スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

豪州:クラブでの楽曲著作権使用料を1500%値上げ、クラブ側は反発

NightClubオーストラリアでは、クラブやダンスパーティでの著作権使用料が値上げされ、クラブ側が批判の声を上げているよというお話。クラブ側としては、これまで1人につき7セントだった著作権使用料を一気にその15倍の1.05ドルにあげ、さらにその人数の算出方法も実際の人数ではなくその会場のキャパシティによって決定されるとしていることなどを批判し、このままではクラブは音楽をかけるのをやめるか、破滅するしかないと声を荒げている。キャパシティによる算出方法では、たとえ1人しかお客さんがいなくても、キャパが500人だったら、500人分の著作権使用料を支払え、というもの。一方で、著作権使用料徴収団体は、クラブへの入場料やビール代、荷物預かり代等の金額から市場レートを考えると、現在の使用料率は妥当ではなく、レートをつりあわせるために、値上げが必要だと主張する。

原典:news.com.au
原題:Nightclubs to pay extra for play
著者:Iain Shedden and Susannah Moran
日付:July 11, 2007
URL:http://www.news.com.au/story/0,23599,22053197-2,00.html

  • クラブは、音楽をかけるために1人の利用者つき1.05ドル支払う
  • ダンスパーティは1人につき3.07ドル支払う
  • クラブは、静寂に包まれると脅す

ナイトクラブは、入場料として20ドル、ビール代として8ドルを請求してきたが、これまでのところ、音楽を聴くための代金としては7セントであった。

昨日の著作権ライセンス料金に関する判決にしたがって、本日より、シドニーのQ BarやメルボルンのRevolverは、彼らの建物内で録音された音楽を再生する権利のために、より多くの金額を払わなければならないだろう。著作権使用料徴収団体Phonographic Performance Company of Australia (PPCA)によって課される料金の増加は、クラブがそのキャパシティに基づき、1人につき1.05ドルのライセンス料金を支払うことを意味する。これまでのライセンス料金は、7セントであった。

これが意味するところは、たとえ会場に100人の人しかいなくとも、キャパシティが500人であれば510ドル支払わなければならないということである。また、ダンスパーティの主催者は、これまでの1人につき20セントから、1人につき3.07ドルを支払わなければならない。現在、クラブおよびダンスパーティで演奏される音楽のうち80%が著作権で保護されている(訳注:おそらくは商業的な著作物のことかと)。

昨日、メルボルンのDJ、Kads One (26)は、この劇的な値上げは、メルボルンのナイトクラブシーンにおいて、クラブやDJに有害な影響を及ぼすことになるだろうと語った。「大幅な値上げで、大きな影響が現れるだろうね。ライセンスされた会場で演奏される非常に多く楽曲があり、その多くの楽曲はDJがかけてるんだから。」

静まるクラブ

国内1300以上のクラブを代表するClubs NSWのポリシー統括部長であるAnthony Ballは、PPCA(著作権使用料をレコーディングアーティストに分配する)に賛同する判決が、クラブがその会場から音楽を引っ込めることを意味する、という。

「それは商業的な現実とはマッチしていません」とBall氏。「たとえ大幅に料金を割り増ししたところで、クラブは単に音楽をかけないという選択をするだけです。経済学的意味もそれほど考えられません。単に彼らはサービスを取りやめるだけです。しかし、それは郊外の人々や、クラブがダンスのための唯一の場所であるオーストラリアの地域の人々を失望させるでしょう。私はこれを、近視眼的であり、逆効果であると考えています。」

適切な典型を見出すため、著作権法廷は、深夜営業のクラブの世界の調査し、正確に何がダンスパーティを構成するかについて理解しなければならなかった。オーストラリア中のナイトクラブを渡り歩いたコンサルティング企業のスタッフから、入場料はいくらか、ドリンクはいくらか、そして荷物預かりにいくらかかるか(特権のためには5ドル)が、報告された。

「優れたDJは、人々を熱狂させる試みを音楽を通して行っており、人々を熱狂させ踊らせておくためには、それが必要である」と裁判所は述べ、さらに、著名なDJは、2時間で最高100,000ドルを稼いでいると付け加えた。

『説得力のない』破産への脅威

今年初め、Australian Hotels Associationは、このような利用料の見直しの結果、クラブが廃業してしまう、と述べている。しかし、PPCAの最高責任者Stephen Peachは、これに反論する。

「裁判所が判断したように、それは説得力に欠けている。」と彼は言う。「我々が主張している額は、荷物預かりの半額であり、平均的なビール代の20%以下である。ナイトクラブの利益になることはよしとするのに、そうではないものにたいしては破産だと主張する、率直に言って滑稽である。」

現在、ナイトクラブから、PPCAによって徴収された使用料はの分配は、ARIAダンスチャートに基づいている。Peach氏は、自由に使える収益が増すことで、DJのかけた全ての音楽を記録することによって、より正確なシステムが構築することができると述べている。

前述のDJ Kads Oneは、そのようなことは不可能だという。「我々は、しばしば即席で、もしくはあらかじめトラックをリミックスする。それは、どんなときでも曖昧なものになる。それを追跡する方法なんてないよ。」

まぁ、これでクラブが壊滅する、なんてのは言いすぎだと思うけれどもね。

とはいえ、なぜこの15倍もの値上げがなされなければならないのか、ということと、キャパシティにあわせて徴収することに何の必要性があるのか、ということが気になる。Peachが最後に述べているように、確かに自由になるお金(そもそも、使用料の名目で徴収しているのに、自由になるお金ってのもないもんだと思うが)が発生し、それが新たな、適正な徴収システムが構築されるとしても、それ自体は値上げの口実にはならない。もちろん、それは望ましいことかもしれないが、それは値上げをしなければ出来ないことでもなく、また、そのための資金のための徴収するというのは、いささか勝手が過ぎる。もちろん、これが値上げの理由ではないのだけれども、値上げを正当化する理由付けの1つとしてあげているようなので、反論させていただいた。

では、値上げの根拠とはなんだろうか。Contry Music Bulletinによると、「専門家による」経済学的の根拠を聴取を加味しての著作権裁判所の判決に由来するのだという。その判決では、市場レートが現在請求されているレートの30倍であるという事実に基づき、録音物を演奏する権利に対する公正な市場価格を考慮すると、利用料を修正することは可能であるとしている。

さらに、上述のnew.com,auよりも詳細なPeachの主張がなされている。ナイトクラブの経営者たちは、入場に10ドル(上記記事では20ドルだったのだが、ここでは10ドルと述べられている)、アルコールに5ドル、水1本に2.8ドル、荷物預かりに2ドルを請求していることを考慮すれば、彼らの要求している額は、妥当な範囲での増加だという。

まぁ、現在のレートが適正ではないという主張なのだけれども、かといって値上げ後のレートが正しいというのも判断しにくい。この辺は裁判の経過を見てみないとわからないかもね。ただ、一気に15倍に値上げってのは、あまりに劇的過ぎる気もするけど。その辺は、音楽セールスの停滞にによる著作権収入減少の焦りがあるのかもね。

また、Contry Music Bulletinでは、PPCAサイドに立つ人々の意見を紹介している。PPCA委員会メンバーで、Mondo RockのミュージシャンであるPaul Christieは、「これらの使用料率の値上げは長いこと延び延びになっていました。今回のことで、ナイトクラブやダンスパーティー産業の基盤となる音楽作品を制作するアーティストの補償を助けるものになるでしょう。アーティストは公正にその作品から利益を得る資格があります。このことは、我々の創造的な創作を補償することにも繋がるのです。」という。この辺はレートの問題として考えられる。今回定められたレートの是非は別としても、市場レートと比較して、不当に低いのであれば、それは是正されるべきだとも思う。その点では、確かに妥当な主張なのかな。ただ、このようなクラブやダンスパーティから得られた利益によって、アーティストの創作が補償されるってのは言いすぎだろうね。

さらに、PPCA委員会メンバーでGo-Betweensの元ドラマー、Lindy Morrisonは、「もし、オーストラリアのミュージシャンを失うことになれば、市民は悲しみにくれるでしょう。それは、レコーディングアーティストが年を取ったとき、彼らが頼ることのできるものはごくわずかなものしかないということを思い出させます。私の経験上、コミュニティはミュージシャンが不利な取引をさせられていることを理解しているでしょう。そのようなわけで、今回の利用料率の変更は重要なことなのです。音楽は我々みんなの間の文化的な結びつきを与えてくれます。アーティストはこのことに対して、高く評価されなければなりません。」という。

だから、金をよこせ、というのもなんだかなぁと。どうしても、ここに出てくるアーティストへの敬意なんていう、お金に返られないものを方便にしているような気もする。敬意を払うべきだから、彼らの望むような料金体系にする、というのは、論理としてかけ離れている。結局、ここでも何か問題が生じたため、それを改善するために値上げを要求していたという感じはしない。むしろ、Lindyの主張する根拠の中にある。不利な契約という問題の方が大きいのではないだろうか。音楽産業の歪みを彼らの懐が痛まないよう、別の誰かに補填させるというのは、あまりにも勝手過ぎる。

と、ここまできても、なぜキャパシティをベースにして、著作権使用料を徴収するのか、がよくわからない。記事中にもあったけれど、100人しか入っていないとしてもキャパシティが500人の会場であれば、500人分の著作権使用料を徴収する、とすれば、400人分の著作権使用料は不当に徴収されるってことなのかな?うーん、なんとも不可解だわね。

さてさて、この一件の印象としては、音楽セールスなどの減少によって著作権使用料も減少しているため、それを補填するために取れるところから取るという方法をとっているのかな、といったところ。なんか、この辺のやり方はJASRACを髣髴とさせるものがあるよねぇ。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/572-f4905371

Comment

びびり姫 | URL | 2007.07.14 23:14 | Edit
破産覚悟で経営しなきゃいけないのかなぁ( ̄ロ ̄)
私には無理だけど、日本はどうなるんだろぉか...
BLACKBIRD | URL | 2007.07.14 23:32 | Edit
偉大なる日本の著作権界の首領様、JASRAC様が見習って新しい料金徴収体系を形作らなければいいのですけど。
heatwave | URL | 2007.07.16 19:15 | Edit
びびり姫さま BLACKBIRDさま

こんにちは、コメントありがとうございます。

おそらく経営に問題をきたすところはあまり多くないと思うのですが、
それでも、ハコ単位での換算となると、閑古鳥の鳴いているクラブなどは
結構、頭が痛い問題になるかもしれません。
あまりお客さんが集まらなそうな日は店じまいにした方がいいのかも・・・。

また、JASRACに関しては、その料金体系以上に、苛烈な徴収部隊が気に喰わない部分もあります。
もちろん、JASRACはJASRACの仕事だから、という理由で割り切っているのでしょうが、
その辺をもう少し音楽業界全体で話し合うべきではないかと思うわけです。
Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。