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Warner Bros、映画盗作対策としてカナダでのプレビュー上映を禁止

Warner Bros MPAAによって、世界の海賊行為のメッカとして認定されているカナダ。その理由としては、映画のCAM撮り盗撮が非常に盛んに行われており、カナダで盗撮された映画が、世界中の海賊盤業者に利用され、ファイル共有ネットワークに流出していることがあげられる。以前より、ハリウッドはそれを抑制するために、カナダでの公開を遅延させることでその影響を少なくする、という方針を打ち出してきたが、ついにそれがWarner Brosによって開始されそうだよ、というお話。

原典:National Post
原題:Warner pulls previews over film piracy
著者:Katie Rook
日付:May 07, 2007
URL:http://www.canada.com/nationalpost/news/story.html?id=aac42eaa-50e0-4021-9e98-b27c1e3e8f08&k=30208

映画海賊行為は、カナダにおいて非常に問題となっている。世界最大の映画スタジオであるWaner Brosは、今週月曜、カナダでの先行上映を禁止し、全国的なラジオプロモーションに留めることを明らかにした。この動きは、オーシャンズ13、ハリーポッターと不死鳥の騎士団のリリースから開始される。

(中略)

Warner Brosの配給責任者であるDan Fellmanは、「映画海賊行為は非常に深刻な問題であり、この先行上映の禁止は、海賊行為への戦いに対する最初の一歩です。私たちはまさに今、政府の支援を必要としています。公開前の映画がカム撮りされ、そのコピーが世界中のあらゆる路上で販売されています」という。

この18ヶ月間で、スタジオのタイトルの70%がカナダで盗撮された。Fellmanは、産業全体で10億ドルの損失があったと推測しているが、同社の損失を明示することは避けた。

カナダ国内で盗撮された映画は、2005年には世界中で販売された海賊盤の20%のソースとなった。 Canadian Motion Picture Distributors Associationによると、その損失はおよそ1億1800万ドルだという。

「私たちが、このように何か対策を講じたのはこれが初めてです。たった今、それは私たちにとって最悪のシナリオになりました。 そのために、私たちは、私たちのやり方で行わざるを得なかったのです。私はこれによって法律が変化することを期待しています。私たちが今見ているこの状態を再認識することで、適切な法律が作られ、それによって私たちが楽しむ著作物が保護されるようになれば、と考えています。映画産業の多くの人々が、損失の影響を受けます。カナダの人々がこれを違法であると認めるだろうと、私は確信しています。法律が映画盗撮を防いでくれるのを期待しています。」とFellmanは語る。

アメリカで映画盗撮が連邦法の違法になった2005年の5月から、Warner Brosはカナダの海賊行為に注意を向けた。

「問題は北に移っただけでした。[密売者たちは]彼らにとって都合のいい場所に移動し続けるのだということです。(中略)もし、映画館のオーナーが映画の盗撮を発見し、警察を呼んだとしても、警察は来てくれさえしません。」

禁止は、プレスレビューやテレビ広告には影響を及ぼすものではない。最近のカナダからの映画盗撮によるリリースは、In the Land of Women300だという。

以前から問題になっているカナダでの映画盗撮問題に対して、ついに実際に対処がなされたというところだろうか。このような新作映画の遅延も以前から予告されてきたことであるが、その背景としてはこのような実力行使によって映画盗撮に対する対策を講じるよう、政府に対して圧力をかけている、といったところだろう。意地悪な言い方をすれば、人々を人質にして脅しをかけているといったところだろうか。

ただ、これら海賊行為が問題である自体は否定できない。盗撮された映画は、世界中の海賊盤業者によって販売され、それがマフィアなどの資金源ともなっている。もちろん、日本も例外ではない。販売されている時点での取り締まりは可能ではあるが、実際に映画館で撮影している最中に取り締まることは、現時点ではできない。追い出すことはできたとしても、私的な用途だと言い張られれば違法性を問うことはできないのである(米国ではFamily Entertainment and Copyright Act of 2005( pdf )によって映画の盗撮を取り締まることが可能だが、日本、カナダではそれができない)。

そのような事情があって、ハリウッドはカナダ政府に対して、より実行力のある法改正を望んでいる。追い出すだけではなく、取り締まれる法律を。ただ、それがどこまで求めているか、が問題であると思う。撮影自体を違法行為だとすることは、それほど問題ではないと思う。そもそも、一般の観客が映画館で映画を撮っているなどということはないだろう。しかし、それが撮影が可能な機器の持込を禁止する、というものであればどうだろうか。そして、そのような制限を課すよう劇場に義務付けるとなればどうだろうか。

そうなれば、迷惑を被るのは一般の観客であり、負担を被るのは劇場である。その一方で、海賊盤業者たちは規制の緩い国や規制の緩い劇場に逃げ込むだろう。結局、あとに残るのは不自由な思いをさせられる善良な人達である。ハリウッドの考えもわからないではないが、残念ながらこのような海賊行為をゼロにすることは不可能である。いくらでも規制はできるが、規制を強めれば強めるだけ効果が上がるわけでもない。むしろ、不満の声の方が高まるだろう。

また、たとえ劇場への義務付けが法律に明示されなかったとしても、このような状況が現実になることも考えられる。以前よりハリウッドは、電子透かしによる盗撮元となった映画館の特定を行うことを示唆している。つまり、盗撮を許す映画館に対しての是正勧告を行うつもりだということの裏返しだろう。しかし、そうなれば劇場は、暗視ゴーグルをつけた監視員を常時置く、という負担を強いられる。それを飲まなければ配給を停止するという事態も考えられる。

さて、この問題を別の側面から見ると、このような映画盗撮が問題視される背景として、P2Pファイル共有による映画の共有がある。ある側面では、海賊盤業者との戦いでもあるのだけれども、別の側面ではファイル共有ユーザとの戦いでもある。事実、ハリウッド側はインターネット上に流出することを酷く問題視している。個人的には、それで済ませちゃう人は劇場なんかには行かない類の人だとは思っているけれどもね。それでも、問題は問題であって、対処しなければならないのだけれど、、今回のカナダへの措置がどの程度有効であるかは疑問が残る。

流出を恐れてカナダへの公開を遅らせたところで、盗撮は別の国で行われる。それが1度流出すれば、そのコピーは世界中に流通することになる。それはまだ劇場公開されていないカナダでも視聴可能となる。つまり、映画館では見れない映画が、インターネットを使えば見れるのである。これが善良な人を海賊に変えるのだ、と断言するわけではないが、少なくとも魅力的には感じるかもしれない。

やはり問題の本質は、カナダでの映画盗撮が抑制されたとしても、別のところで容易に盗撮が可能だということか。アメリカから締め出された業者がカナダに移ったということを自分たちの口から語っているわけだし。

関連エントリ
盗撮された映画はカナダから来る:新作映画の公開を遅らせるとの方針も

映画盗撮問題:カナダ、ハリウッドからの要求には応じない構え
映画盗撮問題を考える:海賊盤業者、ファイル共有は分けて考えるべき

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