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米国議員、ISPに著作権侵害コンテンツ監視を義務づける法案を提出の見込み

ロサンゼルス選出の民主党議員Howard Bermanが、ISPに、加入者の海賊行為に対して責任を負わせるような法案を提出しようとしているよ、というお話。その概略としては、著作権侵害コンテンツにアクセスした加入者に対して、ISPが警告状を送付することを義務付けるというもの。しかし、このようなことは技術的に不可能であり、それを可能にするための努力を行うことで、ISPは通常対処すべき要求に対処するためのリソースをそがれることになる。

原典:TorrentFreak
原題:Congressman Wants ISP to be Copyright Police
著者:Ben Jones
日付:August 28, 2007
URL:http://torrentfreak.com/congressman-wants-isps-to-be-copyright-
police/

礼状なしでの盗撮が米国中に広まったことで(訳注;こちらの記事を参照のこと)、ある有力議員が、インターネットにおける、これと類似した措置を提案している。これは『テロと戦う』という試みではなく、その代わりに、ISPを警察とすることで、いわゆる『海賊行為』を抑制するための新たな手段とするものである。

法律に関して言えば、米国議会において、インターネットはまだまだ未知の存在である。大多数の米国の政治家は法律家であり、彼らのスタッフは、法律、PR、メディア関連、その他の主題についてよく訓練されているものの、ことインターネットは何であるか、についてはそれほど良く理解してはいないようだ。

しかし、彼らは、彼らに真実を伝えてくれる人、もしくは、少なくとも彼らが理解できるように、何が起こっているのかを説明してくれる人を雇ったり、その人から話を聞いたりする代わりに、たくさんの嘘を話し、「それが真実であることを証明する」ために現金を掴ませるようなロビーストの話を聞くようだ。最近、ハリウッドに支配された米国商工会議所の『アンチ海賊行為』委員会における、Howard L Merman議員の行動には、それ以外の理由が存在しないようだ。

Varietyは、この会合の結論として、Bermanはユーザが『著作権侵害されたコンテンツ』にアクセスした場合、ISPがそのユーザに警告状を送付することを、ISPに要求する法律を作成することを約束しているとレポートしている。報道では、おそらく来月、彼はすぐさまこうした法律を提案するだろうと述べている。

現在、連邦議会議員Bermanは複数の点でよい政治家であり、彼の有権者を代表しているが(彼の地区はハリウッドをカバーしている)、彼の活動は、権利保有者の情報センター以外のためものもではない。このスキームは、権利所有者が警告状を送付したり、証拠を集めたりせずとも、ISPが自動的に警告状を送付させることによって、一般市民を脅して多額のお金を支払わせようとする、現在の警告状および氏名不詳訴訟とそれほど変わるところは無い。しかし、このスキームの基本的な実現可能性にはいくつかの問題がある。

それは以下の通りである。

  1. BitTorrentといったプロトコルによって送信されているデータが、著作権によって保護されているかどうかを見分ける簡便な方法が存在しない
  2. データが権利所有者によって、または許諾を得て送信されているかどうかを見分ける方法が無い
  3. たとえデータが著作権で保護され、権利所有者の許諾が無いとしても、フェアユースである場合がある
  4. ISPは、そのネットワーク能力に問題を抱えている。これにより多くの資金と人的資源を投入しなければならなくなれば、ISPに対する要求に対処するために、サービスを拡張するため能力を鈍化させることになる
  5. 最後に、ネット上のコンテンツの少なくとも95%は、誰かしらの著作物である。全てのネット加入者が1,2日のうちに、サービスの遮断を正当化する通知を受け取ることになる

Fair Use Dayの創始者のEric Cliffordは、このような法律を「情報警察国家」と揶揄した。「私が自宅からリモートで、私の音楽ファイルにアクセスすることに、何か問題があるだろうか?」と彼はいう。

もちろん、全ての人が連続した、単一ソースの、プレーンなテキストデータストリームを利用するだけであれば、このようなシステムは機能するだろう。Bermanが望むような利用状況のモニターを可能とするようなISPへの要求は、これを求めていることに他ならない。そして、そうなればオンラインで個人情報を盗むことは非常に容易になるだろう-つまり、暗号化もなく、マルチソースもなく、壊れているのだ。つまり、彼は一部の中間寄生業者たちの1970年代のビジネスモデルを維持するために、20世紀最大の業績を麻痺させることを望んでいる。彼らが、そうしたい理由は他の人のクリエイティブな努力から金儲けがしたい、それだけの理由だ。

Berman議員、あなた自身の利益のために忠告する。このようなことをあなたにアドバイスしている馬鹿どもを解雇し、自分自身が何を言っているのかを良く知っている人達の言葉に耳を傾けて欲しい。

まぁ、実際にはP2Pファイル共有ユーザに対して、バンバン警告状を送れ、というものだろう。

確かにインターネット上での著作権侵害問題は深刻だ。しかし、だからといって、ISPに対して過剰に責任を負わせるということには反対だ。

上記の記事にも指摘されているように、著作権侵害を特定して、警告状を送付するというのは現実的には不可能だ。もし、それを可能とせよ、というのであれば、ISPは自社ネットワーク内に流れる全てのデータをモニターし、その1つ1つを、著作物であるか、著作物であれば許諾を得ているか、許諾を得ていないのであればフェアユースか、を判断しなければならない。

ただ、提案された意図は、回線の利用状況から当たりをつけて、怪しいユーザをトレースして、警告状を出せ、というものなのだろうけれど、それでも提案自体は全てのものを範囲に含んでいるわけで、要求されるISPにしてみればたまったものではない。

しかも、そのための資金も、その責任も、全てISPに課されるのだから、あまりに割に合わないものだろう。

うまいたとえではないが、道路を作ったとしても、作った人がそこを走る車の行為に対して責任を持つわけではない。もちろん、道路を敷設するのとは異なり、ISPはその回線をモニターすることもできるが、しかし彼らが提供しているのは、単なる「道」でしかない。それを監視するのはISPではなく、それを監視する責務と権限を有した存在でなければならない。

少なくとも、ISPがその全ての負担を負い、ユーザを監視して警察の真似事をし、その責任を負わされるというのは、あまりに過剰な要求では無いだろうか。もちろん、『当初は任意での協力を求める』というものらしいが、それでも一度成立すれば、その後は要求を高められていくことは想像に難くない。少なくとも、サービスの遮断や情報の提供を含む要求がなされるだろう。しかし、その責任は全てISPに課されることになる。つまり、ISPは違法なデータの転送を見過ごしていても責任を取らされるし、かといって過剰に人々を脅迫してもその責任を負わされるのである。

確かにインターネット上での著作権侵害問題は深刻だ。しかし、創造物の作り手と受け手の間で肥えてきた人々の利益を守るためだけに、そのほかの人々が過剰にその負担を負わされるのであれば、それは誤りである。著作権ビジネスに関わる人達が利益を守りたいように、ISPも利益を守りたいのである。前者だけが優先されるというのは、やはりおかしい。

おそらく、多くの人が「おかしい」と考えるのだろうが、このようなISPに対する責任を求める声は、米国のみならず、世界中に見られている。IFPIは、今年初めの年次報告書において、違法ファイル共有との戦いにおいて、ベストアンサーはISPであると述べている。IFPIの号令があった、かどうかは定かではないが、それに伴って世界中の音楽団体がISPに対して、違法ファイル共有への責任を果たすよう求めてもいる。

まず、IFPIの方針としては、彼らは、違法ファイル共有をブロックするのはISPの責務であると述べている。つまり、検閲を行い、違法ファイル共有ユーザをサービスから遮断せよというもの。それにしたがってか、IFPIドイツ支部はドイツ首相との懇談の中で、違法ファイル共有ユーザへの遮断措置をISPに義務付けるよう要求している。

また、このようなISPに対する違法ファイル共有遮断の義務付けは現実のものとなっている。今年7月には、ベルギー法廷にて、あるISPは違法コンテンツの流通をブロック・フィルタリングするような技術の導入を命じられている。さらに、英国保守党党首は、この判決を受けて、英国においても同様の責任がISPに課されるべきだろうとスピーチで述べている(これは著作権団体などの特別利益団体に色目を使ったものだろうが)。

 

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