる。

まずは、この件を知らない人のために、経緯から紹介していこう。

原典:CNET Japan
原題:EFF、バイアコムを提訴--YouTubeへの映像削除要求で
著者:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:CNET Japan編集部
日付: 2007/03/23
URL:http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20345685,00.htm

 メディア複合企業Viacomは米国時間3月22日、同社傘下局が放映する番組のパロディ映像を著作権侵害として削除するようYouTubeに強要した件で、米著作権法を誤用していると訴えられた。 (中略)

  電子フロンティア財団(EFF)がサンフランシスコにある連邦裁判所に提出した訴状によると、Viacomが著作権侵害としてYouTubeに提出した削除要求には根拠がなく、映像制作者に与えられた言論の自由を侵害しているという。同映像は、活動家団体MoveOn.org Civic ActionとBrave New Filmsが制作していた。

  「Stop the Falsiness」という題名のパロディ映像は、「The Colbert Report」の一部を流用している。EFFによると、この流用は、「The Colbert Report」自身が実際のニュース番組を部分的に流用するのと同じ手法であり、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の「公正使用」に関する条項が許容する範囲内にあるという。

  (中略)

  今回の訴訟では、損害賠償と弁護士費用を請求するとともに、映像をYouTubeに再掲載するための命令も要求している。McSherry氏によると、EFFはYouTubeに対しても、Viacomの削除要請は違法であるとする通知を送付しており、YouTubeが同意すればビデオは10日以内にサイトに再掲載される可能性があるという。

と、この件が非常に興味深いことは、これまでのYouTubeにおける著作権侵害といえば、ライツホルダーの持つ著作物を無断でそのまま利用していることであった。しかし、今回の件は、フェアユースの概念に則って製作された著作物に対して、著作権侵害であるとして、製作者に無断で削除されしまったという経緯があり、ある意味では、製作者の権利に対する侵害でもある。

そんなわけで、私はこの件については権利の衝突としてみている。もちろん、パロディ映像の製作者は、非商業的な目的での引用としてViacomのソースを利用しているわけだから、私個人としては製作者寄りの立場を取りたい。なぜなら、著作権自体は、他の知的財産権とは異なり、文化の発展を目的としており、その点においてはフェアユースは保証されるべきであると考えているからである。もちろん、その使用がフェアユースに当たるかどうかは議論のあることではあるが。

さて、このような権利の衝突に対して、誤った行動を取ってしまった可能性のあるViacomは、その行動に対してどう対処するのだろうか。と期待していたら、Viacom側が折れた模様。

原典:ITmedia News
原題:EFF、パロディビデオめぐるViacomへの訴訟を取り下げ
著者:ITmedia
日付:2007年4月24日
URL:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/24/news035.html

 電子フロンティア財団(EFF)は4月23日、米メディア企業Viacomを相手取って起こしていた訴訟を取り下げたと発表した。

Viacomは当初、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の下でこのビデオの削除を要請した記録はないとし、このビデオがYouTubeに掲載されることにまったく問題はないとコメントしていた。だが後に削除を要請したこと、このパロディビデオへの対処を誤ったことを認めた。

  Viacomがビデオサイト投稿者の言論の自由を守る対策を取る意向を示したことを受け、EFFは訴訟を取り下げた。

  (中略)

  さらにViacomは、誤って削除要求をしてしまった場合に苦情を受け付けるWebサイトと電子メール「ホットライン」を設けることにも同意した。

失敗であった場合には、失敗であったことを早期に認めて、それに対する対策をきちんと示すことが、ある意味では成功に繋がると思う。その意味では、Viacomの取った選択は正しかったと思う。

もちろん、Viacomによる削除要請は当初から誤っていたと思うし、それが是正されることは当然であると思うのだけれども、EFFは声高に「Viacomが誤りを認めた」というのも、ちょっと違うかなとは思う。EFF自体が、ネット上での権利や、大手企業による一般ユーザへの抑圧に対抗するための勢力であるため、そのような強い主張が必要であることも理解できるのであるが、今回のようなViacomの事例が、単にViacomの誤り、という単純な理由であったかといえば疑問が残る。

というのも、現在の法律や判例がインターネット時代に追いついていない、ということが考えられる。これはインターネットに限らず、時代の変化が起こるたびに起こりうるものであるのだろうが、今回の件で重要なことは、その利害関係者同士でコンセンサスを持つ、ということに尽きると思う。

この件があったからといって、Viacomが著作権侵害に対する削除要請を取りやめることは不可能だし、かといって、今後もこのようなことが起こるのもよろしくはない。これを両立させるためには、何がOKで何がアウトかと明確に線引きすべきだろう。もちろん、一度や二度で全てが解決するわけでもないだろうが、それでもこのようなやり取りが行われることが、未来の創作に向けた前向きな前進であると思われる。

このような権利の衝突に対する1つの見解として、EFFの主任知的所有権弁護人のFred von Lohmannは以下のように述べている

著作権者たちが、数十万件のDMCAに基づく削除通知を送付しているのであれば、彼らはYouTubeなどのプラットフォームに依存する市民製作者の言論の自由の権利を保護する義務があります。彼らが自らの著作物のニュースバリューのある、変革的な利用を尊重することで-そして、不当にターゲットにされたユーザが彼らの作品を早期に取り戻すためのシンプルなプロセスを確立することで-Viacomはその義務を果たすことに向けた、重要な対策を採っています。私たちは、他メディア企業がViacomの決定と同様の方向に進むことを願っています。

現代は、権利の拡大に伴い、利害関係者同士の権利や主張のぶつかり合いが珍しくなく、その衝突の結果、損をする人もいれば得をする人もいる。しかし、こと著作権、つまり創作に関しては(他の領域でもそうかもしれないが)、単純に片方の利益が、片方の不利益を生むわけではない。両者が互いの利益を生み出すことの出来るときに、それは私のものだから、という理由だけで制限をし続ければ、互いに不利益だけを生み続けるのかもしれない。思い込みによる社会的ジレンマだけは避けたいものです。

こんな記事を見ると、特にそう思ったりもします。
記事が「ストリーミング配信」? 著作権使用許諾の怪

**追記**
Viacomは、これが意図的でないものだといってるけれども、Viacomではないにしても意図的な著作権の不当な行使を行う人達もいるでしょう。それに対しては、不当な行使だと主張すべきなのだけれども、彼らの主張としては、不当だと思うなら裁判でも起こせ、というものなんだろうね。やはり、裁判が障壁となる人達に対しては強く出るんだよなぁ。今回の件も、裁判になってようやく、だしね。

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