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The Pirate Bay、イングマール・ベルイマンのトリビュートサイトをローンチ

Ingmar Bergman芸術に対するリスペクトにはさまざまな形があるのかもしれない。ある人は芸術の経済的な利益を守ることがリスペクトだと主張し、ある人は継承することがリスペクトだと考え、ある人はその感動を表すことがリスペクトだという。The Pirate Bayは、先日亡くなったスウェーデンの伝説的な映画監督Ingmer Bergmanに敬意を評し、彼の映画のためのトリビュートTorrentサイトを作ったよというお話。リスペクトの形は、人それぞれなのだろう。

原典:TorrentFreak
原題:The Pirate Bay Launches Bergmanbits, A Tribute to Ingmar Bergman
著者:Ernesto
日付:July 31, 2007
URL:http://torrentfreak.com/the-pirate-bay-launches-bergmanbits-a-tribute-to-ingmar-bergman/

人気のBitTorrentトラッカーThe Pirate Bayはbergmanbits.comをローンチした。このサイトは昨日他界したスウェーデンの伝説的な映画監督Ingmar Bergman(イングマール・ベルイマン)へのトリビュートサイトである。サイトは、彼が監督した全ての映画作品をリストし、それらほとんどのtorrentリンクが利用可能となっている。

Ingmar Bergmanは、他の著名な映画監督のインスピレーションの源泉となった。たとえば、Woody Allen、Stanley Kubrick、Lars Von Trierといった監督たちだ。そして、彼は3つの映画でアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞した。

昨日、Ingmar Bergmanは、89歳で亡くなった。それはThe Pirate Bayによってフューチャーされることとなった。彼らはbergmanbits.comでこう述べている。

Bergmanの作品の大ファンであるため、我々は彼が創り、そして我々全てが愛する映画のためのトリビュートサイトを作ることにした。我々は、人々がこれらの作品を共有するのを助け、たとえもはやIngmarが我々と共にいないとしても、より多くの人がこれらの映画を体験し、我々がそうであったのと同じように、彼らにはこれらの映画を楽しんでほしいと願う。

(中略)

Bergmanbits : in memory of Ernst Ingmar Bergman (14 July 1918 - 30 July 2007).

Bergmanの作品は、それほど見たことはないのだが、『第七の封印』は非常に面白かったのを記憶している。印象としては、商業的には成功していない世界的巨匠、といった感じだ。Bergmanのひととなりはこちらのインタビュー記事を読んでいただけると、若干はわかるかもしれない。

The Pitate Bayの面々が、どれだけBergmanに対する敬意を持っているのかはわからない。彼らはこれまで、最新のトピックに合わせていろいろなTorrentサイトを構築してきたし、今回も単に話題に上がっているから、という理由でBergmanのサイトを立ち上げたと邪推することもできる。しかし、彼らが真にBergmanへのリスペクトを持っていたとしても、彼らは同じことをしただろう。少なくとも、これが彼らなりの敬意の評し方なのだ。

正直、その良し悪しはよくわからない。確かに、彼らの考えるように、より多くの人々にBergmanの優れた作品を(まぁ、中にはそうでないものもあるだろうが)、実際に体験してもらう機会を提供すること、それによって彼の作品を後世に伝えること、これをもってリスペクトだとするのも一理ある。一方で、産業団体がいうような経済的利益を守ることが作品、アーティストへのリスペクトだというのもまた一理ある(たとえ、その大半が産業団体に渡るとしても、一部はアーティストに渡るのだから)。

確かに前者は違法行為と関連している。しかし、私はそれがリスペクトではない、というのも疑問を持つ。商業的成功を支えるだけが敬意の評し方だろうかと。素晴らしい作品がある、心を動かす作品がある、そういった作品とめぐり合ったとき、人はそれを他の人とも共有したくなるものだ。そうして、紹介した作品を絶賛してもらえると、やはり嬉しいものだ。同じ価値観を持ち合わせているという喜びもあるが、その作品が与える感動(お涙頂戴という意味ではない)を広く伝えたいという素直な願望を充足できた喜びでもあるだろう。

それでも違法行為と関わっている以上、それほど勧められることではないが、それでもリスペクトの形というものを考えさせられる話ではある。結論はでないけれどもね。

余談ではあるが、Bergmanが亡くなった7月30日、彼と同じく世界的巨匠のMichelangelo Antonioniも亡くなった。かつて、ヤードバーズ見たさに彼の『欲望』という映画を見たのだが、これも非常に面白かった。是非とも見ていただきたい。

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Comment

たくじ | URL | 2007.08.02 03:18 | Edit
とてもおもしろいリスペクトの仕方ですね。
The Pirate Bayが「悪ふざけ」でこういう事をしている可能性も否定はできませんが、もし彼らが彼らなりのやり方で心からのリスペクトを捧げているのなら、それもひとつの形としてアリだと思います。
法律的にはグレーでしょうけれども、正直なところ、私は彼らのやり方が結構好きです。ちょっとした粋というかなんというか、を感じるので。
彼らの行為は、確実に文化を広げる事にも繋がるわけで、著作権法の目的に沿って考えるならば、結構なプラスの効果もあげるわけです。それは、おもしろい事だと思います。まあ著作者の利益の保護とかに反するため、やはり現状ダメな事ではあるのでしょうが。

いずれにしろ、私はここでベルイマンという映画監督を初めて知り、興味がわいたので、今度レンタルで借りるかなんかしてみる事にします。アントニオーニも。

初めてコメントしますが、たぶんサイト立ち上げ時位から読ませていただいています。
「このあたり」の事を大学で専攻している事もあり、海外のこういった事情を紹介していただけるのはとてもありがたいです。
これからも更新楽しみにしています。
長々と失礼いたしました。
heatwave | URL | 2007.08.02 21:20 | Edit
たくじさま、コメントありがとうございます。

私もThe Pirate Bayの活動自体の合法性の問題というのは感じていますが、彼らの主張やその母体となったPiratbyrånの主張(情報と文化の自由な共有)に対しては、1つの考えとして理があると感じてしまいます。もちろん、結果的に彼らが著作権侵害を助長していることは言うまでもありませんが、その一方で、著作権ビジネスを生業としている人達が、本当の著作権者から著作権法を利用して権利を奪い、利益を上げているという現状もあります。そうなったとき、本当に著作権を侵害しているのは誰か、という疑問が湧いてきます。

後者は合法的に行われているわけですが、そもそも合法的に著作権法をハックできるということ自体、問題がないのかというところに行き着くわけです。もちろん、嫌ならそのシステムの外に出て勝手に好きにやればいい、という意見もあるでしょうが、そのシステムが本来本当の著作権者を守るための枠組みであったことを考えると、なぜ真の創作者が自分の権利を守るために、不利な状況におかれなければならないのか、なぜ既存のシステムが真の創作者以外の人々の利権を守るために存在するのか、という矛盾が生じます。もちろん、それが両者に同様に恩恵をもたらすものであれば、問題は生じないのでしょうが、1アーティスト対巨大企業という構図になれば、アーティストは企業側に逆らうことは難しくなるでしょう。現状では、そのバランスは明らかに企業側に傾いています。私はそれをこそ著作権法が保護すべきと考えています。昨今の著作権に関する議論にクリエーター本人が出てこない、というのも、そうした事情が関わっているのではないかと。

一方で、The Pirate Bayの主張にも限界があります。確かに、自由な情報と文化の共有といえば魅力的ですが、果たして著作権者の経済的利益を支えることができるのか、という疑問には明確な答えが出ません。音楽の例で言えば、以前、The Pirate Bayは価格を利用者が決める音楽配信サービスPlayble.comというサイトを立ち上げていますが、現実的には寄付に頼る音楽ビジネスといったところなのかもしれません。ただ、この考えの悪くないと思える点は、アーティストとリスナーがよりダイレクトに繋がることができるという点です。確かに、アーティストの経済的利益を支えるのは難しいかもしれませんが、リスナーがアーティストによりダイレクトに利益を渡せる仕組みというのは非常に面白いと思います。また、一部では、それをライブで実現するという流れもあり、これまで企業の著作権ビジネスに支配された音楽とは別の枠組みが生まれつつあるのも見逃せません。

The Pirate Bayの非常に興味深いのは、その伊達と酔狂でやらかしている感のあるやり方もそうですが、既存の著作権ビジネスに対する最悪のアンチテーゼだということでしょうか。それこそが、私がThe Pirate Bayに関する記事を紹介し続ける理由でもあります(そして、ロゴをパクった理由でもあります)。確かに、彼らのやりようは著作権侵害を誘発します。しかし、彼らの主張ややり様を元に、著作権そのものを見直すということもできます。そうした点で、彼らの行動を注視する意義はあるのかなと思ったりもします。

本当に、リスペクトの形はさまざまあるのだと思います。たとえ、The Pirate Bayのやり方がアレであろうとも、それをきっかけにErnestoが記事を書き、私がそれを引用し、たくじさまがベルイマン、アントニオーニの作品を見てみようと思ってくれたのであれば、それこそが文化が繋がりを持ったといえるのかもしれません。私は文化は共有されてこそ維持されるものだと考えております。

長らく当ブログをご愛顧いただいておりますようで、誠にありがとうございます。どちらかといえば、継続して読んでいただいている方に向けてブログを書いておりますので、そういった方に喜んでいただけるのは嬉しい限りです。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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