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映画界最強のロビースト、Jack Valenti死去

This Time, This Place: My Life in War, the White House, and Hollywood 20世紀、最も映画界の行く末に影響力を持ち、その力を遺憾なく発揮してきた元MPAA会長であり、最強のロビーストであるJack Valentiが、昨日85年の生涯に幕を下ろした。たとえ、彼が天に召されたとしても、彼の「技術革新への反対者」という評価は変わらないし、彼の活動やそのような考え方に対しても批判的に見ていることには変わりない。とはいえ、一抹の寂しさを覚えるのはなぜなんだろうね。

Jack Valentiといえば、ボストン絞殺魔発言が有名だろう。CNET Japanから以下に引用しよう。

私が申し上げたいのは、独り暮らしの女性にとってボストン絞殺魔が脅威であったように、米国の映画製作者や国民にとってVCRは脅威であるということだ

今となっては馬鹿らしい発言である。VCR(ビデオカセットレコーダ、ビデオデッキのこと)がどれほど映画産業に利益をもたらしたかを考えるとね。しかし、当時の彼ら映画産業は、VCRによってお金を払っていない人にまで映画を見せるとは何事か、と本気で考えていたようだ(後になって私的複製補償を求めたものだといってるが・・・あとづけっぽい)。彼らの基本的な考えは、利用者に選択権を与えるな、ということである。唯一選んでいいのは、何をどの媒体で見るか、くらいなものだろうか。

さて、Valentiの発言もむなしく、VCRはベータマックス判決を経て、次第に一般的な存在となっていく。しかし、VHSやDVDによって映画業界が得た利益は、興行収入を上回るものであった。

たとえ、結果オーライであったとしても(むしろ、私的複製補償金までせしめたのだから大成功かもしれない)、Valentiの技術嫌いは一向に改善することはなかった。2004年、彼がMPAA会長を退くに当たって、CNETとのインタビューに応じている。その中で彼がかたくなに主張していたことは、これからもいっそうの保護が必要になるということ、そして、映画がテクノロジーに支えられているわけではない、ということ。

前者に対してはこれまでこのブログで述べてきたように批判的に見ているが、後者に対しては非常に賛同できるものである。

映画とは、ストーリーを視覚的に語ることです。それがこの産業の本質です。利用できるテクノロジーはすべて利用するし、ストーリーを語るために使えるものはすべて使う。しかし、ストーリーはストーリーです。テクノロジーとストーリーに分けることはできない。ドラマチックな物語で観客の心をつかむためには、ストーリーをいかに語るかが重要です。それは間違いありません。

そう、それを忘れなければ、コンテンツ産業は成長を続けられる。もちろん、この発言自体は、彼のテクノロジー嫌いとの整合性をはかるための方便なのかもしれないが、映画人としての本音でもあると思う。たとえ、主義主張が違えども、その点については敬意を表したい。

さて、そんな彼の後任としてMPAA会長となったDan Glickmanは、Valentiの保護ポリシーを踏襲しつつ新たなメディアへの道を模索しつつある。海賊行為の根絶は不可能であることを認め、その対策を進めつつ、より利益を上げるための方策も考慮している。Valentiには申し訳ないが、時代の流れは彼の強固な意志すら置き去りにするほどに早く流れているのである。乗り遅れれば押し流される、それくらいにね。それでも、「いや、違う」と彼は言うだろうか。きっと言うんだろうなぁ。

関連エントリ
DRMの目的は海賊行為対策ではなく、ユーザから搾り取ること

関連リンク
元MPAA会長のバレンティ氏が死去--ベータマックス訴訟の「ボストンの絞殺魔」発言などで話題に - CNET Japan
ハリウッドの大立者、「白鳥の歌」を唄う -CNET Japan

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