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ブログにYouTubeビデオを埋め込むのは著作権侵害?

YouTubeやビデオ共有サイト自身が著作権侵害の責任を負うかどうか、ということはしばしば議論されるし、ViacomがYouTubeを訴えているように訴訟にまで発展しているケースもある。しかし、YouTubeにアップロードされている著作権侵害されているであろうビデオを自身のブログやサイトに埋め込むことが、著作権侵害の責任を負うのかどうかについては、これまでそれほど議論されてくることはなかった。

原典:techdirt
原題:Is It Copyright Infringement To Embed An Infringing YouTube Video On Your Blog?
著者:Mike Masnick
日付:July 07, 2007
URL:http://www.techdirt.com/articles/20070703/144358.shtml
備考:改行は引用者

YouTubeが著作権を侵害しているかどうか、という議論やそれに関する訴訟は、これまで数多くなされているけれども、一方で人々が自分のサイトにYouTubeのビデオを埋め込むことについては、それほど議論されてくることはなかった。

YouTubeの大きな特徴の1つとして、それぞれのビデオに、サイトに直接ビデオを埋め込むための、HTMLコードを提供している、ということだろう。しかし、ビデオが著作権を侵害されているものである場合、それをサイトに埋め込むことが著作権侵害にあたるのだろうか?実際には、ビデオはYouTubeによってホストされているのである。そして、アップロードした人は、全く別の誰かである。

あなたがしたのは単に自身のページに1行のHTMLコードを加えることだけ。しかし、誰かがそれを著作権侵害だとみなすかも知れないことは、想像に難くない。実際、まさにその例を我々は眼にするかもしれない。

Romald Lewisは、Michael McDonaldのYouTubeビデオを彼のブログに埋め込んだとして、弁護士から典型的警告状を送りつけられたと、我々に知らせてくれた。Lewisはビデオをアップロードしたわけではないし、彼がビデオをホストしているわけでもない。彼は単に、YouTubeからサイト上に表示させるために提供されている、1行のHTMLを彼のwebサイトに追加しただけである。そうしてビデオが表示される。

さらに、これに関連してしばしば疑問視されているのが、当該のビデオが著作権を侵害しているかに関わりなく、なぜ弁護士は、誰かが誰かの音楽をプロモートするのを止めさせようとしているのか、ということである(YouTube上のビデオを見たからといって誰も音楽を買わなくなるなんてことはないのに)。さらに、この状況がMcDonaldを友としてきた彼の10年間をご破算にしてしまうかもしれないと、彼は主張する。

しかし、率直に言って、非常に興味深い(そしてこれまでめったに議論されてこなかった)この問題は、著作権侵害されたビデオをサイトに埋め込む人達の責任が懸念される。リスクについてあまり考えることもなく、自分のブログの投稿にYouTubeビデオのHTMLコードを貼り付けるブロガーたちが、そのビデオの埋め込みによる脅威や訴訟に晒されるのを目にするまでに、それほど時間はかからないのかもしれない。

確かに、当該のコンテンツをホストしているわけでもないし、それを投稿したわけでもない。しかし、当該のコンテンツは、そのブログやサイト上で視聴できる。これこそ、YouTubeやその他のビデオ共有サイトが提供している埋め込み可能なビデオプレイヤーによってもたらされる新たな問題といえる。

上記の記事にあるような問題をみるにつけ、状況がより複雑化しているという印象を持つ。1つの問題に多数のプレイヤーが絡むことで、誰にその責任があるのか、それぞれがどのような責任を負うのかが曖昧になりつつあるとも思える。

日本においても、同様の問題が語られてはいるのだが、やはり主に話題に上がるのはYouTubeやその他のビデオ共有サイトをターゲットとした話題となる。もちろん、ビデオ共有サイトが当該のコンテンツをホストしているのだから、それは当然なのだろうけれども、私が危惧するのは、徐々にではあるがビデオ共有サイトと著作権団体が折り合いをつけ始めているということ。もちろん、それはそれでいいことなのだけれども、そうなれば次は誰がターゲットになる?という疑問が生じる。

ファイル共有をめぐる訴訟でもそうだったけれども、まずは核となるものを撃破し、然る後に個別に撃破していく、という戦略がセオリーになっているのだろう。まずは、そのシステムを抱える団体を、その後にユーザを、という流れになる。ただ、ビデオ共有サイトおよび埋め込みの問題は、さらに複雑で、アップロードしているユーザと(著作権団体の言うところの)被害を拡散しているユーザが別なのである。そして前者は確実に責任を負うものなのだが、後者はそれが曖昧である。前者に関しては、ビデオ共有サイトとの折り合いをつければ、いかようにも出来るのだろうが、問題は後者の存在をどうするか、である。

まぁ、結論からいえば、彼らを現実的にライツホルダーや著作権団体の前に引きずり出すための方法を作り出すのだろうと考えられる。上記の記事の末尾の考えと同じものだ。

ただ、果たしてそれが誰の得になるのかはよくわからない。YouTubeのビデオを見て、満足したから買わないという人がどれだけいるのだろうか。確かに映画やドラマなど映像コンテンツに関しては、一度見るだけで十分という人もいるだろうが(それにしてもYouTube程度の画質で満足できる程度のものがどれだけの動機づけをもっているかは疑問だが)、PVなどの音楽の映像コンテンツに関しては、それで満足できる特性のものでもないと思う。

とはいえ、著作権を持つ人にとっては、コントロールの外で何かをされるのがたまらなくいやみたいだから、そのような効果、効率を度外視してもコントロールしたいという欲求の方が先立つのかもしれない。

日本でも数多くのブログで、YouTubeなどから音楽PVを埋め込んで表示させている。その多くが、当該のPVに関連した商品のアフィリエイトリンクを貼り付けているのだが、個人的にはこの行為こそプロモーションに当たるのかもなぁと思ったりもする。ただそういう利点を考える一方で、感情的には大して好きでもない音楽をアフィリエイト・アクセス目的で貼り付けてるんかなぁという嫌悪感も存在する。

ちなみに、日本の法律で、この違法コンテンツの埋め込み表示がどう解釈されるかだけれども、弁護士の小倉秀夫さんはITmediaの記事に以下のようなコメントを寄せている。

YouTube上の動画にリンクを張り、その動画に対するアクセスを増やす行為は「自動公衆送信のほう助」に当たるようだ。小倉弁護士は「リンクが張られることにより公衆からの送信要求が実際に増加したのであれば、客観面からいえば、リンクを張られることにより、自動公衆送信がほう助されたということになります」と説明する。

  つまり、YouTubeの違法動画にリンクを張り、結果的にその動画へのアクセスが実際に増えた場合は「自動公衆送信権侵害のほう助」にあたり、故意などの主観的な要件が具備されるならば、違法と考えられる、という見解だ。

著作権侵害にはあたらないようだけれども、その幇助に当たると解釈される可能性があるらしい。まぁ、納得できる話でもある。この辺の議論の詳細なお話に関しては原典の記事(ITmedia - 「YouTube人気動画リンク集」は合法か)を読んでみて欲しい。

この記事の非常に素晴らしいところは、そのような行為を違法行為として解釈される可能性があるとしながらも、その現状は果たして現状にマッチしているのか、ということについても踏みこんでいる。法政大学助教授 白田秀彰さんはこの記事中で以下のように指摘している。

「技術革新などで社会が新しい段階に移行する時、現実と法律の整合性が破たんする状況がしばしば見られる。しかし、その破たんがなければ、現実に調和した法律を作り出すことはできない」

「YouTubeが家庭用ビデオデッキと同じポジションにいるならば、法律や政府がよってたかってつぶしにかかるというのが、長期的に見てどうなのかな、と思う部分もある」

もちろん彼が現状の全てを許容しているなどという恣意的な解釈はしないが、それでも事実として、法律(やそれをよりどころにしてビジネスをしている人達の解釈)と現実に大きなズレが生じている。そのズレを活かすも殺すもそれを取り巻く人達次第なのだけれども、極端に言えば現状は殺す方向に動いているようにも思える。

関連エントリ
MPAA、ビデオ共有サイトの違法コンテンツへのリンクサイトを著作権侵害を助長しているとして提訴
「私がアップロードしているわけではない」:現代の海賊はフリーライドと責任回避を背景にしている?
違法アップロードされた著作物へのリンク集はアリなのか

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Comment

Hiroshi | URL | 2008.09.23 16:23
たいへん参考になりました。真剣に考えるべき問題です。
無名 | URL | 2011.08.29 21:26
いまいちわかりにくいのですが、
現在の日本は違法としりながら違法にアップロードされたものをダウンロードするのがアウト!なので
レコード会社の公式アカウントの動画をブログに張り付けるのはOKってことなんでしょうか?

ま、レコード会社もそれをわかって貼ってるわけでしょうし。。。
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