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MPAA会長Dan Glickman基調講演:それでもDRMは必要である

MPAA MPAA会長のDan Glickmanは先日行った講演の中で、DRMを相互交換可能なものにし、消費者にとって有益なサービスを展開する必要があり、そのためには業界全体が団結することが必要だ、と述べたよというお話。ユーザの側から見れば、この流れは、これまでのデバイスによって配信サービスが制限されるという状況を打破してくれるものかもしれない。とはいえ、建前としてユーザのためとしているが、実際のところは一部のデバイス/ストア一体戦略を用いて独占的な成功を収めている企業を何とかしようという目的でしかない。結局はユーザのことを見てはいないのね、というところ。

原典:Variety
原題:Glickman calls for DRM interoperability
著者:BEN FRITZ
日付:Apr. 23, 2007
URL:http://www.variety.com/article/VR1117963639.html?categoryid=1009&cs=1

ますますその議論が増しているトピックへの、基調演説において、MPAAのトップ Dan Glickmanは月曜、エンターテインメント産業やテクノロジー産業の上層部たちに向けて、デジタル著作権管理(DRM)についての共通の認識を見出すため、「取引交渉のための同業者」ミーティングに参加するよう求めた。

LexisNexisとVarietyが後援するデジタル著作権管理カンファレンスで、Glickmanは「弁護士と技術者」を超えるためには、対話が必要であると話している。それによって、相互交換性のない異なるDRMシステムや、その制限が消費者に与える混乱などの問題を軽減することができるとした。

「戦略の舵を取る人たちは、これについて話すために集まらなければなりません。技術者とは違うのです。」と、彼はDaily Varietyのフォローアップインタビューに応えている。

Glickmanはその演説において、すべてのMPAAメンバースタジオを代表してDRMについての見解を述べた。そのポジションは、スタジオチーフや最高幹部たちとの会談によって作られたものである。

「私たちの目的は、多様で、高品質で、そしてわずらうことのないカスタマーエクスペリエンスです。それは単に合法的な消費者市場にとっての最も効果的なケースを可能にするだけではなく、海賊行為をも超えて、強力な優位性を持つことができるでしょう。」とGlickmanは語る。

彼はまた、産業は「管理されたコピー」をサポートし、そのポリシーによってユーザはDVDからリッピングしPCやポータブルデバイスで視聴することができると語る。

彼によると、「管理されたコピー」は今年の終わりにはHD-DVDフォーマットに採用され、また産業側は標準画質のDVDへの採用も期待しているという。Glickmanは後者については、「やや遅れる」としている。それは、コピーさせないという、DVDの新たなDRMスタンダードに向けた業界全体の取り組みを必要とする。

それはデジタル権利の擁護団体にとって常に争いの種となっている。彼らは、消費者の所有する映画のパーソナルユースを目的としたコピーは許されるべきだと主張する。しかしながら、それをビジネスとしている人たちは、DRMによってコントロールできないコピーを許可したいとは思っていない。なぜならば、ユーザが友人間で違法コピーをしたり、インターネット上にファイルを持ち込まれる可能性があるからである。

一部批判者たちは、最近、音楽レーベルのEMIがAppleと画期的な取り決めに至ったことをあげて、 映画産業もDRMを捨てることを考えなければならないのではないかと疑問を呈している。

しかし、GlickmanはMPAAを代表して、「我々は産業全体として、デジタル著作権管理に対する支持を主張します。」という。そして、提案されている「取引交渉」を含む相互交換性への努力こそが、批判者や消費者の懸念を軽減する正しい道筋であると付け加えた。

「私の信条としては、すべての人々が、本当にDRMや相互交換性をうまく働かせることを望むのであれば、実際にそうすることができる、と思っています。我々の持つ知能を結集することによって、技術的な能力以上に、業界の相対的な意思が重要になってくるのです。」 と彼は言った。

真の相互交換性は、家電メーカーと、AppleやMicrosoftといったDRMソフトウェアメーカーによって結ばれる、非常に広大な協力関係のレベルを必要とする。これまでのところ、産業同士の互いに相反する利益によって、そのような合意には至ってこなかった。その結果、互換性のない多数のダウンロード可能なコンテンツ、DRM、デバイスを生み出すことになった。

さて、このような問題を考えるときには、その登場人物となる利害関係者を考えた方がわかりやすいかもしれない。まずは、映画産業などのコンテンツプロバイダ、そのコンテンツを配信するサービスプロバイダ、そしてそれを購入する消費者、デバイス/ストア戦略に成功したデバイス企業(たとえばApple)、デバイス/ストア戦略に失敗した、もしくはそれによって失敗したデバイス企業(たとえばSony)の5者くらいがわかりやすいかもしれない。もちろん、サービスプロバイダにはAppleやSonyも含まれるけれどもね。

とりあえず、今回のカンファレンスを要約すると、消費者以外のみんなが団結して、相互交換可能なDRMとそのシステム作りのための共通認識を持とうということだろうか。といっても、その「みんな」が意味しているところは、Appleのような自社DRMを独占的に自社デバイスのみに利用可能にしているところだったりする。名前を挙げてはいないが、名指ししているようなものだろうね。

さらに言えば、今回のこの演説は、DRMによるフェアユース制限が失敗であったことを認めたことにもなるだろう。もちろん、それは消費者に対する配慮などではなく、DRMジャイアントへの敗北からなのだろうが。と考えると、結局は彼らの求めるところは、一部の大成功をとめて、私たち皆で富の分配をしましょうね、ということであり、消費者の権利などというのはその副産物に過ぎない。

上記の5者関係で言うと、一部の成功したデバイス/ストア企業の囲い込みによって市場が独占されていることで、失敗したデバイス/ストア企業、サービスプロバイダのサービス展開の機会が失われ、それによってコンテンツプロバイダの収益も、潜在的に減少しているといえる。その状況を打破するためには、デバイス/ストアによる囲い込みをやめさせ、それによってサービスプロバイダ全体が活気づくことが必要となる。そうすれば、コンテンツプロバイダの収益の増加も見込めるというものだ。

この枠組みの中では、ユーザはあくまでも「買う人」という役割を付与されているに過ぎない。ユーザのため、という言葉を使ったとしても、それは詭弁であり、これまでののように「アーティストのため」として自らの利益を増さんとしてたのと同じパターンである。

結果的には、ユーザは複数のデバイスでコンテンツを利用可能になるのかもしれないが、その中でよりフェアユースを制限するための方策を取ることは想像に難くない。結局のところ、彼らの目的は一部の企業が市場を独占することを防ぎたいだけであり、彼らの言うところの「デバイス間」というのも、競争関係にあるデバイスを指しており、それ以外のデバイスにコンバートできるような仕組みを作るのかといえば、疑問が残る。

もちろん、このような流れは非常の望ましいところではあるのだけれども、かといってその動機が未だにユーザを見ていないものであることは残念なところだなぁ。

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