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ファイル共有は映画に大打撃を与えているか?:007 Casio Royaleのケース

如何に P2P ファイル共有によって、公開前に映画が流出しようとも、よい映画は利益を上げるし、駄作は利益にならないよというお話。確かに大衆狙いの大衆を馬鹿にしたような駄作を量産されて辟易としているところはあるし、それが映画のみならずエンタメ産業の衰退の原因であることは間違いないが、ただ、このようなケースを持って ファイル共有 が悪影響を及ぼすものではないというのは詭弁かと思うわけです。

原典: ZeroPaid.com
原題: Despite piracy and P2P, Casino Royale wins big at the box office
日付: November 21, 2006
著者: soulxtc
URL : http://www.zeropaid.com/news/8026/

P2P や ファイル共有 ネットワーク上に氾濫している映画にもかかわらず、 Casio Royale は、今週末、英国、米国共に莫大な興行収入を得ている。

ロシアでのカム撮りのバージョン"Casino.Royale.2006.TS.RUS.XviD-KZ"は、先週木曜日ごろ ファイル共有 ネットワーク上に現れた。しかし、音声はロシア語であった。

翌日の金曜日、別のカム撮りバージョンのコピー "Casino.Royale.TELESYNC.XViD-PUKKA," が流通し始め、どうやらイタリアから流されたものであると考えられている。

インターネットモニター会社の Envisional は、 Casion Royale はおよそ 200,000 回ほど違法にダウンロードされたという。そのデータがどのようにして得られたのかは不明であるが、しかし、その数は劇的に上昇したであろうことは確信できる。

伝説的な英国のスーパースパイが直面している海賊行為に対して知的な気の聞いた皮肉を言うとすれば、「この国際的な陰謀に直面して、ボンドは本当に危機に陥っています」とは Envisional 。

彼は以下のように続けた。

現在、数百万人のアクティブなデジタルパイレーツがいます。彼らの多くは、アメリカのテレビヒット番組の最新のエピソードをダウンロードする習慣がついただけの普通の家族です。そして、彼らには、対価を払うことなく新しい映画をコピーするために ファイル共有 ネットワークを使用することに、少しの良心の呵責もないでしょう。

しかし、「国際的な陰謀」と揶揄された海賊行為にもかかわらず、今週末、英国、米国共にその映画は莫大な利益を上げている、ということは全く考慮されていない。

米国ではこれまでに、$ 40,833,156USD の興行収入を上げており、それは 007 シリーズの中で 2 番目のオープニングであった ( 今週末は「 Happy Feet 」に続く第 2 位であったけれど ) 。

英国では、 Casino Royale はおよそ$ 25,524,511USD の興行収入を上げており、英米の人口差を考慮すると、米国に劣らず好評であったといえる。

ご承知のとおり、 P2P と ファイル共有 ネットワークが映画産業を殺していると、 MPAA が長年にわたってわめきうめいている文脈において、このことは起こった。それでも、彼ら以外のみんなが既に知っていることを、彼らは認めようとはしない;よい映画はよい利益を生む、ということを。

あなたも ” 名前 ” は知っているであろう、「 Hollywood Homicide 」「 Black Dahlia 」「 Miami Vice 」のような詰め込みのゴミ映画で絶えず攻め立てているのだ、映画の興行収入が減少していることなど何の不思議もない。
一般大衆は、業界団体が思っているほど馬鹿ではないわけで、大衆狙いの駄作などメディア戦略を用いたところで、大衆は駄作だと感じる。個人的にはそれがエンタメ産業の昨今の衰退を招いていると思う。それを海賊行為のせいにしたところで、何が解決するのだろう・・・。

という愚痴はさておき、この記事では、 Casino Royale が ファイル共有 ネットワーク上に氾濫していたとしても、よい映画は莫大な利益をもたらす、ということを言っている。まぁ、それについては確かにそう思う。ただ、この記事の書かれた意図には賛同できないなぁと。

ファイル共有が購買を増進するものだ、という主張をしていないだけよいのかもしれないけれど、この事実によって、業界団体の詭弁を完全に跳ね除けるだけの証左とはなりえないだろう。もちろん、壊滅的な打撃を受けている、という業界団体の誇張が、単なるロビー戦略の一つでしかないことの証左とはなりえるけれど、それでも ファイル共有 が興行収益や売上に負の影響を与えている可能性を否定することは出来ない。別にそんな酷い影響を与えているわけじゃないんだからいいだろう、などというのは感情的な問題であって、それを議論のテーブルに据えるというのはナンセンスだと思う。業界団体の肩を持つわけではないけれど、 ファイル共有 による侵害行為がなければ、もっと売上は上がっていたはずだ!という主張を否定することは出来ないのだから。

ただ、 ファイル共有 による著作権の侵害が、著作物の購買を抑制する負の影響を与えている、ということも確実ではないわけで。 RIAA などはそれに乗っ取って被害を主張しているわけで、「ダウンロードした=本来であれば購買していた」というのは、あまりに度が過ぎた誇張といえる。

一方で、 ファイル共有 による著作物の流布によって、業界が活性化されて、著作物の購買を促進する正の影響を与えている、という人たちもいる。しかし、これも詭弁の類に入るのかもしれない(感情的には理解できるし、私自身も感情的には受容している意見ではあるが)。確かに、音楽や映画を愛する人が増えれば業界自体も活性化し、視聴のつもりでダウンロードして気に入ったら買うという人もいるかもしれない。しかし、音楽で言えば、 CD を購入する人だけが音楽の購買層ではなく、ネット配信で購入する人も購買層なのである。果たして、 iTMS などから購入する層が、 ファイル共有 ネットワークからダウンロードしたものを気に入ったからといって、その楽曲を PC から削除して改めて iTMS などから、ほぼ同じ ( むしろ制限がついているくらいの ) ものをダウンロードするだろうか?少なくとも、ネット配信での購買層を考える限りでは、音楽業界は負の影響を受けているということもいえるのではないだろうか。

いずれにせよ、それの解答を得るためには、 ファイル共有 のない平行世界がなければどうしようもないわけで。まぁ、それを考えると、著作権を侵害されたという事実だけで、その後の顛末を決定するしかない。その意味では、業界団体の著作権侵害訴訟には、一定の理解も示せるのですよ。ただ、それが誇張によらず、一般的な感覚で受容できるものであれば、の話だけれど。 

まぁ、どちらの立場をとるにしても、自分に都合のよい解釈ばかりでは、平行線のままではないかなと、自戒をこめて思うわけですよ。それに、平行線だといっても、それで終わるわけではないし。少なくとも業界団体側は圧倒的な法的な武力を備えているわけですから。

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