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広告モデルによる無料音楽配信サービスSpiralFrogのローンチ

SpiralFrogこれまで広告ベースの無料音楽配信のアイディアは数多くの人から提言され、また数多くの人々がその実現に向けて尽力してきた。しかし、実際にはそのようなサービスが開始されることはほとんどなかった(例外としてairtistがあるが、これはインディペンデントアーティストをフューチャーしたもの)。そんな広告ベースの無料音楽配信サービスとして注目を浴びていたSpiralFrogが、ついにサービスを開始したよというお話。音楽配信サービスとして利益を上げることができるのか、他の有料サービスの競争相手になりうるのか、そもそも実際のサービス開始は不可能ではないか、などなどさまざまな批判を浴びてはきたが、ついにその真価が試されることになるだろう。 随分前にアップロードしたつもりでいて、すっかり忘れていた記事です・・・あちゃー。

原典:Collegiate Presswire
原題:SpiralFrogTM Launches Free Ad-Supported Music Service
日付:September 17, 2007
URL:http://www.cpwire.com/artman/publish/article_1650.asp

SpiralFrogといえば、当初は2006年12月よりサービスを開始する予定ではあったものの、CEOのRobin Kentが取締役会と対立し、その後辞任、そしてライバル(となるであろう)のQtraxへの移籍というスキャンダラスな一件とともに、遅々として開始されないサービスに対して、各所で批判的な論評がなされてきた(かく言う私もね)。しかし、それがついにローンチされるという。

米国時間9月16日、SpiralFrogはその広告ベースの無料音楽サービスを開始した。当初のカタログとしては、Universal Music Groupやインディペンデントレーベルの楽曲、77万曲、音楽ビデオ3.500本を配信する予定のようだ。現在のところ、サービスを利用できるのは、米国とカナダに限られる。

同サービスにおいて、ダウンロードした楽曲を再生するには、SpiralFrogにログインした状態で再生しなければならない。また、ダウンロードした楽曲を利用していくためには30日ごとにログインしアカウントをアクティブにし、60日ごとにライセンスを更新しなければならないようだ。楽曲は、Windows DRMが施されており、Windows Media DRMに対応したプレイヤーであれな、最大2台までに転送することが可能となる。Windows DRMであることからも、Windowsオンリーのサービスにはなるようだ。ただ、今のところ利用に制限はかけられないのだという。

また、SpiralFrogでダウンロードした楽曲を、FaceBookプロフィール上に表示させるアプリケーションも提供するようだ。もちろん、これは利用者の音楽的選好を提示させるためのツールでもあるのだろうが、その主な狙いとしては、SpiralFrogでダウンロード可能な楽曲のアピールといったところだろうか。

肝心のコンテンツは、Universal Music Groupと複数のインディペンデントレーベルから提供されている。かつての報道では、Universalとの契約は、使用料の事前支払い+広告による利益なのだそうで、若干のギャンブルが含まれてもいるようだ。ダウンロード可能な主なアーティストとしては、Beck, The Killers, Maroon 5, Amy Winehouse, U2, Black-Eyed Peas, Gwen Stefani, Kanye West, Nine Inch Nails, All-American Rejects, 50 Centなどのメジャーアーティストから、The Hold Steady, Kaiser Chiefs, Colbie Caillat, M.I.A., Snow Patrol, Klaxons, Marie' Digby, Shiny Toy Guns, Art Brut, Aesop Rock, Feist, Sufjan Stevensといったまさにこれからといったアーティストまで、そのカタログに含まれることになる。以前にはEMIとの提携も発表しているのだけれども、残念ながら今回のローンチには調整が間に合わなかったようで、カタログには含まれてはいないようだ。

SpiralFrogの代表であり創設者の、Joe Mohenはこう述べている。

大学生は音楽にすぐにアクセスすること、そして無料のものを望んでいます。しかしそれでも、彼らはアーティストの作品やその創造性にお金が支払われることを望んでいます。

まぁ、無料で欲しいけれど、アーティストに支払いがなされないというのも考えものだ、という相反した感情があるということだろう。そしてSpiralFrogはそれを実現するのだという。

SpiralFrogは-彼らの時間や注意以外に-ノーコストで音楽やビデオをダウンロードさせることになります。しかし、広告収入を楽曲オーナー達とシェアすることで彼らに補償することもできるのです。

また、Spiral Frog CEOのMel Schriebergはこうも述べる。

調査によると、音楽ファンは伝統的に、音楽を発見するためのサイトと、音楽をダウンロードするサイトが別であることが示されています。SpiralFrogでは、ユーザは新しいアーティストを発見することができ、お気に入りのアーティストの情報を調べることができ、欲しいと思う数多くの楽曲を無料でダウンロードすることができます。そこでは、ウィルスや、誤った情報、不完全なファイル、まばらなダウンロード時間といったP2Pサイトで見られる問題は一切存在しません。さらに、学生はRIAA空警告状が送付されてくる、といったことを心配する必要もないのです。

SpiralFrogは、単にダウンロードサイトというだけではなく、アーティストのバイオグラフィー、ディスコグラフィー、レビュー、アートワークなどもサイトに組み込み、音楽の探索、発見、ダウンロードといった一連の流れをカバーしようとしているようだ。

また、たとえ無料でのダウンロードといえども、それがユーザエクスペリエンスを大幅に不快なものとするのであれば、ユーザをひきつけるためには問題があるといわざるを得ないだろう。広告の提示とユーザエクスペリエンスに関しては、マーケティング・セールス担当部長のGeorge Hayesはこう述べている。

大学生は、広告が音楽へのペイとなることを理解してくれます。しかし、それは広告が音楽を楽しむことに干渉するということを意味してはいません。SpiralFrogはダウンロードされたファイルに広告を含みません。むしろ、受け入れやすい、楽しいやり方で、広告をユーザエクスペリエンスに組み込みます。熱心な音楽ファン層にダイレクトにアプローチすることができるため、SpiralFrogはマーケターにとって魅力的な機会を提供するでしょう。

おそらく、広告の提示は、ダウンロードしている間や、コンテンツをブラウズしているときなどに表示されるものだろう。確かに、楽曲ファイルそのものに広告を挿入してしまえば、ユーザエクスペリエンスは大幅にネガティブなものになりかねない。もちろん、より熱心にアプローチするためにはそのほうがいいのだろうけれども、かといってそうしてしまえば、多くの潜在的なユーザを逃すことにもなりかねない。このようなチャレンジングな試みには是非とも成功して欲しいものだ。

SpiralFrogは以前から、彼らのライバルは違法ファイル共有であるとしてきた。というのも、インターネット上でダウンロードされる楽曲が40曲あるとすると、そのうちの1曲しかペイされていないという現実があるからである。その39曲をダウンロードする人たちは、購入する気はないが無料であるからダウンロードすると言う人が少なからず存在する。そうした人たちをターゲットにしていると思われる。

SpiralFrogは、違法ファイル共有に対するアドバンテージとして、安定した品質とダウンロード時間、安全な環境、そして無料の楽曲を合法的に提供できることをあげている。いかなるウィルスもアドウェアもスパイウェアも心配することはない、と。その一方で、ビジネスの側にいる人たちには、広告収入をアーティスト、レーベル、出版社と分配することで、そのような無料の音楽からマネライズする方法を提供するのだとも言う。

安定したダウンロード時間、を売りにしているけれども、この辺がSpiralFrogにとっても重要な点なのだろう。ダウンロード時間中に広告が表示されることからも、その時間があまりに早いというのもあまり望ましいことではない。でもって、その時間を固定してしまうことが、ある意味では、時間がかかったとしても広告表示のための時間だしなぁ、と思われることで、ユーザエクスペリエンスを低下させないということもあるだろう。

まぁ、簡単に言えば、ダウンロードする際に広告を表示させられるNapsterというところだろうか。PressReleaseでは、詳しい仕組みは説明されていはいないけれども、これまでの報道から推測するに、コンテンツを常にアクティブにするためには、30日間ごとにログインしなければならないとされており、これは支払いの代わりに月極めでアクセスを求めるといった感じだろう。

近年数多くのオンライン配信サービスが開始されているが、その多くが有料サービスである。個人的に思うことは、そのようなサービスが競争したとしても、インターネット上で最もアクティブにコンテンツをやり取りしている人たちには効果的にアプローチできないのではないかと思っている。というのも、その多くが違法なファイル共有やYouTubeにアップロードされた無許諾のコンテンツを楽しむ人たちだからである。ペイ型のサービスでは届きにくいそれらの人々にアプローチする方法を見出すことが、そこからマネライズすることを可能にするだろう。

a) コンテンツを購入するユーザ、b) 購入しようと思ったが無料で手に入るのでダウンロードするユーザ、c) 購入しようとは思わないが無料なら手に入れたいのでダウンロードするユーザ、d) 購入もダウンロードもする気もないユーザ、簡単に累計してもこれだけ多様なユーザが存在する。その中で、ペイ型のサービスがアプローチできるのは、a)、ごく一部のb)に限られる。しかし、違法ファイル共有ユーザの大半がb)かc)かであり、現状ではそれらの人々から利益を上げるということは、ほぼ実現されてこなかった。

このような広告ベースの無料サービスがより促進されることで、結果的には違法ファイル共有ユーザにとっても別の選択肢が存在することになり、結果として違法ファイル共有を抑制しうる可能性があるのかなと思ったりもする。ただ、惜しむらくは米国・カナダ限定であるということとiPodでは利用できないということだろうか。前者に関しては、広告効果やライセンスの問題があるのだろうし、後者に関してはDRMの問題があるのだろう。少なくともAppleは同社のDRM技術を公開しておらず、他社がそのDRM(FairPlay)を利用することはできない。しかし、コンテンツプロバイダーはDRMの施されたファイルでなければ配信は許さない、というだろう。結果として、Windows DRM以外の選択肢はなく、iPodでの再生ができないということになる。なんとも複雑なお話よね。

**追記**

P2P BlogのJankoが結構痛烈にSpiralFrogを批判していた。ダウンロードが遅いとか、広告がうっとうしいとか、ダウンロードのたびにCaptcha(画像認証)しないといけないとか、ソーシャルインタラクションがないとか、UIがダメダメとか(iTunesというよりRapidShareだ)。ともすれば、無料なのに贅沢言うな、とも言いそうになるのだが、無料だからどうやってもユーザが利用する、というわけではないことを考えると、このような指摘も必要なのだろうね。

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