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YouTube利用者数の推移とその利用実態:ビデオ共有サイトの行く末を考える

今回はYouTubeの利用者数の推移と、その利用実態についてのこれまでの記事を纏めるよ、という備忘録的なお話。いろいろ考える上では、こんなまとめ的なエントリが1つあると便利なのです。ということで、これまでものすごい勢いで利用者を集めるYouTubeのこれまでの利用者数の推移と、その利用実態についての調査を概観してみる。結論から言うと、やはりYouTubeの人気は増大を続けているし、その利用の多くは著作権侵害的な利用であった。では、現在著作権侵害的な利用を抑制することを求められているYouTubeをはじめとするビデオ共有サイトは、今後どうなっていくべきなのか、ということを考えてみる。

YouTubeの利用者は、年毎に、というよりは月毎、日毎に利用者数が増大している。日本では2005年の終わりごろから利用者は急増を続け、ほんの数ヶ月後の2006年3月には利用者数は10倍にも増加し、利用者は200万人に到達した。その後も増加を続けるも、2006年夏ごろのJASRACなどによる削除要請や、日本のテレビ放送局を含む23団体による削除要請など、YouTubeにとっては風向きのよろしくない出来事が続き、その時期にはYouTubeの利用者が横ばい状態となった(それでも利用者は700万人強のまま推移)。この時期には、米国でのYouTube利用者の急減が話題となっており、日本でもそうなるのでは?との予測も数多く見られた。

しかし、今年2月に行われたネットレイティングスの調査では、それでも今年に入ってから利用者数は増大していることが示されている。確かにこの調査でも2006年8月から11月頃までは横ばいであることが示されているが、今年に入り、ついに利用者数は1,000万人を超えたとされている。2006年2月の利用者数(150万人)と比較するとおよそ7倍である。

 
NetRatings ニュースリリースより

とこのように、YouTubeの利用者は、一時期の停滞はあったものの、非常に急激に増大している。もし、YouTubeが法的に何ら問題のないサイトであれば、よかったね、すごいね、で済ませられてしまうのだろうけれども、これまで報道されてきたように、YouTubeには常に著作権侵害というダークサイドが存在する。そして、そのダークサイドを利用してここまでのし上がり、それによって人気を現在でも獲得しているという側面がある。ということで、YouTubeの利用者数の推移に続いて、その利用者の利用実態について見ていきたい。

今年、2月に行われたメディアインタラクティブの日本人を対象としたYouTubeに関する利用実態調査(pdf)では、YouTubeの認知度は、回答者全体の約半数(48%)であった。また、実際に利用したことがあると回答したのは、全体の1/3以上(36.9%)であった。

また、視聴されているコンテンツを複数回答で求めたところ、1位が「日本のテレビ番組」(62.7%)、2位が「ホームビデオ等で作成されたユーザ生成コンテンツ」(50,1%)、3位が「日本の音楽プロモーションビデオ」(35.6%)であり、単数回答でも「テレビ番組」が32.5%で最も多かった。

上記のコンテンツに関する質問項目は、そのほかにも、映像クリエーターなどが制作したと思われる作品、日本・海外それぞれテレビ番組、テレビCM、音楽PV、映画・アニメ映画がある。そのうち、おそらく著作権侵害に関わりそうな項目のパーセンテージを合計すると、約7割弱であった。

YouTubeを利用しているユーザのYouTubeの魅力の項目(複数回答)では、「一般の人からの作品が視聴できること」がトップであった。これは、上記の利用に関する回答とは少し異なるような気もするけれどね。可能性としては、ユーザ生成コンテンツがそれなりにユーザのハートをがっちりキャッチしているのか、回答者が単に著作権侵害的な利用だけではない、というアピールをしたかったかという2つの可能性があるだろう。この回答項目が単数回答であれば、どのようになっていたかは非常に興味があるところだ。各項目についてのパーセンテージは以下に。

YouTubeの魅力

そして、個人的には一番気になるところなのだけれど、利用者がYouTubeの存在をどう捉えているか、というYouTubeに対する考えについての項目。ここでは、「個人が楽しむ分には問題ないサイトだと思う」という回答の割合が最も高く、7割以上の利用者がそう回答している。

 YouTubeへの考え

まぁ、ユーザ本人にとっては、自分1人だけが楽しんでいる、という感じなのだろうけれど、実際にはその自分1人が膨大な数に及ぶわけで、決して個人の範疇に収まる問題ではなかったりもする。ただ、これは選択肢が少なかったことに起因するかとも思うけれどもね。この7割のうちの多くは、問題はあるけれども望ましいサイト、であるといった法的な問題と望ましさのアンビバレントな状態を回答をしたかったのではないかと。

また、この調査を行ったネットレイティングス代表取締役社長兼チーフアナリストの萩原雅之は、YouTubeへの利用者の流れについて興味深い指摘をしている。

YouTubeブランドは、昨今のニュース報道等で多くの人の認知を得るところとなりましたが、トップページの利用者はYouTube全訪問者数の2割程度にとどまっています。これはブログやSNSの日記・コミュニティなどのいわゆるCGM(消費者作成コンテンツ)に貼られた膨大な個別映像やURL経由で大半の利用者が流入しているためです。YouTubeの記録的な急成長はCGMの誘導力の強さを証明しています。

なるほど、YouTubeへのユーザの流れは、単にYouTubeというプラットフォームへのアクセスではなく、ブログやSNSといったユーザ生成コンテンツに組み込まれている側面が大きいということか。確かに、YouTube等のビデオ共有サイト上のビデオの多くは、ブログに貼り付けることも可能であるし、その紹介ブログが高い人気を集めている。掲示板などでも多数リンクが張られている。そういったユーザ自身が作り出す流れが、YouTubeの人気を支えているともいえる。

さて、最後に考えてみたいのは、YouTubeをはじめとしたビデオ共有サイトの抱える問題である。上記の調査では、確かにユーザ生成コンテンツへの魅力が最も高いという結果が得られているけれど、実態としては著作権侵害に関わる利用がその大半を占めている。ということを考えると、現在の多くのビデオ共有サイトの人気を支えているのは、著作権侵害的なアップロードという側面もあるだろう。

ということを考えると、現在数多くのビデオ共有サイトに求められている許諾のない著作物のアップロードや視聴に対するフィルタリング技術の導入は、単にビデオ共有サイトにとってコストを生み出すだけではなく、その人気をも削ぐ可能性があるということになる。YouTubeなどがなかなか言うことを聞いてくれないのも、そうした側面があるのだろう。

とはいえ、それも時間の問題であり、いつかはフィルタリングによって可能な限り著作権侵害的な利用を抑制しなければならなくなるだろう。個人的には、それがビデオ共有サイトの少なくとも当面の目指すべき姿であると思う。その上で、ユーザ生成コンテンツを扱うことでサイトを維持するということが必要になるだろう。まぁ、それだけではなく商業的なコンテンツプロバイダとの提携を果たし、それによって商業コンテンツの配信を行う、という手もある。そのためには、いかにそのサイトにコンテンツを置くことが直接的な利益を生み出すのか(広告収入)、そして間接的な利益を生み出すのか(当該コンテンツの広告効果)、をアピールしていく必要があるだろう。

参考記事
動画共有「YouTube」、日本から月200万人利用 - ITmedia News 2006/04/27
JASRAC、YouTubeに削除要請 ACCSも「対策を検討」 - ITmedia News 2006/07/25
YouTubeが動画3万件を削除 日本のテレビ局やJASRACが要請 - ITmedia News 2006/10/20
YouTubeの利用者、米で急減 日本でも横ばいに - ITmedia News 2006/10/23
YouTube、“史上最速”で利用者1000万人に到達 - Nielsen/NetRatings 2007/03/22

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