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Torrentサイト フィルタリング問題:The Pirate Bay 対 TorrentSpy、Isohunt

以前にお伝えしたとおり、TorrentSpyオーナーのJustinはFileRightsというtorrent排除システムをローンチし、それをTorrentSpy、Isohuntに実装している。そのフィルタリングに関しては、The Pirate Bayや多くのP2Pファイル共有系ブログから批判がなされている。しかし、この問題はいろいろな要因が複雑に絡んでて、なかなか1つの側面からだけでは判断できない部分がある。そこで、まずこの問題に関して、どのような論争が起こっているのかについての記事を紹介し、BitTorrentにおけるフィルタリングの是非、そして、そのフィルタリングをTorrentSpyのJustinが行っていることの是非を考えてみたい。

原典:TorrentFreak
原題:Filtering Torrents: The Pirate Bay vs. Torrentspy & Isohunt
著者:Ernesto
日付:July 22, 2007
URL:http://torrentfreak.com/filtering-torrents-the-pirate-bay-vs-torrentspy-isohunt/

先月、TorrentSpyとIsohuntは、コンテンツオーナーに対して、彼らのBitTorrent検索エンジンからtorrentを排除する「自由裁量権」を与えると発表した。コンテンツオーナーとサイト管理人との完全なるソリューションは、The Pirate Bayをして悪夢だと言わしめた。

TorrentSpyのオーナーであるJustinが、『FileRights』と呼ばれる.torrent削除システム、つまりコンテンツオーナーが「著作権侵害」torrentを排除するために用いられるシステムをローンチしたことから、全ては始まった。そして今後、そのFileRightシステムはTorrentSpyとIsohuntにおいて導入される。それら2つのBitTorrentサイトは、昨年MPAAに訴えられている

これは基本的には、RIAAやMPAAといったコンテンツオーナーが、FileRightsを導入する全てのサイト上の、コンテンツ(彼らのものも含む)の完全なコントロールを得るということを意味する。彼らは、どのtorrentが保持されてもいいか、フィルタリングされなければならないかを決定する。The Pirate Bayの管理人Brokepは、この除去システムが誤った方向へのステップであり、TorrentSpyが両者に色目を使うことで金儲けをしようとしている、として批判している。『圧力に耐えられないのであれば、キッチン(BitTorrentサイト業界)から出て行け。他の調理人(torrentサイト)が料理できないように材料(torrent)を荒らすな。』と彼は言う。

FileRightsでは、コンテンツオーナーが望むものは何でも排除することができる。これは、コンテンツのオーナーがこのフィルタリングプロセスにおいて、どの程度正直であるか、という問題を提起する。Brokepはこう記す

誰が著作権のクレームを正しいと確認できる?誰が全てのファイルをダウンロードして、確実に著作権を侵害していると確認するんだ?ライツホルダーがそのモラルの欠如から、または競争から、他の人々のコンテンツまで検閲を始めるとしたら、一体どうなる?私は、多くの人々が彼ら自身の権利を懸念していないことが気がかりなんだ。そう、人々の権利、ライツホルダーの権利なんかじゃない。

IsohuntのオーナーであるGary Fungはこれに反論し、Brokepをこうけなした

キミは読み書きもできないのだろうし、自分で批判しているサイトのフロントページすらチェックしていないのだろう。それか、共産主義者なんだろう。いや、その両方かも。何をもって、キミが自分で作り出したわけでもないコンテンツに対する権利を、キミが持っているのだと思わせているのだろうか?人々の権利 対 著作権所有者の権利?おいおい。キミらがテロリストとしてマークされて、USアーミーに追い詰められたとしたら、私は笑いが止まらないだろう。全てアンチテロリスト活動を許容するわけじゃないが、これは別だね。

TorrentSpyのJustinは、彼がFileRightsに関する全ての騒動を理解しているわけではない、とTorrentFreakに語った。

FileRightsが、現在続いているものと相容れない存在だとは思っていません。TorrentSpyは、DMCA要求を処理します。それは、Isohuntでもmininovaでもその他の多くのTorrentサイトでもそうでしょう。実際、FileRightsの構想は、TorrentSpyが2年以上使用してきたファイルハッシュフィルタリングシステムに基づいています。MicrosoftやRIAA、IFPI、Univesal、BSAといった多くの企業が、これまで長い期間、TorrentSpyから彼らのコンテンツを排除するためのこのシステムを利用してきています。FileRightsは、まさにコンテンツオーナーに、そしてBitTorrentサイトの管理人に、時間を浪費させないプロセスを提供するのです。

怒り狂ったBrokepは(彼はこれまでTorrentSpyやIsohuntに好意的であったことすらないが)、彼のブログでボルテージを上げ、TorrentSpyのオーナー、Justinにこう尋ねる。

そのシステムの次のステップで、お前はコンテンツをダウンロードしたユーザのログを取るよう要求されるのだろう?そうしてライツホルダーがtorrentやハッシュをアップしたときに、自動的にそれらのファイルをダウンロードしたIPを取得するんだろう?たぶん、それが次のステップだ、Justin。

管理人たちが、DMCAテイクダウンプロセスのビジョンにおいて異なっていることは明らかである。The Pirate Bayは、一切のDMCA削除要求に応じないことを選択している。一方、TorrentSpyとIsohuntのFileRightsシステムは、コンテンツオーナーの侵害torrentの削除を容易にする。

あなたはどう思う?IsohuntとTorrentspyが利用するフィルタリングシステムは必要悪なのだろうか?

この問題設定がやや恣意的な感じがしないでもない。個人的には、必要悪とは考えていないので、前提に相違があると断った上で、この問いを考えてみる。

まず、フィルタリングシステムについて。私は、P2Pファイル共有ネットワーク上でのフィルタリングはある程度可能であるべきだと考えている。その精度の問題は別にして、フィルタリング自体が適切になされるのであれば、今後はこのような措置が必要になることは確かだ。著作権侵害を抑制するためにも、過度な侵害行為を防ぐための手段が必要になる。しかし、それは「適切に」なされるべきであろう。

何を持って「適切に」としているかについてもう少し述べる。

まず第一に、誰がフィルタリングを行い、誰がそれに影響力を持つか、ということである。このようなフィルタリングに対するイニシアチブを、既存の商業著作権者たちが握るのはあまり好ましくはない。なぜなら、著作権は商業著作権者(つまり、強力なパワーを持った著作権団体)たちだけのものではなく、想像を行う万人のためのものであるためである。確かに、商業著作権者たちが得ている経済的な利益を考えると、彼らの損害だとか損失の甚大さによって、彼らの著作物が保護されるべきだと考えられるかもしれない。しかし、経済的利益があるから守られるべき、というのは経済的な利益を求めない創造を、保護の外に置くことになる。それはフェアではない。また、これに関しては更なる創造を膨らましてみよう。Brokepの意見はやや極端なところもあるが、それでも既存のビジネスモデルに依存する人達が、新たなモデルを阻害することも考えられる。彼らにとって、Creative Commonsのような新しい著作権のコンセプト(本来、これが「新しい」とされること自体問題なわけだが)は、あまり好ましくないものだろう。たとえば、Jamendoのようなサイトに公開されている楽曲が高い人気を得たとする。もし、このようなフィルタリングが有効に作用するのであれば、その楽曲が「既存の著作物の盗用である」など何がしかの理由をこじつけて、フィルタリングすることも可能となる。このような恣意的な運用がなされないためにも、商業著作権者、非商用著作権者の別なく、フェアな判断の元にフィルタリングを行う機関が必要になるだろう。

第二に、精度の問題と関係してしまうのだけれども、当該のフィルタリングによって誤って自身のコンテンツの流通が阻害されてしまったユーザに対する回復をいかに行うか、ということがある。これは前述の指摘と重複してしまう部分があるのだけれども、フィルタリングに対するイニシアチブを商用著作権者が握っていれば、自身の著作物の保護のみを優先させることで、彼らの関与しない著作物に対しては回復が遅れ(もしくはなされずに)ることもありうる。ある意味では、それ自体が侵害とも取れる行為となりうる。つまりは、精度を高める努力と同時に、誤ってフィルタリングにかけられた著作物を即座に救出するためのシステムとならなければならない。

という2つの前提を置いた上で、フィルタリングを是認したい。簡単に言ってしまえば、フィルタリングは必要最低限度での運用がなされなければならない、というところだろうか。

ただ、このような回答というのは、TorrentFreakの問いの答えとしては、やや的外れなものかもしれない。なので最後に「IsohuntやTorrentSpyが利用しているフィルタリングシステム」の是非を考えよう。

まず、先にあげた第一の理由から、不適切だと考える。現在のIsohuntやTorrentSpyが海賊寄りであるのか、著作権団体寄りであるのかは定かではないが、少なくともそのどちらかに重きを置いているようにも思える。まぁ、後者の側だと思うのだけれどもね。また、FileRightsの運営をJustinが行っていることを考えても、TorrentSpyは利害関係者であり、恣意的な運営が可能にもなるだろう。また、FileRightsを運営していることが、TorrentSpyにとってのセーフハーバーともなりうることを考えると、妥当な機関だとは思えない。

また、感情的な面から言っても、あまり気持ちのいいものではない。もちろん、これは私が「海賊の視点から問題を眺める」という傾向を持ち合わせているせいでもあるのだけれど、それだけではなく、自らがセーフハーバーに逃げ込まんがために、これまで敵対してきた相手に尻尾を振り、これまで共に歩んできた同業者に、後ろ足で砂をかけると取れるような行為にも見えるのだ。まぁ、これに関しては、人それぞれの感想を持つだろうけれどもね。

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