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敵はYouTubeにあり:違法ビデオを発見、削除する匠たち(時給11ドル)

BayTSP世の中には仕事でYouTubeを見ている人もいる。そのような人の中には、1日中YouTubeを見てお金をもらっている人もいる。というとうらやましいお話に聞こえるかもしれないけれど、これまで何度かお伝えしてきているBayTSPというアンチ海賊行為企業が、如何にしてYouTubeからクライアントの著作権を侵害する動画を削除しているか、というお話。元記事はWall Street Journalなのだが、なんとも悲哀に満ちた書き方をしてくれるので、それを更に砕けた感じでご紹介したい。

原典:Wall Street Journal
原題:YouTube magic: now you see it, now you don't
邦題:時給11ドルでビデオ見放題、YouTubeの違法コンテンツハンター
著者:Kevin J. Delaney(訳:ITmedia)
日付:August
URL(原文):http://www.moneyweb.co.za/mw/view/mw/en/page94
?oid=152599&sn=Detail

URL(訳文):http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/09/
news050.html

BayTSPに勤めるJoe Bersik(53)は元バーテンダー。彼は1日8時間、フラットモニターのすえつけられた机に座り、インターネット上のビデオを監視し、著作権を侵害するビデオを削除する「動画アナリスト」の仕事をしている。

BayTSPのクライアントには、今年3月、YouTubeを訴えたViacomなどがおり(5社ほど契約を交わしているらしいのだが、他の企業は契約上内緒とのこと)、そのコンテンツ(たとえばMTV Networks)を監視の対象としている。

 例えば、バーシック氏は最近、YouTubeにR&Bシンガーのエイコンのヒット曲「Don't Matter」のミュージックビデオが置かれているのを発見した。このビデオクリップを再生してみたところ、画面下には、「MTV Jams」の番組ロゴが入っていた。そこで同氏は同僚の1人にその旨を通知し、その同僚がYouTubeに削除要請の電子メールを送信した。

 それから約2時間後には、この動画は消去されていた。

と、彼の仕事ぶりはこんな感じだ。なんとも職人みたいだね(原文だと静と動が表現されててすごいかっこいい感じ)。同僚は20人くらい、みな彼と同じようにYouTubeやその他のビデオ共有サイトを監視している。

彼らの功績はビデオの削除活動だけにとどまらず、ViacomがYouTubeに10億ドルの損害賠償を求めた裁判の証拠としても提出されている。このような彼らの発見&削除の匠の仕事のおかげで、BayTSPはViacomから毎月、100,000ドル以上の支払いを受けているという。

また、名前が伏せられている企業は、ソフトウェア、音楽、ビデオクリップの違法なコピーを削除させるのに、月々500.000ドルも支払っているという。WSJでは明確なことは言及されていないが、おそらくこれはTorrentサイトなどへのノーティス&テイクダウンなのだろう。そんなこんなで、毎月100万件以上の削除通知を出しているのだとか。

とはいえ、この手法が完全ではないのは、先日のEFF vs. Viacomでもご存知の通り。しかし、この手法を用いることは、フィルタリングなどの機械的な手法を用いるよりは誤認識の確率を下げるものだという。

 「グレーゾーンに分類される要素が常にあるものだ」とBayTSPのCEOを務めるマーク・イシカワ氏(42歳)は語っている。同社とViacomには、パロディーやホームビデオなど著作権を侵害していないビデオクリップの削除まで誤って要請しているとの批判も寄せられているが、BayTSPによると、実際、そうしたエラーの比率はわずか0.1%程度という。

しかし、それを濫用するビデオアップローダは後を絶たない。こうした匠たちの裏を欠くため、ビデオのタイトルに「リミックス」などという言葉をつけ、撹乱する。しかし、そこは匠たち、華麗に裁いてくれるのだろう。

そんな匠たちに対してはBayTSPのマネージャEric Antze(26)もねぎらわずにはいられない。彼らがViacomのコンテンツの削除件数が15万件に達したとき、同がアナリストたちに新しい椅子と机を買い与えてあげたのだそうだ。さらに、福利厚生も抜かりない。匠たちは会社の補助で、ソーダを1杯25セントで飲める。いつ喉が渇いてもばっちりだ。そんな匠たちは時給11ドルで働いているらしい。あんまり職場が乾燥しているとソーダばっかり飲んでしまいそうだが、きっと我慢しているに違いない。Antzeには加湿器の導入も検討していただきたいものだ。

そんな匠たちにも悩みはある。彼らは契約上、何をしているかを明かすことの出来ない守秘義務がある。匠の1人、Scott Martineなどははっきりと説明できないばかりに、友人からポルノ関係の仕事をしていると誤解されている。

しかも、丸1日YouTubeを見続けるのだ。目は疲れ、単調な作業にゲンナリすることもしばしば。そんなときは休憩時間のバスケを楽しんだり、面白動画を皆で見たりして気を紛らわせたりするのだとか。匠たちにも苦労はあるのだなぁ。

そんな彼らは、やはり仕事とプライベートは別、プライベートでは、まずYouTubeを見ないのだとか。と、このようなBayTSPの活動のおかげで、20人の匠たちがYouTubeにアクセスしない健全なネットユーザになりましたとさ。

という冗談はさておき、まぁ、こんな風に書いたのもWSJの元記事がずいぶんパートタイマーの悲哀というか、世知辛さというか、新興ネット企業のアナログさというかそういうところを強調していたので。25ドルでソーダが飲めるとか書かなくていいし。でも笑ったけど。その辺はP2P Blogでも揶揄されてたりする。

とはいえ、実際に機械的にフィルタリングしたとしても、その精度には疑問があるし、その精度を補完するという意味で、人力で見ていくというのはあながち悪い方法ではない。実際にはわからないけれども、他の企業なんかは単純にキーワード検索で引っかかったものをそれほど精査することなく、リスト化して削除要請を出しているようにも思える。それに比べれば、目視で一件一件確認しながら、というのは誤って適切な著作物の利用、引用をしている作品を削除するというリスクを減らしてくれるだろう。ただ、最初に問題になったのがViacomというのも気になるけれどね。

まぁ、人力であるがゆえに、その後の対処のしやすかったというのが、EFFとの落としどころを早期に見つけさせたのだろう。まぁ、(残念ではあるけれど)当該のコンテンツは著作権を侵害しているわけだから、削除されても文句は言えないだろう。適切な削除要請を続けて欲しいものだ、匠たち。

にしても、こういうのを見ると、日本の著作権団体が

YouTube側から説明を受けた投稿動画における削除の現状や動画・音声を自動識別する「フィンガープリント技術」に対して、24団体はYouTube側の活動に一定の評価はしたものの、「現在の著作権侵害行為への対応は極めて不十分であり、(新技術実用化までの間も)YouTubeの責任において速やかに対応を行うべき」と改めて対応強化を求めた。

なんていうのは(CNET Japanより)、何とも甘っちょろい気もする。なら、リスト出してくださいよ、って言われるのがオチ。少なくとも、YouTubeはノーティス&テイクダウンには応じているし、その手続きの簡便化もはかっている。DMCAに則ってもサービスプロバイダとしての役割は果たしているのだろう。

さて、話をBayTSPに戻すと、これまで当ブログでも何度かBayTSP関係の記事を書いてきたけれど、やはりそれほど印象はよろしくない。YouTubeの監視以外にも、BayTSPはフェイクBitTorrentトラッカーを運営を行い、そのトラッカーにユーザを引っ掛けるために大量のフェイクTorrentをばら撒き、IPアドレスを収集している。たとえ、そこにも25セントのソーダをすする匠たちが働いていたとしても、YouTubeの場合とはわけが違う。IPアドレスの収集だけでユーザを特定できるわけではないのだ。結局、RIAAが訴訟で泥沼にはまり、人々を強引に脅迫し続けているのも、結局はIPアドレスだけに頼るやり方をしてきたせいでもある。

そしてさらに、TorrentSpyのJustinが設立したFileRightsなるTorrentサイト向けのフィルタリングサービスにも絡んでいる。こちらのほうも批判の多いサービスだ。

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