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MediaDefender:広告つき無料音楽ファイルをP2Pネットワークに放流するもP2Pスパムと批判される

フェイクビデオ共有サイトによって、人々を騙して情報を収集しようとしていたのでは?と批判されているMediaDefender、その件とは別のお話なのだけれども、彼らが広告付きの音楽ファイルを合法的にP2Pファイル共有ネットワークに放流し、新たな広告モデルとしての音楽共有を行っているよ、というお話。ただ、これには少し裏があって、そのファイル共有ネットワーク上に拡散されるファイルは、1アーティスト、1万6千トラックであり、海賊行為の抑制のためのFloodアタックの効果も期待しているようだ。確かに批判は集まるだろうが、広告モデルでのP2Pファイル共有を利用した音楽配信、個人的にはまぁ、悪くないんじゃないかと思う。そういえば、MediaDefenderは以前にもこのようなアプローチを是としていたなと思い出した。

原典:TorrentFreak
原題:Media Defender to Spam P2P Networks With 16,000,000 Tracks from One Artist
著者:enigmax
日付:July 08, 2007
URL:http://torrentfreak.com/media-defender-to-spam-p2p-networks-with-
16000000-tracks-from-one-artist/

スパムはさまざまな形でやってくる。今日、我々がお伝えするのは、アンチ海賊行為企業Media Defenderが、P2Pネットワーク上に、1600万本以上の無料トラックを提供するために、テレコム企業のSprintと、Atrantic Recordsと提携したというニュース。しかし、喜ぶのはまだ早い、それは1人のアーティストにつき1,600万本のトラックってことだ。

テレコム企業のSprintは、Atrantic RecordsおよびAtistDirect傘下のMediaDefenderと、正式に提携を交わしたと報道された

これらのパートナーシップは、すべて広告に関することとされる。Sprintは、彼らの名前をロゴをAtrantic RecordsのヒップホップアーティストPliesから提供されるトラックに埋め込むための権利を購入した。Atlantic Recordsは、少数のPliesの楽曲をMediaDefenderに提供し、その楽曲をPCやデジタルデバイスで再生したときに、そのスクリーンにSprintのロゴを表示させるために、楽曲にロゴを埋め込む。アンチ海賊行為団体と折半されるその6桁の投資(訳注:数十万ドルの支払い)への見返りに、MediaDefenderは、その後3ヶ月にわたってP2Pネットワークをその楽曲であふれさせる。以前にもMediaDefenderは、彼らの顧客、Suretone Recordsのwebサイトにユーザを誘導するために、一部分だけの歌やビデオをP2Pネットワーク内にスパムしてもいる。

ArtistDirectのCEO、John Diamondは、このプロジェクトが3方向のアプローチに有効であるとしている。1つ目は、レコードレーベルに対して広告収入を生み出すこと、2つ目は、ターゲットとする人々に対して、特定のアーティストとブランドを結びつけること、3つ目は海賊行為の抑制である。

しかしながら、ほとんどのファイル共有ユーザは、余計なものが付加されていないプレーンなMP3トラックを望んでおり、広告ポップアップやそれに類するものがPC上に表示されることは望まないだろう。このアーティストの『vanilla』というMP3トラックが、(この広告スパムがおこなわれているのと)同じP2Pネットワークで利用可能であり、ファイル共有ユーザは、MediaDefenderから提供される『感染した』バージョンのトラックよりも、それらのプレーンなトラックのダウンロードを行うであろうことは予想される。そのため、この戦略はおそらく海賊行為を抑制するものとはならないだろう。

フェイクBitTorrentトラッカーフェイクビデオダウンロードサイトの構築に加えて、現在MediaDefenderは、他のアーティストとの交渉も行っており、近々同様の提携のアナウンスがなされると予想される。

これまで、MediaDefenderはP2Pファイル共有ネットワークの大量のフェイクファイルをばら撒き、それによってユーザがお目当てのファイルにたどり着けないようにする、Floodアタックを仕掛けてきた。これに対して、著作権団体側からは著作権侵害の抑制のためにそれなりの効果がある、ファイル共有ユーザ、ネットワークの側からは、P2Pスパムだ、といわれてきた。私が知っているところでは、WinMXやGunutella、eDonkey、BitTorrentなどのP2Pファイル共有ネットワークもしくはそのハブに大量のフェイクファイルをばら撒いている。トップ100のうち、30曲程度は常にフェイクファイルをばら撒いている。また、単なるフェイクファイルではなく、それに広告を付与するというアプローチもとられてきた。

もちろん、賛否両論あり、さらにこのような手法を用いてユーザの情報を収集するという可能性も存在していることは理解しているが、個人的には単純にFloodによって著作権が侵害されているコンテンツへのアクセスが阻害されるだけであれば、そんなに批判されるほどのものではないかなと思ったりもする(もちろん、サーバーやネットワークに対する負荷が問題にされる場合もあるけれど)。

さて、enigmaxは、このようなMediaDefenderやSprintが期待する、3方面へのアプローチの1つ、海賊行為の抑制は期待できないだろうとしている。P2PスパムによってFloodを起こしても、それを回避することは可能であり、効果は期待できないという。確かそれも一理ある。ただ、enigmaxやMediaDefenderが主張している以外の、海賊行為抑制効果というのもありうるのだと思う。

このアプローチでは、当該の楽曲をダウンロードし、それを再生するとアートワークの部分に、クラアント企業のロゴが表示されるという程度のものであり、ユーザにしてみればそれほど受け入れられないものではない。むしろ、合法的にかつ無料で手に入るのであれば望ましいと思う人もいるだろう。

そうした人が、違法ファイル共有によってではなく、このような無料広告モデルによって、コンテンツに引き付けられるのであれば、全ての人達にとってwinな状況となる。そのような効果を含むアプローチであるのだから、Floodなどという反発を招く手段をとらずとも、海賊行為を抑制しうる可能性はある。個人的には海賊行為の抑制は、彼らの受容できる代価選択肢を与えた上で、なされることで効果があるのだと思う。

確かにこれと同じ楽曲が広告なしのプレーンなものとして流通しているだろう。しかし、それをやり取りすることは違法なファイル共有にかかわるという危険性をはらむ。しかし、同じネットワーク内にそれほど主張的ではない広告がついたその楽曲が合法的に流通しており、それを好きにやり取りしてよい、といわれれば、わざわざ違法行為を行うリスクを犯したくはない、というユーザも出てくるだろう。その点においては、法的手段によって、違法なファイル共有を抑制せんとする努力が報われるのではないか、と思う(もちろん、その法的手段の行使にも多大な問題があるのだけれど)。

さらに言えば、そうした抑制効果を促進するのであれば、よりこのような広告モデルに基づく合法的なファイル共有が促進される必要がある。このようなモデルが確立することが、Floodなどという反発を生むやり方をとらずしても、違法ファイル共有を抑制する一定の効力を持ちうるのではないかと思う。Flood以外にもSuretoneのときのように、中途半端なファイルをばら撒くというのも同様の理由で、あまり望ましくはないのかもしれない。

しかし、このアプローチ、海賊行為の抑制に関すること以外に全く問題がないかというと、そうともいいがたい。それはP2Pファイル共有の特性にある。サーバ-クラアントによる配信であれば、その配信を停止することで、それ以降の配信を停止することができる。しかし、それがP2Pだとどうだろうか。一度ネットワーク上に流れ出したコンテンツは、半永久的にネットワーク内に存在することになる。この記事では、MediaDefenderが配布を行うのは3ヶ月間だとしているが、その後もこのファイルを共有している人がいれば、確実に流通する可能性を残すことになる。コンテンツプロバイダがそれをのめるかどうか、それが問題だ。ただ、個人的には、そのような葛藤の解決方法として、DRMを利用するのもアリではないかな、と思うわけです。まぁ、そうなると、プレーンなMP3ファイルの魅力が高まってしまうのかもしれないけれど・・・。

うーん、難しい。ただ、今回のこのアプローチは非常に面白いなと思う。今後もこうした模索が進むことを期待したい。

関連エントリ
RIAA、P2Pサービスを広告に利用?
P2Pネットワーク上のサンプルファイルはプロモーション?それともフェイクファイル?

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