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世界最大手のTorrentサイト、TorrentSpyにログを記録するよう裁判所が命令

世界一の人気を誇る(と思われる)TorrentSpyとMPAAとの裁判において、連邦裁判所は5月29日、TorrentSpyに対してサイト上でのユーザの活動について詳細なログを取るよう命じられたよ、というお話。この裁判は、昨年2月、MPAAがTorrentSpy、TorrentBox、Isohuntに対する訴訟を起こしたところから始まる。参考までの裁判の概略をば。MPAAは上記のサイトを著作権侵害を目的としたサイトだとして訴えた。しかし、Torrentサイト側は共同して弁護士を雇い、自分たちは著作権者の削除要求をきちんを受容し実行しており、著作権侵害を目的としていないのは明白、MPAAが怠慢なだけだと反論した。また、逆に3月にはMPAAの恣意的な糾弾に対して、それはむしろGoogleに当てはまるではないかと 、MPAAを反訴したりもしている。 その辺の経緯は、こちらを参考にしてね。

原典:CNET News.com
原題:TorrentSpy ordered to start tracking visitors
著者:Greg Sandoval
日付:June 8, 2007
URL:http://news.com.com/TorrentSpy+ordered+to+start+tracking+
visitors/2100-1030_3-6189866.html

カリフォルニア中部地区連邦裁判官Jacqueline Chooljianは、TorrentSpyに対して、ユーザログを記録するよう命じた。ただ、この裁判所命令は控訴のための猶予が与えられており、TorrentSpyの弁護人、Ira Rothkenによると、その期限は6月12日までだという。

TorrentSpyはそのプライバシーポリシーの中で、ユーザの同意なくトラッキングはしないという方針を掲げており、Rothkenは

TorrentSpyは、(訳注:裁判所命令が確定し)ユーザをトラッキングすることになれば、米国ユーザのアクセスを遮断するかもしれません。もし、この命令がそのまま許されてしまうのであれば、Webサイトがいかなるプライバシーポリシーを持っていようとも、ディスカバリージャッジによって同サイトのユーザが何をするかを追跡するよう求められる、ということを意味するでしょう。

と語っている。確かにTorrentSpyのプライバシーポリシーはそのようになっている。

TorrentSpy.comはあなたの個人情報を、他社に販売、交換または貸与することはいたしません。TorrentSpy.comは、あなたが我々に与えうる、いかなる個人情報をも収集することはありません。

もちろん、実際にログなんて取ったら、ユーザはよりつかなくなるわ、自分に不利な証拠にしかならないわなので、TorrentSpyにしてみたら認められるものではないだろう。おそらくは期限前に控訴(って言葉でいいのかな?それとも異議申し立て?)の手続きを行うだろうと思われる。

TorrentSpyの弁護人のコメントとして、米国ユーザの遮断という発言がなされているけれど、まぁ、こういうことを許していると、アクセスを遮断しなきゃいけなくなるよ、という誇張みたいなものかなと。ただ、実際にこの命令が実行されることになれば、TorrentSpyは本当にそうするかもしれない、とも思えるけれど。

この件に関して、業界団体からのコメントは寄せられていはいないようだけれども、EFF弁護士のFred von Lohmannは、イーコマースやデジタルエンターテイメントサイトに萎縮効果をもたらすものだと批判している。彼は、この裁判所命令を「前例のない」ものであり、裁判所が被告に対し、ユーザのログを取るよう命じ、然る後にそのログを原告に渡すよう命じたという、初の事態であるという。

「通常、被告はディスカバリーにおいて、(訳注:原告に)渡される新たな記録を生成するよう要求されることはありません。我々はWebサイトのログ(を取るかどうかの)ポリシーを、訴訟によって定められるべきではありません。」

と彼は語っている。

ところで、ここでディスカバリーとは何ぞや、という人のために、以前のエントリで纏めたもの以下に。

Discovery(証拠開示)
当事者双方が事件に関する情報を開示し、互いに情報を収集するために公判前に行われる法廷外の手続。一方の当事者から不意に重大な証拠が提出された場合、あらかじめ準備されていないと他方が十分に反論できないことになる。このような事態を防ぎ、公平な審理を行うための制度。
一般に、米国における訴訟では、弁護士のコストの80%が、このDiscoveryに費やされているといわれる。Discoveryは、相手方への捜査でもあり、相手方の保管している証拠を提出させたり、取調べとも言えるDepositionを行うこともできる。ここで得られた証言は、審理においても提出することができる。そのため、このDiscoveryに労力を注ぐほど、公判を有利に進めることが可能となる。しかし、このDiscoveryは非常に労力やコストがかかるため、多額の弁護士費用がかかる。

Deposition(証言録取)
Discoveryの手段の一つ。供述人や証人から、直接、質問状に対する回答として証言を得るもの。一種の取調べとも言える。米国における裁判では、伝聞証拠を事実認定に用いることは原則として認められていない。その理由としては、伝聞証拠(近隣住民がこう言っている、という類の証言)だけでは、提示された側が反対尋問できないという問題があるため、そのような証拠を裁判において提出するためには、裁判前のDiscoveryにおいて、証人や供述人に宣誓させた上で回答を得ることで、裁判に用いることができる。

まぁ、これで正しいかどうかはわからんのですが、間違いがあれば指摘してくださいな。

この件を追いかけてきたわけではないので、実際に公判が始まっているかはわからないけれど、これらのコメントを読む限りでは、現時点はディスカバリーの最中ってところなのかな?で、そのディスカバリーにおいてMPAAがTorrentSpyへのログ取り命令を勝ち取ったといったところかしら。

だとすれば、相手の都合のいい証拠をこれから差し出せという感じも取れなくはない。法律のことは良くわからないのだけれども、それっていいのかなと思ったりもする。ただ、TorrentSpyはNotice & Take Downに応じている(著作権侵害を報告してくれれば、そのTorrentは削除しますよ、ってこと)、と主張しているけれども、事後的な対処をしているからいい、といえるほど、著作権侵害への貢献度は低くないわけで。単純にはどちらがどうだとは言い切れない部分がある。もちろん、手続きは公正に行われるべきだとは思うのだけれどもね。

関連エントリ
2006年:MPAA vs. BitTorrentsサイト

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