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英国ISP協会会長、「ISPは法の執行者ではない」とISPへのフィルタリング要請を批判

ISPA 先日の、ベルギー法廷におけるISPへのP2Pフィルタリング実装命令を受けての英国保守党党首の発言に対して、英国ISP協会の会長が、ISPは「法の執行者」たる存在であるべきではない、と批判しているよというお話。まあ、これはご尤もなお話で、ISPがこれは合法、違法と判断して当該のトラフィックをブロック、フィルタリングすることができるのであれば、法廷は不要なわけで。それを判断すべきなのは、法令であり法廷であるべきで、ISPにその判断や運用を任せるべきではない。それはISPが邪悪だとか運用できないだろうといっているのではなくて、そもそもそのような難しく、かつ責任が発生するような判断を負わせるべきではない、ということ。そもそも、これによって、ユーザやクリエーターの側に不利益が生じたとして、誰が責任を取ってくれるのだろうか?おそらく、泣き寝入りする羽目になるだろう。

原典:ZDNet.co.uk
原題:ISPs stand firm after P2P ruling
著者:David Meyer
日付:11 Jul 2007
URL:http://news.zdnet.co.uk/communications/0,1000000085,
39287968,00.htm?r=14

Internet Service Providers' Association(ISPA:ISP協会)は、ISPがそのネットワーク上で起こるいかなる違法なファイル共有に対しても責任を負うべきではない、という主張を繰り返した。

水曜、論争を巻き起こしているベルギー法廷での判決保守党党首David Cameronのコメントついて、ISPAのスポークスマンは、(訳注;ライツホルダーによって)申し立てられた著作権侵害に対して、ISPが「裁判官や陪審員」とされるべきではない、と主張する。

先週、ベルギー法廷は、ISP Scarlet-かつてのTiscall-は、P2Pトラフィックを通して、そのネットワーク上でやり取りされる著作権を侵害するものを、フィルタリングまたは遮断するために利用可能なテクノロジーを導入し、それを6ヶ月のうちに開始するよう命じた。

この判決は、IFPIのCEO、John Kennedyから絶賛された。彼は「インターネットの門番であるISPには、彼らのネットワーク上の著作権侵害トラフィックのコントロールを促す責任がある」ことを証明したのだと主張する。

Preiskel & Co.のテレコムを専門とする弁護士Danny Preiskelは、ベルギー法廷の判決-ヨーロッパ法の判例ともなりうるが、議論の余地がある-は、いますぐにでも英国で繰り返されるようなものではない、という。「英国でそのような義務を負わせるという同様の判決に達することは、難しいのではないかと思います。」と彼はZDNet.co.ukに語った。さらに、このようなケースが、ISPによって「激しく抵抗されるでしょう」と付け加えられた。

しかし、現在、英国の多くのISPが顧客に提供している付加価値的なコンテンツにおけるいかなる中傷に対しても、責任があるとみなされているように、ISPは「純粋なパイプ」の提供者ではなくなることで、ある程度の責任を彼ら自身に負わせているともいえると、Preiskelは付け加える。しかし、P2Pはコンテンツをホストしない、という事実によってこの落とし穴を回避するだろう、と彼は断言する。

これにはISPAのスポークスマンも同意する。彼はZDNet.co.ukに「eCommerce Directive (2002)では、ISPは単なる情報のパイプであると認められています。」という。

さらにスポークスマンは、最近のDavid Cameronの、もしISPが彼らのサーバーから児童ポルノを排除することができるのであれば、著作権侵害されている著作物の転送に対しても同様にシャットダウンするようにならなければならないという主張に対しても反論した。「我々は、ここで異なることについて話しているのです。そう、児童ポルノは刑事ですが、著作権侵害は民事訴訟ともなりうるのです。」

「ISPは裁判官、陪審員とされてはならないのです。」とスポークスマンは続ける。「我々が望まないことは、企業による検閲です。インターネット上で行われるいかなる検閲であっても、それは政府レベルでなされなければなりません。そう、ISPは法の執行者ではないのです。ISPはインターネット上の違法な活動と戦うに際して、一定の役割を担っていると理解しています。それが、基本的にはライツホルダーと共に取り組み、政府当局に協力する理由です。しかし、我々は決して、我々をインターネットの門番であるとは言いません。インターネット上にある違法なコンテンツに対して責任があるのは、それをそこに置く人々なのです。」

1つの指摘としては、ISP自身の彼らのサービスを展開しており、そこで扱われるコンテンツをホストしている以上、彼らが単なるパイプではない、ということはいえる。しかし、こと問題のP2Pファイル共有ネットワーク上のコンテンツに関しては、ISPは一切関与しない(当然ホストもしない)し、すべきではないだろう。

もちろん、ISPがP2Pトラフィックをモニター・ブロック・フィルタリングすることはできなくはないのだろうけれども、それをすることは盗聴や情報統制、検閲、と同じ行為に加担することになる。ベルギー法定での判決では、検閲ではなくフィルタリング、ブロックだとしているが、それは盗聴をしないということを約束するだけであり、その方法に問題があれば、結果として検閲されているのと同じ状態を生み出すことになる。人がやっていないのだから悪意ある運用ではないといいたいのだろうが、そのシステムを運用しているのは人である。

また、ISPの負担が増大することによって、そのツケは利用者に回ってくることになる。利用者は自らが検閲されるために、その費用の一部を出し続けなければいけない。それも、著作権団体の利益のために。なんと馬鹿らしいことか。

被害妄想と思われるかもしれないが、このような流れが更に進むと、著作権団体がこのようなフィルタリングを要請する権利を主張しかねないこと、そして、それに対応して、このようなフィルタリングやブロックがISPの義務となりやしないかということが、不安だったりする。そもそも著作権侵害のコントロールとは以下にして行われるのか、その精度はどの程度なのかをよく議論しなければならない。ここでいう精度とは、いかにして必要以上の著作物を誤認して遮断してしまわないか、である。

にしても、商用著作物こそ、著作物であるかのような流れってのはどうもいけすかない。もちろん、それも著作物ではあるのだけれども、それ以外にも非商用著作物、もしくは商用、非商用の両方で扱われる著作物だって当然存在するわけで。著作物と一言でいうのであれば、それら全てを含むべきなのだろうが、このような議論を見る限りでは、大手の金持ち企業が有している著作権、隣接権に関わるものしか指していないようにも思える。それを中心に、インターネットにおける著作権のあり方を定めてしまってよいものだろうか、と疑問に思う。

もちろん、著作権は保護されるべきものである。しかし、インターネットの普及し、ユーザ生成コンテンツ、CGMがますます発展を続けている。そのような中で、一部の著作物のみに有益な体制をしかれることが、これからのコンテンツ産業にとって、そしてそのユーザにとっていかなる不利益を生み出すのか、それをもっとよく考えるべきなのかもしれない。

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