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BitTorrentのオープンソース性はどこへ向かうのか?

Open or Close ?先日お伝えしたとおり、BitTorrent 6.0(公式メインラインクライアント)がリリースされ、それはuTorrentをベースにしたものであった。しかし、メインラインクライアントがuTorrentをベースにしたことで、1つ問題が生じることとなった。これまでメインラインクライアントはオープンソースであり、それによってそのほかのBitTorrentクライアントの開発を助けてきた部分が大きい。それは単純にクライアントの開発だけではなく、BitTorrentプロトコルを支えるものでもあった。しかし、メインラインがベースにしたuTorrentはこれまでクローズドソースを貫き通してきており、それがメインラインに導入されたとしても同じこと。uTorrentのポリシーに従い、メインラインクライアントもクローズドソースとなった。一部ではそのような閉鎖性がBitTorrentクライアント、プロトコル開発の弊害となるのでは?という疑問がもたれているよ、というお話。Slyck.comはこれらの点について、BitTorrentのAshwin Navinから回答をもらっている。なかなか興味深い話。

原典:Slyck.com
原題:BitTorrent Addresses Closed Source Issues
著者:Thomas Mennecke
日付:August 8, 2007
URL:http://www.slyck.com/news.php?story=1566

BitTorrentはそのオープン性によって、ファイル共有コミュニティにおいて突出した存在となった。なんだかよくわからないファイル共有クライアントとして始まったそれは、急激に数多くのアプリケーションのコレクションへと多様化していった。開発者たちは、オリジナルのBitTorrentコードを利用し、彼らの作品を創り出すことが出来た。これらの能力の結果、Azureus、BitCOmet、Transmissionの開発に繋がった。そしてもちろん、uTorrent(マイクロトレント)も。

メインラインのBitTorrentクライアントにもそのフォロワーはいる。しかし、それはuTorrentやAzureusほど利用者には浸透するはなかった。1700万人にも上るユーザ、完全に機能的なユーザインターフェース、メモリ、CPUへの低負荷、そしてクローズドソースを持つ、uTorrentはBitTorrent Inc.にとって魅力的なターゲットとなった。2006年12月7日、CEOのBram CohenとuTorrent開発者のLudvig(Ludde) Strigeusは、公式にBitTorrent Inc.による買収を発表した。

この買収によってそれほど多くのものが変わることはないというのは合理的に推測できた。Bram Cohenは、uTorrentを取り巻くコミュニティエクスペリエンスを傷つけることはない、と全ての人に約束した。

このことは、μTorrentコミュニティにとって何を意味するでしょうか?少なくともはじめのうちは、コミュニティに変化が起こるということはありません。私たちは、(μTorrentの)webサイトをそのままにしておきますし、フォーラムやコミュニティ活動を継続します。

それは非常によいことであるし、すばらしい。しかし、主な懸念はBitTorrentプロトコルのオープンソース性に関するものである。BitTorrentプロトコルは、uTorrentが公式クライアント(BitTorrent version 6.0)となるより以前に、オープンなものである(少なくともオープンなものであった)。uTorrent買収FAQによると、この懸念について、直接言及されている。

Q:これは全体として、BitTorrentオープンソース開発コミュニティにどのような影響を及ぼしますか?

A:BitTorrentオープンソース開発コミュニティに影響を及ぼすことはないでしょう。私たちは、オープンソースライセンスの下、BitTorrentの傑出した参照実装を維持することを約束します。

uTorrentをベースにした公式メインラインクライアントである、BitTorrent 6.0は、2007年7月28日にリリースされた。しかし、これまでのオフィシャルリリースとは異なり、対応するソースコードは公開されていない。uTorrentのコードが公開されないことは理解できるけれども、その懸念としては、オープンソースコミュニティを置き去りにして、プロトコルは前進できるのだろうか、というものである。

すみません、BitTorrent 6.0のソースコード、つまりuTorrentのソースコードはリリースされることはありません。しかし、バージョン 5 やそれ以前にものはもちろん、オープンソースライセンス下で提供されておりますし、それを各自のライセンス条項似従って、修正し再配布することが可能なままです。

BitTorrentプロトコルのこれまでのバージョンを利用できるということは真実である。しかし、BitTorrentが絶え間なく進化していることを考えれば、旧バージョンが、前進を望む開発者たちにとって大して利益をもたらすものではないだろう。BitTorrentコミュニティに多くの人にとって、BitTorrent Inc.はオープンソースムーブメントに背を向けたと感じられるだろう。この懸念に答えるため、BitTorrent Inc.社長Ashwin NavinはSlyck.comにこう話す。

(uTorrent買収FAQを参照して)それは、本当の声明です。私たちはオープンソースバージョンを常に持ちつつけます、しかし、それがサイトの最新のクライアントを必ずしも反映するわけではない、ということになるかもしれません。

BitTorrentオープンソース議論には2つの側面があります-プロトコルそのものとクライアントと。何が、BitTorrentがメインラインクライアントをクローズにするという決定を動機づけたのでしょうか?

人々が真剣に取り組む必要のある2つの問題があります。オープンソース製品を生産する開発者は、自らの製品をビジネスによって悪意ある意図で再パッケージされ、再配布されるという自体に直面することがしばしばあります。彼らはスパイウェアでソフトウェアを再パッケージしなおすか、製品に課金します。私たちはしばしば、BitTorrentクライアントに支払いをしてしまったと苦情を言う人々からの電話を受けえます。

同社が無料の製品を配布する企業であるため、誰であっても決してBitTorrentクライアントに支払いをする必要はない。Ashwinは、ソースをクローズにしておくことによって、公式クライアントと悪意を持って再パッケージされた製品の「明瞭な区別」がつけられるとSlyck.comに話す。

uTorrentがクローズドソースであったことを考えると、これらの事実はそれほど多くの人を動揺させるものでないかもしれない。そのクローズドソース性にもかかわらず、uTorrentは唯一人気のBitTorrentクライアントとなっている、それでも、依然としてまだ1つの問題、つまりそのプロトコルの存在が残されている。

(6.0以前の)旧バージョンにおいて、プロトコルはメインラインクライアントと同様にオープンであったといえよう。しかし、これは6.0のリリースによって変わってしまった。BitTorrentシーンの開発者やコミュニティメンバー、ニューカマーは、最新のプロトコル開発についていくのが難しくなってしまうのではないか、という懸念を表明している。

しかし、これは本当ではない、とAshwin Navinは語る。最新のドキュメントが一般に公開されなくなったとしても、野心的なBitTorrent開発者や熱心なコーダーは、SDKライセンスを得ることによって、最新のプロトコル拡張の使用を依然として得ることができる。

野心的なBitTorrentプログラマーに「私たちがこれまでノーといったことはなかったと思います」とAshwinは言う。

BitTorrentクライアントやプロトコルがパブリッシュされることはなくなり、従って技術的にはクローズドソースとなる一方で、プロトコルはそれでもオープンである。全ての最新バージョンを含むプロトコル拡張はの詳細は、それをほしいと望む人は誰で利用できる。(BitTorrent Incは)SDKライセンスを容易に取得できるよう提供している。BitTorrentの最近のこの動きは、全ての人をハッピーにするというわけではなさそうだ。しかし、おそらくBitTorrenrtコミュニティにおいて開発に関わりたいという人々にとっては、それほど違いに気づくことはないのかもしれない。

確かに、一部のBitTorrentクライアントにはマルウェアが搭載されているし、今後もそのような脅威がなくなるとも考えにくい。ただ、それを理由にクローズドソースにしたことを正当化できるか(といっても、クローズドにしたこと自体、悪いことではないが)、というとやや難しいかもしれない。結局は、最新のものではなくとも、そのソースは公開を続けることを約束しており、そのソースを利用して悪意あるツールを製作することは十分に可能である。

まぁ、本当のところを言えば、ある程度技術を独占のアドバンテージを持ちたいということだろうか。それでも、まったくもって情報の入手が不可能なわけでもなく、BitTorrent Inc.のビジネス展開を考えると致し方のないところでもある(SDKライセンスがどの程度利用しやすいのか、どの程度の情報が提供されるのかにもよるのだろうけれど)。

何とも皮肉なことで、BitTorrent Inc.のuTorrentユーザへの約束の副産物とも言える感じだわね。見方によっては、uTorrentには手を加えない、という約束を守ったことにもなる。逆に、ここでソースをオープンにしてしまえば、uTorrentコミュニティへの約束を反故にすることにもなる(まぁ、uTorrentコミュニティの中でもオープンソース化への議論はあったりするわけだが)。

この辺の細かい事情に詳しくないので、外観をさらっと眺める感じになってしまうが、この一件って実際どうなんでしょうね。BitTorrnet Inc.がうまくかわしただけなのか、それとも可能な範囲で誠実な対応をしているのか。私には判断がつきません・・・。

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