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米国連邦判事、RIAAの申し立てを認め、大学側に違法ファイルユーザ情報開示を求める

RIAA 以前からお伝えしているように、RIAAは訴訟に拠らない和解を大学生に求める警告状を大学側に送付し、それを当該の学生に転送するよう求めている。しかし、その効果はテキメンというほどではないのが現状で、たとえば、警告状が手元に届いた学生もそれを無視する傾向にあるし、大学側も適切な法的手続きを踏まないものに対処しないという方針を打ち出しているところもある。今回は、その適切な手続きを踏まないものに対して拒否する、という方針を示した大学に対して、申し立てを行い、その結果裁判所も学生の情報を開示させるために大学側の召還を許可したよ、というお話。ただ、よくよく見てみると、RIAAのやり方の是非を判断したものではないようだ。

原典:The Athens News
原題:Judge OKs quick subpoenas for RIAA to get file-sharers' names
著者:Jim Phillips
日付:May 03, 2007
URL:http://www.athensnews.com/issue/article.php3?story_id=28115

RIAAは、音楽への著作権侵害をしたとみられるオハイオ大学10名の学生を、被告不詳のまま告訴した。そして、彼らはインターネットアドレスから名前を引き出そうと迅速に動いている。

4月27日、連邦裁判官は、複数のレコード企業の原告によって、2週間前に起こされていたファイル共有訴訟において、即時のディスカバリーの実行を認めた。

RIAAによってコーディネートされる訴訟は、多くの人々(オハイオ大学の学生も含まれる)に利用される「Peer-to-peer」ファイル共有ネットワークを取り締まろうとしている。それは、インターネット上で、著作権で保護された音楽、映画、その他のファイルを交換するものである。

米国地区判事Norah McCannによって出された裁判所命令は、原告のレコード企業が、特定された時間にオハイオ大学のコンピュータネットワークに、特定のコネクションを持っていた学生の氏名を明らかにするために、オハイオ大学を召還することを許可している。

オハイオ大学当局は、自発的に学生の氏名を提供することはないが、そのために適当な裁判所命令、または召還礼状があれば応じるとしていた。

RIAAは、違法ファイル共有に利用されたと見られるIPアドレス、日付、時間などを収集している。

オハイオ大学の学生がオハイオ大学のネットワークを利用する際には、個別のユーザ名とパスワードを使ってログインしなければならないので、RIAAの収集した情報を元に、オハイオ大学がそれら個々のIPアドレスから学生を特定することは十分可能である。 RIAAは、いわゆる「P2P」ファイル共有ネットワークにアクセスし、対価を支払うことなく著作権で保護された音楽をネットワークからダウンロードするメンバーの情報を収集した。 それから RIAAは、当該のオハイオ大学のIPアドレスの個人が、共有していたファイル、その日付、時間を記録した。

警告状の"第一波"において、RIAAはオハイオ大学の50名の学生が違法ファイル共有を行っていると非難し、彼らに3,000ドルで和解するか、訴訟に立ち向かうかの申し出を行った。 彼らの多くはその申し出を受け入れたが、そうしなかった人達は先月、連邦訴訟において名を連ねることになった。 それ以降、RIAAはより多くのオハイオ大学の学生に、同様の警告状を送付し、同様の選択肢を提示している。

このような訴訟の動きのなかで、RIAAは、「各々の被告が違法に配布した複数の楽曲のサンプル」をダウンロードし、その違法に共有されたファイルの数を数えるに当たっては、"数千曲にのぼる"ケースもあったことを主張している。 しかしながら、これはRIAAが、RIAA以外の誰かが、それらのファイルをサイトからコピーしたという証拠を持っているということを意味してはいない。 おそらく、これは特定のファイルがそれぞれのサイトで利用可能であったという証拠にしかなりえない。

RIAAは、King判事に、10名の不詳の被告の氏名、住所、電話番号と電子メールアドレスを開示させるため、オハイオ大学を召還する許可を求めた。 原告が被告に関する情報を手に入れるならば、RIAAは「その被告と連絡を取り、紛争を解決しようとする」のだという。

各々の紛争が解決されず、他の法的管轄において主張を続行することが適切であると判断されれば、RIAAはその被告への申し立てを取り下げ、さらに別のところで訴訟を開始するとしている。

即時のディスカバリーを要求している文書において、RIAAは毎月、26億以上の著作権で保護されるべき楽曲が無料でダウンロードされていると主張している。これは「音楽業界に非常に破壊的な影響を与える」と述べ、違法ダウンロードは音楽産業の「収益の激減の主要な要因である」と主張する。

申し立てでは、IPアドレスや時間と個人とを結ぶ情報を、オハイオ大学が長期間保持しないことが、「非常に深刻な危険性」を伴うと警告している。それによると、「その情報が消去されれば、原告には被告を特定することができなくなる。」とある。

一方、地元のとある弁護士は、RIAAとの訴訟に直面している学生を弁護する意思があることを明らかにしているが、彼はまだ(訳注:訴えられた学生の)1人の氏名も知らないという。

「私は多くの学生とその両親と電話でお話をしました。しかし、実際に訴えられたという学生とは未だにコンタクトを取ってはいません。私が推測するに、彼らは自分が告訴されたということすら知らないのでしょう。」とオハイオ州アテネ市の弁護士Joe Hazelzbakerは語る。

Hazelbakerは、RIAAのターゲットとなった一部の学生たちは、訴訟が如何に深刻であるかについて、完全には理解していないのではないかと付け加えている。「私は、経済的な脅威に対する非現実な認識があるのではないかと考えています。」と彼は言う。「これは、いわば奇妙で、シュールな状況だといえるでしょう。まったくもって前例のないことです。」

彼曰く、幸運にも、レコード産業の法的な脅威に対処するための、市民グループによって編集された膨大な教材が存在するという。

「私がこれまで携わった如何なる法的問題以上に、この苦境にある人々を救うための多くのリソースが存在します。-離婚問題よりも。」と彼は述べている。

ありえないくらい膨大な量の離婚訴訟が毎日のように起こっている米国において、離婚訴訟以上にリソースがあるというのも、眉唾物だけれども、それでもEFFを初めとする人達によって、これらレコード産業に対処するためのリソースはかなりの量、存在するかもしれない。

ただ、それだけでRIAAを退けるに足りるかというと、そうでもないかなぁと思う。これまでにも、多くのケースでRIAAによる不当な申し立てや法的脅迫が行われてきたけれど、かといってRIAAの行ってきた全ての法的施行がおかしいというわけではない。妥当なものも存在してはいる。ただ、今回のこのやり方が不当だというだけであり、全てを否定しうるわけではない、ということ。

それでも、この記事を読むとRIAAのやり方の腹黒さが際立つなぁと思う。RIAAはオハイオ大学に対して学生の個人情報を開示するようこれまで求めてきたものの、オハイオ大学は、法的に妥当な手続きを経ない要求を受け入れるわけにはいかないとしてきた。それに対して、RIAAは自らの主張が妥当であることを裁判所に申し立て、それによって個人情報の開示命令を引き出したわけ。そして、RIAAはそれを元に和解交渉を行い、成立すればお支払いを、成立しなければ別のルートから訴えますよ、という方針をとる、と。まぁ、たとえ個人情報を引き出したとしても、その時点では裁判での決着よりも、和解による決着を望むわけだ。結局は生殺与奪はRIAAが握ったままだ。そして、RIAAにとって不利な案件であっても、とりあえずが和解を迫ることができるということ。

ただ、大学側にしてみれば、このような裁判所からの要請があったことで、自前で判断する必要がなくなってくるために、ある意味では負担が減ったという側面もあるだろう。少なくとも、これを受容しても批判されることはなくなる。

それはそうと、相変わらず能天気な大学生たち。この警告状のターゲットにされた人達っていつの時点で目をつけられたんだろう?少なくとも、今年の2月以降も使い続けていたのかなとは思われるけれども。

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