スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シンガポール:アニメ配信業者Odexは著作権侵害ユーザを訴える権利はない、との判決

先日のエントリでも紹介したけれども、シンガポールに拠点を置くアニメ配信事業者Odexは、BitTorrentを利用して同社の扱っているコンテンツを共有しているユーザに対して、3,500ドル超の損害賠償を支払うよう警告状を送付し、応じなければ刑事訴訟も辞さない、としていた。その手法としては、RIAAが米国大学生に対して行っている前訴訟和解戦略と同様のものであり、Odexの独自の調査によって収集されたIPアドレスを元に、そのISPに対して、当該ユーザの身元開示を要求し、それによって近世を支払うよう要求する警告状を送付するというもの。これまでOdexは、2つのISPからユーザの個人情報を提供させ、それに基づいて警告状を送付してきたが、3つ目のISP PacNetに対する身元開示請求裁判において、ついにOdexにはBitTorrentユーザを訴える権利は無い、と判断されたよ、というお話。これはその手法が拙いというものではなく、サブライセンシーでしかないOdexは、シンガポール著作権法下では著作権侵害に対する法的施行を行う権利を有しては無いということのようだ。

原典:TorrentFreak
原題:Anime Distributor Has No Legal Right to Threaten BitTorrent Users
著者:enigmax
日付:August 25, 2007
URL:http://torrentfreak.com/anime-distributor-has-no-legal-
right-to-threaten-bittorrent-users/

BitTorrent上でアニメを共有する数千人ものユーザを追跡した企業は、ISPに顧客の個人情報を開示することを要求した法廷闘争に敗北した。同社は、彼らが突き止めた各々の人々から損害賠償として3,500ドルを請求するために、その情報を利用しようとしていた-そしてそれは現在、完全に失敗した計画である。

先週、我々はシンガポールに拠点を置く、アニメ配信業者Odex Pt. Ltdと、同社が著作権を侵害したと主張する数千人ものBitTorrentユーザを追跡、発見、そして脅威に晒すためのキャンペーンについて報じた。そしてその要求とは、『我々に3,500ドルを支払え、さもなくば』というものであった。

以前には、ISP『Singnet』からその顧客の氏名やアドレスといった個人情報を提出するよう強制し、その後ISP『StarHub』に対しても同様の要求を行っており、StarHubはそれに抵抗したものの、Singnetと同じように個人情報を提出することを強制された。次の動きとしては、更なるISP-PacNet-に対して、1,000人にも及ぶ同社の顧客から金銭を要求するために、その個人情報を提供するよう強制するこであった。

PacNetは、同社が知的財産権のオーナーの権利を尊重はするが、同時に同社は「全ての弊社加入者のプライバシーを保護する」ことを信念とするとして、情報を提供することを拒否した。Odexは、PacNetが(Odexの要求に)応じるよう強制するために、裁判所に申し立てた。

Odexにとっては残念なことであろうが、法廷は、Odexが同社の著作権を侵害したと訴えている人々に対して、『民事訴訟を起こす権利を持ってはいない』と判断した。明らかに、Odexは単にそれらのアニメタイトルのサブライセンシーでしかなく、著作権所有者ですらない。それゆえ、いかなる法的措置をもとることは出来ない。また、同社はBitTorrentユーザに対する刑事訴訟もほのめかしているが、裁判官はこの脅威も棄却した。

さらに、ChannelNewsAsiaのレポートによると、裁判官はOdexのBitTorrentユーザ追跡方法に対しても不快感を示し、IPアドレスを収集するのに用いた調査手法、それを集めたいわゆる『証拠』というやり方を批判した。

これを報じているChannnelNewsAsiaを見てみると、裁判官はシンガポール著作権法下では『著作権所有者および独占的ライセンシーのみが、著作権侵害者に対する法的施行を行う権利を有する』とされているとして、このような判決を下したとしている。更に裁判官は、Odexが独占的なライセンシーであるのは、機動戦士ガンダムSeedのみであると付け加えているという。その上でOdexに、裁判費用としてPacNetに対して7,000ドル以上を支払うよう命じたようだ。

もちろん、Odexは控訴する意向を示しており、これで判決が確定したわけではない。が、その風向きがよろしくないことは確かだろう。

個人的には、そのOdexのとっている手法に対して、一定の「不」理解を示してくれたことは賞賛したいところではあるが、今回、裁判官がOdexに著作権侵害に対する訴訟を起こす権利を有していないと判断するに至ったのは、Odexがサブライセンシーでしかない、ということに由来している。もちろん、あまりにご都合主義的な著作権侵害の訴え、独善的なその施行を、抑制しうるのだろうけれども、それでもこの手法の是非を争点にしてはいないため、裁判官がその手法を批判したとはいえ、それは主たる議論ではないだろう。少なくとも、今回のケースで言えば、本来のライツホルダーが同様の手法を用いてユーザに同様の警告状を送付したとして、それが認められるのかどうか、は定かではない。

これまで述べてきたように、ISPに対する身元開示請求が安易に通されるべきではない、と考えている。それは、ユーザのプライバシーの問題でもあるが、その一方で精度問題でもある。同様の手法を用いた、米国RIAAの前訴訟和解戦略においても、誤ったユーザの特定がなされている可能性が指摘されているし、IPアドレスが当該のユーザを一意に決定するものではないことを考えると、まだまだその精度は低いといえるだろう。もちろん、それは的外れだということではない。大半のケースでは、実際に著作権侵害を行ったユーザを特定することができるだろう。しかし、現実には著作権侵害を行ったとはいえない人達まで同時に訴えられてもいるのだ。

少なくとも、一般市民にとって訴訟の脅威に晒されることは、日常では体験することのほとんど無い、そして抵抗するためのリソースを有していない事態である。安易な試行の結果、そのような事態に罪の無い人を陥れることもやむなし、という姿勢には賛成できるものではない。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/675-a097d988

Comment

Zer0 | URL | 2007.08.29 16:53
ODEX 倒す!!

http://textfiend.net/zerohero/?p=453
Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。