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「私がアップロードしているわけではない」:現代の海賊はフリーライドと責任回避を背景にしている?

なぜ、海賊たちをどうにかすることができないのか、という問題を扱ってみるよ、というお話。BitTorrentトラッカーやYouTubeをはじめとするビデオ共有サイト、そしてそれらビデオ共有サイトをカテゴライズしインデックスするサイトや直リンクするブログなど、これらに総じていえることは、アップロードしているのは私ではない、と主張しているということ。自分がアップロードしていないということが彼らの活動を正当化している。そう考えると、現在の海賊行為の背景にあるのは、フリーライドと責任回避、ということになるのだろうか。その点について、少し問題提起をしてみたい。まぁ、答えがやすやすと出せる問題ではないけれどもね。確かに著作権者団体や管理団体は、しばしば自分勝手な解釈でユーザの自由を制限する。しかし一方で、ユーザは総体としての無軌道さゆえに、著作権者団体や管理団体の圧力を自ら高めてもいるとも言える。今回は自分で書いていて耳の痛いお話です。

原典:Forbes
原題:Yar! Why Web Pirates Can't Be Touched
著者:Andy Greenberg,
日付:05.07.07
URL:http://www.forbes.com/technology/personaltech/2007/05/04/youtube-piratesbay-piracy-tech-cx_ag_0507pirates.html

現代の海賊たちは、略奪行為は行わない。少なくともスウェーデンではそうであるようだ。彼らは共有することを信念としている。

世界最大のBitTorrent貯蔵庫であるThePirateBay.orgは、世界中の数百万人のユーザに、対価を支払うことなく、著作権で保護された映画や音楽、その他のファイルを共有することを支援する。

もちろん、それは違法である-少なくともアメリカにおいては。しかし、2005年にTime WarnerのWarner Brosスタジオが、彼らを米国著作権法違反として非難したとき、海賊たちは嬉々として、彼らが住んでいるのはアメリカではなく、「バイキング、トナカイ、オーロラ、そしてキュートなブロンド娘のある土地」であることを映画会社に思い知らせた。

ストックホルムに拠点を置くThePirateBayは著作権侵害のための世界的なハブとして利用されている。しかし、彼らは故郷の緩い著作権法によって保護されている。同サイトは快適な法の抜け道を利用している。つまり、それらの抜け穴はWebサイトが著作権で保護されてたコンテンツをユーザに提供することを可能にする。そのうちのあるものは、米国国内法の曖昧な部分をついたもの、他のものは国際的な訴追免除を利用したものである。

Sonyや、NBCを所有するGeneral Electric、News Corp. Viacomといった巨大メディア企業は、増加するWebオーディエンスを如何にして呼び集め、利益を上げていくことを競い合っており、このような行為に対していらだっている。それゆえ、Viacomは、GoogleのYouTubeに対して、10億ドルもの訴訟を起こしている。しかし、その訴訟が如何なる結果に終わろうとも、The Pirate Bayのようなサイトが示すことは、常にWeb上にはクレバーな著作権違反者に対するセーフハーバーが提供されている、ということである。

ますます増えてきているYouTubeクローンのゲリラたちを考えて欲しい。DaliyMotion、Veoh、GoFish、OuOu、Peekvid、LiveDigital、1Dawgといったビデオサイトは、ユーザがビデオをアップロードすることができる点でYouTubeと同じモデルで運営されている。しかし、これらのサイトは、非常に有名になったビデオサイトと同様に法的な監視に苦しめられているわけでも、ユーザがアップロード可能なクリップの時間の長さが制限されているわけでもない。

このことは、如何なるテレビ番組や映画であっても、これらYouTubeの模倣者たちのサイトの中から見つけ出すことができるということを意味している。そして、その目的のために乗り出してきているWebポータルサイトも登場してきている。 Alluc.org, VideoHybrid.com, Peekvid.com, TVlinks.co.uk, YouTVPC.comといったサイトは、これらの下層ビデオサイトにおける著作権侵害された映画やテレビ番組のオンデマンド、ストリーム形式で配信されている全てのリンクの収集、分類を行っている。

この2種類のサイト-一方は、ユーザにアップロードさせるもの、もう一方は他の場所にある映画や番組にリンクを張るもの-は、密接に連携して働くことになる。たとえばAlluc.orgは、VeohからLostのエピソード、LiveDigitalからScrubのエピソード、DailyMotionからはカンフー映画のリンクを掲載し、1日に50万のユニークユーザを引き込んでいる。このサイトの作者である、ドイツのハンブルグ郊外に住む3人のティーンネイジャーは、いくらかは明示しなかったが莫大な利益を得ていることを述べている。彼らは、ただ単に自分たちのサイトにリンクを張っているだけであり、決して自身のサイトにそのコンテンツをホストしているわけではないので著作権侵害にはあたらない、という。

皮肉にも、彼らの主張は、1998年にアメリカ議員たちが承認したDMCAに由来する。 Alluc.orgの子供たちは、ユーザにコンテンツをアップロードさせる多くのサイト運営者と同じように、彼らがアップロードしているのではなく、そして著作権者の要求に沿ってそれらを削除するのであれば、彼ら自身が著作権法を犯してはいないと主張する。それはGoogleがYouTubeの裁判で主張していることと同じ議論である。

しかし、Alluc.orgのようなサイトが、彼ら自身の行っていることから逃れられるのには、より実際的な理由がある。それは、単純にこのようなサイトを追跡にするにしても、あまりに数が多いからである。メディア企業の弁護士たちに、それらの膨大な数のサイトを取り締まるだけの時間はなく、実際に彼らが警告を発したとしても、(訳注:そしてサイト管理人が削除を行ったとしても)ユーザは再びファイルをアップロードすることができる。そうして、著作権で保護されたビデオのストリーミングの流れは続くのである。

知的所有権法の網の目をかいくぐるためのスキームは、全てがすべて巧妙であるというわけではない。音楽販売サイトAllofmp3は、より単純なビジネスモデルを採用している。会社をロシアにたて、アメリカのレーベルから音楽を盗み、それを安価で売るだけである。Allofmp3は、ユーザに対して、フルアルバムを1ドル以下でダウンロードさせている-それはiTunesで購入するのと比べると1割程度である。RIAAは、2006年の6月から10月の間に1100万曲の楽曲がダウンロードされたという。Allofmp3は、彼らの販売手法は厳格にロシアの法律を厳守したと主張している。しかし、RIAAはそのような説明には満足せず、レコードレーベルは1曲につき15万ドル、合計で1兆6,500億ドルを求めて訴訟を起こしている。

WTO加盟を目指すロシアにとって、国際的な著作権ライセンスに同調し、Allofmp3のようなサイトを根絶することを強要されるかもしれない。しかし、国際的な海賊たちによっての望みはまだある。スウェーデンは1995年からWTOに加盟しているにもかかわらず、The Pirate Bayのコピーライト破壊活動キャンペーンは盛んである。昨年5月、スウェーデン警察がサイトの本拠地を急襲し、そのサーバを押収したものの、サイトは寄付されたサーバによって即座にオンラインに復帰した。それ以来、-The Pirate Bay管理者Peter Sundeが言うには-サイトは更なる急襲の可能性を回避するために、サーバと回線を別の場所にも配置しているという。Sundeは、彼ですら、必ずしもサーバは置かれているところを知らない、と語る。

しかし、Sundeやその海賊仲間たちは、スウェーデン政府が告訴を行うことを待っている。彼らが起訴されるとすれば、Sundeはそれが来月あたりにあると踏んでいるようだ。つまり、昨年彼らの本拠地から書庫として押収されたサーバが返還される前に。しかし、彼は心配してはない。「スウェーデン政府が起訴するのであれば、彼らは負けるでしょう。彼らがそうしないならば、米国政府はひどく憤慨するでしょうね。彼らはひどく困った立場にあるでしょう。」とSundeは語る。

さてさて、現在web上において多く行われている著作権侵害の背景に何があるか、という点では非常に興味深い記事になっている。

先日、日本においてもYouTube上の著作権侵害動画への直リンク問題で、意見書が提出されたけれども、この問題の根幹にあるのは、これは私の意志でアップロードしたものではない、という言い逃れが多かれ少なかれ現在の海賊たちの傾向であり、彼らを支えているものなのかもしれない。

この記事にも紹介されているThe Pirate Bayをはじめとするトラッカーたちは、我々はTorrentを提供しているだけであり、何ら著作権侵害を行っているわけではない(彼らのサーバ上に著作権を侵害するファイルは存在しない)、もし著作権者が削除を要請するのであればそれには応じる(The Pirate Bayだけは例外であり、Notice & Take Downには応じていない)という建前で自身の正当性を主張している。

また、多くのYouTube直リンサイトは、YouTube上の動画を紹介しているだけであり、自らは著作権を侵害しているわけではない、著作権を侵害しているとすればYouTubeだ、というところだろうか。Rimoなんかもこの辺に含まれるのだろう。

そのYouTubeですら、著作権侵害を行っているのはアップローダであり、自らはその対処に負われているのだ、と主張する。もちろん、簡易な手続きでNotice & Take Downに応じる、としており、それも根拠に正当性を主張している。また、最近では著作権保護技術の導入をほのめかしており、それもこのような動きに関わっているだろう。

さらに、広義の意味でこの傾向を考えると、Winnyネットワーク上での著作権侵害もこのような意図性の不透明さが、違法ファイル共有ユーザの活動を手助けすることにもなっている。たとえ、著作権者たちの眼前を自身の著作物が流れていこうとも、それが単に中継されただけのものなのか、意図してアップロードされているものなのかの判別が難しい。

そう考えると、現在はいささか行き過ぎの感もある。相手が理解ある人達であれば問題はないのだが、これまで嫌というほど理解のないところを見せてきた著作権ビジネスの方々である。これを許すわけにはいかないと考えるのは仕方のないことだろう。

ただ、このような傾向を何とかするために、リンク行為を禁止することによって対処しようとするのであれば、やはり馬鹿げた発想となってしまう。

しかし、しかしだ。では、ユーザはこれまでこの問題をどう捉えてきたのか。見れりゃいいや、面白いからいいや、それだけでよかったのだろうか。いざ、そろそろ突き上げが激しくなったという段になって、JASRACもクソだな!金の亡者め!なぜこれをイノベーションのチャンスと捉えないんだ?と言ったところで何か変わるのだろうか。

イノベーションといったところで、それにだって限度がある。決してその時点での限界を超えることはできない。それは技術的な問題だったり、法制度の問題だったり、国と国の関係だったり、その時点での状況であったり、それらがクリアされない限りは決してイノベーションとはなりえない。それら1つだけが解決されたところで、イノベーションとはいえないのである。無軌道に何かが劇的に進んでいるな、という程度のものはイノベーションなどではない。その範疇の問題をクリアしてこそ、それはイノベーションとなる。

結果として起爆剤となるとか、イノベーションをうがなすということがあるとしても、それ自体はいつか滅ぶべき存在となる。考えることを放棄して、それがイノベーションのチャンスなのだからいいだろうというのでは、JASRACのやっていることとかわりゃしない。問題は、それをどうイノベーションに繋げるか、ということなのであり、それがイノベーションを起こす際の、最大のハードルでもあるのだから。

もちろん、上述したように、それがイノベーションに繋がることを否定するわけでもないし、実際にそうなっているという事実もある。しかし、それも現実問題をクリアするというハードルが待ち構えているのである。YouTubeは違法なアップロードによってユーザを集めた結果として、多くのコンテンツプロバイダとの提携を成し遂げたし(Viacomあたりは許す気はないみたいだけど)BitTorrent Inc.やAzureusはBitTorrentプロトコルという海賊のためのツールで商売をすることを可能にしている。

しかし、それも無軌道さをクリアし、問題を解決してこそ成し遂げられたものなのである。無軌道さは時としてイノベーションを促す。そのためのセーフハーバーはあってしかるべきだろう。しかし、それがメインストリームとなってしまえば、それを阻害する動きが出てきても仕方のないことである。

ましてやRimoなどという究極のフリーライドサービスがはてなから提供されるに至って、また大量のYouTubeリンクと広告だけを掲載するブログが多数登場し多くのユーザを集め、そのようなブログをホストするサービスがそれを黙認している(私がブログを書いているFC2のブログアクセスランキングを見てくれればわかると思う)、それでも何ら問題がないというのは無理な話だ。海外の場合だともっと酷くて、上記の記事にもあるけれど、多数のビデオ共有サイトからドラマや番組のエピソードを集めて、それをカテゴライズしてたりもする。ある意味では便利なのだけれど、著作権侵害に劇的に貢献しているという側面も否めない。

結局は、じゃあどうすんだ?という問いに答えられなければどうしようもない。ただ、法的に問題ねぇだろっていう態度は、なんだろうなぁと思うわけです。いや、それはそれでいいのだけれど、なら、「法的に問題ねぇんだから、黙れよJASRAC」位のことは実際に言ってほしいと思うわけで。YouTubeマッシュアップサービスだって多数あるし、YouTubeリンクブログだって腐るほどある。そういった人達の声もまた、イノベーションに向けて必要なわけですよ。JASRACは黙ってろ!と思う一方で(何だかんだ言ってもJASRACは好きになれない)、フリーライドしている人達に対しても、JASRACに物申せよ!と思ったりもする。

ただ、私自身がどうなんだ?と聞かれると困ってしまったりもするけれどね。ある意味では、自分自身に対する批判でもあるわけです。問題提起ってことでご勘弁を。

といっても、個人的にどうなんだろう?と思うこともあるのです。たとえば、YouTubeの直リンブログ。ただYouTubeに違法にアップロードされた動画を利用して小遣い稼ぎがしたいだけなんじゃないのっていうね。それをダメだ!と無碍に言うわけじゃないけれど、それにしても音楽に対する愛が感じられないことに憤りを覚えるのです。そこにあるのは、YouTubeにリンクされた動画と、多数の広告と、どこかからコピペされた申し訳程度の解説文。あんまり気持ちのいいものじゃなくってね。なんかこう、ネットランナーを見ているみたいな。

ただ、1つだけ私が明確に述べたいことは、やはり現状は行き過ぎだと思うということ。もちろん、多少の無軌道さは必要だし、それによって新たなものが生み出される、育てられるという背景がある以上、社会として一定の許容はすべきだと思う。ただし、それもバランスであって、あまりに行き過ぎてしまうと、どうにかしなければならない、という状況を作り出してしまうということ。まぁ、バランスって言葉もとても都合のいい言葉ではあるのだけれどもね。ほんとごめん。また考えます。今日はここまで。

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l | URL | 2007.05.24 06:43 | Edit
リンク先が違法であることを認識しながらリンクを貼った場合は幇助犯となるそうで。
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070511より
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