2007年09月21日
原典:ITpro
原題:「ネットのヘビーユーザーに追加課金?」,総務省のネット中立懇が報告書を近日公開
著者:山崎洋一
日付:2007/09/19
URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070919/282469/
簡単に言えば、商用コンテンツは守りますが、それ以外のコンテンツは守りませんよ、ということだろう。ここでいうコンテンツプロバイダがどこまでの範囲を示しているかはちょっとわからないが、iTSやGyaoの利用は含めませんが、YouTubeなどの利用は排除します、ということもできるのかもしれない。まぁ、YouTubeもコンテンツプロバイダに含まれるかもしれないが、それでも、アップローダやオンラインストレージ、P2Pがその範囲に入っていないことは明らかだろう。
ただ、それでもGyaoなどはインフラただ乗りで標的にされており、単純に守られたというわけでもない。
- コンテンツプロバイダによるトラフィックの増加は、通信事業者とコンテンツプロバイダが議論すべき問題
- 上位ISPを介して間接接続している下位ISPは、上位ISPから多量のコンテンツプロバイダからのトラフィックが流れ込んできても、コンテンツプロバイダとの議論が上位ISPによってなされる(要は喰いっぱぐれる)
- ヘビーユーザによって発生する多量のトラフィックは、ライトユーザに不公平感を生じさせる
- 本来であれば市場メカニズムによって解決すべき問題ではあるが、設備増強がトラフィック増加に追いつくことが難しく、かつそのコストが甚大であるために、市場メカニズムが機能しない可能性がある
まぁ、意地悪な言い方をすれば、競争しすぎてあっぷあっぷというところだろうか。いまさら完全な従量制に移行することもできないし、接続料金を値上げすることもできないし、とか。
ユーザ間でのデータのやり取りがインターネットを支える1つの柱であることを考えると、ただ一様に制限していこうというのも、何だか考え物のような気もする。
それに関連したところでは、
コンテンツ・プロバイダによるISPへの追加料金の支払いは,両者の交渉により競争的に料金が設定できていると考えられ,追加料金の支払いを原則とするのは適当ではなく当事者間の協議に委ねるべきとしている。
まぁ、確かに受益者負担ということを考えると理解できなくもない。が、問題はどの程度の利用が過度の利用とされ、他のユーザに影響を及ぼすのかということだろう。DTIのように1日15GBまで、というのであれば、まぁ確かにという感じではあるが、じゃあどれくらいがヘビーユーザなのといえば、明確に定義されているわけでもない。
ただ、これによって怖いのが段階的な従量制に移行していくのではないかなと思えるところかな。時間を経れば、設備増強がなされ、状況は改善していくのだろうけれども、それにあわせて制限を緩和してくれるのかどうか、という疑問もある。逆に徐々にその制限を押し下げ、数段階の価格設定にするということもありうる。まぁ、最悪のケースの話ではあるけどね。総務省の今回のネット中立懇の資料にもその辺への牽制はなされているけれども、まぁ不安な話ではある。
そもそもの発端は、一部の人々が回線を占有していることが問題だとしており、その状態を緩和することが目的でもある。そうしたことを考えると、単純に一定の容量のデータを転送したら追加料金を課します、というのではなく、その占有によって他のユーザに影響を及ぼすような時間帯の利用を制限するという方がスマートな気もするけれどもね(P2Pの帯域制御では、そのような柔軟な制御を行っているISPも存在する・・・らしい。ISP自体がその辺を隠避しているので本当かどうかはわからないけどね)。
でもって、ライトユーザの選択肢が少ないというのも問題かもね。世の中には、オーディオファイルもビデオファイルも必要としない人たちだっているはず。でも、そんな人向けのサービスとして、限定された安価なサービス(1日1GB未満みたいな)という選択肢があってもいいとは思うのだけれども。まぁ、ライトユーザと平均的なユーザは同額の料金を徴収したいというのがあるのだろうけどね。あ、速度ではなくて転送量の話ね。
ちなみに、個人的な感想としては、ISPによる帯域制御に関する情報があまりにも隠したまま、このような従量制に移行するということは、あまりにもひどいなぁと思ったり。確かに定額制ではカバーしきれない利用によって占有されていることが問題として、2段階(?)の従量制に移行するのは、まぁよいとしても、一方でそのような従量制を導入しないとするISPが結局は帯域制御によって特定のアプリケーションがまともに利用できないというのでは、あまりに消費者無視の話である。
制限を課すのであれば、それを比較するための情報を提供すべきであり、それがなされないままであるとすれば、不当に競争を阻害しているという批判がなされても仕方がないんじゃないかな。



コメント
コメントの投稿