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英国保守党党首、著作権侵害を抑制のためISPにフィルタリングを課す方針を表明

MediaDefender前回のエントリに引き続いて、英国保守党党首のスピーチにおいて、ベルギー法廷が下した、ISPは違法ファイル共有コンテンツの流通をブロック・フィルタリングする責任があるとした判決に関連して、英国においても、同様の責任がISPに課されるべきだ、と音楽産業に語っているよ、というお話。このような流れは、IFPIが年初報告書で示した、ISPに対して著作権侵害の責任を求めていく、という声明に同調するものである。

原典:TorrentFreak
原題:UK Conservatives Plan to Extend Copyright
著者:Ben Jones
日付:July 07, 2007
URL:http://torrentfreak.com/uk-conservatives-plan-to-extend-copyright/

British Phonographic Institute (BPI)からの支持を取り付けるために、尊敬すべきWitney選出の国会議員は、彼の知識不足を露呈した。

「最後に、私にISP(インターネットサービスプロバイダ)の責任についても話させてほしい。彼らはインターネットの門番である。一部のISPは、彼らが音楽の違法ダウンロードをとめる術がないと主張する。しかし先月1ヶ月だけで、8つのサイトが、25,000以上の違法なダウンロードのホストを務めている。それは可視的なインターネットトラフィックである。ISPはアクセスを遮断することができ、まさに問題のあるファイル共有サイトを閉鎖に追い込むことができる。彼らは、インターネット上での児童虐待や人種的な嫌悪を刺激するようなものを監視するために、InternetWatch財団を既に創設している。彼らは、デジタル海賊行為に対しても、同様にしなければならないだろう。」

問題はその程度だ。人種的な嫌悪や、児童虐待が常に違法である一方で、人々がダウンロード可能な音楽は常に違法なのだろうか?いかにして、ISPは、人々または、配信業者がやり取りする音楽にライセンスが付与されているかどうかを判断できるというのだろうか?いかにして、それがライセンスが必要であるかどうかを見分けることができるのだろうか?端的にいえば、できない、が答えだ。それもCameron氏が、全ての音楽ファイルがISPによってブロックされる(それは音楽産業が愛してやまない動き)ことによる課題を解決しない限りは。人々が彼らの作品を配布するためにインターネットを利用するのを妨害し、彼らに音楽産業を通して(配信を)行うよう強制することは、レコード産業の衰えつつあるビジネスモデルを復活させるものである。

BPIに支援される政治家によってこのような声明がなされることは、残念なことに稀なことではない。2005年、Arlence McCarthyは、ヨーロッパ都市での海賊DVDの売上が、1993年の世界貿易センタービル爆破の資金源となっていたと主張した。彼女はその後、『彼女が与えられたデータ』を用いてそれを非難した。もちろん、これら特別利益団体に迎合しない唯一の政治家は、世界中の複数の海賊党から選ばれた政治家たちだけであろう。

Cameron議員に連絡を取ったものの、現時点では回答を得られなかった。

確かに海賊党の面々は、著作権団体などの特別利益団体には迎合することはないだろうが、それとは間逆の団体に迎合しているとも言える。まぁ、その団体自体の政治結社って感じだから、支持を得るためにポリシーを切り売りするわけではないってところなんだろう。

それはともかく、ここでいわれているように、そのフィルタリングの精度の問題はあるだろう。何を持って通過させるのか、ブロックさせるのかは、誰が決めるのか、どういうシステムで運用していくのか、という運用の側面や、それが実際にどの程度の精度で可能であるかというテクニカルな問題でもある。それらの両方の議論を行うことなく、抽象的な話だけが進んでいき、抽象的なレベルでそれを決定することになれば、非常に問題があるといえる。TorrentFreakの指摘は多少極端なところもあるが、音楽産業の衰えつつあるビジネスモデルを復活させようとしている、と批判するのも、いたし方のないことであろう。

また、これに関連して、なぜ人種的嫌悪や性的虐待に関するものがブロックされるべきか、ということも関係するだろう。情報を遮断すること、それ自体は検閲と同義であり、ある意味では個人の自由を束縛するものである。しかし、それにも優先してなされなければならない社会としての責任があると考えられる。確かに、それが度を越せば全体主義的な考え方になってしまうのだろうが、節度ある範囲でそれが運用されるのであれば、それは社会にとっての利益となる。

その点で、人種的嫌悪や性的虐待を抑制するために、それらのコンテンツや情報を遮断するという措置は、最終的には社会の利益、全ての人の利益に繋がる。だからこそ、検閲ととられるようなことであってもなされなければならないのである。つまり、インターネット上での当該のコンテンツの情報流通と、社会やそこに暮らす全ての人々の利益とを天秤にかけたとき、後者の方が優先すべきであると判断されるために、遮断が是とされるのである。(また、児童ポルノは表現の自由の範囲外にあるという判決もある)

では、それがデジタル海賊行為であればどうだろうか。誰がその利益を得るのだろうか。もちろん、考えようによっては、最終的に社会に還元されるのだろうが、それでも一時的に利益を得るのは、音楽産業であろう。そもそも社会に還元されるかどうかは、音楽産業次第なのである。また上述のフィルタリングの精度とも関連して、本来であれば流通すべき作品が遮断される可能性もある。しかも、それが流通しないことが、特定の人達の利益になりかねないとも思える。

結果として、特定の人達の利益を優先させ、その他の人達の利益を損ねる可能性のあることに関して、このような抽象的な議論を進めることは、危険だよなぁと思うわけです。それにしても・・・、ISPをインターネットの門番って言い切ってしまうあたりが、その辺の問題を知らないのか、それとも知っていてそう表現しているのか・・・。

にしても、IFPIの年初報告にあったとおり、今年はISPに対する要求を強めている。P2Pファイル共有企業、ファイル共有ユーザ、トラッカー/ハブ、ISP・・・ファイルの転送に関わる多くのプレイヤーが著作権団体の標的になっている。・・・次は誰なんだろうね。

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