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ダウンロード違法化問題:著作権がインターネットを検閲する

文化庁・文化審議会の著作権分科会・私的録音録画小委員会が、同委員会の津田大介委員の指摘していたように、違法にアップロードされた著作物のダウンロードを「違法化」する方向で著作権法を改正する意見が大勢となったとする中間報告案をまとめたようだ。asahi.comによれば週明けにも公表されるとのこと。この記事では、あたかも法改正が規定路線であるかのように書かれているところが鼻につくが、それでもその流れが確実に現実に近づいていることは間違いないだろう(この手の記事がそれを後押しする部分もあるのだけどねぇ・・・問題点がいっぱいあるんだから、そこをもっと指摘しろよと思うわけで)。以前のエントリでこの法改正がいかにクソッタレであるかをいろいろな側面から延々と述べたが、やはりどう考えてもこの流れはクソッタレだ。

原典:asahi.com
原題:無許諾の音楽・映画 ネットで入手、自宅でも違法に
著者:朝日新聞
日付:2007年9月21日
URL:http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200709210236.html

中間報告案では、違法の範囲を「違法サイトと承知の上で録音録画する場合」などに限定する必要性を指摘した。罰則は設けない方向で今後詰める。

法改正が実現すれば、ユーチューブにテレビ局の許諾なしに第三者が違法配信した過去のテレビ番組を自宅のパソコンに取り込むことや、携帯電話の「着うた」の違法サイトから楽曲を自分の携帯電話にダウンロードすることも法に触れる行為となりうる。

まず後段から突っ込んでみると、YouTubeの動画を自宅のパソコンに取り込むとはどういうことだろうか。この辺は随分ボカし気味な感もあるが、明確に言えば、「YouTubeを視聴すること」だろう。YouTubeは純粋なストリーミングではないため、ストリーミングのつもりで見ていたとしても、それはダウンロードされていることになる。

次、携帯電話の「着うた」を配布する違法サイトを問題にあげているのだろうが、個人的にはそれは現行法においても対処できるものと考える。簡単に言えば、そのサイトの管理人を訴えればいい。その努力をせずして、インターネットユーザの活動を制限しようというのも馬鹿げた話だ。それに対しては、それに対処するために著作権者側に莫大なコストが必要となるではないか、といわれるかもしれない。しかし、今回の話はインターネットユーザや、主要な著作権産業側にいない人々に対して、そのコストをおっかぶせようという話である。著作権者にコスト負担を願うのはダメで、そのほかの人がそれを負担しろというのもひどい話だ。それも、彼らの私的な財産のために、ね。

さて、ここでは「違法サイトと承知の上で録音録画する場合」に限定するとあるが、では違法サイトの定義とはなんだろうか。その辺を考えるにつけ、「違法サイト」なるステレオタイプ的なものが存在し、それに当てはめて考えているのだとしか思えない。サイト管理人が、金銭的であれ、それ以外の目的であれ、何がしかの利益を求めて違法にコンテンツをアップロードしているサイト、というものだろう。しかし、現実にはそのようなサイトは既に対処可能であるし、また、そのような範疇にないサイトまでもが法改正によって違法サイト認定されてしまう可能性がある。

たとえば、YouTube。YouTube上にアップロードされているコンテンツに、著作権者の許諾なく違法にアップロードされているコンテンツが存在することを知らない人はいないだろう(少なくともYouTubeを利用している人はね)。となれば、YouTubeは違法サイトとなるのだろう。しかし、YouTube上にはユーザ生成コンテンツをはじめとする、「著作権者が公開を許諾しているコンテンツ」がアップロードされている。いや、著作権者によってアップロードされているコンテンツといったほうが良いだろうか。著作権者自らがアップロードするサイトが、違法サイト認定される、そんな馬鹿げた話があるだろうか。Universal、EMI、Sony BMG、Warnerの4大メジャーと提携している違法サイトが存在するとでもいうのか?それが日本の目指す世界標準なのか?

そして、問題はユーザの制限だけにとどまらない。それはサイトを運営する人々、コンテンツを配信する人々にも影響を及ぼすだろう。原理は簡単だ。サイト管理人が自身のサイトを合法サイトであることを証明できなければ(確実にできなければ)、利用者は安心して利用することができないということだ。RIAJは「適法マーク」なるものを配布するようなのだが、おそらくそれはRIAJのためだけに利用されることだろう。同様に他著作権団体が各自「適法マーク」なるものを配布するとしても、同じことだろう。私が適法マークをくれといっても。おいそれとくれるものじゃないだろう。

結局、彼らは自分自身を守る傘をもっているが、彼ら以外の人々はその傘を持ち得ないのだ。なんと都合のいい話か。彼らは大手を振って合法サイトです、という風を気取れるが、私のサイトは「違法かもしれない」サイトになる。もし、彼らが適法マークを「違法かもしれない」私のサイトにくれるとしても、彼らはそのサイトを1つ1つ違法なコンテンツがないかどうかを確認しなければならないのだが、その確認が適切なものであるという保証はどこにもない。彼らにとって不都合な記述があったり、好ましくない内容であれば、適法マークを与えてくれないかもしれない。今後著作権を侵害しない保証はないとかなんとか、なんかしらの理由をつけて検閲をすることも可能となるのだ。

違法サイトでないことを明確にするには、合法サイトであることを示さなければならない。しかし、その判断は著作権団体が行うのだという。もし、私がBitTorrentやeDonkey、WinMX、Winny、Share、Gnutellaなどの「著作権を一切侵害しない」解説サイトを作ったとして、彼らは適法マークをくれるのだろうか?まぁ、認めてはくれないだろうけどね。認めてくれないのだとすれば、それは検閲だろうし(私的なものだ、という建前を持ってくるだろうからね)、認めてくれるのであれば、著作権団体のお墨付きのP2Pファイル共有解説サイトの出来上がりになる。まぁ、そもそも適法マークを配布してはくれないのかもしれないけど、そうしたら、著作権産業以外の人たちは、その合法性を明示することはできなくなる。

まぁ、そういう法律になるんだと思うよ、これ。

Trackback

[考え事]ニコニコ動画で気が付いてしまったこと
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2007.09.23 21:57 | しんたろサンの日記
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2007.10.13 18:16 | picasの日記
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http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/727-96cc343d

Comment

さい | URL | 2007.09.22 12:41
まさに糞ですね
時代は日単位で動いているのに、こいつらは金儲けのためにその流れをとめようとしている。
売国奴がいたり経団連の犬がいたりジャスラックにされるがままだったり・・・。
日本ももうすぐ後進国の仲間入りですね
774 | URL | 2007.09.22 16:45
何時に無く熱くなってますねぇ
因みに後段の部分は朝日記者の見解じゃないですかね?

しかし糞ですねぇ

>著作権団体は、違法配信された作品については、
>一般ユーザー側のダウンロード行為にも歯止めをかけるよう、強く求めていた。
>違法とされれば、差し止めを求める根拠にもなる。

ならDL違法化ではなく差し止め出来るようにすれば良いだけなのにね
たいちょ | URL | 2007.09.22 19:26
朝日の記事だから話半分としても、この権利団体の動きには・・・

著作者に払う料金だったらみんなそれなりに出すだろうけど、著作者じゃない人が著作権っていう権利を守るために使っちゃうんですものね

それにしても、白と黒の境目をどうやって決めるのですかね?片方が勝手に決めれるというのはあまりにおかしくないでしょうか?せめて公正な第3機関くらい必要だと思うんですが・・・
わっち | URL | 2007.09.23 11:04
ほんとにクソったれな話ですよね。

自分たちの私的財産を守るためだけの、著作権団体。

もう、著作権って言葉が当てはまらない気がします。

しかし今のネット時代が来る前までは、
この団体、もっと儲けていたのでしょうね。

ユーザー無視のなりふり構わぬ、今の焦った行動が
それを如実に物語っている気がしますね。

heatwave | URL | 2007.09.25 19:43 | Edit
みなさま、こんにちは、コメントありがとうございます。
しばらく忙しくてなかなかご返信できずに申し訳ありません。

さいさま

まぁ、彼らに同情的な視点に立てば、時代の変化によって自らの食い扶持が損なわれようとしているのを何とかしようとしている、という点で同情できる点もあるのですけれどね。ただ問題なのは、その時代についていける可能性があるにもかかわらず、その努力をせずに旧来のビジネスモデルを延命しようとしているということでしょうか。

ちなみに、著作権に絡んで派手な動きを見せるのはJASRACなことが多いので、著作権に関して批判されるのはわかるのですが、実際にこのような動きの背景にある思惑は、JASRACの描いた絵ではないという印象を持っています。ある意味では、JASRACにとってお客さんというのは、我々ではなく著作権者たちですから、批判されたところで痛くもかゆくもないわけです。ある意味では盾になっているのでしょうか。ACCSもそんな感じですよね。

774さま

本来であれば、YouTubeクリップのローカルキャッシュというのが著作権上の複製に当たるかどうかというのは、議論のあることも承知しております。

ただ、私がここで警鐘を鳴らすのは、そのコンセンサスがまだ取れていないのでは?という疑問からです。RIAAの戦略を見るにつけ、彼らにとって重要なのは法的、判例的な後押しというよりは、個人を訴えるための口実でしかないのだと考えるようになりました。それは、一企業が個人を相手取る訴訟は企業活動のほんの些細なことでしかありませんが、一方でそれを受ける個人にとっては、生活のほとんどを捧げることを必要とするほどの出来事になります。

現状を見てみると、ローカルキャッシュは複製には当たらないということが当たり前で、それを否定するのは著作権を乱用に当たるというくらいの状況にまでならなければ、難癖をつけて人々を脅迫することがあるのではないかなと思えるのです。ある意味では、刑事訴訟にならないということが、企業側にとっても便利なのかなと思える部分もあります。

わざわざDLを違法化せずとも、対処可能なはずなのですが、どうしてこんな話になるのでしょうね。

たいちょさま

個人的には朝日であろうと産経であろうとTorrentFreakであろうとZeroPaidであろうと、同程度の信頼性を置いて参考にしています。全体的に話半分で聴いているというところでしょうか。ただ、今回自分でもずるいなと思うのは、朝日記者の私見を広げすぎたというところでしょうか。

運用に関していえば、基本的にはグレーな部分には目をつぶるだろうということは予想できます。ただ、人々が潜在的に法を犯しているという状況は、全く健全とはいえないと私は考えています。

公正な第三者機関というのはあれば理想的ですが、現実的には期待できないのかもしれません。もともと文化庁がその役割を担っているはずなのですけれどもね。

わっちさま

まぁ、業界団体なわけですから、私的財産を守ること自体は否定し得ません。ただ、ご指摘の通り、ユーザ無視のなりふり構わない行動が、あまりに身勝手であると感じています。

確かにネット時代以前にはもっと儲けていたのですが、単に音楽バブルであっただけなのか、それともネット時代の到来による影響なのか、その両者であるのか(他にももっとありそうですが)、なかなかに説明するには判断のしかねる部分でもあります。実際のところどうなのでしょうね。

※5さま

一応、パブコメは出してますよ(今回の件に関しても出そうと思っています。10月でしたっけ?)。ただ、あんまりそういう活動をしていないので、オリジナリティ溢れるものになってますが。

個人的な意見を申し上げますと、パブコメを出しましょうというアピールはよく見るのですが、それを受けてもどうやってパブコメを書いていいかというハウツーがない、or参考にしがたいと思うのですよね。もちろん、フォーマット自体は、省庁のページにありますが、中身をどう書くか、という点では、何を参考にして良いのかがわからなかったります。

もちろん、パブコメ案等を公開している人たちもいますし、実際に公開されているものもあります。ただ、その多くが非常にかっちりしていて、ちょっと問題に興味を持ったという人が書くには、あまりにハードルが高いものだと思うのですよね。

動機づけが高い人であれば、それでもトライしてやろうという気になるのかもしれませんが、低い人にとってはあまりに億劫なものです。個人的には、書くための素材と、そしてこの程度でよいのだよと実際に例示することが必要なのかなと思ったりします。もともとパブコメ自体の効力感は非常に低いものだと思っています。であれば、その効力感に見合ったコストを人々は払うだろうと考えたほうがベターでしょう。そうした人たちに、非常に理路整然とした、カッチリなパブコメを見せてしまえば、逆効果のような気もしますしね。

この手の問題を見るにつけ、実際のパブコメの数と2ちゃんなどの掲示板やブログでの盛り上がりとの落差が激しい気がします。その辺を考えると、効力感を煽ることはそれほど有効ではないのかなと思ったりもします。むしろ、簡単な文章でいい、あいつらに不満をぶちまけようぜ、といったほうが良いのかもしれませんね。
米5 | URL | 2007.09.27 20:10 | Edit
仮にパブリックコメントをして態勢が変わらなかったとしても、反対意見が多く残ったという事実は残ります。
結果を見たマスメディアが反応するかもしれません。
それに、いちいちコメントの体裁云々の問題ではなく、一人でも多くの人が反対の意思を表示することが重要と考えます。
わかった気になって達観するのはいただけませんね。
パブリックコメントも対抗手段の一つです。
それに委員の津田もパブリックコメントを残してほしいと述べています。
文化庁が動画サイト試聴に関する見解をしたのも、パブリックコメントの事前対策かもしれませんよ。
文化庁へ | URL | 2007.09.27 20:57 | Edit
現在の与党が盗聴法や著作権法をおしすすめている訳だから
それに反対する野党に投票するだけ。
heatwave | URL | 2007.09.27 23:05 | Edit
米5さま

再度のコメントありがとうございます。

少し誤解されているようなので、補足させていただきます。

少なくとも私は、パブリックコメントは出さないよりも出したほうがいいと思っています。だから、私は出しています。たった3行ですが、その辺のことを含意したつもりです。

そして、残りの部分はその上で、どうやったら多くの人にパブコメを出してもらえるかというお話です。Whyではなく、Howのお話です。はてぶ、2ちゃん、ブログでは著作権問題が盛んに議論されていたり、著作権者や政府の方針に批判が集まったりしていますが、その勢いほどがパブコメに反映されているとは思えません。

であれば、これまでのやり方以上に良い方法はないのかなぁという思いがあるというところです。「一人でも多くの人が反対の意思を表示することが重要」なのであれば、その意思を表明させるよう促すことが必要になるということです。

ただ、誤解を招く表現も多々あったことはお詫びします。一点目はこの辺でしょうか。「もともとパブコメ自体の効力感は非常に低いものだと思っています。」私は、あくまでも効力「感」が低いのであって、効力自体を否定しているわけではないのです。その辺は、2ちゃんやはてぶ上でそのようなコメントを見て思ったことです。私はたとえ効力「感」を低く見積もっている人であっても、パブコメを出してみるか、という気持ちにさせることが必要だと思っています。

二点目としては、「むしろ、簡単な文章でいい、あいつらに不満をぶちまけようぜ、といったほうが良いのかもしれませんね。」という表現ですが、意味合いとしては、「むしろ、簡単な文章でいい、あいつらに不満をぶちまけようぜ、といったほうが(パブコメを出してもらうためには)良いのかもしれませんね。」というところです。

人のコスト-ベネフィットの判断は比較的自動的に行われるものだと考えております。そういった意味では、ベネフィットを増すようなアプローチも必要ですが、コストを減らすアプローチも必要だということです。もちろん、どちらも感覚的なものでかまわないのですけどね。

ちなみに、達観していないからこそ、このブログを続けていたりもします。世の中、正しいことなんてなかなかないわけですから(あったとしても、非常に限られた文脈で、でしょうか)、議論する価値はいくらでもあるのです。

文化庁へさま

コメントありがとうございます。

投票行動で、態度を表明するというのは、残念ながら著作権問題に関しては難しいかもしれません。その辺で、EFFのような団体が日本にもできればよいのになぁと思ったりもします。まぁ、他力本願なのはよろしくはないのですが。
著作権者 | URL | 2009.04.16 02:19 | Edit
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