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LimeWireインタビュー:LimeWireのビジネス、テクノロジー、ビジョンを語る

LimeWire現在、RIAAとの訴訟真っ最中(ディスカバリー中)ということもあり、これまで多く語ってこなかったLimeWire。そのLimeWireのスタッフ(どの辺の人かは不明)がSlyck.comのインタビューに答え、LimeWireのこれから-ビジネス、テクノロジー、そしてその将来像-を語ってくれた世、というお話。訴訟の件に関してはほぼノーコメントを姿勢を取ったもののなかなか興味深い内容になっている。だいぶ長い話になってしまうけれども、多くのユーザを抱え、そしてコンテンツの流動が活発なある意味では非常に魅力的な違法P2Pファイル共有から、利益を上げることはできるのか、について少し考えさせられる。興味のある方は、是非とも読んでいただきたい。なお、LimeWireの訴訟に関しての情報は次のエントリにて。

原典:Slyck.com
原題:LimeWire Interview
著者:Thomas Mennecke
日付:July 19, 2007
URL:http://www.slyck.com/news.php?story=1545

LimeWireに対する私の印象は、BitTorrentのそれとはだいぶ異なる。BitTorrentがBitTorrent Inc.やAzureusに見られるような合法的な道へのブレイクスルーを果たし、その一方でThe Pirate Bayをはじめとするトラッカーによって海賊行為に関与し続ける。人々の認識が完全に分離されているわけではないにしても、少なくともコンテンツプロバイダーやライツホルダーすら徐々に注目してきている。確かに『徐々に』ではあるが、新たな時代に新たな存在として脚光を浴びてもいる。一方のLimeWire、Gnutellaはどうだろうか。

本当に私の印象でしかないのだけれども、止まっているのだ。もちろん、何の動きもなかったわけではない。BitTorrentをサポートし、マルチプロトコルクライアントになったし、Mojito DHTも実装した。でも、それでLimeWireがブレイクスルーできたとは思えないのだ。WinMXやKaZaA(FastTrack)*2、eDonkeyと共に時間が止まっている、そんな印象。確かに、核が落ちてもネットワークはなくならないかもしれない。でも、ずっと同じままの姿でそこにある。決して時代と共に変化を続ける存在とも思えない、そんな印象。

もちろん、印象だけで決め付けるというのは、余りよろしいことではないのかもしれないけれど、ただ、そういう印象を持っていた、ということ、そういう印象を持っていたからこそ、このインタビューを紹介してみようかなと思った次第です。

LimeWireは多くのことをBitTorrentとは共有しないかもしれない。しかし、広範囲に認知されているという点では共通している。Gnutellaが始まって以来、LimeWireは見捨てられたそれを*1、今日のP2P産業における最も重要な推進力としてもプロトコルに変えた。500万人以上の同時接続ユーザとそのネームバリューをもって、LimeWireは新たな音楽を発見し、Creative Commons作品を共有し、オープンソースコミュニティを拡大しようとする多種多様な音楽ファンにアピールする。

それでも、多くのLimeWireファンは、彼らの愛するP2Pクライアントの命運を心配する。他の多くのファイル共有企業のように、LimeWireはRIAAによる激しい追及を受けている。そのような追求は、BearShare、Grokster、WinMXのような多くの北米ベースのP2P企業のように、通常は店じまいを余儀なくされることになる。しかし、LimeWireは何とは踏みとどまっている。彼らはGnutellaクライアントの開発を進める一方で、巨万の富を利用して、エンターテインメント産業を寄せ付けないようにしてきた。

そして、訴訟が差し迫っているにもかかわらず、それでもLimeWireは進歩を続けている。“Mojito DHT”やBitTorrentとの統合といった開発、DRMフリーミュージックストア、オープンソースムーブメントへのコミットメント、そしてRIAAに対する自信、など興味深い点は多い。LimeWireスタッフは、いつもの沈黙を破り、Slyck.comに限定的なインタビューをさせてくれた。

Slyck.com:現在のLimeWireの『一般教書』をお願いします。

LimeWire:LimeWireはこれまで以上に強力になっています。私たちは、BitTorrentとの統合やMojito DHTによって、P2Pテクノロジーを更に前進させています。私たちはblog.limewire.comというブログを開始しており、そこではニューヨークシティ周辺の最新の刺激的な音楽をカバーしています。それはさまざまなベクトルに進化してゆくことをご期待ください。私たちは、MagnetMix.comにおいて、無料のライセンスを得たコンテンツの提供を続けていますし、そしてライセンスを得たコンテンツを販売するために、ミュージックストアを計画しています。私たちは日々訴訟に対処しています。私たちがこれらの事柄に関して、現在、そしてこれから、より多くのことを話せるようになることを望んでいます。

私たちは、P2Pがインターネット配信のための中心的なツールになると確信し、LimeWireのプログラミングを開始しました。6年が経ち、実際にそうなっています。LimeWireは、多数の非(訳注:著作権)侵害的な用途があります。集中型サーバの帯域コストを必要とせずに、大容量のファイルを確実に伝達することができます。マグネットリンクによって、Webダウンロードを高速にします。P2Pが退場することはありません-インターネットの基礎をなすテクノロジーとしても、そしてオンラインの数百万人ユーザがセットする日常的なツールとしても、それはメインストリームになっています。

Slyck.com:多くの人々が、LimeWireと音楽産業との間で進行する訴訟を気にかけています。さしつかえなければ、この対立を解消するにあたっての進展などをお話いただけますか?

LimeWire:訴訟についてのコメントをしたいのはやまやまなのですが、コメントは差し控えさせていただきます。私が言えることは、訴訟は不運ではあるのですが、私たち自身の立場には自信を持っており、最終的な結果に関しては楽観的であるということです。

私たちは、この否定的な対立が終わることを願っています。P2Pの中で、LimeWireに起こっていることは、レコード産業にとってのまたとないチャンスでもあるのです。彼らの産業の中にもそれに気づいている人はいると思いますね。

これはシャットダウン(停止)することを意味してはいません。レコード産業は、これまで、当初のNapster、Aimster、Grokster、iMesh、BearShare、eDonkey、WinMX、i2hubその他、数多くのP2Pプロバイダーをシャットダウンさせてきた実績を持っています。しかし、このことは、全体的なP2Pの利用を減らすことにはなりませんでした。1つのサービスを停止させることは、単にユーザを他のサービスへと再分配するだけのことです。そして、現在、多くが海外にあり、オープンソースであり、そして企業体としてさえ存在していません。また、個人に対する数万件の訴訟も、P2Pの受容曲線を鈍化させることはありませんでした。それはファンベースを反発させるのみでした。音楽産業は、これらの音楽リスナーに接し、そして受け入れられる方法を見つけ出さなければなりません。訴訟は、デジタルビジネスとしてよい方法ではありません。

とはいえ、これは全てを捨て去ること意味しているのではありません。iMeshにおけるレコード産業の最近の実験は、異なるサービスへの移行をユーザベースに短期的に強制することが、基本的には全く効果がないことを証明しています。そして先のNapsterとeDonkeyにおける実験は、過度のフィルタリングがユーザをサービスから離れさせることを示しました。ソリューションは、コアとなるユーザエクスペリエンスを維持しなければならないということです。

まさにこれを通じてこそ、P2Pは成長を続けるのです。産業の狂騒も、シャットダウンも、(P2Pファイル共有企業としての)転換プランも、フィルタリングも、訴訟に次ぐ訴訟に次ぐ訴訟も、成長曲線には影響を与えないのです。結局は、それが機能するかしないかを決めるのは、音楽産業でもなく、LimeWireでもなく、法廷でもなく、それはユーザなのです。ユーザが主導権を握っているのです。音楽産業は、それをブロックすることではなく、P2P利用者の行動を理解し、そこから利益を上げるために労力を費やす必要があります。

これは市場実験のプロセスを開始することを意味しています。それは、来るべき未来を共同して作り上げるための尽力することを意味します。それは今、私たちが作り上げるのか、それとも他の誰かが後に作り上げるのかの違いしかありません。そう、P2Pと商業サービス、そしてユーザが主導権を持つ未来です。

Slyck.com:LimeWireがライセンスを受けたミュージックストアを開始するのはいつごろでしょうか?

LimeWire:私たちは、ライセンスを受けたメディアダウンロード販売を行うために、オンラインストアを構築中です。今秋にもベータを開始し、オープンはホリデーシーズンには間に合わせたいと思っています。LimeWire Storeは、LimeWireプログラム内およびWeb上で利用可能になります。ストアでの検索およびダウンロードは、集中型のサーバからで、P2Pではありません。また、DRMフリーです。

Slyck.com:ライセンスを受けたLimeWireミュージックストアは、これまでのLimeWireエクスペリエンスにどのような影響を及ぼしますか?

LimeWire:LimeWire Storeにおける私たちの計画は、LimeWireエクスペリエンスに付加するというものです。つまり、これまでのLimeWireから何も排除するつもりはないということです。購入リンクはGnutellaの検索結果と一緒に表示されることになるのでしょうが、それでもGoogleと同様に、スポンサードリンクと別々にしておく方法は必要になるでしょう。私たちは、そのようなプレゼンテーションが便利かつ控えめであるならば、多くのユーザがコンテンツを購入するほうを選ぶのではないかと思っています。価格は適正であり、製品はDRMによる妨害を受けないのです。

Slyck.com:ライセンスを得たコンテンツにアクセスするために、有償の『Pro』版でなければならないと聞きます。その点を考慮すると、フリーなファイル共有を犠牲にしても得られるLimeWireの利益を説明していただけますか。

LimeWire:LimeWireのコアビジネスは、ソフトウェアを販売することです。私たちは、フリー版のP2Pファイル共有ソフトウェアを配布しています。それはユーザに、より良いパフォーマンスとカスタマーサポートを提供するアップグレード版を購入してもらう機会を提供するためです。これは私たちに利益をもたらします。ここでもっとも大事なことは、これによってプロフェッショナル版のソフトウェアの開発を継続することができるということです。また、これは私たちに、私たちが、私たちのユーザが、そしてP2Pが必要とする法的防御のためにも利用されます。

Slyck.com:LimeWireバージョン5.0について伺わせてください。どんな革新的、画期的な機能が追加されるのでしょう?

LimeWire:Gnutellaプログラムは、ランダムにPeerに接続し、それは近隣のPeerを広く検索するものです。そのため、近隣以外のファイルを(効率的に)発見することができません。そのソリューションとして、LimeWireのために開発された革命的なテクノロジー、MojitoDHTがあります。Mojitoのような配布されたハッシュテーブルにおいては、Peerはランダムに接続されることはありません。彼らは、自身をナビゲート可能なツリーに組織していきます。1台のコンピュータが唯一レアファイルを保持していると考えてください。そして、ネットワーク内で遥か離れた別のコンピュータから、そのファイルにリクエストがあったとします。Mojitoでは、彼らは互いを見つけることができるのです。

前バージョンのLimeWireはGnutellaプログラムでした。更に進化して、LimeWireはGnutellaとBitTorrentプログラムになります。Gnutella上でファイルを検索し、ダウンロードし、共有しながら、torrentをダウンロードし、共有することが、一度に、1つのクライアントで可能になります。つまり、LimeWireの中核をなすのはGutellaソフトウェアプロジェクトではなく、P2Pソフトウェアプロジェクトだということです。BitTorrentへのサポートを行うことは、次のLimeWireの進化に向けた合理的なステップです。

GnutellaとBitTorrentは、互いに補完しあう関係にあります。BitTorrentが大容量のファイル転送に非常に優れている一方で、Gnutellaは2GBのファイルサイズ制限があります。Gnutellaの分散サーチが単一障害点を有しない一方で、BitTorrentは集中型のWebサイトに依存しており検索はできません。この2つを結合することで、両方の世界で最高になることができるのです。私たちは現在それら2つをミックスすることで何が可能になるのかを研究し始めたところです。

*1 Nullsoftが公開後、即座に削除したことを指すのかと。
*2 FastTrackという形ではなくなったとしても、SkypeやJoostを作り出したという点では、止まっている、ともいいがたいけれどもね。私の持っている止まっている印象は、Kazaa、Grokster、Morpheus、iMeshに対するものかもしれない。

裁判については、如何にしてLimeWireがRIAAの攻勢をしのぐか、ということくらいしか思いつかないなぁ。それ以上の深い議論は実際に議論が行われないと良くわからない部分が大きい。RIAAにはGrokster判決という強い武器があるのだけれども、これまでの報道を見ていると、どうもそれをもってしても決め手にかける部分がある、という印象を持つ。まぁ、どうなるかは蓋を開けてみないとわからないといったところか。ただ、LimeWireはかなり自信満々なことはわかった。

もっとも気になる訴訟に関してはほとんど語られなかったのものの、それ以外にビジネスについて語っている点は興味深い。確かに、違法ファイル共有を撲滅しようとした試みはことごとく失敗しているし、RIAAや著作権団体がP2P企業を用いて行った『実験』も失敗だっただろう。P2P人気にあやかってそのソフトウェアの抱えているユーザを丸々飲み込もうとしたけれど失敗、フィルタリングによって違法なやり取りを阻害しようとしたけれども失敗(結果としてそのソフト、eDonkeyやNapster離れが進んだことが成功なのかもしれないけれど。さらに同様にフィルタリングを命じられたKazaaはその時点でほとんどユーザが離れてしまったあとだったわけで)。

P2Pファイル共有ネットワークの抱える膨大な数のユーザ、そこで活発に行われるコンテンツの流動、それは非常に魅力的なものだろう。しかし、誰もそこから利益を上げられるだけのモデルを考え出すことができないでいる。BitTorrent Inc,はBitTorrentプロトコルを利益に変える術を見出してはいる。しかし、結局は、こことは異なるところに踏み出したからだともいえる。つまり、違法ファイル共有ネットワークを、コンテンツプロバイダーも含めて、利益をもたらすものにするためのモデルは未だに見出されていない、ということだ。

そんな状況に、LimeWireが出した答え、それは海賊行為と合法的な販売のミクスチャー。ここでは明確には述べてはいないが、そうとしか解釈できない。そして、彼らは自信満々に、ユーザはコンテンツを購入するほうを選ぶだろう、という。残念だが、それは期待しがたい。そして、そのビジョンにコンテンツを提供してくれるのは、先進的なクリエイターくらいなものだろう。たとえば、Creative Commonsライセンンスで再配布を許可しているアーティスト、それも商業的な利益をリスナーのサポートと考えてくれるような。

しかも、それはPro版に限定するという。数多くのLimeWireユーザがFree版のユーザであることを考えると、LimeWireのみなぎる自信というのがあまりにも嘘臭く思える。LimeWireの主張するプロセスはこう。我々はLimeWire Proを販売することで利益を上げている、だからPro版にはより優れた機能を付加してユーザの購買意欲を促進する必要がある、LimeWire Storeはその付加価値となり、Pro版にのみ実装することで、Free版ユーザはLimeWire Storeで楽曲を購入するためにPro版を購入してくれるだろう、といった寸法だ。Free版でも検索すると出てくるかもしれない、そしてタダで落とせるであろう楽曲を購入するために、Pro版を購入する?しかも、Web上でも購入できるのに?更にGnutellaを利用するわけでもなく、サーバ-クライアントでの転送?

本気でやる気があるのかと・・・、さすがにこの話を真に受けて考えることはできない。単に、何がしかの目的で考えられたストーリーなだけではないかと思えてならない。

と、ここまで強く批判的に行ってしまうのも、結論に至るまでの議論が余りにも理路整然としていて、そして非常にそのソリューションを期待させた分だけ、あまりに弱い結論にちょっと拍子抜けしてしまったから、という部分が大きいかもしれない。その反動で、といったところ。

では、テクノロジカルな側面について。Mojitoはいいとして、BitTorrentとの統合の行く末は、P2Pソフトウェアクライアントを目指しているんだ!としているけれども、それも既に複数のマルチプロトコルクライアントが存在することを考えると、やや弱いかと思われる。Shareazaなどは既に、Gnutella、BitTorrentに加えて、eDonekyも扱っている。ただ、GnutellaとBitTorrentを組み合わせるという発想はなかなか良いのかもしれない。それについては期待をして待ちたい。もちろん、実現できればだけどね。

さて、話をはじめに戻そう。LimeWireは動き出すのだろうか?その判断は皆さんにお任せするとしよう。少なくともその答えは近い将来に見るとになるだろうしね。

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