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ベルギー法廷、ISPに違法P2Pファイル共有へのブロック・フィルタリング技術導入を命令

ベルギーの音楽団体が、ISPに対してP2Pファイル共有ネットワークを流通する違法なコンテンツをブロック・フィルタリングするよう求めていた裁判で、裁判所はISPに対してそのための技術を導入するよう命じたよ、というお話。そうなると、問題になるのは、その技術が本当に効果があるのか、問題はないのかということ。不勉強ゆえ、そのような技術の存在を知らなかったのだけれども、裁判では専門家がブロック・フィルタリングのための11の技術が存在し、そのうちの7つが同ISPに適用可能だとか何とか。IFPIはこの判決を判例として、EU諸国、世界中に同様の処置を広めたい考えのようだけれども、そんな実験チックなものを乱暴に強制していくことに問題はないのか、を考えてみる。

原典:TorrentFreak
原題:ISP Forced to Block and Filter Pirated Content on P2P Networks
著者:Ernesto
日付:July 04, 2007
URL:http://torrentfreak.com/isp-forced-to-block-and-filter-pirated-content-on-p2p-networks/

ベルギー法廷は、ISPがP2Pネットワーク上のコンテンツの著作権侵害をブロックまたはフィルタリングするよう強制、および要請されると判決を下した。これに関しては、表現の自由とプライバシーはそれほど重要ではないらしい。しかし、どのようにしてISPが正確に著作権で保護されたコンテンツをブロックし、フィルタリングするかは、依然謎に包まれたままである。

ISP(Scarlet)がいかなるメソッドを実装しなければならないかは明らかではない。しかし、BitTorrentといったP2Pネットワーク上の著作権侵害と合法コンテンツの区別をすることは、不可能とまでは言わないが、あまりに困難な作業になるだろう。

裁判官はそうは考えておらず(pdf)、P2Pの専門家の主張に基づいて、ISPはP2Pネットワーク上で著作権侵害されたコンテンツのブロックまたはフィルタリングをISPの裁量権に基づいて技術的手段をしなければならない、とした。渦中のISPは、その手段を実装するために、6ヶ月の猶予を与えられた。

このニュースへの反応として、スウェーデン海賊党のリーダーであり創設者であるRick Falkvingeは、TorrentFreakにこう語っている。

「これは、我々がこれまで主張してきたことを確証するものでしょう。そう、レコード産業は、彼らの崩壊しつつある独占体制を維持するために、郵便の秘密と出版の自由を廃止しようと望んでいます。実際、この第三の責任を負わない団体が、全ての民間人の間でやり取りされる全てのものを調べることが可能になり、いかなる望ましくないコミュニケーションをも破壊することができるようになったことを、彼らは賛美しています。」

ベルギー法廷による判決は、EU法を実装する。IFPIによると、それは対国際的な海賊行為との戦いにおいて、非常に重要な判例が作られたとしている。IFPI 会長兼CEOのJohn Kennedyは、この判決への反応として、こののように述べる。「この判決が、他のEU諸国、そして世界中の国々での政策や法廷のための鋳型とされることを私たちは望んでいます。」

私たちはそうならないことを望みましょう。で、誰か私に、どうやってISPが著作権侵害されたコンテンツをフィルタリングするかを説明してくれないか?

まぁ、上記の記事にあるPDFを見ると、専門家の提案している11の技術のうち、7つがこのISPに適応可能だとか何とかで、それが義務付けられることになるみたい。で、原告の音楽団体は、ブロック・フィルタリングに関しては、特定の情報の転送に関して機械的。自動的にブロック・フィルタリングを行うから、決してモニターするってわけじゃないんだ!と主張している。

さらに、P2Pファイル共有ソフトウェアを用いた著作物を違法に交換することが出来ないよう、ベルギーの全てのISPに対して、この専門家によって提案されている技術的な処置を実装させることで、ベルギーの違法なトラフィックを撲滅することが出来ると主張している。

何でそこまで自信満々なんだろう、というのが感想かな。そこまで完全に機能する技術なんて現状であるのかなと思ってしまう。その辺に明るい人がいたら、是非とも教えていただきたいところ。

個人的に疑問に思うのは、この技術がどれだけ正しく機能するか、ということ。私は、このような命令に対して、かなり批判的に見ている。もちろん、それほど技術的に明るくはないので、もしかしたら、この技術というのがそれなりに機能するものなのかもしれないけれど、ビMSやMySpaceなどのデオ共有で実装されているAudible Magicのフィルタリングがうまくいっていないことを考えると、本当に正しく機能しているか、というのには疑問を覚える。

正しく機能するか、というのは一言では言いにくいので簡単に、何がどうなれば正確なのか、何がどうなれが問題なのかを考えてみる。

  1. 違法ファイルを正しくフィルタリング・ブロックする
  2. 違法ファイルを誤って通過させる
  3. 合法ファイルを正しく通過させる
  4. 合法ファイルを誤ってフィルタリング・ブロックする

まさしく信号検出理論のお話なのだけれども、1.と3.がなされていれば、正確に機能しているといえる。これが望ましい姿。でも実際には、2.と4.が紛れ込んでしまうという問題が生じることもしばしば。

さて、この構図をよく考えて欲しい。誰が得をして、誰が損をするか。音楽団体にしてみれば、何ら損することはないのだ。もちろん、違法ファイルを誤って通過させてしまうことはNGかもしれないが、少なくともフィルタリング・ブロックがなされることは、彼らにとって利益とまではいかなくても、損失を減らすのに役立つだろう。

しかし、ユーザにとってはどうだろうか。別に、著作物がうまくフィルタリングされようがされまいが、利益はないし、損失もない。合法ファイルが正しく通過するのだってこれまでどおりのことだ。しかし、こと合法ファイルが誤ってフィルタリングされればどうか。ユーザにとっては損失しか生まないことになる。

さらに、このような技術の実装を要求しISPに対して負担を強いることは、最終的にはユーザに跳ね返ってくる。

結局、構図としては、自分たちの望ましい要求を押し通しておいて、その負担を負うのはユーザとISP(最終的にはユーザ)となる。こんなものがEU諸国や世界中の国々で実装されたら、あまりにひどいというか乱暴じゃないのか?少なくとも、自分たちが責任を負えない事に関して、実験を強制させるというのはどうだろ。少なくとも、ユーザはお金を払って享受しているサービスであり、ISPはお金を支払われる、責任のあるサービスである。

確かに、彼らの著作物が違法に利用されているのも事実。でもね、それを何とかするために、他の人に負担を強いるのはどうかと思うんですよ。彼らの考えとしては、別に合法的なファイルが誤ってフィルタリングされようともどうでもいいのだろう。彼らのコンテンツのコントロールさえ効くようになれば、邪魔者(彼らにはかかわりのない合法的なコンテンツ)がいなくなって一石二鳥とでもいうのかしら。

もちろん、これはその技術に問題があればの話。さてさて、ベルギー音楽団体も裁判所も、この技術が確実に機能することを理解してのことなんだろうから、大丈夫なんだろうけどね。まぁ、たとえ問題が生じようとも、その責任はその両者にはないってところもミソだけどね。

関連リンク
以下の記事に、更なる詳細な情報が記載されているので、是非ご一読いただきたし。
ベルギーの裁判所、ISPの著作権保護義務を認める - TechCrunch

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