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P2Pを使うとウィルスに感染する:P2P報道の嘘

本当の原因は「それ」ではないのに、あたかも「それ」が原因であるかのように思い込ませることで、人々を驚かせる。このような手品と同じような手法で、マスメディアがアンチP2P報道しているというお話。ウィルス感染の原因は、「P2Pを利用すること」ではなく、「セキュリティとその意識の甘さ」にある。しかし、この報道では、それがひっくり返されてしまったご様子。「ブロガー達の意見」としてRIAA黒幕説まで出る始末。

原典:the INQUIRER.net
原題:P2P gives you viruses
筆者:Nick Farrell
日付:November 06, 2006
URL:http://www.theinquirer.net/default.aspx?article=35542

Denverの放送局(7News)は、P2Pによるダウンロードによって、あなたのPCが何百ものウィルスやスパイウェアに侵入されると主張する。それは、『独占スクープ』と銘打たれたそのニュースでは、テレビ局に勤めるハッカー(パソコンに詳しい人の意味で使われてるかと)が、PCを起動し、3つのP2Pプログラムをダウンロードした。彼らは、数少ない無料音楽サイトを探し、いくつかのtorrentをダウンロードし、その後の成り行きを観察するため、PCはそのまま放っておかれた。

テレビ番組であったためか、ハッカーが何をしたのかといった詳細な情報はレポートされなかった。しかしながら、7Newsは、Kazaa、BitTorrent、LimeWireによって、「疑わしいファイル」やたちの悪いスパイウェアがもたらされた、という。

このテレビ番組内で、LimeWire P2Pプログラムがパスワードクラッカーをインストールした、という主張がなされた。しかし、(実際には)LimeWireのベースプログラムはそのようなコードを含まない。とすれば、7Newsはいったいどこからそのコードをダウンロードしたのだろうか?非常に疑問である。

他にも7Newsのこのスクープには不可解なところがある。「疑わしいファイル」をダウンロードしたサイトで表示される「ポップアップ」についての説明である。彼らは、ブラウザのポップアップブロッカーを切った状態で操作していた。それから、我々はみんな、絶対にそうするからということで、ハッカーはファイヤーウォールとウィルスチェッカーを切った。「期限切れとか時代遅れなソフトウェアであったり、当てにならないポップアップが鬱陶しいからという理由で(ほとんどの人が切っているため)、一般的で、そして隠れた脆弱性」なのだという。

驚くべきことに、彼らのPCは13時間のうちに、トロイの木馬やウィルスであふれ、制御できない状況に陥ってしまった。

3つのファイル共有プログラム、13時間のインターネット接続、「45の異なる国のユーザからのアクセスによって、新品の革新的なコンピューターが、未知のプレデター(捕食者)のための潜在的なツール(踏み台)に変わってしまった」と放送された。

もちろん、「わざわざ」危険なサイトからソフトウェアをダウンロードし、「わざわざ」ブラウザをシセキュアな状態にして違法音楽サイトに足を踏み入れ、しかも「わざわざ」自らのセキュリティ機能を切っていたという事実と、PCがトロイやウィルスまみれになったこととは、「全く持って」無関係である。そして、それはP2Pソフトウェアのせいに違いない*1

大半のbloggerは、記事がRIAAのためのプレスリリースとして台本が書かれ、「マスターベーションはあなたを失明させます」と主張する医者の信憑性と同じ程度でしかない、と感じているようだ。

*1皮肉。セキュリティを意図的に下げて、かつわざわざ危険なサイトに出かけていくことによって、ウィルスやらトロイに感染したというのに、それには触れず、あたかもP2Pソフトをインストールし、使ったことによって感染したという主張が、あまりに馬鹿馬鹿しいので、こういう表現を使っているのかと。

この実際の放送をぜひとも見てみたいなぁ。フェアな見方をすれば、番組の欺瞞を批判しているこの記事だけを信じるわけにはいかないわけで。この記事だって、誇張や嘘に近いものがあるかもしれないしね。

とはいえ、視聴者が、ウィルス感染の原因をP2Pの使用に帰するように仕向ける明確な誘導的意図はあったんだろうと推測はされる。この記事でも皮肉られているが、ウィルス感染の一次的な原因は、インセキュアな状態で胡散臭いサイトを巡回したことによるものである。たとえ、P2Pソフトを利用しようとしたから、こうなったんだといわれても、それは二次的な原因でしかない。しかも、インセキュアな状態でブラウジングをすることで、セキュリティ上の問題が生じるのは、何もP2Pに限ったことではない。

アダルトサイトなどを巡回していても、同様にウィルスやトロイ満載のサイトに出会うだろう。情報収集のため、海外の大手、弱小問わずいろいろなフォーラムを見たりするが、そのときも、ちょっと怪しいところだったりすると、ノートン先生がHDDのカリカリ音とともに活動を開始したりする。しかし、ある程度のセキュリティ意識を持っていれば、それほど大事になることはない。それに致命的なダメージを受けたとしても、再セットアップすればよいだけのことで、日ごろからそうできるよう準備しておけば特に問題はない。

この番組のあまりに間が抜けているところは、お門違いのP2P批判もさることながら、P2Pに原因を帰してしまうことで、本当の原因を回避するための意識を、視聴者に植え付けることができなかったことにある。その意味で、この報道はプロパガンダ以上の何の意味ももたないと思える。

多くの人にとって、P2Pは未だに未知の存在である。マスメディアも業界団体もそれを逆手にとって、何でもかんでもP2Pを悪者に仕立て上げて、訴訟や交渉を有利に進めようとしているのだろう。

それにしても、「マスターベーションはあなたを失明させます」程度のもの、というのは言い得て妙だなぁと。この報道に比べたら「風が吹けば桶屋が儲かる」のほうが論理的に思えてしまう。

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