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ISPによる帯域制御の背景にあるお国事情:豪州のケース

先日、オーストラリアのISP Internodeが増加するP2Pトラフィックに耐えかねて、ブロードバンド料金を最大30%値上げし、さらに同社の規定するダウンロード量を超えたユーザへの罰則、P2Pトラフィックの規制を発表したのだけれども、そのような規制を含む対策というのは、奥に事情を反映しているのだなぁというお話。以前、この話題を扱ったエントリに、オーストラリア在住のこのISPを利用している方からコメントを頂いたのだけれども、非常に興味深い内容だった、ということで、それを元にもう少し考えて見ます。

原典:P2Pとかその辺の話
著者:けんけん
日付:2007年6月24日
URL:http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-493.html#comment442

このコメントを頂いた方は、冒頭でも述べたとおり、オーストラリア在住のInternodeをISPとして利用されている方。これまで月額4,000円程度、転送上限が8GBのサービスを利用していたようです。以前に紹介した記事で規制が強化されたとあるけれども、それに伴って転送上限を5GBに減らされてしまったようです。DTIの規制が、1日上限15GB(アップロードのみ)を考えると、オーストラリア(特にInternode?)の回線事情は厳しいのだなぁと思ったりもします。

さて、その規制・制限強化の背景にある事情に関して、非常に興味深いコメントを頂いたので、以下に引用させてもらいます。便宜上、開業をさせてもらいました。

さて、豪州のネット環境は日本や米国とは異なりやや特殊な環境にあるかと思います。

  1. 英語圏なので米国や英国のコンテンツをそのまま楽しめる。 英国や米国からのトラフィック大。
  2. 人口が2000万しかいないので独自のサービスを展開させ、成り立たせることは難しい。よって、米国や英国のサービスへの依存度は大きい。
  3. 島国(サイズは大きいですが)なので、ファイバーなりケーブルを引く必要があるが、距離的な問題でコスト高になる。
  4. 半官半民の電話会社が事実上データサービスを牛耳っている。

いくつかの状況は日本にもあてはまるかと思いますが、参考までにコメントさせていただきました。

1.に関しては、それが非常に大きいことが考えられます。当ブログでも、オーストラリアでのP2Pファイル共有事情を何度か紹介していますが、その利用の増大は英米(特に米国?)のコンテンツを求める人達によるところが大きいと考えられます。BitTorrentの利用が最も盛んなのは、オーストラリア(国内Alexaランキングが高いという意味で)だという記事を紹介していますが、それもこのことに起因しているのではないかと思います。

また、BitTorrentの利用を促進する原因として、海外のドラマなどを求める人が利用している、ということがあるのではないか、ということも考えられます。ご指摘のとおり、英語圏以外の地域では、字幕や吹き替えなしに視聴できない人がほとんどであることから、その利用は比較的抑えられていると思いますが、英語圏ではそのような制限なく利用できてしまうことが、このような状況を招いている一因でもあるかと思います。

これまで報道されてきた調査結果でも、オーストラリアのダウンローダーの傾向として、海外番組放送までの遅延に絶えられない、オンデマンドでの利用を求めている、国内で放送されない海外番組を視聴したいという回答が見られています。おそらく、このことが海外へのトラフィックを増大させる原因となっているのかなと思います。別の調査でも、海外番組の放送の遅延が、P2Pの利用を促進している、と指摘されていますから、おそらくそういう側面はあるのでしょう。コメントいただいたエントリで紹介した記事でも、海底ケーブルを確保するコストは低下しているが、トラフィックの増大には追いついていいない、ということが述べられていますから、海外へのトラフィックの増大が深刻なのでしょう。

番組の遅延によって引き起こされたこのような状況が、コンテンツプロバイダに新たなサービスの展開を促しているのは非常に望ましいことですが、単純に規制する、料金を高くすることで解決を図る人達も出てくるのも仕方のないことなのかもしれません。ユーザとしては、憤りも覚えますが・・・。

2.に関しては、上記の状況に加えて、YouTubeなどのビデオ共有サイトなどによるトラフィックの増大なども顕著なのかなとも考えられますね。それ以外にも、映像コンテンツとは比べ物にはならないでしょうが、SNSやニュース等、言語の壁がないことを考えると、非英語圏以上に海外コンテンツが利用されていることも考えられます。また、国内サービスが充実しにくいもの、海外サービスへの依存度が高いということもあるのかもしれませんね。

3.に関しては、人口の集中している地域が飛び飛びであるというのは、回線敷設にとってデメリットが大きいのでしょうね。誰も住んでいないところにただただ回線を延長していく、というのは非常に無駄の多いことですからね・・・(FTTHならなおさらでしょうか)。どの程度か、というのは実際にオーストラリアに行ったことがないので、実感しにくい部分もありますが、右の図を見る限りでは大変そうだなぁという感もあります。さらに島国ですからね・・・。回線敷設にかかる費用や、それほど収益が上がらない地域でのサービス展開などにもお金がかかっているというのが、影響してそうですね。

4.に関しては、オーストラリアのデータサービス事情を詳しく知らないので、なかなか考えを進めることも難しいのですが、確かに日本で言えばNTTがデータサービスの強者であることを考えると、競争相手となるサービスプロバイダが競争を挑むのが難しい、という側面もありますね。とはいえ、徐々にNTTもなりふり構わない格好になっていますので、少しは改善しているのかもしれませんが・・・。それでも、一部の業者が強い影響力を持つ、というのは、利用者にとってはそれほど望ましいことではないかもしれません。

コメントにご返信しようとしたら、かなりの量になったので、1つのエントリとしてあげさせていただきました。けんけんさま、非常に興味深いコメントありがとうございます。なお、コメントを引用させていただいたことに、何か問題がございましたら、ご指摘していただければ幸いです。その際は修正、削除等の対応をさせていただきたいと思います。

できれば、ユーザが転送量を意識せずに、利用できるサービスが展開されるようになればよいのですけれどもね。

関連エントリ
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