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英国:政府、著作権侵害民事訴訟での懲罰的損害賠償は不適当との方針

英国政府が、著作権を含めた知的所有権の侵害に対する民事訴訟において、懲罰的損害賠償を求めることを排除する方針を明らかにしたよ、というお話。といっても、損害賠償を認めないのではなくて、損害賠償は、損害に対してなされるべきであり、懲罰は刑事訴訟においてなされるべきだという至極ご尤もなお話。法律には詳しくないわけですが、こういう方針を示したってことは、これまではこのようなことが行われてきた、ってことなんでしょか。

原典:OUT-LAW News
原題:Copyright damages should not be punitive, says UK Government
著者:OUT-LAW News
日付:14/05/2007
URL:http://www.out-law.com/page-8044

政府は、著作権・意匠権・特許権法によって認められている損害賠償に関する規定の改正案を提出した。それによると、著作権侵害の民事訴訟において、懲罰的損害賠償が裁定される可能性を排除するようだ。

憲法事項省から任務を引き継いだ法務省は、法律をより明確にすることを目的とした改正に関して、協議プロセスを進めている。法案では、著作権侵害または法案の適用される他の権利を侵害された際の民事訴訟において、裁判官が「追加的損害賠償」を裁定するのを認めている。英国の法律では、これ以外の法律で、懲罰的(見せしめ的)、加重的損害賠償を一般に言及している法律は他にはあまりなく、それらのフレーズは珍しいといえる。

法務省は、著作権法がその他の法律と同様に、裁判官によっていかなる損害賠償が裁定されるかを、より正確に具体的にしなければならないと考えている。協議には、特許法も含まれる。

「政府は、1977年の特許法、1988年の著作権・意匠権・特許法におけるこの変則的な(訳注;多義的な)用語が不利益なものであると考えており、もし法律が改められるのであれば、政府は、これらの領域における法律を明確にするよう働きかけるだろう。」と政府協議会では述べられた。

懲罰的損害賠償は罰として課せられるものであり、原状回復的損害賠償は不当な行為によって犠牲者が受けた実際の損失に対して補償するものであり、そして加重的損害賠償は精神的な苦痛といった危害に対する補償である。

法務省は、懲罰的(または見せしめ的)損害賠償を除外するために、「追加的損害賠償」という現行の著作権法で使用されている用語を変更しようと提案している。そのレコメンデーションは、Nottinghamshire Health Careのケースを含む民事の著作権侵害に関するPumfrey判事の見解について言及している。

「法律では侵害の認識については刑事犯として定められているとして、彼(訳注:Pumfrey判事)は懲罰的(見せしめ的)損害賠償が妥当であるという理由は存在しないという結論に達した。」 とその提案では述べられている。

この著作権法の求められている変更は、「追加的損害賠償」という用語を、「加重的および原状回復的損害賠償」に差し替え、それによって懲罰的損害賠償を除外する。

政府は、懲罰的損害賠償は、刑法によってこそふさわしいと長らく検討してきたようだ。「民法の目的は、損害に対する補償を提供するものであり、被告を罰するものではない。」と報告書では述べられている。

同省は、個人だけではなく、企業においても加重的および原状回復的損害賠償を利用可能にしたいと発言している。これは控訴審の判決とは真逆のことである。

「Collins Stewart Ltd v Financial Times Ltdの裁判では、控訴審は企業には傷つけられるという感覚は存在せず、苦痛に苦しむということはできないため、原則として企業が原告となった場合は加重的損害賠償を申し立てることできない、と判断している。1977年および1988年の法律におけるほとんどの主張が、企業を原告としてなされているという事実から見れば、法律を改正するにあたって、政府は同法に基づく加重的および原状回復的損害賠償を、企業を原告とした場合にも可能とするよう同法をより明確にするだろう。」

確かに、民事訴訟においては、懲罰的な損害賠償ってのはおかしい部分もある。刑事、民事という二分を正しいありように戻すということでしょうか。

ただこの話は、単純に現在行われている違法ファイル共有ユーザに対する著作権侵害訴訟に反映される話かというとちょっと微妙かもしれない。もちろん、国の違いもあるだろうけれど、アメリカで行われている違法ファイル共有裁判における損害賠償の請求は、名目上は著作権侵害によって被った被害額によって算出されている。そのため、たとえこのような変更が米国において行われても、おいそれとは適応されない気もする(そもそも米国が懲罰的損害賠償を如何なる形であれ認めてきたかは不明だが。たとえ、ってことで)。

それでも、権利者の権利ってのは際限のないものではない、ということははっきりさせるべきだと思うので、このような方針には賛同したいところ。もちろん、制限はされるべきだけれども、認められるところは認められなければならないのは当然としてね。やはり、世の中バランスです。

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