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ドイツ:IFPI、違法ファイル共有が確認されたユーザを遮断するようISPに義務付けを求める

ifpilogo.gif ドイツにおいて、IFPI、世界規模レコード産業のトップたちがドイツ首相との懇談を行い、その中でレコード産業が被る著作権侵害への対策を依頼し、ISPによる違法ファイル共有ユーザの遮断措置の義務付けを要求しているらしいよ、というお話。もちろん、誰がどうISPに強制するのかは不明であるが、これがレコード産業側の自由になるとしたら恐ろしいことだなぁと思ったり。おそらくはそれを狙っているんだろうなぁと思う。とくに、米国大学生に向けた、法的根拠を度外視した和解強要を見るにつけね。

原典:TorrentFreak
原題:Use BitTorrent in Germany, Get Your Internet Disconnected
著者:enigmax
日付:May 09, 2007
URL:http://torrentfreak.com/use-bittorrent-in-germany-get-your-internet-disconnected/

国際的なレコード産業の経営陣たちは、ドイツのBitTorrentユーザにサプライズをもたらす。もし、彼らの思い通りになるとしたら、著作物を得るためにtorrentを利用していることが判明した人たちは、ISPによってインターネット接続を切断されるかもしれない。

昨晩、国際的な音楽産業の経営陣たちは、ドイツ首相Angela Merkelと『危機』についての会談を持った。そこでは、ドイツの音楽市場は、2002年以降50%減少しているというIFPIの主張が中心的な議題となった。そして、海賊行為から産業を助けるための更なる援助、つまり音楽産業が著作物の交換がなされていると感じたときに、ISPがその顧客に対処するための基準、が要求された。

実際のところ、IFPIには既にハッキリした何かを考えているだろう。彼らは『著作権侵害コンテンツの利用可能なサービスを悪用する加入者に対して、サービスを終了するISPの義務の導入』をしたいと考えていると思われる。場合によっては、1つの楽曲をアップロードしただけでも、インターネットアクセスは停止されるかもしれない、ということを意味する。

しかし、それが実際のものになるとすれば、「利用可能状態」は、ある楽曲が共有フォルダ内にあり、たとえそれを一度も誰かにアップロードしたことがなくても、インターネットコネクションが奪われるかもしれないということ意味する。かなりの罰である。さらに悪いことに、BitTorrentプロトコルはアップロードを必然的に含んでおり、それを回避することは不可避である。

Merkel首相との会議について、IFPI議長のJohn Kennedyは、「国際的なレコード産業は現在、欧州で最も高い政治レベルでの、ドイツの音楽市場の状態についての懸念を持っています。首相が私たちの取り組んでいる問題の性質を理解し、その解決に向けての役割を果たす意思があるという事実に、感謝したいと思います。ドイツ政府がそのような取り組みを行うのであれば、ドイツの音楽産業の減少を逆転させ、3~5年のうちには成長に転じると確信しております。」

IFPIによると、2006年にはドイツ国内で3億7,400万の違法なファイルが、ファイル共有ユーザによってダウンロードされた。しかし、ダウンロード(アップロードではなく)という行為自体は、IFPIによるこれらの要求の範囲外にあるようだ。つまり、これが他のプロトコルのユーザにとっては良い知らせかもしれないが、BitTorrentユーザにとってはよろしくない知らせである。それらの要求に関して言えば、アップロードをせずにBitTorrentを使用するということは難しいわけだ。パーソナルユースを目的として、BitTorrent経由で著作物の入手することですら、インターネットの切断という重罪に処されることになる。ドイツでのBitTorrentの利用が最高に達しているというのに残念なことだ。

IFPIは他にも、ドイツ/チェコの国境での、海賊行為の問題に声を上げている。先月には、IFPIの法的施行の結果、チェコ法廷においてファイル共有ユーザに対して初の懲役刑が下された。IFPIは2007年中に12,000人のファイル共有ユーザを告訴する予定であるという。

日本で言えばアップロード可能状態にあることが、著作権法における公衆送信権の侵害になるわけで、ここで書かれていることに対してはちょっとピンとこないかもしれない。いや、私自身ピンときていないだけなのだけれども。

ただ、これが法制化されたとして、どのような手続き化がなされるのかのよっては、別の問題を引き起こすことになる。米国においてRIAAが現在行っている大学生に対する立証責任を全うしない脅迫的な行為を、ドイツにおいてもなされるのであれば、やはり問題だ。もちろん、この場合の対象者はユーザ本人に直接、ではなく、ISPに対しての脅迫的な行為となるだろう。上記の記事を読む限りでは、レコード産業側が侵害だと考えるときには、とあり、レコード産業側の恣意的な運用が可能な仕組みを求めているようにも思える(ただ、著者自身はアンチレコード産業であることを考えると、どこまで本当か不明だが)。

一方、もしこれが法的なバックグラウンドを持つ公的な機関によって調査され、その結果を持ってISPに対して勧告を行い、当該ユーザへの警告、またはサービスの停止を義務付ける、というのであれば、ある程度は理解できる部分もある。調査の妥当性などの問題が出てくるだろうけれど、それでも民間の一企業やその構成団体によって、恣意的な運用が可能な義務付けを行うよりはまだマシといったところだろうか。

もちろん、現段階ではどのような提案が音楽産業からなされたのかについては、未知の部分も多い。しかし、いかに著作権侵害が問題になっていようとも、一団体や企業が強制力を持つことは好ましいことではないということは考えなければならない。とくに、自らの利害関係においてかなり利己的な活動を行ってきたわけで、このような行為は確実に消費者やそれに関わる機関や団体に悪影響を及ぼすことになる。

ただ、ここでユーザの側から考えてみると、ことBitTorrentに関してはWinnyとは異なりネットワークは(データのアップロード/ダウンロードに関して)はSwarm単位であり、意図せず著作物がそこに混じることはない(勘違いを除く)。そういったことを考えると、これで困るのは違法ファイル共有ユーザだけとも言える。もちろん、その上で上記の批判をしているわけだけれどもね。

さて、このような状況をこれまでの流れから考えてみると、権利者たちの矛先は徐々にISPに向かっているといえる。以前に予測したとおりの展開になっているのだけれど、これも彼らのジリ貧さを示すものかもしれない。最初はファイル共有企業をターゲットにしたものの、Grokster判決を勝ち得ても違法ファイル共有は勢いを増すばかり、次にユーザをターゲットにし、Kazaaユーザを次々と告訴し、和解を勝ち得たものの、誤った告訴や過剰な法的脅迫による批判を浴びているのも事実である。

そうして次に考え出したのが、ISPによってユーザにアクセスさせない、という方法である。P2P帯域制御はISPのリソースの問題で行われている部分もあるが、それ以外でもP2Pサイト(特にTorrentサイト)への接続を禁止するようISPに求めていたり、今回のように違法ファイル共有ユーザをサービスから排除せよ、という戦略に出てきている。

まぁ、個人的には違法ファイル共有を抑えたところで、結局は利益は上がらないだろう。3~5年のうちに成長、ってのも、取らぬ狸のなんとやら。どのみち、多くのユーザに受け入れられるサービスを提供しない限りはね。海賊行為があることは、音楽産業にとっては救いなのかもしれない、だって全部海賊行為のせいにできるんですもの。

関連エントリ
著作権団体、今年のP2Pファイル共有対策はISP周りから攻める?

違法ファイル共有ユーザに対するドイツ人的追跡方法とその効果を考える
P2Pファイル共有民事訴訟のための刑事訴訟の利用?:ドイツ
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