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RIAA、誤って訴えたファイル共有ユーザに裁判費用の補償を命じられる・・・も敗北を認めず

RIAA 以前にも紹介した、Debbie FosterとCapitalの違法ファイル共有訴訟。この訴訟では、侵害ユーザはFosterではないとして、RIAA側の訴えを退け、裁判費用等の補償をRIAA側に命じていたのだけれども、その補償に関する判決が下されたよというお話。Fosterの主張の全てが認められたわけではないにしても、これは画期的な出来事である。これまで、いかにRIAAの訴えを退けたとしても、その被告とされた人達が補償されてきたことはなかった。ただただ、経済的な損失を被り、精神的に追い詰められ、日常を奪われただけである。それがまた、RIAAのキャンペーンを促進してきた節もある。負けても失うものがない、そうして確固たる証拠がないままに、人々を「とりあえず」訴えてきたのである。しかし・・・、この期に及んでもRIAAはそのような主張を撤回する気はないようだ。あきれるばかりとはまさにこのこと。自らを正義としたいのであれば、このような横暴な弱いものいじめを止めるべきだろう。

原典:Slyck.com
原題:Capitol Records Ordered to Pay Attorney Fees
著者:Thomas Mennecke
日付:July 16, 2007
URL:http://www.slyck.com/news.php?story=1540

「反乱軍の宇宙船が秘密基地を出撃し、悪の銀河帝国に対して初めての勝利をものにした。*1」多くのファイル共有ユーザが今日、驚異的なニュースを目にしただろう。それはまさにスターウォーズのオープニングスクロールを髣髴とさせる。そう、小さな力(small force)がRIAAに対する勝利を生み出したのだ。これまでで初になるのだが、『Capital Records, Inc. vs. Debbie Foster and Amanda Foster』の裁判において、RIAAはその弁護料を支払うよう命じられた。

Fosterに対する訴訟は、他のファイル共有ユーザと同じように始まった。2004年11月、レコード産業(この訴訟ではCapital Records)はオクラホマのDebraとAmanda Fosterを訴えた。原告は、Debra Fosterが「貢献的かつ代行的に原告の著作権で保護された楽曲を侵害した。彼らの家族構成員のうちの1人が著作権侵害に関与したということを含むがこれに限らない。」と主張した。

しかし、Fosterは反撃した。そして、その宣言判決と推定不法行為を求め反訴を提出した。宣言判決は、一般的には訴えている側が求めるものであり、一方、推定不法行為は、訴えている側が「故意に危害を与えようとしていること」を訴えるものである。推定不法行為は、裁判所によって棄却されたものの、宣言判決の反訴は認められた。Foster女史の弁護側は、原告に侵害容疑の明確な証拠を提供するよう求めた。

それは、Capital Recordsが表面上提出できなかったものである。法廷外での問題解決に失敗した後、原告は確定力のある決定によって、この裁判を退けようとした。これが意味することは、Fosterに対する訴訟が永久に閉じられるということである。これはFosterにとってまったくもって良いことではなかった。彼女はこの時点までに相当の弁護費用を被っており、彼らの反訴を取り下げることを拒絶した。2006年7月13日、法定は、裁判を確定力のある決定として退け、"Foster女史に対する原告の主張は、彼女を支持することで解決されるとし、両者間の[正当な]根拠や論争を却下する"と命じた。

加えて、裁判所はFoster女史が訴訟の勝訴当事者であるとし、2月には、彼女が弁護費用を得る資格を有すると判断された。

それは簡単な部分である。現在、Foster女史が実際にどの程度の補償をうけるかについて議論されており、本日、それが決定された。当初、被告は弁護費用として、105,680.75ドル、追加費用を加えて合計114,363.18ドルを請求した-この合計金額にはCapitalはすぐさま反論した。Capitalは、この弁護費用を極めて高額だとして、40%の縮小を要求した。裁判所は。原告に抵抗するための「不要な時間」というCapitalの訴えを認め、弁護費用を61,576.60ドルを減額した。

原告が、被告の鑑定人手当を回復する権利はないと主張したため、正確な金額を算出するため、より詳細な調査を必要とした。この証人手当に関しては、レコード会社の訴えを認めず、申し立てられた4,668.75ドルの完全な回復を認めた。

また、Foster女史は、他の雑費(そのほとんどは多くの文書のコピーや印刷)を提出し、その合計は4,013.68ドルであった。しかし、原告は、被告が印刷につき1.50ドルを請求しているのは過剰だとして反論した。裁判所はレコード産業の異議を認め、1ページに対して0.20ドルを認めた。裁判所は、Foster女史の費用の召還を2,439.98ドルに減額した。

Foster女史は、勝訴当事者として、総額68,685.23ドルを与えられた。これまでの全ての被告において、RIAAメンバーに対して弁護費用を返還させたのは初めてのことである。これまで5度にわたって、勝訴側が弁護費用を求めたものの、それは却下されるだけであった。

• Elektra Entertainment Group, Inc. v. Perez, No. 05-931 AA,
2006 U.S. Dist. LEXIS 78229 (D. Ore. Oct. 25, 2006).

• Virgin Records America, Inc. v. Darwin, No. SA CV 04-1346 AHS
(ANx), 2006 U.S. Dist. LEXIS 96069 (C.D. Cal. Apr. 17, 2006).

• Capitol Records, Inc. v. O'Leary, No. SACV 05-406 CJC (RNBx),
2006 U.S. Dist. LEXIS 5115 (C.D. Cal. Jan. 31, 2006).

• Priority Records L.L.C. v. Chan, No. 04-cv-73645, 2005 U.S.
Dist. LEXIS 20360 (E.D. Mich. May 19, 2005).

* Virgin Records America, Inc. v. Thompson, No. SA-06-CA-592-OG
(W.D. Tex. Nov. 29, 2006).

さて、Foster女史はこれ以上何ができるのだろうか。彼女の法的勝利は、最終的にRIAAをダウンさせただろうか?いや、全く。Slyck.comはこのニュースを知ったとき、我々はRIAAの代表と話をしたのだが、彼らは敗北を認める用意はほとんどないようであった。

「私たちは、この判決が誤っており、他のものとは切り離して考えるべきものと、謹んで申し上げます。疑うまでもなく、侵害はこの家庭で起こりました。そして実際に、この裁判では、オンラインミュージックの窃盗に関与した実際の人物が、Fosterさんの肉親であったことが既に見出されています。私たちは、訴訟がそこですぐに解決されなかったことを残念に思います。これ以外の弁護費用を求める裁判は、レコード産業側に有利な判決を下しています。」とRIAAスポークスマンはSlyck,comに語った。

「これらの裁判における私たちの関心は、レコード会社が権利を行使し、そして合法的な市場が繁栄を迎えるための、そして音楽産業が明日の新たなバンドに投資することができるためのオンライン環境を構築することにあります。家庭内での違法な活動に携わっている個人が、そのISPアカウントに対して責任がない(訳注:ISPの直接の加入者ではない)一握りのケースにおいて、私たちは迅速に事実を収集することに努め、当初の被告が問題を解決し、適当な被告を特定するために協力するだろうと期待しています。」

この裁判が終わったのかどうかについての質問には、答えてもらえずじまいである。控訴の可能性は常に付きまとう。そして、判決に対するRIAAの断固たる反応と、Foster側の責任の明確な主張からするに、帝国は反撃してくるかもしれない(the Empire just might strike back*2)。

*1 スターウォーズ エピソード4(A New Hope)のオープニングロール。
*2 スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 (The Empire Strikes Back )を暗示している。

たしかにスターウォーズっぽいかも。ただ、 「 遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・ 」の話ではない。まさに今、そしてアメリカで起こっている話なのである。

さて、今回の裁判は裁判費用の補償についてのものであるけれども、もともとの裁判では何が問題になったのかから、見てみよう。

この裁判では、他のKazaaユーザ裁判と同様にFosterは訴えられたのだけれども、実際に蓋を開けてみたところ、彼女自身、または彼女の家族がKazaaを利用してファイル共有を行っていないことが主張された。Foster家では、Wi-Fiネットワーク(無線LAN)を構築しており、彼女の家族以外にもそれを利用することが可能であったのである。裁判所はそれを認めて、Capitalの訴えを退ける判決を下している。

これに対するRIAA側の反論としては、ISP加入者はそのトラフィックの全ての責任を負うべきである、としている。インターネットは著作権を中心に廻っている、とでもいいたいようだ。もちろん、そのような主張は退けられているのだが(当然といえば当然)。

そのような主張を未だに撤回しない姿勢が、Slyck.comに語った言葉の節々に表れている。今回のケースが、RIAAによるP2Pファイル訴訟に呈した問題提起は、果たしてIPアドレスの特定が、侵害ユーザの特定の証拠となるのか、である(余談ではあるが、IPアドレス特定が侵害ユーザの特定には不確実だということをシカゴ大学教授のMike O'Donnellも Recording Industry vs The Peopleのコメント欄にて提起している)。

RIAAのコメントをもう一度考えてみよう。

家庭内での違法な活動に携わっている個人が、そのISPアカウントに対して責任がない(訳注:ISPの直接の加入者ではない)一握りのケースにおいて、私たちは迅速に事実を収集することに努め、当初の被告が問題を解決し、適当な被告を特定するために協力するために、協力するだろうと期待しています。

つまり、ISPアカウントを持たない家族構成員の著作権侵害行為に関して、まず第一にISPアカウントを持つ個人を訴え、もし彼(彼女)がその侵害の当事者でないのだとすれば、実際の当事者を特定するために協力せよ、ということである。

さて、当ブログを定期的に読んでいただいている方は、良くお分かりであろうことを考えてみる。では、その彼(彼女)が全く心当たりがない、もしくは協力する気がないとすれば、どうなるのか。おそらくRIAAの主張はこうだ、「ならば、お前が責任を取れ」。

しかし、裁判所はそれを認めなかった。それが第一に今回の一連の裁判での収穫だ。そして、更に今回の判決での収穫となったのは、誤って訴えられた個人に対する補償を認めたということだ。確かに、

上述の記事にあるようにこれまでもRIAAに対して勝利を収めてきた裁判はいくつか存在する。しかし、彼らが巻き込まれたことで被った損害が補償されることはなかった。ただただ、裁判に巻き込まれ、そして高額の裁判費用を捻出し、時間を浪費し、精神的に追い詰められ、そしてRIAAを退けたとしても、損失以外には何も残らなかったのである。

それこそがRIAAの狙いでもあり、たとえ彼らが誤った訴訟を起こしたとしても、何ら責任を取らず、むしろそのことをもって人々を脅迫してきた感すらある。それを認めない、という今回の判決は非常に意義深いものなのである。

しかし、問題はまだまだ続く。Slyck.comに語っているように、彼らは敗北を、そして過ちを認める気配はない。むしろ、裁判所や被告の主張こそが誤りであり、我々こそが正義だといわんばかりである。また、今回の判決に対して、控訴する気があるのかどうかに関しては言及を避けてもいる。また、たとえ補償が確定し、支払われたとしても、Foster一家が失った全てが回復されるわけではない。経済的な部分の補償しかなされないのである。

今、RIAAに求められているのは、ただただ数のインパクトを求めることではなく、正確に著作権侵害ユーザを特定し、その者たちにこそ損害賠償を請求することである。RIAAのこれまでの行いは、自らの利益のために善良な市民を巻き込むことすら辞さないという、社会的に到底許されざる行為である。このような妥当性の低いやり方を続けることが、RIAAの法的措置そのものの妥当性を貶めているともいえる。

自らの利益のために、誰かを犠牲にする、誰かから搾り取る、そんなやり方が当たり前の業界にとっては、このような手法が常套手段なのだろうが、それは認められてはならない。それに気づかなければ、音楽業界が再び勢いを取り戻すことなんてないだろう。恥を知り、そして悔い改めろ。

関連エントリ
RIAA:回線契約者はその回線を利用した活動全てに責任を負え
『なぜRIAAは非難されるのか』:RIAAとP2Pファイル共有訴訟のこれまで
未に覚えのない違法ファイル共有でRIAAに訴えられていた女性、RIAAへの反訴を再提出し反撃

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